最後の晩餐にはまだ早い


新御徒町「佐竹商店街」と「中屋洋菓子店」

 東京台東区にある佐竹商店街は、清洲橋通りに沿って南北に並ぶ、全長330mの歴史ある商店街だ。名前の由来は元々この地が秋田久保田藩の江戸屋敷で、久保田藩主は代々佐竹氏が継いでいた事から、昔から「佐竹」「佐竹屋敷」と呼ばれていたらしい。
 明治の廃藩置県により無人となった屋敷跡に、見世物小屋、寄席、飲食の屋台等が並び、これが商店街の始まりとされる。現在ではアーケード(フランス式に云えば「パッサージュ」)型の雨天対応で、客は雨に濡れずに買い物が出来る。 
 商店街の中にも掲げてあるが、「日本で2番目に古い商店街」だそうだ、そうすると「1番は何処?」と気になるが、これは金沢の片町商店街になるらしい。京都の錦市場はもっと古いのでは?とも思うのだが、あそこは商店街でなく市場だからランキングが違うとの事(笑)、まあこうしたものは先に言ったもの勝ちみたいだ。

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 商店街は過去2回程訪れた事があるが、印象は「昭和的で、寂れかけた商店街」のイメージだった、今回真面目に?見学して、なかなか面白かったので、ブログに書いておきたいと思う。
 少子高齢化と大型店舗進出により、日本中の至る処で商店街が「シャッター通り」に化してしまった、私の地元にある商店街も昔は賑わっていたが、現在はゴーストタウン状態になり、屋根も補修せず荒れる一方。佐竹商店街も少し寂れかけた雰囲気あるが、屋根は補修していて雨も漏らない(笑)、中にはシャッターを閉めた店舗もあるが、全体的にはまだ生存中の状態に見える。

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 右端は古くから続いていると見える甘味処、隣はインド・ネパール料理店、その隣は夜だけ営業の酒場、奥にはピザ専門店と多国籍な店舗が並ぶ(笑)。

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 こうした雑貨屋と云うか「何でも屋」は、昔から商店街に一店はあった。

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 洋品店が多いのがこの商店街の特徴、この日営業中は4店舗あった、繊維問屋が多い浅草橋に近い事と関係ありか。

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 元々店舗だったと思われる場所が駐車場になり、その前にズラリと並ぶガチャガチャと自販機、昭和レトロな商店街との対比でとてもシュールな光景(笑)。

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 今回の訪問目的がこの「中屋洋菓子店」、大正7年創業のカステラ&ロールケーキ専門店で、WEB情報で知り興味を持った。

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 販売アイテムはカステラ、コーヒーロールとジャムロールのみ、この他にマドレーヌや期間限定のりんごケーキもあるらしいが、この日は見なかった。

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 ガラスケースはシンプルそのもの。
 店先には誰も居なくて、「すいません」と呼び掛けても返答ない、繰り返したら奥から男性が「ちょっと待ってください」との返事、少し経って白作業着姿の年配男性が出て来た、この方がご主人みたいだ。商品は3種類なので選ぶのも簡単(笑)、カットした物を3つ購入した。男性の話から大正7年創業で、自分で三代目だと云う事を知る。

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 隣が喫茶店で入ってみたかったが「準備中」だった、WEB上では「喫茶室は平日12~13時の一時間しか営業しない」「懐かしのインベーダーゲーム」がある等、まことしやかな話が出回っているが、一度見たいものだ(笑)。

 帰宅してから食べてみた3種類
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・コーヒーロール(1カット税込158円、1本は1,095円)

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・ジャムロール(1カット147円、1本990円)

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・長崎カステラ(1カット145円)

 印象は「なつかしい昭和味」そのもの、食べていると私が子供時代を過ごした、墨田区の小さな町工場が並ぶ風景が浮かんできた(笑)。唸るような美味しさとか、洋菓子コンクールに出る味では決してないが、プルーストにおける紅茶に浸したマドレーヌみたいに、幸せだった少年時代を思い出して涙ぐんでしまう(笑)。
 少ない販売アイテムとこの昭和味で商売を続けているのだから、きっと根強いファンが付いているのだろう、若者向けのコンビニスイーツでは満足できない人は居ると思う。稲荷町の「小山生菓子店」と共に昭和遺産として残したい店だ。
 この店を含め佐竹商店街は昭和的な魅力に溢れている、また訪れたい場所だと思った。つくばエクスプレスの新御徒町駅から至近なので、近くへ来たら一度寄って見る事をお勧めしたい。


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竹ノ塚「三桂 保木間店」

 先月、49歳の若さで惜しくも亡くなった、PARISホテルブリストルのシェフ・パティシェだったローラン・ジャナンは、来日する毎に日本のコンビニへ行き、タマゴサンドを買う事を一番の楽しみにしていたと、インタビューで語っていた。
 三ツ星レストランの天才パティシェが認める位に、日本のサンドイッチのレベルは高くなった(笑)。フランスではバケットを開いて具を挟んだ物が多いが、日本で一般的な三角形の物もスーパー等では売られている、ただ中身の種類は少なくパンもボソっとした食感なので、日本式の繊細なサンドイッチとは違う。
 去年あたりから日本でサンドイッチがブームになっていると感じている、コンビニサンドも人気だが、注目されているのが高級サンドイッチで、ローストビーフ等高価な中身を使い、専門店のメニューには一品千円以上する物もある。
 今回紹介するのは、ブームになる前から地元にあったサンドイッチ専門店、私は初利用だったが美味しかったので、ブログ記事にしておきたいと思った。
 店の名前は「三桂(さんけい)保木間店」、場所は説明し難い処に在り、近い駅は東武スカイツリーラインの竹ノ塚だが20分は歩く、あとはバスか車または自転車で行くしかない、近隣住民か勤め人が対象の店だと思う。道を挟んだ斜め前には「シャトレーゼ足立保木間店」がある。

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 道路に面した店舗で「Sankei」の文字が目立つ。

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 ガラスケース兼冷蔵庫の中に並ぶ種類豊富なサンドイッチ、三角形タイプだけでなくコッペパンに挟んだ物もある、店は三角を「サンド」、コッペ形を「ロール」と名付けている。(撮影は承諾を得ています)
 ケースを見ていたら、奥から店主らしい体格のいい男性が出て来た、調理場で作業しているので、店内で全て作っていると思われる。これだけ種類があると、何を買おうか迷うが、結局4種類を選んだ。
 男性に店の由来を聞いたのだが、元々「三桂」はフランチャイズ制のサンドイッチ販売店で都内にて数店舗展開、この店も系列だったが、その後グループから離脱し現在は独立店舗になったとの事。独立後も「三桂」を名乗っているのは、何らかの「大人の事情」があるみたいだが、それはさすがに聞けなかった。

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 買ったサンドイッチ全部、WEB情報では茹で玉子のサービスがあると聞いていたが、何と2個もおまけしてくれた(笑)、これ全部で1,030円は安いと思う。
 以下、各サンドイッチの紹介、画像は包装を取ってから撮るつもりでいたが、上手く自立しないので、そのままで断面を見せるにした。

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・タマゴサンド(税込250円)
 薄く柔らかいパンでマヨネーズを和えた刻み茹で玉子を挟んでいる、中身とパンのバランス良好、味のまとめ方もいい、他に玉子焼きみたいな厚焼きを挟んだ「オムレツサンド」もあるが、最初に買うのはこのタマゴサンドだろう、これローラン・ジャナンに食べさせたかった(笑)。

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・ゴボウサラダ(270円)
 何故かこれだけ名前に「サンド」が付かない。スーパーの総菜売場に置いてある、千切りゴボウとキュウリのサラダを挟んだもの、とても庶民的でホッとする日常の美味しさ、やはり野菜も食べないといけません(笑)。

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・ハムカツサンド(250円)
 肉系も食べたいと思い選んだ、コロッケはコッペパンが合うが、ハムカツは三角サンドだろう、東京下町育ちの私にはハムカツは何よりのご馳走(笑)。中身のハムと衣のバランスが良好、ソースがピリッとした辛口でいい、このソース何処製の物なのか今度訊いてみたい。

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・フルーツサンド(260円)
 デザートのつもりで買った(笑)。中身はミカンとパイナップルを生クリームで和えたシンプルなもの、パンとのバランス考えたら、この位がいいのでは?と思う。
 以前別の店で買ったフルーツサンドが以下の物だが、

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 見栄えは立派でSNS受けしそうだが、食べている途中で飽きて来て、半分位で「もういいや」と云う気分になる、パンとのバランスも良くない。

 全体的に出来不出来のない美味しいサンドイッチ、値段も下町価格で良心的だと思う。あえて言えば全粒粉や玄米を混入した、黒っぽいパンを使ったサンドイッチがあると、もっといいのだが。
 我家から自転車だと結構あるが、また買いに行きたいと思う(笑)。


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懐かしのプリン・ア・ラ・モードを求めて

 きっかけは4月末に表参道の「グラッシェル」でプリンパフェを食べた事。1,620円(税込)の値段も納得の、本物のバニラを贅沢に使ったプリン、吟味したフルーツ、上質な生クリームが合わさり、また食べたいと思う逸品だった。

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 聞く処によると、これはシェフパティシェールが子供時代の想い出の味を表現したく作ったものらしい、何処か懐かしい深層心理に訴える美味しさがあった。
 ところで私自身で考えてみると、子供時代にプリンパフェを食べた記憶がない、「パフェ」を名乗った物は、デパートの大食堂でメニューにあったが、記憶にあるのは「チョコレートパフェ」、果物入りは「フルーツパフェ」だったと思う。いずれにしても裕福でなかった我家では、滅多に食べられるものではなかったが(笑)。
 プリンを使ったものは「プリン・ア・ラ・モード」と云う名前で、容器もパフェに使うクープ型ではなく、舟やボートみたいな横に長いガラスまたは金属製の足が付いた器だった、そこで「さて、この違いは何だろう?」と疑問がわいた。
 ここから今回の記事が始まった(笑)。そもそもプリン・ア・ラ・モードとは何かだが、ウィキペディアによると、「プリン・ア・ラ・モード (pudding à la mode) は、カスタードプディングを中心に、様々な甘味を飾った盛り合わせデザートである」と定義されている。横浜にある「ホテルニューグランド」が考案し、戦後GHQに接収された同ホテルが、米軍将校の夫人達に提供したのが始まりとあった。 考えてみれば‘pudding’は英語、‘à la mode’は仏語なので変な造語だ(笑)、そのためなのか、プリン・ア・ラ・モードと呼ぶのは、主に東京中心の東日本で、関西では同様の物は「プリン・ローヤル」または「プリンパフェ」と呼ぶ事が多いと、これもWEB上の記事で見た。

 そのプリン・ア・ラ・モード、もう何年も食べていない筈だと思ったが、頭の隅っこに何処かで出会った記憶が残っていて、それが思い出せない。自分のブログを最初から見直してやっと見つけた、表参道のフレンチをベースにした創作料理「レストランMAMA」でコース中に出たデザートだった。

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 四角い磁器製の器に入って、下はトンカ豆のプリン、パッションマンゴーのソースにバジルシードと、美味しかった記憶はあるが、少々変わり種のプリン・ア・ラ・モードだった。
 本家とされるホテルニューグランドのプリン・ア・ラ・モードはどんな物かと調べたら、現在でもカフェのメニューに載っていて、WEBページに画像があったのでお借りした。

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 まず容器が舟形のガラス器、真中にプリンが鎮座し、その周りに季節の果物と絞ったホイップクリーム、本家本元だからこれが正調版だろう、私の記憶にあるデパート大食堂の物もこのスタイルだった。
 ここまで調べていたら、正調プリン・ア・ラ・モードが食べたくなった(笑)、何処か近くで提供している店はないか?とWEB検索したが、もう流行アイテムではなくなり予想以上に無い、北千住の「サンローゼ」と云う喫茶店で出していたそうだが、残念ながら今年の3月に閉店していた。ファミレス数社のメニューにも載っていないし、これは横浜まで行くしかないのかな?と考えていた時、意外にもスーパーのスイーツ売り場で「プリン・ア・ラ・モード」の文字を発見(笑)、たまらず買ってしまったのが、

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・「プリン・ア・ラ・モード」(ドンレミー)、(税込175円)
 ㈱ドンレミーはコンビニやスーパーに置かれるスイーツメーカー、足立区内に本社があり、北千住・上野・千葉のアウトレットは、よくTV等で取り上げられる人気店。
 カスタードクリーム、スポンジ、フルーツにプリンと、オーソドックスなもの、値段から多くを期待してはいけないが、それなりに楽しめる。姉妹商品で「ベルギーチョコプリンのアラモード」があるが、これは未体験。
 以降、市販製品が気になって、入手可能な物は試してみる事にした、続いては、

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・「うみたて卵プリンのアラモード」(シャトレーゼ)、(298円)
 豊富なスイーツで全国へフランチャイズ展開しているシャトレーゼ、本社は山梨県甲府市。値段はドンレミーの倍近いので味も当然UPしている、プリンの出来はいいが、無理やり乗せたみたいなシュークリーム?はいらない気もした。

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・「夏のなめらかプリン・ア・ラ・モード」(パステル)、(561円)
 「なめらかプリン」でお馴染みのパステル、運営は名古屋本社のチタカ・インターナショナル・フーズ㈱。値段は高いが味は前2品とはグレードが違う、フルーツやクリームの質は申し分ない、残念なのはプリンの量が少ない事で、画像ではよく判らないが2cm位しか厚みがない、全体のバランスを考えたのだと思うが、「プリン・ア・ラ・モード」なのだから、プリンをもっと強調して欲しい。

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・パステルで売っていた「なめらかプリンケーキ」5号、(3,186円)
 実際には食べていないが、直径15cmとプリン・ア・ラ・モードのお父さんみたいなケーキ、糖質や体重を気にしないで、何時かこれを抱えて食べてみたいと思った(笑)。

 プリン・ア・ラ・モードとは何か?は判って来た気がするが、やはりカップ入りではなく、昔みたいに舟形の器に乗った物が食べたい。WEB上で調べたら、新橋と大久保に正調版に近い形で提供する店があるのを知った、近いうちに行ってみようと思っている。
 プリン・ア・ラ・モードを巡る旅はまだ終わらない(笑)。

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湯島「ベッケライ テューリンガー ヴァルト」

 時間は前後するが、今回紹介するのは「ビストロ・ヌー」へ行く前に寄った店、家のパンが切れてしまったので、秋葉原・神田界隈で良さそうなパン屋はないか?とネット上で検索していて見つけた。
 WEB情報では「ドイツ人職人が作る、本場ドイツのパンを売る店」とある、PARISにあるブランジェリーの名を付けた店には、期待外れな思いばかりしていたので、「ドイツパン、それも個人店なら面白そう」と好奇心が沸き、店まで行ってみる事にした。
 店の名前は「ベッケライ テューリンガー ヴァルト(Bäckerei Thüringer Wald)」、独語のベッケライは英語のベーカリー、ヴァルトは森の事だから、直訳すれば「チューリンゲンの森のパン屋」、なかなかロマンチックな店名だ(笑)。開業は2015年10月で、店主は製パン技術指導のために来日し、そのまま日本に滞在を続け独立したそうだ、「ビゴ」や「ルコント」みたいなケース。

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 食べログの地図を印刷して行ったのだが、これが予想以上に凄い場所だった、地下鉄千代田線湯島駅の御茶ノ水寄りの出口を出て、神田明神下へ向かい三組坂下の交差点を右折、本郷三丁目方面へ向かうと左側にラブホテルが並んでいるがその裏手、近くには東都文京病院(旧:日立病院)がある。湯島天神と神田明神の中間地、ラブホと病院に囲まれ、少し先には霊雲寺と云う大きな寺社もある、まさに愛(エロス)と死(タナトス)が交錯している(笑)。

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 前の店舗は何だったのだろう?小さな店舗だ、店前には「ドイツパン マイスターの店」と店のサイズに合わない大きな看板が掲げてある(笑)。

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 ガラス戸を開けるとそこはすぐパンが並ぶ棚、欧州式の対面販売で、客側に近い列は「~クーヘン」(ドイツ語でケーキの事)と書かれた、デニッシュ系みたいなパンが並ぶ、「スマイリークーヘン」と云う人の笑顔を表したパンがちょっと笑える。個々の値段は場所柄を考えたら結構高めだ。
 その後ろにはプレッツェルみたいな甘くないパン、後方の棚には食事用のパンを並べてあった。このキチッとスキのない陳列の仕方はドイツ的だなと感じた。
 販売担当は若い日本人女性、奥が作業場になっていて、大柄でお腹の出た外国人男性が手作業でパン種を練っていた、この男性と目が合い「グーテンモルゲン」と挨拶される、何と返すべきか一瞬迷うが、「おはようございます」と無難?に日本語で(笑)。あとでショップカードを貰ったが、この人がマイスターのフランク・ウィンターベルク氏。あまり日本語が得意でないのか、それとも元々無口な職人タイプなのか、あと喋ったのは退店する時に「ダンケ」と云っただけだった(笑)。

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 壁には額装されたレストランメニューみたいなものがあったが、これがマイスターの称号なのか?ドイツ語は全然判らないが。
 同様にドイツパンはよく判らず、店の女性の説明を受けながら選んだ、初回なので無難に食事用のパンを2種買う事に、以下はその紹介と食べた感想を。なおパンの撮影場所は「ビストロ・ヌー」のカウンターを借りました(笑)。

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・ヴァイツェンミッシュブロート(税別650円)
 一辺約11.5cm、ライ麦約20%混入との事で、フランスなら「パン・ド・ミ」みたいなパンか。スタンダードな食事パンと云う印象、粉の美味しさが伝わって来る、薄く切ってトーストにすると特に美味しい、バター&ジャムでも、ハムやチーズ等と合わせてもいい、この店へ来たら最初に買うパンとしてお勧め出来る。

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・バウエンブロート(750円)
 直径約12.5cm、ライ麦比率はたしか50%だと思った、ズシリとした重量感がある。個性的な味わいなので一般向けではないが、個人的には好みのタイプ(笑)。これと野菜と肉を入れたスープがドイツの伝統的な家庭の食事なのだろう、噛むほどに旨味が増すパン。

 ドイツパンと聞くと、広尾の「東京フロインドリーブ」を連想するが、1970年創業のあちらのパンと比べると、伝統的な作りは同じだが、より現代的な味わいになっていると思った。

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 WEB上では「値段が高い」とも書かれていたが、今、街場のベーカリーの食パンが一斤250~300円位なので、確かに高いとは思う、でも厳選した材料を使い、機械に頼らずに伝統的な時間と手間をかけるパン作りをすると、こうした値段になってしまうのだろう、この辺りをどう考えるかによって、この店の評価は変わる。
 個人的にはリピートしたいと思った、それだけの魅力はある、地味だが本物を提供しようとする、この店が継続できるなら、東京も本当の「食の街」になったと云えるのでは?(笑)。


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稲荷町「小山生菓子店」

 今回記事にする和菓子店は、上野稲荷町「キエチュード」を前回利用した時に見つけ、何とも昭和チックな店構えに惹かれた、その時は外観を見ただけだが、今回キエチュードでのランチ後に寄ってみる事にした。
 店の名前は「小山生菓子店」、場所は下谷神社とキエチュードがある道から1本浅草寄りで、この界隈は結構古い建物が残っている。WEB上での情報では、太平洋戦争時の空襲を奇跡的に免れた一帯だそうで、レトロな建築が好きな人には、昼間の散歩をお勧めしたい場所だ。

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 店名の「生菓子」だが、私が子供の頃は単に「菓子」と呼ぶ時は煎餅やあられ等の干菓子を差し、もち米や小豆餡を使う日持ちしない物は「生菓子」で、売っている店も違った、その名残だと思う。ちなみに生ケーキ等は「洋菓子店」、子供専用は「駄菓子屋」だった。
 店の開口部は西向きなので、日除けで日差しを避けている、今はエアコン万能の時代だが、昔は食べ物を扱う店はこうした工夫をしていた。
 入口に近いガラスケースの中には饅頭や団子が並び、上にはいなり寿司やのり巻きを入れたパックを置いている、和菓子店でいなり寿司や赤飯等を売るのは、東京和菓子店のスタンダード。
 ケースを見ていたら、店奥から女性が出てきた。WEB情報では「おばあさんが一人で店番している」とあったが、この方をそう呼ぶのは失礼、私と年代は変わらないと思う、せめて「おばさん」でしょう(笑)。
 この方に「初めて来ました、古い店ですね、写真撮っていいですか?」と訊いたら、女性は「昭和3年(1928年)から続いている、(撮っていいけど)私は撮らないでね」との応えだった(笑)。

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 雑然とした店内、奥が作業場でその前には歴史博物館にありそうなレジスター(笑)、その手前の空間はおそらく食堂として使ったのだろう、昔の和菓子屋ではかき氷やあんみつ等を食べるスペースがあった、すぐ近くの下谷神社参拝者の休み処になっていたと思う。

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 何処かから譲り受けたのだろうか?「稲荷町 与志乃家」と書かれた木箱が積んであった。店内はお世辞にも奇麗とは云えないので、潔癖な人にはお勧めしないが、私はこうした雰囲気は懐かしく惹かれてしまう(笑)。
 店前に自転車が置いてあったので、店主の住まいは別にあり、朝に主人が作りに来て、昼間は奥さん(たぶん)が店番しているのではないかと思う。

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 買い物をして店を出たら、道の向かいにある内科医院の建物に気付いた、此処も相当な時代ものだ、私が幼少時代を過ごした墨田区の向島界隈にも、こんな感じの町中医院があった。

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 この日買ったもの全部、総額で税込950円だから安いと思う、それぞれの紹介を。

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・いなり寿司(1個100円)
 「正調東京下町いなり」と云う印象、中身は詰め過ぎだったが、私の母親が作っていた物に似ている(笑)。照りとツヤを出すために油揚げをザラメで煮る店もあるが、これは普通の砂糖を使っていると思う。

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・のり巻き(1本90円)
 下町伝統の具はかんぴょう煮で細巻きタイプ、釣りが「鮒で始まり、鮒で終わる」なら、のり巻きは「かんぴょうで始まり、かんぴょうで終わる」、私も年齢を重ねてこの美味しさが身に染みる(笑)、酢飯は伝統の甘口。

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・生姜
 この生姜の甘酢漬けが、また泣ける(笑)。

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・みたらし団子(1本120円)
 昼間買って夜に食べたのだが、団子部分は硬くなり始め翌朝には結構硬くなっていた、これは昔ながらの搗いた餅を使っている筈。最近は団子でも大福でも、餅粉を練って片栗粉やトレハロースを加え、長時間硬くならない様にしている物が多いが、硬くなる団子は本物感がある(笑)。

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・漉し餡団子(1本120円)
 東京伝統の漉し餡が美味しい、この餡だけ舐めていたい位(笑)、最近若い人達に小豆餡が好まれないとも聞くが、嫌う前にこうした本物を味わって欲しいと思う。

 東京下町育ちの私には、泣きたい位に懐かしい店構えと味、もっと早く来るべきだった(笑)、昼のみの営業だがキエチュードや下谷神社に来る時には寄ってみて下さい、昭和に戻れる店です(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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