最後の晩餐にはまだ早い


亀有「洋惣菜 亀洋」

 実家のある亀有に洋風惣菜店が出来たと知ったのは、WEB掲示板の地域情報からで、パテ・ド・カンパーニュ等も売っている本格派との事、場所は人通りの多い南口駅前の商店街ではなく、北口の環七通り沿いらしく「そんな場所で本格惣菜売って、客来るのかな?」と、元亀有住人は疑ってしまった(笑)。
 とにかく行ってみようと自転車で向かう事に、WEB情報を元に探してみたら、小さな店で目立たない場所に在った。亀有駅北口を出て金町方面へ進むと環七へ出るが、それを大谷田陸橋へ向かって北へ進む、右手に「肉の万世」が見えるが、その手前のラーメン店の隣、間口が狭いので通り過ぎそうになる。

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 店の名前は「亀洋」、亀有で洋惣菜だからこの名前にしたのだろう、分かり易くストレートそのもの(笑)。

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 入口に貼ってあるチラシ、4月14日にオープンしたばかりで、「8坪のお店で40種類のお惣菜」の文句が目を惹く。

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 店を入るとすぐ左側が惣菜を並べた冷蔵ケース、チラシどおり種類が多い、後ろが作業スペースになっている。若いイケメン系男性が一人居るが、この人が製造と販売を全てやっているみたいだ。
 目で追ってみると、ラタトゥイユ、タプナード、ローストチキン、鶏モモのコンフィ、冷製パスタ等かなり本格派、これだけ見ていると此処が下町亀有とはとても思えない(笑)。
 男性に話を聞いてみると、去年まで都心の地中海料理店で料理長として働いていたが、自分で起業をしようとこの店を開いたとの事、話しぶりと作品から相当経験は積んでいるなと思った、でもこれ全部を一人で毎日作るのは凄い。

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 開店祝いの花が置いてあった。

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 男性の話では現在は総菜販売だけだが、いずれこのスペースを使ってバルも営業する予定との事。亀有でパテ・ド・カンパーニュをツマミにワインを飲める店が出来るとは、昔の赤提灯しかなかった亀有を知っている人間には、夢のまた夢のような話(笑)。
 「雇われ料理長の方が、待遇もいいし気楽だったのでは?」と、嫌な事を訊いてしまったが、彼は「今は昔と違いシェフでも収入低く、月25(万)位がいい処で、拘束時間も長いです、オープンしてから一応売上は好調で、起業して良かったと思っています。」との応えだった。
 何を買おうか迷ったが、結局パテ・ド・カンパーニュと煮込みハンバーグに、サラダ類を3種類買ってみた。
 以下家で食べた感想と共に紹介する、

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・これ全部で税込1,350円は安いと思う。

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・パテ・ド・カンパーニュ(1カット300円)、粒マスタードは無料で付けてくれる。「パテ・ド・カンパーニュを食べれば、料理人の実力が分かる」は、付き合いの長い料理人の言葉だが私も同感、ついでに云うとあと焼物、例えば仔羊ローストにワインを使った肉煮込料理を試せば、実力の7割は判断出来そう、それが駄目なら見切った方がいい。
 肝心の味だが、香辛料は控え目で優しい味わい、練り肉の旨味は十分感じられた、脂の入れ方もいい、これは十分合格点出せる(笑)。

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・ギリシャ風ポテトサラダ(100g250円)、中身はジャガイモ、フェタチーズ、胡瓜?
 ギリシャ特産の山羊乳を使うフェタチーズを加えているので「ギリシャ風」、味のバランスはいい、付け合せに最適。

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・左:キャロット・ラペ(100g150円)、右:ベーコンと空豆のクスクス(100g250円)
 人参サラダはピーラーで幅広に切り作っていて、これも味のバランスは良かった、油・酢共に良質。クスクス(スムール)は好物なので、つい買ってしまう(笑)、次の煮込みハンバーグに合わせて食べたが、いいマリアージュでした。

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・煮込みハンバーグ(1個400円)
 ソースはトマト味ベース、肉は割合不明だが牛&豚だと思う、これも香辛料は控え目、パンだけでなくご飯にも合いそうだ。

 予想以上に本格派の惣菜だった、これならレストラン行かなくても楽しめる(笑)、ファミレスの遥か上を行っているし、デパ地下で高い総菜買うより断然お勧め(笑)。全て一人で作っているので、全体に味のポリシーが共通している、地域性も考慮していると思うが、高踏的でなく優しく穏やかな味わい、作った人間の性格まで推し量れそう。
 今、借金を重ねてレストランをオープンしても、まず従業員集めに苦労する、それなら一人で出来る事から始めようとするのは賛成、あとは地域がこのスタイルを受け入れてくれるかどうかだ。
 これは応援しないといけない店だ、自転車に乗る体力を維持する必要あるが、老後の楽しみが一つ増えた(笑)。


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三ノ輪「ジョイフル三の輪商店街」

 地下鉄日比谷線から地上に出ると広い交差点があり、この場所を「大関横丁交差点」と呼ぶ、江戸時代下野黒羽藩を治めた大関家の下屋敷があった事に因むが、この辺りから「千住宿」の範疇になり、旧日光街道の起点とされる。
 交差点から北へ歩くと荒川区になり、JR常磐線の高架下を潜り左側にあるのが、東京に唯一残された路面電車、都電荒川線の始点・終点である三ノ輪橋停留所、この荒川線に沿う形で500m程の屋根付きアーケード型商店街があり、此処が「ジョイフル三の輪」だ。

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 発祥は大正時代に遡る歴史ある商店街で、以前は「三ノ輪銀座商店街」と云う名前だったそうだ、「ジョイフル」の名前から連想する近代的なモールではなく、何処か懐かしくレトロで昭和的な雰囲気が漂う(笑)。
 私の地元ではシャッター通りに化した商店街があるが、此処は屋根も補修していて十分現役なのは歩いて分かった。閉めている店はあるが、この日は水曜で定休日だった店舗もあったみたいだ。
 目に付いた店舗を幾つか紹介する、以前台東区の佐竹商店街を記事にしたが、あちらは洋品店が多かった、それに較べるとこの商店街は惣菜店と青果店が多いと感じる。

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 此処は280円弁当で知られる店、総菜108円、コロッケ38円と格安なのが嬉しい、客はお年寄りが殆どで、店内で食事が出来るカウンターもある。

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 果物に花、漬物と何でも売っている青果店、ジョイフル三の輪を紹介する記事にはよく登場する、高齢店主と客との会話が聞こえ、「今日は牛蒡を頂戴、おじさん休んでいたでしょう?心配していたのよ」と女性客が話している、こうしたフェイス・トゥ・フェイスの買物風景は昔に比べて本当に減ってしまった。

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 その店で売っている自家製漬物、実に昭和的風景(笑)。

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 砂場総本店、大阪発祥の蕎麦店「砂場」は江戸時代に江戸(東京)に進出したとされ、江戸末期には市中に6軒の砂場蕎麦が存在した記録があるそうだ、その中の糀町(麹町)にあった店が三ノ輪に移転し存続している。現在の木造建物は1954年(昭和29年)の建築で荒川区文化財に指定、この商店街が出来る前から現在地にあったそうだ。WEB上の記事では、味は「普通の街中蕎麦屋」と云う書き込み多いが、店内は一度見たいと思う。

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 「荒川でいちばん安い店!」、こうしたものは先に云ったもの勝ちか(笑)。

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 「ぱぱ・のえる」つまり「サンタのおじさん」と云う名前の1984年創業の珈琲店、商店街にはこの店名が似合う?(笑)。

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 さつま揚げ専門店、此処は改築したのか比較的新しい店舗だった。

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 商店街に繋がる路地で、奥に見えるのは都電荒川線の線路、永井荷風や木村伊兵衛が歩いた昭和の風景が残る。
 散歩途中で買った物を以下に紹介したい。

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 「業務スーパー三ノ輪店」で買ったデコポン(税別398円)
 結構大きいデコポンが5個入り、味も良く1個も傷んだ物がなかった、「物凄く安い」と云う程ではないが、値段・質とも満足。この店ではないが或る青果店の女性店員、「三ノ輪の北川景子」とでも呼びたい位に美人だった(笑)。

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 「マルイシ増英」で買った煮物(税別240円)
 さつま揚げ専門店で売っていた惣菜、さつま揚げ、大根、人参、コンニャクを煮たもので、昔風の濃い味ではなく意外と上品な味付けで美味しかった、また買いに行きたいと思う。

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 同じ店で買った「千住揚げ」(3枚200円)
 中身は長葱、浅利、一味唐辛子、千住は昔から白葱の名産地で、現在でも葱の取引所がある事から、「千住」と名の付く食べ物は長葱が使われる事が多い。これもスーパーで売っている袋入りの物とはレベルの違う味だった。

 ジョイフル三の輪は、私が子供時代を過ごした墨田区向島の商店街を思い出す雰囲気がある、当時と違うのは客も店側の人間も殆どが高齢になった事、昔の商店街は平日でも子供から大人まで入り乱れて賑わい活気があった。
 昭和39年(1964年)に東京オリンピックが開催されたが、その頃が東京商店街の最盛期だったか、その後スーパーやコンビニが進出、核家族化や少子高齢化により衰退が加速した。それでもこうして現役で残っている商店街を見ると、昭和人間の私は嬉しくなってしまう(笑)。
 1960年代後半に「タイムトンネル」と云う、近未来SFの米TV映画があったが、商店街は過去に戻る事の出来るタイムトンネルかも知れない、昭和を懐かしむ人は一度訪れてみて下さい、店舗は月曜と水曜日に休みが多いみたいです。
※地名は「三ノ輪」だが、商店街としては「三の輪」と表示している。


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大阪・堺「ファーマーズオリジン」(2018関西食べ続け⑩)

 濃くて重かった関西食べ続けも、遂に最終訪問店に辿り着いた(笑)。
 友人の車で向かったのは、堺市美原にある「ファーマーズオリジン」、赤身熟成肉と農家直送野菜を提供するレストランだ。
 建築内装関係の工務店が経営する店舗は2015年のオープン、当初はカフェ的メニューが中心だったが、料理長が替わって昨年リニューアルした、新しく就任した安井料理長は、こちらへ来る迄は東京で働いていて、当時からの知己だったので、今回訪問を楽しみにしていた店だ。

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 アクセスはよくない、一番近い駅は南海高野線の北野田だが、かなり歩く事になる、車か自転車でないと行き難い。一見ファミリーレストランみたいな造りで、広い駐車場に2階建ての横広い店舗、2階は夏場ビアガーデンとして利用可能らしい。親会社が工務店なので内外装やテーブル等は自社製みたいだ。

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 通常のランチメニューは1,000~2,500円位だが、今回は友人の計らいで熟成肉を中心に、特別メニューを組んでもらう事をお願いしていた。

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 店入口近くにある肉熟成用の冷蔵庫、熟成肉についての説明書きも貼ってある。「牛肉本来の美味しさを最大限に引き出した」と説明しているが、詳しく知りたい人は「乾燥熟成肉」でWEB検索をしてみてください、数年前からブームが続いている。
 まずは当日の料理から、

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・ウツボのタタキ

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・ウツボの唐揚げサラダ

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・熟成和牛(広島県産黒毛、40日熟成)のココットロースト

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・同 切り分けて

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・穀米

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・タブレットPCを使ったデザート紹介

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・パリブレスト
・コーヒー

 いきなり出て来たのが、なんとウツボだった。私はたぶん人生2回目だと思う、ウツボはウルトラ怪獣のジャミラみたいな顔をしているが(笑)、海で出会ったら道?を譲りたい相手、でも食べてみると見かけよりずっと繊細な白身の肉質で美味しい、鱧を更に味濃くしたような印象、「たちじゅう 園」の太刀魚とも共通点あり、細長くて身をくねらせて海を泳ぐ魚は、味の傾向が似ているかも知れない。
 安井氏は高知県の生産者や漁業者と繋がりがあり、今回も「鰹のタタキ」を出すつもりだったが、いい鰹が入らなかったのでメンバーを考えウツボにしたそうだ、タタキ、唐揚げ共に珍味で美味だった。
 熟成肉は3人分を野菜と一緒にココットでローストにしたもの、過去熟成牛肉は大阪長居「又三郎」、東京西麻布「ル・セヴェロ」で体験したが、前者が炭火直焼き、後者がフライパンによるソテーと、この店を含めて3店で調理法が違うのも興味深い、熟成肉自体の個性が強く、それだけ汎用性があると云う事か。
 今回は風味と旨味が印象的だった、私は熟成肉を深く語れる程の経験値ないが、赤身熟成ながら黒毛和牛特有の脂がある、これが熟成により味わいが複雑になるのではと感じた。添えられた野菜も美味だった、近隣農家のものが中心との事だが、土の香りが感じられるような、しっかりとした野菜本来の味がする、野菜はブランドより鮮度が一番大事なのだろう。
 デザートはもう一息、これは今後の向上を期待したい、あとスープor汁系が一品あると良かったと思う。
 うるさい親父達が来るからと、朝から気合入れて待って居たらしい、安井料理長とスタッフの皆さんお手数かけました、ありがとうございました(笑)。

 テラス席と云うか屋根囲いある別スペースは犬と同席可なので、愛犬を連れた客も車でやって来る、そのため犬用メニューも揃えていて、店前では一緒に記念撮影をしている。少子化&インスタ映え時代なので、こうした店は今後流行りそうな気がする、狙いはいいと思った。
 可愛らしい犬達とは残念ながら外見が違うが(笑)、我々おじさんグループも最後店前で記念撮影、これで全ての店訪問が無事に終わった。
 友人の車で南海泉ヶ丘駅まで送ってもらい、リムジンバスで関西国際空港へ直行する、途中関空自動車道を走っている時に窓外に見えた、大阪湾に沈む夕陽がいい景色だった。

 今回の関西食べ続け、インフルエンザ後で体調万全でなく不安もあったが、大阪と和歌山の人達から元気を貰いました、やはり関西の魅力と財産は人間だと思う、「どや、これ食べて、元気出し」、何かそんな声が今でも聞こえてくる気がする(笑)。
 お会いした皆さま楽しかったです、この場でお礼を申し上げます。また今回お会いできなかった方失礼しました。老後の心配等これから気持ちが萎えそうな時には、元気を貰うためにまた西へ向かおうと思います(笑)。



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正月のアメ横風景

 JR御徒町駅~上野駅間の高架下と、道を挟んだ西側に並ぶ商店街をアメヤ横丁、通称「アメ横」と呼ぶ、名前の由来は諸説あるが、戦後米国の進駐軍物資を売る店が多かった事から「アメリカ横丁」が訛ったと云う説と、飴を売る店つまりアメ屋が多かったからと云う説がウィキペディアでは紹介されている。
 上野駅に近かった事から、集団就職で上京した人達が、帰省時に此処で生鮮食品や乾物を買って帰る事が多くなり、高度経済成長期に発展した。現在でも年末になると正月用の食品を買い求める客で賑わい、マスコミで紹介される。近年は若者向けの洋品や雑貨を売る店、更に飲食が出来る店が増え、外国人観光客も多く訪れて一年中賑わっている。
 私は小学生の頃から父親に連れられ正月用品の買物に来ていた、社会人になってからは、勤め帰りに気晴らしのため界隈を歩く事が多くなり、現在は安い珈琲豆を買うために月一回位は訪れているから、およそ半世紀の間この街を見て来た事になる(笑)。
 前記事の「キエチュード」の帰りに、正月のアメ横を歩いてみて、興味深い店舗等を紹介したいと思う。

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・「大統領」
 アメ横と云えばまずはこの店(笑)、御徒町と上野の中間程の場所にあるガード下店舗、1950年創業で朝10時から営業している、この画像は午後2時位だが大盛況、もつ焼きがメインメニューで向かい側に支店もある。アメ横初心者は此処と隣の餃子店「昇龍」(現在改装中、近くで営業)、向かいの中華料理「珍々軒」の3店は「黄金のトライアングル」なので抑えておきたい、昼間からディープです(笑)。

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 アメ横はオープンスタイルの店が多いが、最近はこうしたクローズな店舗も増えている、この店は「養老乃瀧」グループだそうだが、何となく大阪心斎橋あたりの雰囲気がある(笑)。

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 「串あげ90円~」「生ビール360円」の店、若い女子2人が店前で入ろうか悩んでいた(笑)。

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 餃子専門店、昔は無かったので最近出来たと思う、チェーン店みたいだ。

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 女性客や外国人観光客が増えたせいか、立ち飲み専門は少なくなっているが、此処は昔風な立ち飲み店、生ビール410円で座る店より高い(笑)。

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 「大統領」から御徒町駅方面へ向かうと、以前は鮭や鱈子を売る生鮮食品店が多かったが、今は様変わりして外国人街化している(笑)。こちらはトルコのケバブ店に挟まれたフランス風?ローストチキンの店、働いているのはどう見ても東南アジア系の人達。

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 「タイ屋台料理」の店、ちょっと興味を惹かれる(笑)。

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 中国人街その1、今アメ横で一番賑わっているエリア、店の人は中国系、客も中国系観光客が殆どに見える。

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 中国人街その2、ガード下側だが、何故かこちらの方は客が少ない。

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 アメ横伝統の生鮮食料品店、昔に比べると店数は少なくなったが、今でも販売のオジサン達の、客に「安いよ」と呼びかける渋いダミ声は変わりない(笑)。

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 御徒町駅北口を出てすぐのガード下は、昔から貴金属、化粧品、洋品等輸入品を売る店が並んでいるが、そこに外貨両替所が出来ていた、時代を感じる。

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 アメ横の御徒町駅側の入口近くに居た、スライサー実演販売のオジサン、今デパートは客が少ないので、人の集まる場所に進出して来たのか?寒いのにご苦労様です(笑)。

 石川啄木は「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」と、明治後期の上野駅を詠んだが、今のアメ横は日本の地方言葉より、外国語が氾濫している、日本に居る外国人は此処へ来れば、たぶん自国語に出会えるのではと思う、店側だけでなく客も含めて、グローバルでカオスなスポットになっている(笑)。
 今の東京を知るには、隣の秋葉原と共に最適の場所だと思うので、上野のパンダ見物や美術館巡りに来た時は、一度足を延ばしてみてください。


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五反野「山雄商店」の厚焼玉子

 ヨコメシ系の記事が続いたので、今回は少し息抜き?のため玉子焼の話をする事に(笑)。
 足立区梅田にある「山雄(やまお)商店」は、今では珍しくなった厚焼玉子を製造販売する専門店だ。店の存在を知ったのは足立区を紹介したムック本、更にはTVの街歩き番組にも登場していたので一度行ってみたかった、それまで知らなかったのだが、此の地で40年続けているそうだ、何とか自転車で行けそうな距離なので、寒くない日を選んで出発。

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 WEB上で大体の場所は調べていたが、一番近い駅は東武スカイツリーラインの五反野駅、そこから国道4号(旧日光街道)を渡って少し歩く場所に「ゆうロード」と云う名の小さな商店街があり、その途中に在る。街歩き番組は「北千住特集」だったが、荒川を渡った更に先なので、北千住地域に入れるには無理がある(笑)。

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  「寿し・料理用 厚焼玉子 山雄商店」の青いテントが特徴的、私が子供の頃の東京下町では、この「し」の上に点が付く字を看板等に使っていたが、最近殆ど目にしなくなった。ついでに云うと、昔の東京寿司屋の玉子焼は、厚焼でなく、海老や白身魚の擂り身と混ぜて焼く、薄いカステラみたいなタイプが主流で、寿司に厚焼を使うのは歴史的には最近だと思う。
 店は遠目には豆腐屋みたいにも見えるが、売っているのは玉子焼のみ。WEB情報によると、自店での販売の他に寿司屋や料理店等向けに、築地等で売られているとの事、そのための容器が天井まで高く積まれている。

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 陳列もシンプルそのもの、販売アイテムは大きさが違う4種類を並べて居るだけ。
 せっかくだから一番大きい物を買おうとして店内を見ると、親父さんが一人で玉子を焼いている、多い時は一度に十個の玉子焼器を並べて使うとの事、動作に無駄がない(笑)。「ちょっと待ってくださいね」と云われて作業の区切りを待つ、基本奥さんと二人らしいが、住居兼店舗みたいで、家事があると主人一人で客対応もする、慣れている様子だが大変そう。「雑誌で見て、自転車30分乗って来ました」と話したら、「それはありがとうございます」と応える、熟練職人にありがちな、不愛想な雰囲気は感じさせない穏やかそうな人だった(笑)。

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 購入した厚焼玉子の大(税込650円)、大きさは実測21.5×10×3cmで約600g、堂々とした質感、築地で製造販売している有名店の物と大きさの比較はしていないが、値段は一割位安い気がする。
 この記事を書くにあたり、玉子焼についてWEB上で調べてみたが、よく「だし(出汁)巻き玉子」と呼ぶが、「玉子焼」と「だし巻き玉子」は別物で、関西では出汁が入っていても砂糖などで甘味を加えた物は「だし巻き」とは呼ばないとあった。
 また玉子焼器の形も関西と関東では違い、関東では正方形の物が使われる事が多く、関西では長方形、この店も見たら「江戸形」とも呼ぶ正方形だった。

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 これは初回に買った物だが、二回目に比べて表面の色が若干薄い、この違いは全て一人でやっているからだと思う、同時に複数個焼けば個体差が出るのは仕方ない事だろう。

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 肝心の味だが、甘味を感じる関東風の焼き方、原材料には「鶏卵・砂糖・みりん風調味料・かつおだしつゆ・塩・穀物酢・調味料(アミノ産等)」と表示がある。尖っていなくて穏やかで優しい味。築地場外市場で玉子焼が有名なのは「大定」と「松露」が双璧だが(最近は「丸武」も入れ「御三家」と呼ぶとも聞くが)、私の味記憶では「大定」の方に近いと思った。
 チラシや握りの寿司や弁当等、何にでも使えそうだが、ご飯のおかずにするより、例えば蕎麦を食べる前にこれと「板わさ」で酒を呑む、みたいに食べるのが粋な江戸風か?(笑)。

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 私は以前からやってみたかったので、この厚焼玉子で実行したのが「厚焼サンド」(笑)、家にあったクルミ入りの食パン2枚をトーストにして、バターを薄く塗り「これだと味が薄いかな?」と思って、家にあったトリュフ塩を少し振り挟んで食べる。それなりに美味しかったが、思っていた程には感動しなかった(笑)、今流行りの「生食パン」なら、もっと合うのかも知れない。
 私の子供時代には贅沢品だった玉子焼だが、今の子供達にはあまり好まれず、お弁当の主役ではなくなりつつあるとも聞く、「巨人、大鵬、玉子焼」の昭和は遠くなりにけりか(笑)、そう云えば駅弁やコンビニ弁当に入っている玉子焼は概ね美味しくない(笑)、あれでは人気もなくなる。
 山雄商店の厚焼玉子みたいな本物を、一度味わって欲しいものだ(笑)。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
店の点数評価等はしません、「食と人」を描きたいと思っています。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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