最後の晩餐にはまだ早い


2017年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いてデザート・スイーツ編を。
 今年この分野は女性達の活躍が目立った、レストランは夜遅くまで営業があり立ち仕事が続くので、女子には相当厳しい職場だと思うが、悪環境の中で奮闘している彼女達を見ると、この業界の先行きもそう悲観しなくてもいいのかなと、希望が見えて来る気がする(笑)。まずは料理編同様、4番打者的存在からで、
・東麻布「ローブ」の
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・5月訪問時、右上から時計回りで、「黒オリーブ(スフレ) タイム(後でタイムのソルベを添える)」「リュバーブ レティエ」「花菜ローズ マンゴー」「フロマージュ 赤い果実」

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・8月訪問時、「桃のコンポート、バラ花のアイスクリーム(右)」「ババ、ピニャコラーダ、パスティスのクレーム(左)」
 平瀬パティシェール作のデセールからと思ったが、一つだけ選べず、結局全品紹介する事に(笑)。彼女のデセールに関して解説は余計だと思うので、まず見て感じてください、そして味わいに行ってください、それが一番です(笑)。

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・芦屋「オステリア・オ・ジラソーレ」のフォンダンショコラと栗のスープ、マスカルポーネの雪見仕立て
 2月関西旅行時に最も印象的だったデザート、作ったパスティッチェーラは現在イタリア武者修行中と聞いたが、更にレベルアップして帰って来るのが楽しみ。

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・新富町「プレニチュード」の「苺のヴァシュラン、ピスタチオのアイスクリーム」
 パティシェール界の新人ヒカリちゃんの仕上げが奇麗なデセール、彼女はこれから期待出来そう。

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・新橋「コフク」の「広島県産 檸檬(バジルの液体窒素)」
 これも新人美少女系?パティシェールの作品、料理もユニークな店だが、デセールも面白い、彼女も経験を積んでいけばきっといいパティシェになると思う。

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・外苑前「フロリレージュ」の「贈り物、アマゾンカカオ(小布施の栗、栗のクリーム)」
 此処も若手パティシェールだ、シンプルな作りだが記憶に残るもの、チョコレートと栗は「黄金の組合せ」だが、いい素材でも生かして使えるかは作り手次第。使っているこの器を作ったのも女性陶芸家だと思った。

 以下は男性料理人達が作ったデザートから、
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・麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」の「生八ッ橋とホワイトチョコレートのムース」
 生八ッ橋とホワイトチョコレートは「禁断の組合せ」みたいだが(笑)、意外にも合っていた。独学派でマンガ好きの若手、内野料理長の発想は何時もユニークだ。

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・赤坂「古屋オーガストロノム」の「いちごとミルフィーユ、さくらのソルベと共に」
 春のデザートだった事もあるが、内野氏作の物と続けると、それ迄の女性陣作デザートに比べてフェミニンな印象がする、「春に誘われた訳じゃない」か(笑)。

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・麻布十番「ラ・リューン」の「枇杷とアーモンド風味のソルベ、枇杷のグラニテ、福井の梅ピュレ」
 これは夏を感じさせてくれた、麻布十番で15年続く人気フレンチ、痩身の永田料理長の料理も良かったが、特にこの酸味の効いたデセールは印象深かった。

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・御茶ノ水「ビストロ・ヌー」の「ホワイトチョコレートのムース、キャラメルのグラス、ショコラマカロン」
 店の雰囲気と値段はカジュアル、味は本格派と云いたい秋葉原至近のフレンチ、イケメンの磯貝料理長と美人マダムの二人体制になって、料理もデセールも更に良くなって来たと感じた(笑)。

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・稲荷町「キエチュード」の「チョコレートタルト(ノエリー酒風味)ラズベリー チェリー カボス・カルダモン・ジンジャーのアイス」
 荒木料理長が「自信作です」と云うだけあって、各素材のバランスが良好で、また味わいたい一品。
 チョコレート、バター、バニラビーンズ等原材料が値上がり続ける中で、どうしても原価が限られるレストランデザートだが、どの店も本当に苦労して工夫していると思う。
 
 以下はレストラン以外で、
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・表参道「グラッシェル」の「かぼちゃのパフェ」
 パフェブームが続いているが、都内で出会える最上質な店の一つだと思う、「プリンパフェ」も良かったが、南瓜と云うあまりパフェとは結び付かない素材を使い、印象深い味に仕上げるのは作り手のセンス、値段はそれなりにするが納得出来る、満足感は大きい。

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・西新井「エスキモーカフェ」の「かぼちゃアイス&ミカンのシャーベット」
 地元で見つけたアイスクリーム専門店、私は「下町のグラッシェル」と呼んでいる(笑)、これも南瓜を使ったアイスだが、焼く事で香りを増していい出来だった。

 一年間ブログをお読みいただき、ありがとうございました。
 勤めをリタイアした後は、千円ランチ専門ブログになるかなと思っていましたが、何故か現役時代以上に高級店も出かけています(笑)。何時までこれが続けられるのか分かりませんが、体力が続き財布が空になる迄、来年も食と人を語れたらと思います。
 混迷が続く世界情勢ですが、食を通じて人がもっと幸せになれる社会である事を願っています、皆さまどうぞ良い年をお迎えください。


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2017年「今年印象に残った店」(料理編)

 ブログの更新も年内はあと2回の予定、そこで毎年恒例の「今年印象に残った店」を挙げておきたい、昨年同様に「料理編」と「デザート&スイーツ編」の2回に分けるが、毎回言っている事ですが、私が訪れて此処に載せなかった店が、料理もデザートも駄目だったと言う訳ではありません、本当に駄目な店はブログ記事にはしていません(笑)。
 文字どおりの「最後の晩餐」を意識し始めた私にとって、人生最後に食べたい、もし食べられなくても思い出したい位の、強い印象が残っているかどうかで選びました。まずは料理からで、

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・外苑前「フロリレージュ」の「分かち合う(北海道産仔羊背肉骨付ロースト)」
 いきなり4番打者が出て来たみたいだが、もう東京と云うより日本の代表選手と云っていい店と思っている、もし人生をやり直せるなら、料理人としてチームフロリレージュに加わりたい位(笑)。川手料理長は少しずつ変化していて、以前より料理が単純化された気がする。

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・六本木「ル・スプートニク」の「エゾ鹿のシヴェ、自家製セミドライピオーネとロックフォール、ジェニパーベリー」
 フロリレージュの川手氏が食のエンターテイナーとすれば、高橋料理長は食のアルチザンと云う印象、細部にこだわり妥協をしない姿勢は、孤高の職人此処に在りと見える。このエゾ鹿は近年最上の鹿料理だった。

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・赤坂「古屋オーガストロノム」の「豚足のファルシ(リ・ド・ヴォーブレゼ、トランペット茸、ムース・ド・ヴォライユ)のグリエ、シャルキティエールソース」
 昨年から注目している赤坂の古典派料理人の店、うるさいベテランのフレンチフリーク達に注目されるようになったが、まだまだ古屋料理長の抽斗は空にならない筈(笑)。今の時代に、この手間がかかる割にはおよそインスタ映えしない、地味な豚足料理を作る心意気に拍手。

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・代官山「レクテ」の「青森産真鯛、大鹿村(長野)の天然キノコ(トキシメジ、アミダケ)、黒大根」
 私にとって、去年の発見が古屋氏なら、今年の発見は佐々木氏、花の都で3年間料理長を務めた実績は、料理を食べれば感じ取れる。国産食材を積極的に使う料理人は他にも居るが、佐々木料理長程のフランス的エスプリは表現出来ていないと感じる、レストランチームとしても優秀、来年も楽しみな店だ。

 以下は東京以外で、
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・大阪上本町「レストラン・コーイン」の「鳥取県産ミンククジラのタルタル仕立て、自家菜園の野菜添え」
 同行した友人が「金属バットで頭殴られたみたいに旨い」と云っていたが、今なら「リモコン」と云い変えた方が判り易いか(笑)。とにかく物量攻撃で高級素材を積み上げ料理を構築、それでいて絶妙のバランスを取るのが、湯浅料理長の稀有な才能。「日本の食材はフレンチに合わない」などと云っている人に、この料理を食わせてみたい。今の処「最後の晩餐」に食べたい料理では第一候補か、これと近江「招福楼」の白飯、ブラス(勿論ライヨールの方)のクーランで締めたい(笑)。

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・和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の「舌平目のパテショー」
 今はなきPARISの名店「ヴィヴァロワ」のスペシャリテが食べたいと、無理を云って手島料理長にお願いした料理、意外にも軽やかな味わいで、現代のメニューに入れても十分通用する、この時は同席したメンバーも濃くて、忘れ難い午餐会になった(笑)。

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・兵庫芦屋「オステリア・オ・ジラソーレ」の「手打ちのパッケリ、潮の香のソース」
 今回唯一のイタリア料理店、顔の濃さなら負けてはいない(笑)杉原料理長の名店、高級住宅地にありながらも、ベースは南イタリアのマンマの味だと感じる、「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」の、コクトーの詩の一節が思い出されるような、秀逸なパスタだった。

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・札幌「プロヴァンサル・キムラの「南フランスシストロン村仔羊背肉のロースト、黒米を詰めたプチトマト」
 今年16年ぶりに輸入解禁された、仏シストロン産仔羊を料理するなら、同じプロヴァンスで働いていた木村料理長は最適任者、そう思わせる圧巻の肉料理、国産羊もかなり良くなっているが、まだ足りないものがある事を知った。
 エントリーは以上だが順位は付けられない(笑)。

 以下は今年オープンで、今後の展開を期待したい料理人の店で、
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・新橋「コフク」の「新潟県産 玄米(上に金時草)」
 フランス料理と北欧料理の経験を経て、国産食材のみで作る「日本でしか食べられない料理」を目指している赤木料理長、コンセプトは興味深く、あとは客とどう折り合いを付けていくかだが、これから楽しみな才能だと思う。

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・札幌「Obtenir K(オプトゥニール・ケイ)」の「マダチ(鱈白子)のムニエル、ソースブイヤベース」
 1983年生れと云う若さながら、古典派料理を志向する藤谷料理長、この分野には濃くて重い先輩達が多く(笑)、彼等に較べるとまだ足りないと思う部分はあるが、これから経験を積んでいけば、札幌を代表する料理人になる可能性あると思う、5年後10年後が楽しみ。

 以下は他の料理ジャンルから印象深かった2店。
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・南青山「MAMA」のランチメニュー「イベリコ豚のカツカレー」
 過去人生最高のカツカレーを選ぶなら、現在の処これか(笑)。高級フレンチ出身の料理人とサービス2人が営む、箸で食べる創作料理、インテリアも素晴らしいし、家から近かったら、毎月いや毎週でもランチに通いたい店(笑)。

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・西新井「香府山」の「担担麺(ランチセット)」
 地元足立区内に、こんな秀逸な中国料理店がある事を今迄知らなかったのを恥じる、車か自転車でないと行き難いが、この担担麺は中国料理店ならではの、湯の深さある味と香辛料使いで秀逸だった。

 次回は「デザート&スイーツ編」の店です。


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2016年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いて、デザート&スイーツ編を記したい。
 まずは今年最も印象深かった一品からで、東麻布の新店「ローブ」平瀬パティシェール作の、
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・バラ 桃
 今橋料理長の南の風を感じさせる料理も良かったが、このデセールの味構築とビジュアルには感嘆した、フルーツを使って感動するデセールになかなか巡り合えなかったが、20年前のパリ「ランブロワジー」での‘Compote de peche’以来の衝撃。
 秋冬の料理&デセールを体験したいのだが、このまま行けないと春になってしまう(笑)。

 以下は大体訪問順になるが、麻布十番「ビストロ・コティディアン」の定番、
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・ラム酒風味のクレームキャラメル
 「ローブ」とは対照的だが、ビストロデセールは見かけ武骨でも、旨ければそれでいいだろうと思わせる力がある。
 
 パティシェ経験のある料理人、六本木「ル・スプートニク」高橋料理長の、
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・バナナとチョコレートのグラスの中にラムレーズン、ヘーゼルナッツ、キャラメリゼしたバナナ、上からラム酒入りの熱いチョコレート。ベジタブルゼラチンで包んだマンゴーとパッションフルーツ。
 名前が長いが(笑)、ガストロノミーレストランのデセールはこれであって欲しい見本みたいな一品、手をかけその場でなければ味わえず、消えるのが惜しく儚くも美しい。

 チョコレート系ならこれも挙げておきたいのが、外苑前「フロリレージュ」の、
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・贈り物、アマゾンカカオ
 ペルーの料理人から送られてくるアマゾンのカカオを使い、日本の赤紫蘇と合わせるセンスはこの店ならではの発想、地球の裏と表はこれで繋がった(笑)。

 もう一つチョコレート系では、稲荷町「キエチュード」の、
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・栗とホワイトチョコレートのフォンダン、バニラのグラス、ビスケットのクランブル
 モワルーショコラとグラスの組合せは定番だが、ホワイトチョコレートを使いクランブルを添えた組合せの妙が、また食べたい一皿になった。

 ショーフロワ(熱く冷たい)なら挙げたいのが、赤坂「古屋オーガストロノム」の、
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・パッションフルーツのスフレ、グラススペキュロース
 古屋料理長はパティスリー勤務経験もあるので、デセールが安定している、スフレを一人厨房で他の料理を進行しながら作るのは相当面倒だと思うが、そのハンデを感じさない見事な出来。

 これ迄挙げたデセールの乗ったテーブルを引っ繰り返す様な、反則技みたいなのが、大阪上本町「コーイン」の、
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・トリュフのブリュレとアイス
 黒く見えるのは全て黒トリュフで勿論仏産、これは真似したくても出来ない、普通の料理人なら理性が許さない(笑)、他の料理人は真似しない方がいいが、でもまた食べたいと思う「禁断のデセール」(笑)。

 以下はフランス料理店以外で、まず麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」の内野料理長が「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」時代の、
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・苺のスープに溺れた水牛のモッツァレラ
 ビジュアル、味のバランスが抜群、漫画好きな料理長のセンスが溢れている(笑)。来春には新店でも登場すると思う。
 
 自分はやはり日本人だと自覚したのが、大坂高麗橋「桜花」の、
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・ぜんざい 蓮の実 揚げ餅 あんぽ柿団子 くこの実
 外国人に何と云われても甘い小豆餡は美味しい(笑)、これに添えられた一口珈琲のセンスも良かった、自分の最後の晩餐にはブラスの「チョコレートのクーラン」と思っていたが、これもありかも知れない(笑)。

 スイーツ専門店では、表参道「グラッシェル」での新作レセプションで提供された、
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・シャインマスカットのパフェ(試食用サイズ)
 店売りサイズではないが、それが「もっと食べたい」と思わせ、猶更印象深かった、来年の再登場時にはフルサイズに挑戦したい(笑)。

 地元にこんな優秀なパティスリーがあったのかと、今迄知らなかったのを悔やんだのが、竹ノ塚「アトリエ・エデュー」の、
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・マンゴープリン
 フルーツのスイーツは難しいのだが、これは見事に「マンゴーを超えたマンゴー」になっていると思った、これも来年のシーズンに買いに行きたい逸品。

 一年間ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 今年4月に長年勤めた職場を辞し、収入のない生活になったので、ブログの継続はもう無理かなと思っていましたが、何とか続けてこられたのも「読んでいる、面白いよ」との励ましの言葉があったからです。
 来年どうなるかの見通しもありませんが、例え近所の一杯650円のラーメンからでも美味しさを感じ取れる感性は保ちたいものです(笑)。
 老いを感じる身には、何かと生き難く棲み難い世の中になりつつあるのを感じますが、来年が皆さんにとって、より良い一年である事をお祈りします。


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2016年「今年印象に残った店」(料理編)

 今年も残り一週間を切り、ブログの更新もあと2回の予定、そのため毎年恒例の「今年印象に残った店」を挙げておきたいと思う、「料理編」と「デザート&スイーツ編」の2回に分けるが、誤解のない様ことわっておきたいのは、私が訪れて此処に挙げなかった店が、料理もデザートも駄目だったと言う訳ではありません、既にガイドブックなりベテラングルメなりに好評価され支持を受けているので、あえて挙げなかった店もあります。
 今年の自分にとって何かしらの強い印象を残し、来年どう変わって行くかの期待を持たせる、「発展途上である」事を感じさせる店とその料理が殆どです。

・赤坂「古屋オーガストロノム」
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 「今年の発見」はこの店に尽きる。「黄金の1990年代」を想起させる、古典料理へのリスペクトを感じさせながら、そこへ料理人の現代的感覚をプラスしている、しっかりとした技術と料理の構築と余韻、フランス料理好きな友人に勧めても概ね好評だった。これから有名店にありがちな国籍不明系な方向に進まず、このままで居て欲しいと願うのは勝手な思い込みか、今一番訪れるのが楽しみな店だ。
 料理はスペシャリテの「松坂産地卵を66度40分で"温度卵"に、現代版ウッフ・ア・ラムーレット、フランス産黒トリュフ添え」

・神楽坂「ビズ‘bisous’」
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 新規訪問でもう一店挙げておきたいのがこの店。一度会ったら忘れない濃い顔(笑)、モヒカン頭に大きな声の若い料理人は、見かけとは違い繊細で遊び心のある料理を作る、4,950円のディナーメニューは都内有数のキャリテプリではないか?国産ワイン提供に力を入れ、あまり教えたくないが、来年は更に人気が出そうな店。
 料理は「スペイン産イベリコ豚肩ロースの低温ロースト」

・外苑前「フロリレージュ」
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 今更私が何か云うべきレベルの店ではないが(笑)、川手料理長の視線は今世界へ向いている、追い付けない差で先頭を独走するマラソンランナーみたいだが、誰かに「今、東京で行くべき店は?」と訊かれたら、迷わず即答でこの店の名前を挙げるだろう。
 料理は6月訪問時の「花ズッキーニと仔猪」

・六本木「ル・スプートニク」
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 昨年開業して瞬く間に人気集中、今回一年ぶりの訪問だったが、ムニュ構成が開店当時から進化し、見事な展開を感じさせてくれた、外国人客も多く来店し、高橋料理長と田村支配人の見事な操縦で、魔界六本木を周回する輝く衛星になった(笑)。
 料理は「北海道白糠町酒井さんが育てた仔羊のロティ、そのジュ、ロックフォールソース、35年物のローズマリー風味、ローズマリーの枝」

・西麻布「ル・セヴェロ・ジャポン」
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 レストランでは同席するメンバーによって、楽しさが2倍3倍になると云う実例を体験した(笑)。勿論料理も良かった、ステーキ以上に感心したのが、パリ本店の作り方で作ったと云うパテ・ド・カンパーニュ、フランス人が日本のフランス料理を食べ、おそらく「足りない」と思う部分を再現している、俗な例えだが「美女の腋臭」みたいな、日本なら削いでしまうもの(笑)。
 料理はその「パテ・ド・カンパーニュ パリ本店のレシピ 厚切りお肉のテリーヌ」

・大阪上本町「コーイン」
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 私のブログを読んだ東京の或る料理人が、「この店だけは行ってみたい」と唸っていた(笑)。フェルナン・ポワンは「美味しさはスピードだ」と云ったそうだが、この店の料理には「美味しさは物量だ」と感じる(笑)、これだけ物量を投入してもバランスの取れた料理にするのが、料理人の特異な才能。
 料理は「ブッフブルギニョン」(こんなブッフブルギニョン、他であり得ない(笑))

・和歌山「オテル・ド・ヨシノ」
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 料理長は今年、農水省料理人顕彰制度「料理マスターズ」ブロンズ賞を受賞、今国内でも最も「来ている」料理人だと思う。彼のスペシャリテであるこの料理が出て来たら、水戸黄門が葵紋の印籠を出すみたいなもので、平民はただ平伏すしかない(笑)。
 料理はその「ジビエのトゥルト」

・札幌「プロヴァンサル・キムラ」
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 東京以外でもう一店挙げておきたいのは、この店のこの一品。太宰治の「斜陽」は「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、『あ』と幽かすかな叫び声をお挙げになった。」で始まるが、私はこれを吸って「あ~」と唸りたくなった(笑)。これを食べる(「飲む」ではない)ためだけに、往復の飛行機代払って惜しくない、そう思わせる一品料理に最近あまり出会えなくなったが、久しぶりにそう思った。
 料理は「スープ・ド・ポワソン、ルイユとグリュエールチーズ」

 フランス料理ばかりになったので、イタリア料理を2店挙げておきたい、
・中野新橋「タクティー」
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 新鮮鎌倉野菜と鎌倉沖で採れた魚介が味わえる、意外な場所と云っては失礼だが、庶民的な街にある地域密着型のイタリア料理店、残念ながら来年4月で閉店予定との事だが、もっと客が来て盛り上がれば、もしかしたら延期があるかも知れない?
 料理は「8月・鎌倉野菜のサラダ」

・麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」
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 今年8月にオープンしたばかり、来年への期待を含めて選んだ。独学派の若い料理人の発想はユニーク、前店のピッツェリア時代に比べると料理にはまだ固さも感じたが、これから良くなって行く事は間違いないと思う。
 料理は「氷室豚の炭火焼きとほうれん草」

 料理に関しては、今年はモダン系より古典、料理人も1980年代生れの若い才能より、その前世代の料理に惹かれる事が多かった、私自身古典回帰しているのかも知れない(笑)。
 次回は「デザート&スイーツ編」を記事にします。


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2015年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いて、デザート&スイーツ編の「今年印象に残った店」を紹介、料理編と重なる店もあります。
 まずは、六本木「ル・スプートニク」の高橋料理長が、代官山「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」時代の、
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・苺とハイビスカス ヨーグルト
 味だけでなくビジュアルも美しいデセール、新店でのデセールはまだ大人しく感じたが、これからに期待したいと思う。

 続いて外苑前「フロリレージュ」の、
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・旬 チョコレート
 これは旧店舗時代の名作「青山の土」の新バージョン、この店も移転当初デセールは地味目だったが、ようやく旧店舗時代に近付いてきた印象を持った。

 料理もデザートも両方いい店は意外と少ないものだが、その一つ麻布十番の「ビストロ・コティディアン」から、定番ながら王道の、
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・チョコレートのテリーヌ

 チョコレート系が続くが、ドルチェも作る若い料理長のセンスが光る、同じく麻布十番「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」の、
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・生チョコレートのタルトとビーツのヴァリエーション
 このビーツの使い方は、見た目も味も鮮烈だった。

 同じく1980年代生れの若手料理長がいる、新橋「スブリム」の、
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・ショコラ ヨーグルト ベリー
 独特な質感のプレートも含めて、A・タピエスの抽象画を思わせる様なビジュアルが印象的だった。

 東京以外では、新パティシェールに交替した和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の、
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・四角いプラリネ、トンカフェのアイスクリーム

 薪による熾火調理の本流本家、神戸・元町「bb9」の、
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・薫香のアイスクリーム

 札幌ススキノ繁華街真中にある雑居ビル内ながら、本格的フランス料理を提供する「サヴール」の、
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・バトン・ド・ショコラ“フランボワーズ”

 行ったばかりで、まだブログにはUPしていないが、御茶ノ水(秋葉原)「ビストロ・ヌー」の、
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・ミックスベリーのタルトとバニラアイス
 間違えて発注してしまったらしい、タヒチ産の高級ヴァニラを使ったアイスは、今年一番の出来だった(笑)。

 レストランデザートは以上だが、今年は街場のパティスリーにも収穫があった、まず私の地元下町足立区に、これ程本格的なパティスリーが出来たのは驚きと思えたのが、梅島「ラヴィアン・レーヴ」の、
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・和栗のモンブラン

 勤め先近くに9月にオープンしたのは、春日「アヴランシュ・ゲネー」の、
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・モンドール
 この2店は共に秀逸だった、日本の材料でもこれだけ本格的なガトー類が作れる時代になったのかと、感慨深かった。
 そして最後になるが、このおかげでXmasが例年になく豪華になった(笑)、表参道「グラッシェル」のアントルメグラッセ、
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・「クープ・ドゥ・クール」

 今年一年間、このブログをお読みいただき、ありがとうございました。
 前記事でも触れたが、今年の東京はレストランの新規開店ラッシュだった、その一方で年内に閉店してしまった店も数多く、これを「世代交代」と云っていいのかどうか。
 レストランへ行く総人口は増えていない様に感じている、総数が一定の客を取り合うので、満席が続く店があったとしても、それは別の店から移って来た客でしかない。
 職場の若い人達と話しても、彼・彼女達は外食にお金を使わないなと感じている、「将来が不安だから貯金している」と答える彼等に、レストランの面白さ、こうした場所で大人の振る舞いが出来る楽しさを、もっと伝えるのが我々老境グルメ?の役割ではないかとも考えている(笑)。
 来年は飲食業種全体が、もっと元気になれる年であって欲しいものだ。
 皆様にとっても、来たる新年が希望の持てる一年である事を願っています、どうぞ良い年をお迎えください。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
店の点数評価等はしません、「食と人」を描きたいと思っています。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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