最後の晩餐にはまだ早い


2019年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いてデザート&スイーツ編だが、例年どおり私の好みを反映して、フルーツ系や白色系は少なく、茶色いものが多くなってしまった(笑)。まずはレストランデザートからで、
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・稲荷町「キエチュード」の「栗とホワイトチョコレートのフォンダン」
 去年も此の店のフォンダンを選んでいるが、結局これが好きだからと云うしかない(笑)、その場でないと食べる事が出来ないレストランデセールならではの皿。

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・大阪・上本町「レストラン・コーイン」の「エチオピア産カカオ70%のビターショコラをモンブラン仕立で」
 『「今年印象に残ったデザート」に選ばれるのを狙って作りました』と、料理人が自ら話したデセール(笑)、自信作だけあり手が込んでいる、個人的には甘さもう少し控えめが好みだが、選ばない訳にはいかない秀作。

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・六本木「ル・スプートニク」の「オレンジとショコラオレ(ジヴァラ ラクテ)のパルフェグラッセ、ショコラのキャレのチュイール、カモミールの泡」
 パティスリー勤務歴のある料理人はやはり違うと、あらためて思ったデセール、見映えの良さと味の構築に、他のレストランデセールとの違いを見せつけた。

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・東麻布「ローブ(L'aube)」の「キャラメル ショコラ」
 パティシェ界の女王は健在(笑)、デザインの良さと味の積層、甘味に複雑さを持たせる点では「ル・スプートニク」と双璧だった、年明け1月には平日ランチもあるので、レストランデセールを勉強したい人は行くべきと思う。

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・赤坂「ライラ(Lyla)」の「カヌレ 紅茶(カヌレ味のアイス、紅茶のジュレ)」
 「成程、こうしたやり方もあったのか」と感心したのは、赤坂の隠れ家的フレンチで出たプレデセール、何も云われずにカヌレの味を指摘出来たら、「神の舌」の持ち主です(笑)。

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・札幌・西17丁目「プロヴァンサル キムラ」の「ピスタチオクリームのパリ-ブレスト、グラスバニーユ」
 パリ-ブレストは、私がフランスで体験した中で最も印象深い品、なかなか日本で満足できるものに出会えなかったが、これは光っていた、シュー皮の軽やかさとクリームの味わいのバランス良好、画像を見ているだけでも、また食べたいと思う(笑)。

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・赤坂「古屋オーガストロノーム」の「マロンのガトークーラン、マロングラッセとマロンのグラスウイスキー風味」
 料理人は一つの食材を多種の調理で一皿料理にするのが得意だが、それをデセールに応用したと思った逸品、元々ファンダンやクーラン系の熱い甘味は好みで、それを冷たいグラス(アイスクリーム)と合わせるのは、レストランのアシェットデセールならではの、王道にして至福(笑)。

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・小川町「ZeCT(ゼクト)byLm(バイエルム)」の「炙りチーズケーキ」
 これはアイディアの勝利、カットした自店製レアチーズケーキを客の前でバーナーを使って炙る、ケーキが溶けていく様は諸行無常やホラー映画を連想する(笑)、インパクトある一品。

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・麻布十番「リストランテ・ジャニコロ・ジョウキ」の「そば粉のクレープとヘーゼルナッツのムース(ヘーゼルナッツのパウダー、食用パンジー)」
 以前から料理とドルチェに注目している料理人で、一見ジャクソン・ポロックみたいなカオス状態の皿ながら(笑)、味わいはバランスが取れている。9階からの眺めも良好、もっと評価されていい店だと思う。

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・神戸・三宮「ラ・カスエラ」の「クレマカタルナとペドロヒメネス」
 フランスの高級店に行くと、シャンパーニュやリキュール飲みながら、時間をかけてデセール味わう客を見かけるが、アルコールに弱い私でも、このクレームブリュレの原型とされるポストレと甘口シェリーの相性の良さは判った、駅直結の商業ビル内に在るエスパーニャ。

 店売りスイーツでは、地元応援の意味も含めて、葛飾お花茶屋の2店を挙げておきたい、
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・お花茶屋「タルトレット ドウゼン」の「焼きレアチーズタルト」
 2018年11月開業、祖父の理髪店を改装して始めた小さなパティスリー、店主は上野の有名店出身で、看板商品のタルトは一度味わう価値あり。

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・お花茶屋「おやつ屋マムマル」の「ほうじ茶とチョコレートマフィン」
 2018年10月開業した自宅併設型の狭小店舗だが、レストランパティシェール出身店主の焼き菓子類は個性的で美味しい、なお夫君は乃木坂のビストロ「TABLE MOTOH(ターブルモトオ)」店主で、此処もこれから楽しみな店(笑)。

 一年間このブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 飲食店では慢性的な労働力不足と後継者不在に加え、今秋以降には増税、台風到来、ラグビー熱と、特に個人経営店に厳しい年になってしまったと思う。私の地元周辺でも町中華、蕎麦、喫茶、ラーメン店等が次々閉店している、街中を歩いてシャッターの閉まった店舗を見ると、寂しさと暗澹とした気持ちに捉われてしまう。
 そんな中でも、1980年代生まれの若い才能が出て来ているのを知ると、暗闇に差す一条の光にも思えてくる(笑)、君達が次代を輝かせて欲しいと願う。そして若い人達へは将来の不安から消費を抑え貯蓄する事は反対しないが、週一いや月一でもいいので、個人店で外食してみては如何だろう?其処にはコンビニ弁当とは違う美味しさがある。
 食を提供する人、提供される人、全ての人にとって2020年が良い年である事を願っています。


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2019年「今年印象に残った店」(料理編)

 2019年も残り僅かになり、このブログ記事更新もあと2回の予定、年末恒例の「今年印象に残った店」を記録しておきたい、例年同様「料理編」と「デザート&スイーツ編」の2回に分ける事にする。
 毎年書いているが、私が訪れて此処に選ばなかったのが、印象に残らなかった料理&店と云う事ではありません、安定した料理には満足を感じたが、既に十分評価が確立されていて、この選に取り上げる必然もなく外した店もあります。
 利用した後、時間を経ても記憶に残っているか、ブログタイトルどおり人生最後の晩餐に選びたいか、今後の更なる発展が期待できるか等を考えて各12店を選んだ。
 まずは料理編からで、今年は先に「格が違う」と思わせた、3、4、5番打順の中軸打者?から紹介する事に。
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・大阪・玉出「びすとろぽたじぇ」の「サーモンのクリビヤック」
 海老沢泰久著「美味礼讃」の中に、1972年(昭和47年)大阪あべの辻調理師学校で行われた、仏料理公開技術講座の様子が書かれているが、其処に出てくるロシア出自の宮廷料理、作った料理人は受講者ではなく教壇側に居た歴史の生き証人(笑)、その料理を体験する事が出来たのは奇跡、後世に伝えていくべき傑作。

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・大阪・上本町「レストラン・コーイン」の「トリュフ丸ごとを丹波産猪の身と縮緬キャベツで包んで」
 「無双」と云う言葉はこの料理人のためにある(笑)。仏産黒トリュフ一個を猪の身で包み、上から縮緬キャベツで香りが逃げないよう更に包んで調理、盛付け時には上からトリュフと云う、書いている今でも「あり得ない」と思う料理(笑)、他の料理人は危険?だから真似しない方がいい、それを絶妙なバランスで仕上げるのが、この料理人の特質。

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・代官山「レクテ」の「青森産 リエーブルロワイヤル(アロマレッドと根セロリのピュレ)」
 古典料理の華とも云えるロワイヤル、鹿に転用した料理も経験したが、この料理法は野兎を使うのが最適な事を理解した。手間がかかるのでフランスのレストランでも提供されなくなっているみたいだが、PARISでもchefを務めた経験豊富な料理人に間違いはない、お金のない庶民でも王侯貴族の気分が味わえる(笑)。

 以下は美味しいだけでなく、作った人間の個性と何をしたいのかを感じて、記憶に残った料理の紹介を、
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・鎌倉「イル ノード」の「冬の平スズキ カダイフ 渡辺農園の人参をとことん味わう」
 2018年9月、鎌倉小町通り近くにオープンした、鎌倉野菜をリスペクトしたイタリア料理店、都内名店出身の気鋭料理人が一人で客と向き合う、この人参料理(魚料理ではないと思った)は記憶に残る鮮烈な味。

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・乃木坂「タンモア」の「ブルターニュ産仔牛-リードヴォー、フォアドヴォー、モモ肉のタルタル-、人参、グリーンピース」
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・赤坂「古屋オーガストロノーム」の「ブルターニュ産仔牛内臓(リ、フォワ、ロニョン)のデクリネゾン キャロット風味のソース ジロール茸のソテー添え」
 奇しくも同じエリアにある2店が、ブルターニュ産の仔牛部位を使った皿を構築、両店ともに的確に調理された内蔵の美味しさと、それに合わせたソースが印象的だった。

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・白金高輪「ラ クレリエール」の「スコットランド産グルーズ(雷鳥)、コーヒー(コロンビア・ラスラハス産)味のソース」
 ネット上の店評価はあまり信用しないが、此の店は評判どおり、いや評判以上にレベルの高い料理だった、料理・サービス・店のアンビエンスが高次元でバランス取れた優店、フランス料理店が乱立する今の東京で、初心者からフレンチフリーク迄、多くの客層に勧められる店だと思う。

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・六本木「ル・スプートニク」の「鯖の燻製、シャドークイーン、ロックフォールのソース」
 「ラ・クリエール」の料理人が自陣で戦の指揮を執る武田信玄とすれば、此の料理人は最前線で戦う上杉謙信(笑)。周りが付いていけない位の速さで、機関銃のように繰り出す、アイディア溢れる多皿料理と古典的肉料理が特徴、この時のムニュの質・量は今年訪れた店中でも圧巻だった。

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・入谷「サルデスカ‘Sardexka’」の「フランス産仔鳩のグリル、万願寺唐辛子と鳩の内臓のソース」
 意外な場所に在るスペインバスク料理を提供する秀店、店形態はバル風だが料理は本格派、特にこの鳩は焼き鳥用みたいなグリルを使いながらジャストな火入れで、独学派の料理人は火を完全に制圧していると思った、ビアンドのキュイッソンに自信のない料理人は、此の店へ勉強に行くべき(笑)。

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・三ノ輪「ビストロ ルミエル」の「三陸産牡蠣のフリカッセ、アカモクを使ったソース」
 入谷の隣だが、最近この辺りは穴場的に良店が出現している。去年から注目している覆面料理人?だが、現在料理は絶好調と感じた、そして間違いではないかと思うくらいに安い(笑)。赤白黄色本等に載る前に行った方がいい店、此処数年フランス料理店で味わった牡蠣料理では最上位。

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・稲荷町「中国意境菜 白燕」の「熟成黒醋の特製酢豚」
 2019年9月開業、1987年生れと云う激若な料理人が作るセンスある正統派中華、この酢豚はそれ迄の酢豚観を覆す美味しさ、此処もグルメ本に載る前に行った方がいい(笑)。「サルデスカ」「ルミエル」を含め、今台東区が面白い。

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・五反野「酒肴 和ろく」の「大葉たっぷり糠鯖茶漬、漬物」
 20年前の私は「本当に旨いもの」に出会うには、飛行機と電車と車を乗り継いだ所に行くしかないと思い込んでいた。それから齢を重ねて、実は自分の身近にも美味しいものはある、それに気づいてないだけだと、まるで「青い鳥症候群」みたいに悟ってきた(笑)。自転車で行ける、和の鉄人直系弟子の「へしこ茶漬け」は、人生最後の晩餐が終わった後に、隠れて一人で食べたい逸品、これがあればもう思い残すことはない?(笑)。

 次回は「デセール&スイーツ編」の店を紹介したい。


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2018年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いてデザート&スイーツ編を以下に続けるが、私の好みが偏っているので、料理編と同じく茶色が多くなった(笑)、チョコレートは好きだが、ショートケーキみたいな生クリーム&スポンジや、フルーツを使ったスイーツ類もあまり好まないので、それを頭に入れて読んで下さい。
 まずはレストランデザートからで、

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・稲荷町「キエチュード」の「チョコレートフォンダン、ラズベリーソース、ピスタチオのムース」
 手法的には古くなったかも知れないフォンダンショコラだが、ちゃんと作ったものは美味しいと云う実例、夏の白桃デセールも良かった。

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・麻布十番「グリグリ」のチョコレートのフラン、シュクレフィレ、黒胡椒風味のチュイール
 私にしては珍しいビジュアル系?(笑)、此の店の料理・デセール共に、もっと評価されていいと思うのだが。

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・竹ノ塚「キッチン エスプレッソ」のプリン
 グリグリと対照的な、非インスタ映えデザートだが(笑)、何とこれ200円と云う安さ、その割にはしっかり作った、美味しさを感じる固めのプリンで、柔らかプリンより断然好みだ。

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・外苑前「フロリレージュ」の「贈り物、アマゾンカカオ(チョコレートのクレープ、中にチョコレートのムース、チョコレートソース)」
 足立繋がりなら、フロリレージュの堀尾パティシェールは足立区出身、10月の「Gari-Garilege」のかき氷も良かった。木村カエラさん、波瑠さんに次ぐ、足立発の女性スターになれるか?(笑)。

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・東麻布「ローブ」の「ミルフィーユ、熊本産ブルーベリー」
 パティシェ界の女王此処にありと云うべき、「ローブ」の平瀬パティシェール、追加デセールでお願いしたこのミルフィーユは、現在の処生涯最上のミルフィーユ、羽根が生えたみたいな、次元の違う軽やかさだった。

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・護国寺「アドジ」のモンテビアンコ(モンブラン)
 元「パ・マル・レストラン」と云う、私にとって懐かしい場所に、2017年12月にオープンした若い料理人夫妻が営む小さなリストランテ、「友人夫妻の家に招かれた」ような、温かくて何処かホッとする店、料理も良かったが特にこのドルチェは印象的だった。

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・赤坂「古屋オーガストロノム」の「クレープで包んだバニラアイスクリームのベニエ、チョコレートソース」
 「インスタ萎え」と云う言葉があるそうだが、このデセールはその部門に該当すると思う(笑)、でも美味しいので困ったものだ。揚げパンとチョコレートとアイスを一緒に食べているような、子供の頃夢中になった味。

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・南青山「MAMA」の「MAMA特製パフェ、Xmasバージョン(シュトーレン入り)」
 ブログにUPしたばかりなので料理編では挙げなかったが、この時の特製洋食ランチは「最後の晩餐」に食べたいものになった(笑)、このデザートも文字どおり‘parfait’。

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・麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」の鬼おろし洋梨、ヘーゼルナッツのジェラート
 こちらは未だブログにUPしていないが、梨を大根おろす時に使う鬼おろしを使って擂り、ジェラートと合わせると云う、普通の発想ではまず出ないアイディアを使ったドルチェ、意外性の勝利。

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・大阪・玉出「びすとろぽたじぇ」のボキューズ風ウ・ア・ラ・ネージュ
 料理編でも書いたとおり、今年亡くなったP・ボキューズへのオマージュで、玉子だけでこれだけ深い味わいが出せるのが凄い。
 以下は店売りスイーツで印象に残った2店を、
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・蔵前「パティスリーFOBS」の「ティラミス」

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・田原町「レモンパイ」の「レモンパイ」
 この2店は近くにあり、出来れば両店へ行って欲しいと思う、最新のパティスリースイーツが「FOBS」なら、何処か昭和チックな洋菓子と呼びたい「レモンパイ」、どちらもいい店です。

 一年間ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました、私自身は一回の食事に2万、3万払うような高級店には、もう行かなく(行けなく?)なった。でも現在の日本、特に東京の食レベルは凄い処に来ていると思う、5,000円ランチの豊富さ、レベルの高さは世界の主要都市の中でも傑出しているのでは?と感じている、そして次々と若い料理人が出て来ている。
 人口減少と少子高齢化、若年労働人口減による人手不足と後継者不在、原材料やテナント料の上昇、東京では新市場への移転に伴う問題等、この国の飲食店を巡る環境は依然厳しいものがある、でも次代を担う才能が続いているのを知ると、食の未来は彼・彼女達が何とかしてくれるだろうとの期待を持っている。
 間もなくやって来る新しい年が、皆さんにとって明るく希望の持てる一年になる事を祈っています、どうぞ良い年をお迎えください。
 新年は1月4日からブログ更新の予定です。


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2018年「今年印象に残った店」(料理編)

 2018年も残り一週間を切り、間もなく平成最後の「行く年来る年」になる、このブログ更新もあと2回の予定なので、例年どおり「今年印象に残った店」を書いておきたいと思う、例年同様に、「料理編」と「デザート&スイーツ編」の2回に分けてまとめる事にしたい。
 いつも書いている事だが、私が訪れて此処に挙げなかったのが「印象に残らない店」だったと云う事ではありません、既に多方面で評価され、この零細ブログで取り上げる意味もなく、あえて外した店もあります。
 あまり知られていない店を中心に、利用した後も何かが記憶に残っているか、ブログタイトルどおりに、私自身が人生最後の晩餐に食べたいか?の視点で選びました、点数を付けたり順位付けするものではありません。
 まずは料理編からだが、今年は初訪問店に印象に残る店が多かった、それだけ日本の料理人のレベルが上がって来ているのだと思う、まずはフランス料理店から、

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・代官山「サンプリシテ」の「五島列島 真鯛 フェンネル」-一週間熟成させた長崎産の天然真鯛のブイヤベース仕立
 2018年1月開店、豊富なキャリアある料理人が、方向性を変えて挑んだ新感覚レストラン、日本人は魚介から離れられない事を再認識させてくれる、オープンキッチンの見本とも云えるオペレーションは見事、利用する時はカウンター席を希望する事。

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・三ノ輪「ビストロルミエル」の「大分産シマアジのカルパッチョ、魚醤風味のビネグレット」
 2017年6月開店、こちらもキャリアある料理人夫妻が、三ノ輪と云う意外な場所でオープンした地域密着型ビストロ。夜の4,800円のムニュは、私が知り限る都内有数のキャリテプリだと思う。「覆面料理人」を自称している理由は、店へ行って訊いてみて下さい(笑)。

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・恵比寿「ラ メゾン フィニステール」の「白身魚とオマールのクネル」
 2017年10月開店、料理の名門アカデミーを経てフランスで働き、昨年念願の独立を果たした実力派料理人、基本に忠実な楷書のフレンチと云う印象だが、これから柔軟さが加われば、名店になる可能性あり。

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・乃木坂「タンモア」の「銚子港から届いたキンメダイのポワレ、キノコのフリカッセ」
 2018年9月開店、今年の衝撃的出会いは此処の若い女性オーナー料理人に尽きる、「弾丸少女」「乃木坂のジャンヌ・ダルク」「料理界に現れた女モーツァルト」、形容する言葉が幾らでも出そうな、未知数の魅力を備えている、大袈裟と思う人は一度訪れてみて下さい(笑)。
 以下はフランス料理以外からで、
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・五反野「酒肴 和ろく」の「吸物:出汁一番(白菜と豚肉の重ね蒸し、春菊、黒こしょう)」
 2016年6月開店、地元足立にこんな秀逸な和食店が出来ていたのを、今年初めて知った。初代「和の鉄人」直系の料理人が作る夜5,800円の料理は、交通費出しても体験する価値あり、「料理屋は有名になる前に行け」は、特に和食では鉄則だと思う。

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・札幌・ススキノ「月下翁」の「マトンの赤腐乳煮込み、レタス炒め」
 2017年7月開店、ちょっと怪しげなススキノのビル地階にある隠れ家的中華、キャリアある料理人による、シンプルでいながら深味ある料理が体験出来る、此処も席数が少ないので「有名になる前に行け」(笑)。
 以下は既訪問店だが、私の定番とも呼びたい3店を、

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・赤坂「古屋オーガストロノム」の「‘Le Caille’ヴォージュ産ウズラの3プレパラション、胸肉のロティ、キュイスのブレゼ、リ・ド・ヴォーのセルベラ、ロワール産ホワイトアスパラガスとモリーユ茸」

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・代官山「レクテ」の「ガレット・ピエ・ド・ポー(豚足のガレット仕立て)」

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・札幌・西17丁目「プロヴァンサル・キムラ」の「積丹半島産鮃のパイ包み、茸のソース、秋トリュフ」
 まるで「茶色三兄弟」とでも呼びたいが(笑)、インスタ映え時代に逆行する地味で冴えない色合い、でも本当に美味しいのはこうした料理なのではと思う、目より舌と胃が揺さぶられる。
 今年はポール・ボキューズとジョエル・ロブション、フランス料理界の巨星二人が相次いで亡くなると云う、悲しい年になってしまった。特にボキューズはコロンジュ・オ・モン・ドールの本店で食事し、本人とも会っただけに感慨深い、今年2月の関西旅行時に、馴染みの料理人達に関連した料理を作ってもらったので、以下に紹介したい、

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・大阪・玉手「びすとろぽたじぇ」の「ボキューズ風ソール・フェルナン・ポワン」

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・和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の「スープ・オ・トリュフ・ノワール・ヴェ・ジェ・ウ( Soupe aux truffes noires V.G.E)」

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・大阪・上本町「レストラン・コーイン」の「ブレス産プーラルドのベッシー包み(胸肉部分)」
 後世に与えた影響も含め、あらためて偉大な料理人だったと思う。
 次回はデザート&スイーツ編を記したい。


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2017年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いてデザート・スイーツ編を。
 今年この分野は女性達の活躍が目立った、レストランは夜遅くまで営業があり立ち仕事が続くので、女子には相当厳しい職場だと思うが、悪環境の中で奮闘している彼女達を見ると、この業界の先行きもそう悲観しなくてもいいのかなと、希望が見えて来る気がする(笑)。まずは料理編同様、4番打者的存在からで、
・東麻布「ローブ」の
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・5月訪問時、右上から時計回りで、「黒オリーブ(スフレ) タイム(後でタイムのソルベを添える)」「リュバーブ レティエ」「花菜ローズ マンゴー」「フロマージュ 赤い果実」

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・8月訪問時、「桃のコンポート、バラ花のアイスクリーム(右)」「ババ、ピニャコラーダ、パスティスのクレーム(左)」
 平瀬パティシェール作のデセールからと思ったが、一つだけ選べず、結局全品紹介する事に(笑)。彼女のデセールに関して解説は余計だと思うので、まず見て感じてください、そして味わいに行ってください、それが一番です(笑)。

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・芦屋「オステリア・オ・ジラソーレ」のフォンダンショコラと栗のスープ、マスカルポーネの雪見仕立て
 2月関西旅行時に最も印象的だったデザート、作ったパスティッチェーラは現在イタリア武者修行中と聞いたが、更にレベルアップして帰って来るのが楽しみ。

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・新富町「プレニチュード」の「苺のヴァシュラン、ピスタチオのアイスクリーム」
 パティシェール界の新人ヒカリちゃんの仕上げが奇麗なデセール、彼女はこれから期待出来そう。

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・新橋「コフク」の「広島県産 檸檬(バジルの液体窒素)」
 これも新人美少女系?パティシェールの作品、料理もユニークな店だが、デセールも面白い、彼女も経験を積んでいけばきっといいパティシェになると思う。

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・外苑前「フロリレージュ」の「贈り物、アマゾンカカオ(小布施の栗、栗のクリーム)」
 此処も若手パティシェールだ、シンプルな作りだが記憶に残るもの、チョコレートと栗は「黄金の組合せ」だが、いい素材でも生かして使えるかは作り手次第。使っているこの器を作ったのも女性陶芸家だと思った。

 以下は男性料理人達が作ったデザートから、
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・麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」の「生八ッ橋とホワイトチョコレートのムース」
 生八ッ橋とホワイトチョコレートは「禁断の組合せ」みたいだが(笑)、意外にも合っていた。独学派でマンガ好きの若手、内野料理長の発想は何時もユニークだ。

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・赤坂「古屋オーガストロノム」の「いちごとミルフィーユ、さくらのソルベと共に」
 春のデザートだった事もあるが、内野氏作の物と続けると、それ迄の女性陣作デザートに比べてフェミニンな印象がする、「春に誘われた訳じゃない」か(笑)。

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・麻布十番「ラ・リューン」の「枇杷とアーモンド風味のソルベ、枇杷のグラニテ、福井の梅ピュレ」
 これは夏を感じさせてくれた、麻布十番で15年続く人気フレンチ、痩身の永田料理長の料理も良かったが、特にこの酸味の効いたデセールは印象深かった。

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・御茶ノ水「ビストロ・ヌー」の「ホワイトチョコレートのムース、キャラメルのグラス、ショコラマカロン」
 店の雰囲気と値段はカジュアル、味は本格派と云いたい秋葉原至近のフレンチ、イケメンの磯貝料理長と美人マダムの二人体制になって、料理もデセールも更に良くなって来たと感じた(笑)。

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・稲荷町「キエチュード」の「チョコレートタルト(ノエリー酒風味)ラズベリー チェリー カボス・カルダモン・ジンジャーのアイス」
 荒木料理長が「自信作です」と云うだけあって、各素材のバランスが良好で、また味わいたい一品。
 チョコレート、バター、バニラビーンズ等原材料が値上がり続ける中で、どうしても原価が限られるレストランデザートだが、どの店も本当に苦労して工夫していると思う。
 
 以下はレストラン以外で、
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・表参道「グラッシェル」の「かぼちゃのパフェ」
 パフェブームが続いているが、都内で出会える最上質な店の一つだと思う、「プリンパフェ」も良かったが、南瓜と云うあまりパフェとは結び付かない素材を使い、印象深い味に仕上げるのは作り手のセンス、値段はそれなりにするが納得出来る、満足感は大きい。

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・西新井「エスキモーカフェ」の「かぼちゃアイス&ミカンのシャーベット」
 地元で見つけたアイスクリーム専門店、私は「下町のグラッシェル」と呼んでいる(笑)、これも南瓜を使ったアイスだが、焼く事で香りを増していい出来だった。

 一年間ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
 勤めをリタイアした後は、千円ランチ専門ブログになるかなと思っていましたが、何故か現役時代以上に高級店も出かけています(笑)。何時までこれが続けられるのか分かりませんが、体力が続き財布が空になる迄、来年も食と人を語れたらと思います。
 混迷が続く世界情勢ですが、食を通じて人がもっと幸せになれる社会である事を願っています、皆さまどうぞ良い年をお迎えください。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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