最後の晩餐にはまだ早い


正月のアメ横風景

 JR御徒町駅~上野駅間の高架下と、道を挟んだ西側に並ぶ商店街をアメヤ横丁、通称「アメ横」と呼ぶ、名前の由来は諸説あるが、戦後米国の進駐軍物資を売る店が多かった事から「アメリカ横丁」が訛ったと云う説と、飴を売る店つまりアメ屋が多かったからと云う説がウィキペディアでは紹介されている。
 上野駅に近かった事から、集団就職で上京した人達が、帰省時に此処で生鮮食品や乾物を買って帰る事が多くなり、高度経済成長期に発展した。現在でも年末になると正月用の食品を買い求める客で賑わい、マスコミで紹介される。近年は若者向けの洋品や雑貨を売る店、更に飲食が出来る店が増え、外国人観光客も多く訪れて一年中賑わっている。
 私は小学生の頃から父親に連れられ正月用品の買物に来ていた、社会人になってからは、勤め帰りに気晴らしのため界隈を歩く事が多くなり、現在は安い珈琲豆を買うために月一回位は訪れているから、およそ半世紀の間この街を見て来た事になる(笑)。
 前記事の「キエチュード」の帰りに、正月のアメ横を歩いてみて、興味深い店舗等を紹介したいと思う。

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・「大統領」
 アメ横と云えばまずはこの店(笑)、御徒町と上野の中間程の場所にあるガード下店舗、1950年創業で朝10時から営業している、この画像は午後2時位だが大盛況、もつ焼きがメインメニューで向かい側に支店もある。アメ横初心者は此処と隣の餃子店「昇龍」(現在改装中、近くで営業)、向かいの中華料理「珍々軒」の3店は「黄金のトライアングル」なので抑えておきたい、昼間からディープです(笑)。

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 アメ横はオープンスタイルの店が多いが、最近はこうしたクローズな店舗も増えている、この店は「養老乃瀧」グループだそうだが、何となく大阪心斎橋あたりの雰囲気がある(笑)。

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 「串あげ90円~」「生ビール360円」の店、若い女子2人が店前で入ろうか悩んでいた(笑)。

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 餃子専門店、昔は無かったので最近出来たと思う、チェーン店みたいだ。

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 女性客や外国人観光客が増えたせいか、立ち飲み専門は少なくなっているが、此処は昔風な立ち飲み店、生ビール410円で座る店より高い(笑)。

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 「大統領」から御徒町駅方面へ向かうと、以前は鮭や鱈子を売る生鮮食品店が多かったが、今は様変わりして外国人街化している(笑)。こちらはトルコのケバブ店に挟まれたフランス風?ローストチキンの店、働いているのはどう見ても東南アジア系の人達。

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 「タイ屋台料理」の店、ちょっと興味を惹かれる(笑)。

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 中国人街その1、今アメ横で一番賑わっているエリア、店の人は中国系、客も中国系観光客が殆どに見える。

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 中国人街その2、ガード下側だが、何故かこちらの方は客が少ない。

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 アメ横伝統の生鮮食料品店、昔に比べると店数は少なくなったが、今でも販売のオジサン達の、客に「安いよ」と呼びかける渋いダミ声は変わりない(笑)。

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 御徒町駅北口を出てすぐのガード下は、昔から貴金属、化粧品、洋品等輸入品を売る店が並んでいるが、そこに外貨両替所が出来ていた、時代を感じる。

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 アメ横の御徒町駅側の入口近くに居た、スライサー実演販売のオジサン、今デパートは客が少ないので、人の集まる場所に進出して来たのか?寒いのにご苦労様です(笑)。

 石川啄木は「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」と、明治後期の上野駅を詠んだが、今のアメ横は日本の地方言葉より、外国語が氾濫している、日本に居る外国人は此処へ来れば、たぶん自国語に出会えるのではと思う、店側だけでなく客も含めて、グローバルでカオスなスポットになっている(笑)。
 今の東京を知るには、隣の秋葉原と共に最適の場所だと思うので、上野のパンダ見物や美術館巡りに来た時は、一度足を延ばしてみてください。


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五反野「山雄商店」の厚焼玉子

 ヨコメシ系の記事が続いたので、今回は少し息抜き?のため玉子焼の話をする事に(笑)。
 足立区梅田にある「山雄(やまお)商店」は、今では珍しくなった厚焼玉子を製造販売する専門店だ。店の存在を知ったのは足立区を紹介したムック本、更にはTVの街歩き番組にも登場していたので一度行ってみたかった、それまで知らなかったのだが、此の地で40年続けているそうだ、何とか自転車で行けそうな距離なので、寒くない日を選んで出発。

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 WEB上で大体の場所は調べていたが、一番近い駅は東武スカイツリーラインの五反野駅、そこから国道4号(旧日光街道)を渡って少し歩く場所に「ゆうロード」と云う名の小さな商店街があり、その途中に在る。街歩き番組は「北千住特集」だったが、荒川を渡った更に先なので、北千住地域に入れるには無理がある(笑)。

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  「寿し・料理用 厚焼玉子 山雄商店」の青いテントが特徴的、私が子供の頃の東京下町では、この「し」の上に点が付く字を看板等に使っていたが、最近殆ど目にしなくなった。ついでに云うと、昔の東京寿司屋の玉子焼は、厚焼でなく、海老や白身魚の擂り身と混ぜて焼く、薄いカステラみたいなタイプが主流で、寿司に厚焼を使うのは歴史的には最近だと思う。
 店は遠目には豆腐屋みたいにも見えるが、売っているのは玉子焼のみ。WEB情報によると、自店での販売の他に寿司屋や料理店等向けに、築地等で売られているとの事、そのための容器が天井まで高く積まれている。

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 陳列もシンプルそのもの、販売アイテムは大きさが違う4種類を並べて居るだけ。
 せっかくだから一番大きい物を買おうとして店内を見ると、親父さんが一人で玉子を焼いている、多い時は一度に十個の玉子焼器を並べて使うとの事、動作に無駄がない(笑)。「ちょっと待ってくださいね」と云われて作業の区切りを待つ、基本奥さんと二人らしいが、住居兼店舗みたいで、家事があると主人一人で客対応もする、慣れている様子だが大変そう。「雑誌で見て、自転車30分乗って来ました」と話したら、「それはありがとうございます」と応える、熟練職人にありがちな、不愛想な雰囲気は感じさせない穏やかそうな人だった(笑)。

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 購入した厚焼玉子の大(税込650円)、大きさは実測21.5×10×3cmで約600g、堂々とした質感、築地で製造販売している有名店の物と大きさの比較はしていないが、値段は一割位安い気がする。
 この記事を書くにあたり、玉子焼についてWEB上で調べてみたが、よく「だし(出汁)巻き玉子」と呼ぶが、「玉子焼」と「だし巻き玉子」は別物で、関西では出汁が入っていても砂糖などで甘味を加えた物は「だし巻き」とは呼ばないとあった。
 また玉子焼器の形も関西と関東では違い、関東では正方形の物が使われる事が多く、関西では長方形、この店も見たら「江戸形」とも呼ぶ正方形だった。

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 これは初回に買った物だが、二回目に比べて表面の色が若干薄い、この違いは全て一人でやっているからだと思う、同時に複数個焼けば個体差が出るのは仕方ない事だろう。

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 肝心の味だが、甘味を感じる関東風の焼き方、原材料には「鶏卵・砂糖・みりん風調味料・かつおだしつゆ・塩・穀物酢・調味料(アミノ産等)」と表示がある。尖っていなくて穏やかで優しい味。築地場外市場で玉子焼が有名なのは「大定」と「松露」が双璧だが(最近は「丸武」も入れ「御三家」と呼ぶとも聞くが)、私の味記憶では「大定」の方に近いと思った。
 チラシや握りの寿司や弁当等、何にでも使えそうだが、ご飯のおかずにするより、例えば蕎麦を食べる前にこれと「板わさ」で酒を呑む、みたいに食べるのが粋な江戸風か?(笑)。

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 私は以前からやってみたかったので、この厚焼玉子で実行したのが「厚焼サンド」(笑)、家にあったクルミ入りの食パン2枚をトーストにして、バターを薄く塗り「これだと味が薄いかな?」と思って、家にあったトリュフ塩を少し振り挟んで食べる。それなりに美味しかったが、思っていた程には感動しなかった(笑)、今流行りの「生食パン」なら、もっと合うのかも知れない。
 私の子供時代には贅沢品だった玉子焼だが、今の子供達にはあまり好まれず、お弁当の主役ではなくなりつつあるとも聞く、「巨人、大鵬、玉子焼」の昭和は遠くなりにけりか(笑)、そう云えば駅弁やコンビニ弁当に入っている玉子焼は概ね美味しくない(笑)、あれでは人気もなくなる。
 山雄商店の厚焼玉子みたいな本物を、一度味わって欲しいものだ(笑)。

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足立大谷田「大谷田温泉 明神の湯」

 私には温泉趣味がなかった、子供の頃は銭湯通いの家だったので、昨今の若い人に居ると聞く、「他人と同じ湯船に入るのが嫌」と云った潔癖症ではなく、要はただ面倒くさかっただけ(笑)、「温泉への往復や風呂に入っている時間が勿体ない、それなら音楽を聴き、本を読んでいたい」と思ってしまうのだ、そのため我家から自転車で行ける距離にある日帰り温泉(スーパー銭湯)にも興味を持たなかった。
 ところが今年3月に前職場を辞め、セミリタイア?生活を続けていると、時間の余裕が出来る、だからと云って外食ばかりしていると、何処かの国みたいに財政状況破綻が確実だ(笑)、昔と違いパチンコ店は時間を消費する場所ではなくなった、ハッキリ云うと「行く所が無い」のだ(笑)。
 それで日帰り温泉行を思い付き、自転車に乗って訪れてみた。

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 場所は足立区の大谷田、環状七号線道路の大谷田陸橋から水元方面へ向かう途中、中川に架かる飯塚橋の手前にある。施設の名前は「大谷田温泉 明神の湯」で、外食店舗や社員・学生食堂等を手掛ける㈱共立フーズサービスが運営している、埼玉県行田市にある「行田天然温泉 古代蓮物語」も同経営だ。
 開業は2004年なので、今年で12年経った事になる。実はこの施設がある場所は、私が通っていた中学の通学路だった、当時は日立亀有工場の広大な施設があり、その関連施設の跡地だと思う。

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 事前にWEBページで調べて、平日午前中が最安で一律700円で入湯可との情報を得ていたので、当然その時間を狙って訪れる(笑)。
 地上部分は広い駐車・駐輪場で、施設全体は2階にある。まずは靴を下駄箱に入れるが後で返還されるコイン式で100円、無料だとおそらく何ヶ所も使うイタズラがあるからではと思った、私も子供の頃銭湯でやりました(笑)。
 入湯料金は自販機で券を買い、フロントヘ出すやり方、700円の入浴券を買おうとしたが、食事とのセット券があるとの事で「ブランチセット」(1,000円)を購入する、つまり300円でランチが食べられる事になる、どんなものが出るのか怖い気持ちもあったが、ここは経験が大事と決めた(笑)。

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 脱衣場は結構広い、個人ロッカーも大きく使い易い、ただ此処も後で還るが100円を入れる、下駄箱と計200円必要。

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 内部の撮影は無理なので、WEBページから引用した画像、これは内風呂の「大ひば湯」。
 大浴槽は屋内外に各一、それぞれ「ぬる湯」と「あつ湯」に仕切られる、その他に小さな湯船、蒸し風呂、サウナと水風呂等に別れている。洗い場はあまり広くはないが、余程の混雑時でなければこれで足りるのだろう。
 まず驚きだったのが、平日午前中だから空いているだろうと思っていたのだが、結構人が来ている、それもお年寄りばかり(笑)。以前からリタイア世代の男性達は何処に行っているのだろう?と疑問だったが、こうした場所へ来ていたのですね、700円で何時間でも居ていいなら時間潰しには最適だ、中高年男性は家に居ても邪魔になるだけ(笑)、駐車場に車があったので、夜勤明けの個人タクシー運転手も来ているみたいだ。
 私も共同湯は久しぶりだったので最初は戸惑ったが、すぐに慣れた、特に気に入ったのが露天風呂で、青空を見ながら湯に使っていると、身体の中から澱んでいたものが抜けて行く気がする。なお通常は循環湯だそうで、週に一日だけ「源泉かけ流しの日」がある。

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 風呂上がりにはやはり牛乳だが(笑)、今はサンダーバードの格納庫みたいなハイテク冷蔵庫になっている、コーヒー牛乳かフルーツ牛乳か最後まで迷う、結局両方飲んでしまった(笑)。

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 結果はコーヒー牛乳の勝ちかな?昔大好きだった「パンピー」は2001年に製造中止になってしまった、残念(笑)。

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 そして期待と不安のランチだが畳敷きの広間で食べる、この雰囲気何処かで見たと思ったのだが、暫くして気付いた、今はなき「船橋ヘルスセンター」だ(笑)。

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 メニューは結構豊富だった、アルコール類もここで飲める。

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 そして本日のブランチメニューは「ロコモコ丼とかけそば」、肝心の味はまあ見た目どおり(笑)、おそらくセントラルキッチンで作った物の再加熱だと思うが、値段を考えたら何とか食べられる味だった。

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 館内はゲーム機にスロット、各種自販機等色々な物が揃い、家族連れで楽しめる娯楽施設になっている、私が嬉しいのは最新式のマッサージチェアがあった事(有料)、風呂上がりには極楽(笑)、頼めば「手もみ処」でマッサージも可能。
 想像していたより楽しかった、つやつやの肌が何とも気持ちいい(笑)、700円なら不満ない。
 気持ちの整理が出来ない時や行き詰った時、露天風呂に浸かっていると、何か今迄見えなかったものが見えて来るかも知れない、そんな時にお勧めです(笑)。
http://www.myoujin-no-yu.com/(明神の湯サイト)


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大阪・長居「又三郎」

 大阪最終日は16時に関空発のLCC搭乗のため、長時間のランチ滞在は難しい、時間のかかるフレンチやイタリアン以外を候補に、且つ空港からあまり遠くない場所で、月曜日に営業している店となると、これが難しい。こうした時は食仲間の「南大阪のドン」氏に聞くのが一番なので、相談をしてみると、名前が挙がったのが空港へのアクセスがいい、阪和線の長居にある「又三郎」だった。
 元々焼肉店からスタートした店だが、探究心旺盛な女性オーナーが、他店より美味しい肉を客に提供したいと考え、辿り着いたのが、当時米国で始まっていたドライエイジング(乾燥熟成)法による熟成させた牛肉だった。
 乾燥熟成肉について説明すると長くなるので簡単に留めるが、長所としては、熟成期間中に、酵素の働きにより肉の繊維が壊れ、旨味成分が増し肉質も柔らかくなっていく点。短所としては長期保管スペースの確保、水分蒸発や乾燥部分のカット(トリミング)に伴う重量ロス等によりコストアップに繋がり、業界用語で言う「歩留まりの悪い」やり方になる点等が挙げられる。
 長所短所を勘案して導入した熟成牛肉だが、瞬く間にブームとなり、特に関西圏ではパイオニアとしてマスコミにも取り上げられ、熟成肉提供の代表的な店になって現在地に移転し、近くには支店のステーキスタンドも開業した。

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 私はこの店の荒井オーナーとは共通の知人が居た事から面識があったが、実際に店で食事をするのは今回が初めて、在阪の友人を誘ってみたら、さすが「又三郎」の名は大阪では知れ渡っていて、「以前から行ってみたいと思っていました」と、賛同の返事を得られたため、現地集合で合流する事になった。
 店はJRと市営地下鉄の長居駅至近のホテル内に併設され、サッカー場、陸上競技場を備えた長居公園も近い。11時半の開店時間に着いたが、開店と同時に数組が入店、我々の後も次々と客がやって来て、殆ど満席の状態になった、平日のランチタイムでもフリの客は少なく予約客が殆どなのは、この店の近くには類似店が見当たらない事もあると思う。
 荒井オーナーと大森料理長の好意により、通常ランチタイムには使用しないキッチン前のカウンター席に座らせてもらった、これはスペシャルシートだ(笑)。また料理も通常のランチメニューとは違い、夜料理も加えた特別メニューを組んでくれたのも、オーナーと料理長の配慮からで、その内容は以下のとおり、

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・この日のメインになる炭焼ステーキ用熟成肉の紹介、岩手県産黒毛和牛のサーロインとウデ肉、どちらも30日熟成。

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・七輪(関西では「かんてき」と呼ぶ)に熾した炭火で、料理長が直に網焼きする、焼く→アルミホイルに包み休ませ、これを3回繰り返す。

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・熟成肉で作ったシャルキトリーと野菜の盛り合せ

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・熟成肉を挟んだハンバーガーとコンソメ

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・熟成牛肉のカツレツ

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・厚切ステーキ、カンボジアの生胡椒、岩塩、ビーツのマリネ、ポテチ(笑)

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・自家製ヌガーグラッセ
・コーヒー

 普段の私は決して肉食男子ではない、焼肉店は滅多に行かないし、家での食事に肉がなくても平気だ、そのため前菜からメインまで肉が続くと飽きるのでは?とも考えていたのだが、それは全く杞憂だった。この日提供された肉はどれも味の幅が広い、食べ始め、中間、最後と単調さがなく滋味があるので、食べ進められる。これが熟成肉の特徴なのかどうかは私の浅い経験では分からないが、ただ美味しいかどうかなら、間違いなく美味しい牛肉だ。
 特に印象に残ったのが、まずカツレツで、ディープフライではなく、フライパンでパネした牛肉を両面焼き、その後オーブンで火入れしたとの事だが、適度な火を加える事で熟成した肉の香りが一気に増す、人間でも運動後は体臭が増えるがあれに近い、もちろん若い雌牛なので加齢臭ではない(笑)。
 ステーキの火入れは文句なし、炭火による網焼きと云う、最もシンプルなやり方だが、だからこそ経験と判断力が必要となる、温度計を差してコンベクションで何分と云う調理法とは対極だ、焼き上がった肉は歯応えや肉味の濃さが絶妙、特に赤身のウデ肉に惹かれた、これならソースはいらない塩だけで楽しめる。
 今はファミレスのメニューにも「熟成肉」が載る時代だが、ただ肉を寝かせれば美味しくなる訳ではない、又三郎のオーナーも、現時点で最良と思ったから採用し、日々試行錯誤しているが、次なる手段があれば移行すると思う、あくまでも「美味しいものを食べてもらおう」との探求から採用した手段なので、客はそこを誤解してはいけないと思う。

 料理も良かったが、オーナー以下スタッフのモチベーションが高く、店全体に活気があって、それが客席に伝わって来る。「レストラン」の語源は古い仏語の「(元気を)回復させる」だと云われているが、此処は元気を貰える「いいレストラン」である事は間違いない。

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 最後は特別店員?のPepper君まで登場(笑)、これも客に楽しんでもらおうとのオーナーの発案らしい。例えば東京の「フロリレージュ」に行った後は、「美味しかった、楽しかった」と思うが、この店にも共通するものを感じた、いい店だ。
 荒井オーナー、大森料理長、お気遣いありがとうございました、私は打立ての饂飩をお土産に持って東京に帰ります(笑)。


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明治神宮前「レフェクトワール」

 「メディア向け試食会」なるものに招待をいただき、勤め帰りに表参道駅近くへ行く事になった。会が始まるのは19時から、それまで時間があるので、何処かで時間を潰してから行こうと思い、ネット上で地図を見ていて閃いた場所があった。それが隣の明治神宮前駅近くにある、ブランジェリー&カフェの「レフェクトワール」だった。
 運営するのは、京都に本店があるブランジェリー「ル・プチメック」で、東京では新宿マルイ内に販売スペースがあるが、それに続いて2012年11月にオープンした。前から一度行ってみたいと思っていた店だ。
 店の場所は地下鉄明治神宮前駅を出て、明治通りを渋谷方面へ向かって右側、「タケオキクチ」ビルの3階にある。この界隈は何十年かぶりに歩いたのだが、街の変りようにビックリ、特に夜は照明に浮かぶブティックのウィンドーが妖しい磁力を放ち、街を歩く若者達を誘惑する。私の前を歩くのはモデルさんみたいな8頭身女性、後ろがV字に大きく開いた服を着て、思わず「きれいな背中だな」と見とれて、ストーカー親父ギリギリになっていた(笑)。

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 「タケオキクチ」の店内は意識して階段やエレベーターを目立たなくしてあり、「ドンキホーテ」とは正反対(笑)、ようやく見つけたエレベーターで3階へ上る。
 エレベーターを降りるとそこがカフェの入口だが、右側が販売スペースとキッチン、まっすぐ進むとセルフのカフェスペースがある。
 さて何を注文するか迷うのだが、夕方なのでパンの種類はそれ程多くない、この後が試食会なので軽く済まそうと「チキンとココナツのフォカッチャ」に決め、コーヒーと共に注文するが、女性店員から「プラス50円でサラダ付のプレートに出来ます」との説明があり、それでお願いする事にした、支払いは947円也。
 フォカッチャは温めてから提供するので、支払いを済ませコーヒーだけ受取り、カフェスペースで待つ事にする、行ってみると此処がまた格別にお洒落な内装、業界人なら思わず「シャレオツ」と叫びたくなりそう(古いかな)(笑)。

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 全体はモノトーンで照明を落とし、所々に配したフレームや小物類がまたキマっている。BGMは不思議なフレンチポップス?一見チープなプラスチック椅子も座ってみると結構座りやすい。地方から出て来た若い子達がこの店来たら、まず帰りたくなくなると思った、これは魔界だ、ラビリンスだ、人さらいだ(笑)。

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 窓際席に座ってそんな事を考えていたら、運んで来てくれたのが温めたフォカッチャ、見た目は良さそうだ、まずは端から食べてみる、肝心のフォカッチャ自体が粉の旨味が感じられてとても美味しい、中身は鶏モモ肉のロースト?を薄く切ってあり、ココナツ味はあまり感じなかったが、ココナツバターを使用しているのかも。
 感心したのがリーフサラダで、他のカフェ等ではこうした物は雑で干からびた野菜だったりするが、レストランで出しても通用する質と鮮度に丁寧な水切りだった。

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 コーヒーはアラビカ種か、濃く抽出していなくても、深さのある味と香りがする、私が好きなタイプのコーヒーだ。
 パンとサンドイッチで合計947円は、支払い時には正直「高いな」と思ったが、食べてみて納得できた、ブログにも書いた高級ハンバーガー店と同価格帯だが、「どちらが好きか?」と訊かれたら、店の雰囲気も含めて私なら断然「レフェクトワール」だ。甘いデニッシュ系のパンも食べてみたかったが、この後の試食会を考えて控えたのが、ちょっと心残りだった(笑)。

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 窓外には夜の帳が降りた明治通りを歩く若い男女、皆スタイルもファッションセンスも垢抜けている。「東京には何でもあるな」とつくづく思う、このカフェの母体は京都、これから行く試食会場の経営も北海道の製菓会社だ、皆東京に進出し認められて全国規模いや世界規模か、そうした知名度あるブランドになろうとする。少子高齢化が急速に進む日本では、地方企業特に飲食業が生き残るのは、このやり方しかないのかも知れないと、考え込んでしまった。
 我家からは遠いので、往復の交通費も結構使うのだが、またこの近くに用があった時は、「遠回りしても行ってみたい店」だと思った(笑)、帰りがけに入ったトイレの「スタッフ募集」の貼り方まで洒落ていた(笑)。

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 なお店名の「レフェクトワール‘Réfectoire’」は仏語で「食堂」の意味だが、クラウン仏和辞典では「食堂(学校、軍隊などの)」とある、フランスでもこんな小洒落た学校&軍隊食堂はあり得ないと思う(笑)。
 

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
店の点数評価等はしません、「食と人」を描きたいと思っています。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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