最後の晩餐にはまだ早い


綾瀬「カフェ・カルム」と新選組

 このブログでは、カフェや喫茶店の記事が少ないが、理由は簡単で滅多に利用しないからだ(笑)。過去食べ物があまり美味しくない店が殆どだった事、且つ私が根っからの貧乏性で、喫茶店で本読む事や書き物するなら、家でやれば無料だと考えてしまい、勿体ないからだ(笑)、その分のお金はランチに回そうと思ってしまう、タクシーに乗らないのも同じ理由。
 そんな貧乏くさい私だが、地元に秀逸な珈琲専門店があるので紹介したく、今回記事にする事に。

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 店の名前は「Calme(カルム)」、仏語で「穏やかな、静かな」を意味する言葉だ。元々埼玉県越谷市内で営業していたが、2014年2月に現在の足立区綾瀬に移転して来た。
 店の場所は東京メトロ千代田線綾瀬駅西口を出て、綾瀬警察のある北方面に進み、東京武道館敷地の道を挟んだ西側。

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 営業時間は10:30から19:30までと短い、入口にメニューが掲げてあるが、コーヒーだけでなく、ソフトドリンク、軽食にケーキ類も提供している。

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 店に入ると目の前にズラリと並ぶ高価なカップ、WEB情報で知っていたが、実物を見ると圧巻だ、店主が集めたもので100個近くあるそうだ。

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アイスコーヒー用の水出しコーヒー機も備えている。

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・ドリンクメニュー

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・軽食メニュー

 この中から「チキンフォカッチャ」とコーヒー(ブレンド)のセット(税込900円)をお願いした。嬉しいのは使うカップを選べる事で、そのためのアルバムまで用意している。
 店は年配のご夫婦だと思う2人で営んでいて、夫がコーヒーや食事類を作り、奥さんがサービスをする。この日は土曜日でほぼ満席になった、駅から少し歩くが知っている人は知っている店だ(笑)。
 
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 選んだカップは月並みだが、ウェッジウッドの「フロレンティーンターコイズ」、コーヒーは店主がネルドリップで淹れるので、どうしても時間がかかる、待てない人は瞬時に機械抽出するコーヒーショップへ行った方がいい。
 香りが高く味は淡麗、飲んだ第一印象は濃い目だが、雑味がないので舌にも喉にも引っかからずスルスルと入っていく、苦味と酸味のバランスが良好で香りと余韻に包まれる。おそらく店主は確固たる「自分の味」を持っていて、それに合わせ豆の配合や焙煎、抽出時間を調整していると思う、優れた演奏家は楽器が変わっても「自分の音」を出せるが、それと同じだ、チェーン系コーヒーとは明らかにレベルが違う、名人の域を知った思いだ(笑)。

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・チキンフォカッチャ
 中に照焼きみたいな味付けをした鶏モモ肉と野菜、フォカッチャ自体は柔らか目、これは普通に美味しかった。

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・モンブラン(ブレンドコーヒーとのセットで750円)
 同行者が注文したものを試食(笑)、ケーキは自家製ではないと思うが、添えたソースは自家製みたいだ、これも普通に美味しい。

 久しぶりに美味しいコーヒーを飲ませてもらった、店がある事は以前から知っていたが、これまで来なかった事を反省する(笑)。店内にゆったりと流れる時間は、忙しい現代では貴重な雰囲気で、チェーン系ショップでは味わえないものだ、この店にPCとスマホは似合わない。
 若かった頃は、自分が年取ったらこんな喫茶店をやりたいと思っていたが、現実に高齢になった今は、主宰するより参加する側で居た方が楽だと云うのがよくわかった(笑)。
 失礼ながら店主も相当な年齢みたいなので、この先何時まで続けられるかは不明だか、此処はまた来たい店だ。
 珈琲とは無関係だが、店の近くに史跡、正確には史跡跡があるので紹介したい。

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 慶応4年(1868年)=明治元年、「鳥羽・伏見の戦い」「甲州勝沼の戦い」で、新政府軍に敗れた新選組一隊は江戸に戻って再起を図るが、将軍慶喜は朝廷に恭順姿勢、市中での戦いを避けたい幕府からは疎まれ、当時「五兵衛新田」と呼ばれていた郊外地にある、豪農地主の金子家を頼って滞在する、約19日間227名の隊員が宿泊したとの記録が残されている。この金子家が現在でも同地(現:足立区綾瀬4丁目)に、代替わりしながらも存在している、勿論当時より敷地規模は小さくなり、建物も新しくなっているが、立派な門構えに往時が偲ばれる。この後一隊は千葉流山に陣地を敷き政府軍と対するが、劣勢を悟った隊長の近藤勇は投降し後に板橋で処刑、副長土方歳三は旧幕府軍に合流し函館で戦死する。
 同地は現在も住居なので非公開だが、この道を近藤や土方が歩いたと思うと感慨深くなる。それから約150年経った事になるが、義に生きて義に死んだ彼等が、コンクリートに囲まれ自動車が頻繁に往来し、人が印籠みたいな物を見つめながら歩いている、現在の江戸(東京)を見て、どんな言葉を語るか聞いてみたいと思ってしまう(笑)。

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札幌のカフェと喫茶店(2015札幌食べ続け⑧)

 最近、札幌には年1回のペースで来ているが、去年あたりから気付いた事で、市内には居心地のいい喫茶店・カフェが数多くある。冬が長くインドアで過ごす習慣が浸透しているからだろうと思うが、名所旧跡観光に殆ど興味のない私みたいな変な旅行者には、こうした店を訪れるのも楽しみの一つになった。
 国内でも国外でも、山の中みたいな場所は別にして、ホテルで朝食を食べる事は滅多になく、ホテルから抜け出て街中の店に入る事が多いのだが、札幌は早朝から営業している店も結構あり、この手の店には事欠かない。
 「札幌食べ続け」の番外編として、今回利用した店を紹介しておきたい。

・「ジ・エンド・カフェ」(西16丁目)
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 ホテルの近くにあり、7時半から早朝営業(11~3月は9時から)していて、不思議な名前に惹かれて入ってみた。
 店主はドアーズファン?と思ったのだが、帰ってから店のWEBページを見たら、
「THE END CAFÉは元々カナダのバンクーバーにあるローカルカフェの名前でした。(中略)お店に来ていただいたお客様には、また戻って来てほしい=最後に辿り着くカフェという意味も込め、付けさせていただきました。」
 と命名の由来があった。 
 店内はなかなか落ち着いた雰囲気、禁煙でないのは惜しいが、落ち着いて時間を過ごせる、モーニングセット(7:30~10:30)はホットサンドセット(500円)とフレンチトーストセット(600円)の2種で、フレンチトーストが名物みたいなので頼んでみた。

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 セット内容は、バゲットを使用したフレンチトースト+サラダ+コーヒー、物からして「飛びぬけて美味しい」と云う程ではないが、この値段なら満足できる。窓外には近くの札幌医大病院内の木々が見え、本を読みながら寛ぐ時間は、日々のストレスから開放されていく(笑)。

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 ランチ時にはスープカレー等も提供している様だ。

・「南蛮屋珈琲店」(西16丁目)
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 これもホテル近く、早朝営業(8時~)と「自家焙煎珈琲」の文字に惹かれて入店した。店に入ると奥に細長い造りの客席、店主一人で対応していたが、全体的に古びていて「昭和の喫茶店」の雰囲気が漂う(笑)、ここも喫煙可。

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 注文したのはコーヒー+クロックムッシュ+サラダのモーニングセット(540円)、「クロックムッシュ」は薄切りトースト2枚の間に玉ねぎ、チーズ、トマトを挟んだシンプルなタイプ、コーヒーは昔風の深煎りタイプで美味しい。

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 ランチ時にはカレーやオムライス等も出している。

・名曲喫茶「ウィーン」(西7丁目)
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 「食べ続け」本編でも書いたが、狸小路アーケード内にあるクラシック専門喫茶店。此の地で50年以上営業を続けていると聞く。
 東京でも昭和の時代は各所にこうした「名曲喫茶」があったが、現在は絶滅寸前、私は時に数少なくなった店を訪ねているのだが、その情報を調べている内に、この店の存在を知った。

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 地下にある店舗は古く、客席のソファも古びて所々擦り切れている、マッキントッシュ(PCメーカーとは別)の大型スピーカー(XR290)を、同じマッキントッシュの大型アンプで鳴らしている。

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 コーヒーは500円、これも深煎り(札幌全体では深煎りが人気みたいだ)で昭和の味(笑)。
 入店時にはモーツァルトのピアノ協奏曲、続いてブルックナーの交響曲第9番が流れていた、音色は滔々と流れる大河みたいな印象、細部に拘るより曲全体を掴みで聴かせる感じだ。
 この場所で聴いていると、映画「フィールド・オブ・ドリームス」みたいに、既に故人となった演奏家や、知己のあった音楽愛好家達が、目の前に現れて来るみたいな錯角を覚えた、まさに昭和が蘇った(笑)。
 店主も高齢だが、やって来る客も高齢な男性一人客が多い、私の隣に座った白髪男性は座ると鞄の中から、近くの中古ショップで買ったらしきCDを取り出し、嬉しそうに眺めていた、街中に残された数少ない高齢男性が立ち寄れる場所になっている。
 これからそう長く営業を続けるとは思えないので、行くなら今のうちだと思う、札幌メモリアルとして記憶に留めたい場所だ。

 この他にもまだまだ魅力ある喫茶、カフェがありそう、札幌フレンチ巡りもいいが、カフェ巡りなら財布にも胃腸にも優しい(笑)、札幌を訪れたなら自分好みになりそうな一店を見つけてください。
 今回で「2015札幌食べ続け記」を終わります。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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