最後の晩餐にはまだ早い


野菜の鮮度

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 我家から歩いて5分程の場所に「直販農園」がある、もともとこの辺りは東京でも最後に残った農地、実際に営んでいるのは今では大地主なので生計には困らないが、自分達のルーツを忘れないために農業を続けているという感じに見える。
 新鮮で安価な野菜が買えるとあって、週2回の販売日には、皆結構遠くから自家用車や自転車で買いに来て、すぐに売り切れてしまう。

 この農園の野菜を買う様になってからは、スーパーの野菜はあまり買わなくなった、理由は簡単で美味しくないからだ、一応「減農薬」を謳ってはいるが、他に特別な栽培法をしている訳ではないので、野菜特に葉野菜は鮮度がいかに大事かというのが分かる。
 収穫してからも成長する葉菜類、果菜類、成長途中の根菜類は、栄養の補給を断たれた収穫の時点から無栄養になり、体内消耗を始めてビタミンや糖分から先に栄養分を消失する、つまり自ら燃焼する事により「ダイエット」をしてしまう、そのため収穫から時間が経つほど栄養分は失われる、その結果食べて美味しくないのだ。

 これは実際に料理をしてみると分かる、画像は今朝採ったと思われるブロッコリーを午前中に買って昼に作ったスパゲッティだが、色も歯応えも味の濃さも全然違った。
 これらを考えると本当に美味しい野菜料理を食べたいのなら、栽培しているその場で食べるのが一番なのだろう、札幌近郊のフランス料理「ル・ミディ」や、和歌山・岩出のイタリア料理「アイーダ」などは、自家栽培や近隣農家の採りたて新鮮野菜を使う、美味しい訳だ。



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浅草「オマージュ」

 今日は、私が一番数多く通っているフランス料理店、浅草「オマージュ」でランチ会を開催した。
 「オマージュ」訪問は昨年9月以来になるが、この間に「ミシュラン・東京・横浜・湘南2012」版で一つ星評価を獲得した、このお祝いを考えたのだが、花束や胡蝶蘭の鉢植えではありきたりで詰まらない、発想を変えてここは評価出来る食べ手を連れて行くのが一番だと思い、関西若手最強料理人が上京するのに併せて一緒に伺う事にした、この最強料理人、料理が気に入らないと料理長と掴み合いを始めるかも知れないので、その期待?もあった(笑)。
 予約の電話をした時に「○○君を連れて行く」と言ったら、山田支配人に「ガチですね」と言われてしまった。

 正月の喧騒も治まった平日の浅草、週始めの悪天候が嘘の様な快晴で、寒いながら絶好の「フレンチ日和」となった。
 揃ったメンバーに提示されたのは、荒井料理長のスペシャルメニュー、

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・厚岸・中島さんの牡蠣、グレープフルーツのエミルジョン

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・フォアグラとトマト、シュクレのクリスタル

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・長崎産クロムツのムース、根セロリのヴルーテ

・山口産甘鯛の松笠焼(鱗付ポワレ)、飛竜頭、馬鈴薯のすり流し

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・足寄・石田さんのサウスダウン仔羊、焼きメレンゲ、仔羊のジュ

・金柑のムース、雷おこし

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・フォンダンショコラ、キャラメル・サレ

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・ミニャルディーズ

 「オマージュ」は新店舗に移転して2年半が経過した、個人的な感想では旧店舗の最後が一つの頂点だったと思うが、新店舗になってからは同じスタイルを踏襲するのではなく変革を模索してきたと感じる、特に去年あたりからは「浅草のテロワール」を意識して表現する様になった、中には理解し難い皿もあったが、将来を見据えて以前と同じ事はしたくないのだろう、このあたり荒井料理長は「クリエイター気質」だと思う、作曲家で例えれば、地道に経験を積み重ねて自分のスタイルを確立するベートーヴェンより、新しい着想が次から次に沸いてくるモーツァルト的な料理人だと言えそう。

 今日は特に魚料理が印象的だった、厚岸の牡蠣に合わせたグレープフルーツは爽快で軽やか、クロムツのムースは上質な「つみれ」の印象、甘鯛の鱗付きポワレは定番ながら火入れは見事だし、大宮豆腐店の豆腐を使った「飛竜頭」と意外な組合せだが新しい料理として許容出来る、デセールは以前よりクオリティが増したと感じた。
 やはり「一つ星」評価は大きかったみたいで、料理長の言動にも以前にも増して「自信」を感じる事が出来た。
 知人の料理人が、毎年フランス、スペイン、イタリア、北欧から沢山の料理人が帰って来る、彼等との競争に勝っていかなければならない、これは一生続く事、そのためにはスキルを磨き続けるのと同時に、「個性」を表現しないとやがて飽きられると言っていた。
 もうフランスに技術を学ぶというより、彼等の生き方や個性表現、更には批評精神を学ぶべき時代になったとも言えそうだ。

 山田支配人とマダムの気遣いは文句なし、おかげで男子4人のランチ会ながら、時間の経つのも忘れて盛り上がる事が出来た、いい午後だった。

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料理写真

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 先日、青山「フロリレージュ」に集まったのは、なかなかディープなグルマン達で、私を含め3人が自前のブログを持っている、そこで出た話題が「料理写真」だ。

 中でも、「ラーメンが大好きなラーメンブロガーの画像は、携帯電話の写真機能で撮ったものでも、実に美味しそうに見える」という話には大いに同意した、反対にあまり料理に関心がなく、ただ有名店に行きたいと云うだけの「俄かグルメ」の写真は、あまり美味しそうに見えない。
 「対象に惚れる」これが料理写真を撮るに際し一番大事な点だと思う。これで連想したのがアラーキーこと写真家荒木経惟氏の撮る女性ヌード、彼が被写体にする女性はグラビア受けする美人ばかりではない、近所に居る「普通のお姉さん」みたいな人も撮るのだが、これが凄くエロスを感じるのだ。
 彼は若い頃は、撮ったモデルとは「寝た」と言っているが、実際にそうしたかどうかは別にしても、彼の写真は被写体と同じ空間を共有し、その雰囲気を表現する、モデルに対する限りない愛情を感じさせる、「すべての女は美しい」と彼は述べるが、対象に自分を注ぎ込む事で自分を表現出来る稀有な才能だ。

 「料理が上手く撮れない」理由は、自分の腕や機材のせいとも思っていたが、どうやら料理に対する愛情が足りなかったのかも知れないと思い始めている。
 画像はいつも買う「ローストチキン」で値段は安い物だが、果たして美味しそうに撮れているか?


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青山「フロリレージュ」

 遅ればせながら今年の「フレンチ食い初め」は、去年東京で訪れた全飲食店の中で料理が一番印象深かった、青山「フロリレージュ」で開催する事に。
 この予約が大変だった、まず電話が繋がらない、数回チャレンジしてやっと繋がった電話は11月下旬だったが、この時点で年内は予約一杯、「土日祝で一番早いのは?」と尋ねたら、1月の昼は既に全日塞がっていて土曜は夜も満席、日曜夜なら何日かまだ空きがあるとの事で、やっとこの日の訪問になった。
 土曜日曜の昼→土曜夜→金曜夜→日曜夜の順で席が埋まって行くのは日本のレストランの特徴だが、レストラン客が男女混合より女性同士が多いのが理由だろうと思う。20席と少ないながら、この「百年に一度」の大不況下でも連日満席というのは凄い事だ。

 前回訪問は昼だったが今回は夜で店の周辺は暗く、判り難い場所が更に判らない、地図を見ながら何とか辿り着いたが、初回訪問の人はきっと迷うだろうと思う、道も狭いので、前のアベックが乗って来たタクシーが、帰りに引き返せなくなっていた(笑)。
 日曜夜という事もあって19時の入店時にはほぼ満席の状態、サービスは前回訪問時には女性も居たが、この日は近藤支配人以下男性ばかり3人になっていた。
 夜は10,500円の「おまかせメニュー」のみで説明も口頭、「オマージュ」や「Fujiya1935」みたいに料理名を書いた紙をくれると嬉しいのだが、それが無いので以下の料理名は私が勝手に付けたもの、

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・小玉葱のサンドイッチ
・グリーンオリーブのパン

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・トリュフに見立てた鮑のボール、その肝のソース、銀杏

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・フォアグラのポワレ、豚の血のソース、トリュフ、目玉焼き
・スッポンのガトー仕立て、鮪、スッポンのコンソメで、血を使った「どら焼き」(笑)

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・仏産ピジョンラミエと茨城産幼鳩の二皿
・プレデセール(キィウイ、クリームチーズ)

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・柿のタルトタタン、柿のジュース
・フレッシュハーブティー、ほおづき

 前回のランチ訪問を更に上回る出来、川手料理長は若いながら抜群の料理センス、この料理ならフランス国内でも充分二つ星レベルだと思った。メニューには「起承転結」が感じられデセールまで疲れずに完食、そして結構量を食べたのに食後感が軽い。
 考え抜かれた構成、吟味した食材と調理法に感心、中でも印象的なのはピジョンラミエで、今まで未体験の食感と焦がしたような香りを感じて、帰り際に近藤支配人に「プランチャ(オーブンを使わず鉄板だけで火入れする)ですか?」と訊いたら、一旦油で揚げてから炙ったものでオーブンは使わないそうだ、コンフィとグリエの二段入浴?で、表面のクリスピー感と中のしっとり感を両立させた見事な火入れだった。
 そしてここはデセールもパンも美味しい、この内容でこの値段なら予約が二ヶ月前と云うのも口惜しいが納得出来る。全部の店を回った訳ではないから「東京で一番の料理」とは言わないが、今東京で「一番乗っている店」の一つである事は間違いない。

 この日同席したグルマン達も満足し、選んでもらったレアな美酒と共に、3時間半に及ぶ素敵なディナーが終了した。
 市場が休む年初を避け、この日この店で「食べ始め」をしたのは大正解でした、今年もこうした素敵な店との出会いが沢山ある事を願っている。


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千住「明日香泊舟」

 先日、私の身内が集まって新年の「昼食会」をやろうという話になり、伺ったのが北千住駅に直結した「マルイ北千住店」内にある和食店「明日香泊舟(あすかはくしゅう)」。
 人気店のようで我々は予約して行ったので大丈夫だったが、土曜日だった事もあり、昼過ぎには満席となり空席待ちをしている人もいた。

 東京北端に住む人間にとって困るのが、「居酒屋」でない「和食」を食べたい時だ、東京の有名な和食店は殆どが港区、渋谷区、中央区に集中していて、それも夜しか営業しない店が多い、勤め帰りに行くとかなり遠回りして帰宅する事になるし、休みの日に出て行くとなると、どうしても和食よりフランス料理になりがちだ。
 比較的家から行くのに便利だった湯島の「K」や神保町の「D」は、最近人気店となってしまい、なかなか利用する事が難しくなってしまった。

 この「明日香泊舟」は、近くに本店がある和食店の出店だが、その本店を以前「平成の金の卵たち」というタイトルでTVのドキュメント番組が特集していた。見習いからスタートする若い料理人の卵達を積極的に雇用している店だ。
 最近は「見習い」の育成には時間をかけず、調理師学校を卒業した即戦力の人材を雇用する店が殆どだが、この店は中卒者を積極的に採用する、その理由を番組で問われた店主は、「その若さから始めれば、手が柔らかいから」と語っていた。まだ知識や技術が身についていない「白紙」の状態だから、指導によってはどんな形態にも成れる可能性を秘めている、と言いたかったのだと思う。
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 前置きが長くなったが、この日注文した「彩り重ね膳」(2,300円)は、失礼ながら当初の予想より美味しく食べられた、八寸を意識した角皿の中には焼鴨ロース、煮鮑、栗きんとん、煮野菜と正月を意識したものを並べていて、どれも丁寧な仕事を感じた、他は刺身、天ぷら、茶碗蒸し、じゃこ御飯、香の物、味噌汁で全体的には濃い目の味付けで、東京下町育ちの私にはどこか懐かしい味だ、洗練はされていないが野暮ったさはなく、この内容でこの値段なら十分納得出来た。

 サービスはファミレス的であまり評価できるものではないが、これは近い内に本店にも行ってみたいと思った。



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快山窯「青白磁浮彫文様皿」

 自分の人生の残り時間を考え、「もう器を買うのは止めよう」と思っていたが、たまにネットオークションサイトを開くと、つい「食器」のジャンルを見てしまう。

 特に東日本大震災後は骨董市場が暴落している、15年位前の「骨董ブーム」の頃は古伊万里など天井知らずに値段が上がっていたが、その後ブームの終焉と共に値下がりを続け、更に震災後は「物よりお金」になってしまったのか現在はかなり安い、ある意味では「買い時」なのだが、これは株と同じ値下がり時は手を出し難い。
 これから集めようという人には嬉しい傾向だが、この国の深刻なデフレを考えると喜んでばかりもいられない。
 
 今回、見つけたのが「快山窯」の青白磁浮彫文様皿5枚組、これは人間国宝(重要無形文化財の保持者)だった塚本快示(1912~1990)が開いた陶房で製作された物だ。有名な陶芸家になると、個人で製作するのは「数」が限られてしまい、大量注文には対応できない、そのため弟子筋が中心になって「工房物」を作る、これは北大路魯山人もやっていた事だが、こうした場合通常「作家物」と「工房物」として区別される、勿論値段もかなり違ってくる、ただ「工房物」と言っても作家は監修の責任があるし、いい加減な物は作れない、良い物はそれなりの値段がしている。
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 この青白磁皿5枚は、出品時の金額は一枚当たりの値段ではないかと思った位の安さ、競った入札者が一人いたのだが、結局私が落札出来た。
 暫くして届いたのが、予想以上に綺麗な状態で、外箱は少し傷んでいたが、皿自体は使用された形跡が無い、おそらくは結婚式などの「引出物」として入手したが、使用されないまま持主の死去などで骨董店に持込まれた物ではないだろうか。

 塚本快示は、「名品」が残された中国北宋時代の青白磁を模範としたと伝えられるが、その精神は十分伝わってくる。パン皿にでも使ってみたいと思い購入したが、この気品ある姿を見たら勿体無くて使えなくなった。
 ランチ一食分位の値段だったが、これは「掘り出し物」。



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東大前「アンプティトゥール」

(2011年11月訪問)
 南北線東大前駅近くのフランス料理店「アンプティトゥール」を久しぶりに訪問した。
 本郷通りは「SASAO」「デリス・ド・本郷」が閉店してしまい、どうもフランス料理には「鬼門」だ、替わりにラーメン店ばかり増えてしまったが、学生とオフィス人間の昼食狙いだと何処もこうなってしまうのだろうか、私自身ラーメンは好きだが、ラーメン店ばかりの街というのは何とも不自然な気もする。

 仏語で「寄り道」と云う名前のこの店は、今月で開店5年になるそうだ、以前は「十年ひと昔」だったが、今この業界で5年持てば、もう「中堅」と言えるのかも知れない。
 此処の片岡料理長は、大阪の名門「あべの辻調理師学校」の卒業生、寡黙で職人気質、客に追従笑いする様な人ではない、料理人の愛想の有無まで書かれるWEB時代には損をするタイプかも知れない、でもビストロ料理でない正統派フランス料理をリーズナブルな値段で提供していて、もっと知られていい良店だと思う。

 今日のランチは、三種あるうちから2,600円のものを、

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・前菜盛合せ(パテ・ド・カンパーニュ、サーモンと蕎麦粉クレープのグラタン、赤ピーマンのムース、鴨の薫製)

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・カボチャのスープ

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・ハーブ豚のグリエ、茸、ジャガ芋のグラタン

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・ブランマンジェ、パイナップルのソルベ、ガトーショコラ

 ランチ料理でもどれも手を抜かず丁寧な出来、厨房一人だと通常ならランチメニューでは煮込み系が多くなりがちだが、選択肢は魚一品肉一品ながら焼き物をメインにしているのは評価できる、デセールも丁寧な出来だ、全体的に油脂の使用を抑え薄味、カボチャのスープも殆どクリーム分を感じず、あっさりとしているが、カボチャの風味を生かしている。
 ランチで訪れるのは初めてだが、この2,600円でサービス料無しの内容は立派だと思う、これが青山や恵比寿なら3,500円+サービス料だろう。

 フランス料理は正直言って儲からないと思う、手間がかかる割にはデフレ時代に高額な値段設定は出来ない、特にランチは原価を考えたら店の上がりは少ない、今日は16席が埋まっていたが、無料の水以外の飲み物を飲んでいたのは私の席だけ、満席に近くても結構厳しい現実だ。
 少々クラシックな雰囲気だが店内の居心地は悪くない、この日は近くの東大の先生と思しき人達が集まっていた。
 リーズナブルだけれどキチンと作った料理を食べたい人には、安心して利用出来る佳店だと思う。



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銀座「ラール・エ・ラ・マニエール」

(2011年11月訪問) 
 銀座のフランス料理店「ラール・エ・ラ・マニエール」を初めて訪れた。
 日本人が発音の苦手な「R」と「L」が多いこの店名(^^;)、英語なら「アートのマニュアル」、店のWEBページでは「正しい導き方」という意味だと説明がある。

 銀座での食事は久しぶりだ、去年銀座三越内の「ブール・ノワゼット」に行ったが、あそこは「銀座」というより、デパート内で食事したとの印象の方が強い、本格的なレストランは数年ぶりだと思う。私の様な下町人間には、銀座は憧れていたいけれど、実際には近付くのが怖い「深窓の令嬢」みたいな存在。
 この店に惹かれたのは店のWEBページで紹介されている料理人の経歴、フランスでは「マルク・ヴェイラ」「アルページュ」などで7年間働き帰国、そして他店を経験せずにこの店の料理長に就任したと聞く、後で36歳と聞いたがまさに「伸び盛り」、あまり日本色に染まっていないなら、期待が持てそうだと思った。

 場所はプランタン銀座の裏手、「アルジェント・ASO」が入っているビルの近くで、一階には有名なドーナツ?店が入っている建物の地下だ、家賃の高い銀座では、厨房を含めると広さが必要な本格レストランは、階上に上がるか地下に潜るケースが多い、「レカン」「アピシウス(正確に言うと有楽町だが)」も地下だ。メインダイニングは20席で他に個室が1つある、地下なので自然採光は無いが、白を基調にした店内の居心地は悪くない。
 あらかじめお願いしていたのが、昼の5,000円のメニュー、その内容は、

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・アミューズ(長野産マスカット、モンサンミシェルのムール貝、銀杏、ベーコン)

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・南瓜のポタージュ、牛乳のエスプーマ

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・和歌山産モンゴウイカ、フランス産プルロット茸、長野産キャベツ、セルバチコ

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・和歌山産赤海老、長野産ホウレンソウ、金時人参のピュレ

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・熊本産香草豚フィレのロースト、淡路産玉葱のピュレ、蒸野菜ゴボウのソース

・「栗尽くし」のデセール[栗のピュレ、マロングラッセ、クリームチーズ(これは洒落(^^;))のムース、赤ワインソース]
・フレッシュアンフュージョン

 「銀座」の連想から、もっと普遍的で平明なものを予想していたが、意外に玄人受けしそうな料理だ、特徴は食材の選択がいいのと調理が的確な点、感心したのは若い料理人にありがちな、理解不能な食材の組合せやビジュアル優先な不思議な盛付けが無い事、皿の上には余計な物が無く、真っ直ぐで美味しい。
 この若い料理人はフランスの「いい部分」を吸収して帰って来ていると思った。中でも良かったのが野菜の扱い、さすがマルク・ヴェイラとアラン・パッサールの店に居ただけの事はある。どの料理も良かったが中から一品を選ぶとするとモンゴウイカの皿、イカ料理でこれだけ美味しいと思ったのは、三田「コートドール」での「ムギイカのソテー」以来、一見地味ながらしみじみと美味しい一品だった。

 場所を考えたら、この内容で5,000円は立派だと思う、これならまた近い内に再訪してみたい。サービスも吉岡支配人を含め男性ばかり3人、東京的な「一歩引いた」サービスながら物足りなさは感じない。 
 最後に厨房から出て来た清水料理長は若く、そして目の輝きがいい、この点では今年出会った料理人の中では、「フロリレージュ」の川手料理長と双璧と思った。

 この店はまだまだ伸びそうだ、銀座で素敵な食事をしたかったら、今一番お薦め出来そう、いい店でした。


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年明けうどん

 フェイスブックの方にUPしようと思って携帯で撮った画像だが、写りがいいのでこちらの記事にする事に、今の携帯電話は凄い、これでスマートフォンならPCもデジカメも必要無さそうだ。

 今日、隣駅前の大型ショッピングセンターまで行って買物をしたのだが、フードコート内に「丸亀製麺」があったのを思い出して、「年明けうどん」を食べる事にした。
 迷った末の注文は「カレーうどん」(380円)に「野菜かき上げ」(130円)で合計510円也、天ぷらは冷えていて今一つだったが、うどんは結構食べられて完食、これで「長生き」が出来るのなら安上がりだ。
 
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 「年明けうどん」という風習?は、昔は聞いた事がなく最近始まった筈と調べてみたら、ウィキペディアには、
 「年明けうどんとは、さぬきうどん振興協議会が新たな麺食行事の普及を目的として提唱している『年明けに縁起を担いで食べるうどん』、およびそれに関する商業的イベントである」と説明がされている。
 発足?は2008年7月で、実際には2009年の正月から讃岐うどん業界を中心に展開されていたそうだ、今年でまだ4年目の新しいイベント。ちゃんとした「定義」があって、うどんの中に新春を祝う「紅」を入れるらしい、それで今日のカレーうどんの中に「紅白」の餅が入っている意味が判った。

 「うどんは他の麺と比べ太くて長いことから、古来より長寿を祈る縁起物として食べられてきた慣習に倣い、純白で清楚な年明けうどんを年初に食べることで、その年の人々の幸せを願うという想いが込められている」という由来だそうだ。
 「ゆるキャラ」や「B級グルメ」みたいな「地域おこしイベント」の一種だろうが、多少こじつけでもこうした試みは、何もやらないよりはいい事だと思う、地方が疲弊している現在の日本に、少しでも活気が生まれて欲しいと思う。

 暮れに蕎麦、年始にうどんを食べれば、これで「細く長く達者で幸せに暮らせる」(かも知れない)。



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祈り

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 皆様、明けましておめでとうございます。

 去年の日本は本当に激動の一年でした、震災被害に遭われた方は、素直に新年をよろこぶ事はとても出来ないと思います、あらためてお見舞いを申し上げると共に、一日でも早い復興を願っております。

 画像は、2009年に訪れたフランス、ル・ピュイのノートルダム聖堂付属回廊の柱頭彫刻です、これを今年の年賀状のデザインに使いました。
 柱頭彫刻は文字の読めない信者のために、聖書の教えを柱に具象化し刻んだものとされていますが、同時に回廊ではこの下で厳しい修行を積んだ修道士達が、祈りと瞑想の時間を過ごしました。
「祈りと瞑想」、今の日本人に一番必要な気がしています。

 今年一年、どうぞよろしくお願いします。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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