最後の晩餐にはまだ早い


南青山「MAMA」(2020年1月)

 この日昼は、南青山高樹町の「MAMA」のランチへ伺う事に、平垣内オーナー&市村料理長に相談したい用件があったからだが、一人では面白くないと急に友人を誘ってしまった(笑)。
 此処の料理ジャンルを何に入れるべきか迷うのだが、平垣内、市村両氏共にフランス料理それも赤い星が煌めく有名店の出身、それならフランス料理かと云われると、提供するメニューにはカレーライス、メンチカツにハンバーグ迄ある、自店を紹介するパンフレットには「和・洋・中の料理の良い部分を取り入れた、こだわりの『創作洋食屋さん』というカテゴリー」と明記しているので、一応「洋食」に分類するが、後述する料理は紛うことなきフランス料理だった(笑)。
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 予約時間の12時半に到着、店前の道路を挟んだ向かい側にマンションが建築中だった、これは飲食店にとっては吉兆、そのためではないだろうが、店は去年12月より定休日なしに変更、スタッフの交代勤務で進めていくそうだ、働き方改革に逆行するかも知れないが、種々の状況を判断して攻めていい時期と決めたのだろう、店内食だけでなくデリバリーも人気らしいので、今後の更なる展開を注目したい。
 入店時は殆ど満席、女性それもある程度年齢を重ねた人が多いと感じる、周辺に飲食店が殆どない事もあるが、客入りは好調みたいで、繁盛している店に共通するオーラと云うか、上向きでワクワクする雰囲気が感じ取れる。
 此の日の料理は「イベリコ豚(天使の羽根と呼ばれる肩甲骨部位)のとんかつ食べたい、あとは市村氏におまかせ」と勝手なお願いをしていたが(笑)、客の「わがMAMA」を叶える店、以下のようなフレンチのグランディネでも通用しそうな本格的なものになった。

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・自家製ポテトチップと黒オリーブ

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・前菜盛合せ(フォアグラといちじくのマーブル、ブランタード(鱈)とポテトのサラダ、蕪のスープ、カリフラワーのピュレ?)

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・尾長鯛のポワレ、春菊と生ハム、ブールブランソース

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・ちょっと色気づいたカレーパン

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・皮目を焼いたシャラン鴨胸肉のロースト、葡萄滓と赤ワインのソース

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・鴨モモ肉の春巻(アップルパイ仕立)

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・イベリコ豚天使の羽根のとんかつ、自家製カレー

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・栃木米ご飯、味噌汁

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・バニラのムース、ヨーグルトソース、苺、焙じ茶

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・ハンドドリップコーヒー、豆は堀口珈琲のもの

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・ショコラガナッシュ

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・平垣内オーナーが選んでくれた、私には勿体ない位のワイン(笑)。
白:Savigny Les Beaune Vieilles Vignes 2015 Genot Boulanger
赤:Château Haut Marbuzet2013

 野菜を主役にした前菜の後に、フランス料理の技法を使った尾長鯛のポワレは、皮目をしっかり焼き切り、酸味のあるソースと合わせて、これはフレンチの看板でもお金を取れる料理と思った(笑)。
 フランス料理店ならパンだが、出て来たのは「ちょっと色気づいた」と命名した一捻りあるカレーパン、これが面白い(笑)。
 この後「とんかつ」と思っていたら、何と違う肉料理が出て来た、それもフレンチの定番シャラン鴨で、皮目に細かく包丁目を入れ直焼きした後にローストする、そう市村料理長が在籍していた某高級店のスペシャリテだが、元は物故したフランス人有名料理人の料理、材料も調理法も同じだから、美味しくない訳がない(笑)。
 そしてリクエストした「イベリコ豚とんかつ」、私はこれが多分3回目だと思うが、何回食べても旨いなと納得する(笑)、ご飯も味噌汁も、そして「おまけ」に付けてくれたカレーも抜群だった。デザートもいいし、こだわっている茶やコーヒーも文句ない。
 バターやクリーム類は極力使わず、野菜を中心にして油脂も吟味しているので、フランス料理店での満腹感とは少し違う気はするが、「近い将来老人ホームを抜け出して来ても食べられる」そう思わせる料理だった(笑)。超高齢化社会を迎える此の国で、食べ応えはあるが毎日でも食べたくなる、重くない料理を提供する店が増えるだろう事を予感させる。
 私自身も見映え重視の最近のガストロノミーには食傷していて、此の店や五反野「和ろく」みたいに、「オリジンが何処だろうと、旨くて安ければ文句ない」に傾きつつある(笑)。

 市村料理長は奇しくも私と名前が同じ(字は違うが)、そして誕生日も同じと云う偶然、どうやら味に関するケミストリーも合うようだ(笑)。昨年電撃結婚?したからと云う訳ではないが、ダイエット敢行中だそうで、顔も身体も以前よりスッキリした印象、好きだった揚げ物を避けて、野菜中心の食に替え早食いも止め咀嚼を心掛けているらしい、私も見習わないといけないと心に誓った(笑)。
 これだけ食べて飲み、平垣内&市村両氏に好きな事を喋り、何とお土産までいただいて支払いは格安、これを書いている今は申し訳ない位の気持ちで、手ぶらで行ったのを後悔している。色々とありがとうございました、差額を出世払い?するために必ずまた伺います(笑)。


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内幸町「かつ吉 日比谷国際ビル店」

 昨年9月に日本橋高島屋S.C内に移転オープンした「かつ吉日本橋」をブログ記事で取り上げたが、印象が良かったので同じグループ内の日比谷国際ビル店が気になった。グループのWEBページ内の文章を引用させてもらうが、
『戦後間もない昭和30年代内幸町に「かつ吉」の創業者故吉田吉之助が開いた洋食店「はとや」がございました。その後ビルの建て替えで移転となり、業態を替え『かつ吉』となりました。内幸町は弊社の出発地です。日比谷国際ビル(三菱地所)様より誘致のお話をいただき、平成26年4月、約60年の時を経て、再びこの地にお店を出店させていただく運びとなりました。』とある。
 日本橋店と一番違うのは営業時間で、あちらは高島屋の休館日以外は年中無休だが、ビジネス街にある日比谷店は土日祝が定休、料理や店内がどう違うのか知りたくなり、私には珍しく銀座へ出掛ける時に訪れる事にした。

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 店の場所は千代田区内幸町、日比谷公園・公会堂の並びで、1973年迄日本放送協会(NHK)が在った場所、NHKが渋谷へ移転後「日比谷シティ」として再開発され、その中の一つ日比谷国際ビルの地下1階に店舗がある。
 正午前だったので、店前で持ち帰り弁当を並べているのが、まず日本橋店と違う点、店の入口は気楽に入れそうな雰囲気ある。
 開店時間直後に入店、「椅子席、カウンターどちらでも」と女性店員に云われたが、一番奥で落ち着きそうなカウンター席に座る事に。
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 ランチメニュー、内容は日本橋店と違い「ロースかつ」「ヒレかつ」が含まれていて、値段も少し安い。
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 ランチメニュー以外の通常とんかつのメニュー、こちらも日本橋店より1~2割安い。
 店へ向かう迄は「ロースかつ」を食べて、日本橋店と比較するつもりだったが、ビル内の雰囲気からサラリーマン時代を思い出して(笑)気が変わり、通常のランチメニューから「三味盛り(豚メンチカツ、海老かつ、かにクリームコロッケ)」(税込1,680円)を注文する事にした。
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 卓上の調味料、日本橋店と違い、とんかつソースとドレッシングは磁器製の容器に入れている。
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 古陶磁や古民具を飾っているのは、かつ吉グループ共通、此の店は地下に在るので、天井が低いせいか、水道橋店と雰囲気が似ている。
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 これもかつ吉共通の山盛りサラダ、千切りキャベツ中心だが、お代わり可なので野菜不足の身には嬉しい。
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 漬物、大根ともやしナムル、何気ないがいい味。
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 明治期の印判皿に乗せた三味盛り、海老かつ用にタルタルソースが付いている。海老かつ⇒かにクリームコロッケ⇒豚メンチコロッケの順番で食べていく。どれも丁寧に作られていて、揚げの技術も問題ない。中では海老かつが一番良かったか、それなりの値段な事もあり材料の質はいい、ただ豚メンチだけは悪くはないが少々平凡かなと感じた。
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 これもかつ吉共通の青しそご飯、白飯も選べるが此処へきたらやはり頼みたくなる、開店直後なので勿論炊き立て、「旨い飯が食べたければ開店一番で行け」は鉄則(笑)、お代わりしてしまった。
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 赤だしも共通、出汁もいいし味噌も良質、青しそご飯とこれだけでも十分ご馳走と思えてくる(笑)。
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 着席時はポットに入った冷茶、食事が終わった時に熱いジャスミン茶を出してくれるのは嬉しい。
 支払いは1,680円也、サラリーマン時代なら贅沢ランチだが、収入が少なくなった今、そう高くないと思うから不思議だ(笑)。日本橋や水道橋店と比べると、対象客はビジネスマン&ウーマンが中心なので、1時間で食べ終えるのが大事、「ゆっくり食べたい」が主目的なら、値段は高めだが日本橋店の方が向いていると思った。
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 数種並べた弁当、値段は700~800円でサラリーマンの財布には優しい、10月以降の軽減税率適用後は更なる需要増がありそう。此の店が入っているビルのエントランスには、ベンチや座るスペースが設けられていて、昼時は主に若い人達が、買った食べ物や自前の弁当を広げている。その姿を見ていると、自分が既に失ったものを見せつけられる気がしたが、これから貴方達の時代だ、やや傾きつつあるこの国を支えて行ってくださいと、口には出さないが年寄はつい願ってしまう(笑)。
 



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日本橋「かつ吉 日本橋高島屋S.C.店」

 付き合いの長いFB友人が、大阪府内で最も有名と云える、某とんかつ店の訪問記をウォールで書いていて、それ読んで以来美味しいとんかつが食べたくなった(笑)。我家から自転車で行ける範囲には、とんかつ格安チェーンの店があるが、これは日常使い?なので、もう少しグレードの高い店へ行きたい。
 とんかつ熱は一度熱くなると冷めないもの、よし何処かに食べに行こうと思ったが、その週は旧盆期間なので夏休みの店も多い、店まで行って閉まっていた時の落胆を考え、商業施設やデパート内なら営業しているだろうと、何処かいい店ないかとネット上で調べてみた。そして決めたのが日本橋高島屋新館内に、昨年移転オープンした「かつ吉日本橋」だった。
 「かつ吉」グループは元々日本橋室町からスタートした、三越前に現在も在る「吉田」と云う蕎麦店の地下にあった店は、50年位前(!)に父親に連れられて行き、「とんかつってこんな美味しい食べ物なのだ」と、子供心に感動したのを覚えている。老朽化により一旦閉店し、今回場所を変え再オープンした。
 グループは現在、㈱かつ吉と㈱菩提樹に枝分かれしているが、どちらも代表者は創業者と同じ吉田姓なので一族だと思う、日本橋店は菩提樹グループの店。
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 店の場所は高島屋新館S.C.6階、高島屋の店舗増設リニューアルに併せ、昨年9月にオープンしている、本館には「次郎」や「野田岩」と云った、古くからの顧客向けの老舗が入っているが、新館には若いファミリー層を意識したテナントが多い。盆休み期間なので平日ながら結構人が集まっている。
 11時の開店直後に入店し壁際席に案内されるが、既に数組入店していた。
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 以前の勤務先近くで何回か訪れた「水道橋かつ吉」には、創業者が収集した古陶磁や民具が数多く飾られているが、こちらも数は少ないながら、明治期印判の皿や猪口が並んでいる。
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 ランチメニュー、「冷やしかつ丼」はマスコミにも取り上げられる、かつ吉グループの夏のスペシャリテ。
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 通常のとんかつメニュー。ここはやはりとんかつだろうと、「特上ロースかつ」か「ロースかつ」で悩むが、新店一回目なので無難に「ロースかつ定食150g」(税込2,300円)に決めた、場所柄外国人客も多いので税込表示にしているのは賛成。
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 水道橋店ではソースやドレッシングは自店製みたいだったが、こちらは販売もしている瓶入の物を使っている。
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 まずはグループ共通のボウル入りキャベツサラダ、とんかつが揚がる迄の前菜的な意味もある、お代わり可。
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 漬物二種、新鮮さが感じられ美味しい。
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 ロースかつ到着、かつ吉グループは厚みのある豚肉を「低温で油の中で煮るように揚げる」のが特徴。
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 真中の切身、揚げ衣は割と厚め、ロース肉でも中心をロゼ色で仕上げる店もあるが、こちらは中まで火が入っている、「わじまの海塩」を振って食べてみると、肉の旨味と香りが伝わってくる、有名なブランド豚ではないみたいだが、なかなか美味しいとんかつだ。続いてソース2種を付けて食べるが、個人的には「超辛口ソース」の方が好み、ご飯と一緒なら塩よりソースが合うと思う。
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 かつ吉の赤だし味噌汁は定評ある美味しさ、渋味のある赤味噌がとんかつの脂を切ってくれる。
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 かつ吉定番の青じそご飯、勿論白いご飯も選べるが、やはりこれをお願いしてしまう、ご飯の質と炊き方は問題ない、お代わり可。

 かつ吉のとんかつは久し振りだったが美味しかった、定食2,300円と聞くと高いかなと思うが、店内の雰囲気も含めて納得の内容、暑い日なので入店~食事中は冷茶、食べ終りを見て熱い焙じ茶を出す店側の気遣いにも感心。真夏や真冬でも外に出ないで地下鉄から直行可能で、平日だから並ばず、席待ちの客に急かせられる事(心理的に)もない、また来たい店だと思った。
 50年前の記憶は曖昧だが、水道橋店と比べてもそう遜色ない内容、デパートの中と云う条件を考えると、このレベルを維持できるのは立派だと云える。新丸ビル内にも店舗あるが、色々比べるとこちらの方を利用したいと思う。
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 高島屋本館1階入口正面に展示してあった、9月に来日する英国ロイヤルオペラハウスの上演作品「オテロ」の舞台衣装、こうしたものが違和感なく収まるのが、さすが老舗百貨店の歴史ある建物の底力、因みに東京文化会館でのS席料金は59,000円(!)との事で、衣装だけでも無料で見られるのは得した気分だった(笑)。


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秋葉原「長崎トルコライス食堂」

 ブックオフで入手した、2005年発行の柏井壽著「食い道楽ひとり旅」(光文社新書)を読んでいて、冒頭に出て来る「トルコライス」が食べたくなった。
 長崎のソウルフードとも呼べる食べ物で、ワンプレートの中にカレーピラフ、カツレツ、スパゲッティナポリタンが盛られたもの、店によっては多少構成要素に違いがある。たしか以前に東京でもブームになり、オリジン弁当のメニューにもあったと記憶する。
 筆者は京都在住で歯科医業の傍ら、旅や食べ物のエッセイを執筆しているが、このトルコライスを求めて、長崎まで夜行寝台列車(当時あった「あかつき」)に乗り旅に出る、そして元祖とされる店を訪れる。
 私も長崎まで行きたかったのだが、諸事情で断念(要はお金が無かったのです(笑))、東京で食べられる店をネット上で探してみた、そして辿り着いたのが、秋葉原に在るその名も「長崎トルコライス食堂」で、去年12月にオープンしていた。秋葉原なら私の第二の故郷、早速行ってみる事にした。
 何故「トルコライス」と云う料理名なのかについては諸説ある。まず天津に天津丼が無いように、トルコにトルコライスは無い(笑)、一般的なのはカレーピラフがインド(アジア)、スパゲッティがイタリア(欧州)、豚カツがその中間の「架け橋」になるから、世界地図では同位置にあたるトルコの名前を付けたとされるもの、ただ回教徒の多いトルコでは豚肉ご法度なので、疑わしさもある。
 別の説ではカレーピラフ、カツレツ、スパゲッティナポリタンで三色だから、トリコロール(三色旗)から命名、「トリコ」⇒「トルコ」になったと云うもの、著者もこの説を採っているが確証はない。

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 店はJR秋葉原から御徒町駅へ向かう高架下ショッピングセンター「CHABARA」内にある。この施設は全国各地の名産品を集め販売するショップで、長崎県の物販コーナーが店に隣接している。
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 場所は西側出入口入ってすぐの処、コーヒーショップみたいな簡素な造りだが、11時半の開店直後ながら既に2組着席中、カウンター席に案内された。
 トルコライスはパーツの違いで5種類、初回でもあり「スタンダードトルコライス」(単品だと税別1,000円、スープ・ドリンク・長崎カステラが付くセットだと1,500円)のセットに決めた。
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 ドリンクは東京では珍しい長崎名産の「バンザイサイダー」を選ぶ、たぶん初体験だが昔の三ツ矢サイダーみたいな懐かしい味がした(笑)。
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 厨房の前に並んでいたソース類、このチョーコー醤油㈱製のソースが、長崎洋食味の決め手になるみたいだ。
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 暫くしてやって来たのがトルコライス、なかなか堂々としたビジュアルで、基本の三種盛にオマケみたいにカレーコロッケが付いている、生野菜があるのは嬉しい。
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 カツ部分UP、文字どおり「紙の様に薄いカツ」(笑)だが、トルコライスにはこれが合うのかも知れない、少し甘口のドミグラソースがかかっている。
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 教科書どおりのスパゲッティナポリタン、ケチャップ味にドミグラ味が加わり、何処か懐かしく昭和的な味。
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 カレーピラフ、炒めたのではなく炊き込みタイプだと思う、米質・調理は悪くない。
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 食べ終わる頃に出て来たスープ、魚介出汁と長崎醤油がベースみたいで、独特の味わいあるが私は嫌いではない。
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 長崎カステラ、これは100%文明堂カステラの味がした(笑)。

 此の内容で支払いが1,620円なら満足できると思った、全体的に万人向けの判り易い味で、トルコライスは別名「大人のお子様ランチ」とも呼ばれるそうだが、それが理解出来る、日本人でこの味を嫌いな人は少ないと思う。毎週ではなくても月一位には食べに来たいと思ってしまうが、長崎出身で子供の頃から親しんでいれば、余計にそう思う筈だ。
 黒船来航前から外国に門戸を開いていた長崎で生まれた、少しハイカラでお洒落、日常の少し上のご馳走と云う印象。給料日過ぎのお父さんが子供に「明日メシ食いに行こう、何がいい?」と訊くと、子供が「トルコライス!」と答える、そんな光景が浮かんでくる。
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 窓の外は雨、つい「あなたひとりに かけた恋・・」と、内山田洋とクールファイブの「長崎は今日も雨だった」を口ずさみたくなる、トルコライスには雨が似合うようだ(笑)。


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南青山「MAMA」(2019年6月)

 今年の3月にダイヤ改正があり、地下鉄千代田線が利用しやすくなった、特に始発と終点行きに乗れ、平日昼ならまず座って往復出来るのは、腰痛持ちの私にはありがたい、お酒が入っても寝て乗り過ごす心配もない(笑)。そんな事もあって、地下鉄に乗り都心へ出る時は、つい千代田線沿線駅の店を選んでしまう。
 今回も表参道駅を利用する、南青山高樹町の「MAMA」へランチ遠征する事にした。駅からは少々歩くが、246号~骨董通りを歩いて行くと、今時のお洒落な店と美女たちがウオッチ出来るのでそれも楽しみ、地元ではヘソ出して歩く若い女性は居ないが、此処では見られる(笑)。
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 12時ちょうどに店に到着、オーナーの平垣内氏が入口で迎えてくれる。店前の緑も大きくなった。「△△△△△△」のマークは何?と思うかも知れないが、「MAMA」の店名を図案化したもので、なかなか洒落ている(笑)。
 大きく細長いテーブルだが、普段はカウンターとして使っている席の一番奥に座らせてもらう、予約時に「これとこれが食べたいな」と勝手にお願いしたら、市村料理長がそれを入れた特別定食を作ってくれた、内容は以下のとおり。

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・野菜の前菜
 左から:コーンとヨーグルトの冷製スープ、ビーツの野菜カクテル、雲丹と人参

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・白ワインを一杯
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・甘鯛を鱗付けたまま焼き、オマールと軽いブイヤベース仕立て。

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・イベリコ豚のメンチカツ、イベリコ豚のとんかつ、油淋鶏の3種盛定食

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・メンチカツUP

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・油淋鶏UP

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・味噌汁のお替りに、何故かカレーが付いて来た(笑)。

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・卵型の容器に入れたブランマンジェと小豆餡

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・チョコレートと栗のモンブラン

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・ハンドドリップの堀口珈琲と静岡緑茶

 まずはお馴染みの野菜前菜からで、普段野菜不足な身体に、良質な野菜料理が浸みていく、中でもヨーグルトの酸味を加えたコーンのスープが、もっと食べたいと思う逸品だった。
 甘鯛料理はさすが高級フレンチのスーシェフだった市村氏ならでは、何気なさそうでいて、この皿に入っているのは、フランスと日本で学んだ多くのものが凝縮されていると感じる。
 メインは私の希望で、「イベリコ豚メンチ、イベリコ豚とんかつ、油淋鶏の3種盛定食」、イベリコ豚料理は此処のスペシャリテだが、過去食べていなかったのがメンチカツ、これに「天使の羽根」とも呼ぶ肩甲骨部位肉のとんかつ、更に週替わり定食から油淋鶏を備前の俎板皿に乗せ登場、まるで発白中の大三元が揃ったみたいな嬉しさに興奮(笑)。
 ご飯も味噌汁も上質、味噌汁のお替りをお願いしたら、ストウブのミニココットに入ったカレーまで出た、まるで盆とクリスマスと正月が一遍に来たみたい。揚物ばかりだと食べた後には胃が重い時があるが、素材も油も良質なので、全くそんな心配はなかった。デザート2品もいい。
 市村料理長と私は名前が同じだし(字は違うが)、同じ4月生れの牡羊座(年齢はかなり違うが)、味に関してもケミストリーが合うのかも知れない(笑)。
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 「フランス料理の哲学に基づいて丁寧に仕上げた定食」が店のコンセプトだが、そう云うのは簡単だが実践は難しいものだ、店がやろうとしている事と、客が求めるものが一致している稀有な店かも知れない。既製服ではなく客の要望に極力カスタマイズする、オートクチュールなレストラン、多様化の時代に求められ生き残るのは、こうした店かも知れないと思う。
 居心地のいい店内なので、つい長居してしまう、B&Wのスピーカーからは食事や会話の邪魔にならない位の音量でジャズが流れ、テーブルや椅子等のインテリアも上質、「どうだ、参ったか」みたいな、上段から振り下ろす豪華さとは違い、あくまでも日常の少し上だが、多忙な庶民には届かない、華美ではないが静かな極上と云う印象。
 正式な茶会に招かれた事はないが、此の店ではたぶんそれに近い事をやろうとしているのではと思う、平垣内&市村両氏が主人になり、選ばれ招かれた客人が接待を受け、部屋の設えを褒め、器を愛でて料理と茶を堪能、主人のもてなしに感謝する。主人と客は美意識を高め合い、此の場に往きて還れる事は茶道の基本である「一期一会」の世界、そう云えば二人が身に着けているユニホームの帽子は、千利休が被っていたとされる頭巾に似ている(笑)。
 勿論何も知らなくても客は楽しめるが、美術、音楽、料理について少し知識があれば、なお楽しめる店、どちらかと云えば量より質を重視したい、人生経験を積んだシニア向けの店だと思う、最後の贅沢は此処にあった(笑)。
 デリバリー部門も好調と聞いた、このままのスタイルで続けて、客が老いても立ち寄れる店であって欲しいものだ(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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