最後の晩餐にはまだ早い


快山窯「青白磁浮彫文様皿」

 自分の人生の残り時間を考え、「もう器を買うのは止めよう」と思っていたが、たまにネットオークションサイトを開くと、つい「食器」のジャンルを見てしまう。

 特に東日本大震災後は骨董市場が暴落している、15年位前の「骨董ブーム」の頃は古伊万里など天井知らずに値段が上がっていたが、その後ブームの終焉と共に値下がりを続け、更に震災後は「物よりお金」になってしまったのか現在はかなり安い、ある意味では「買い時」なのだが、これは株と同じ値下がり時は手を出し難い。
 これから集めようという人には嬉しい傾向だが、この国の深刻なデフレを考えると喜んでばかりもいられない。
 
 今回、見つけたのが「快山窯」の青白磁浮彫文様皿5枚組、これは人間国宝(重要無形文化財の保持者)だった塚本快示(1912~1990)が開いた陶房で製作された物だ。有名な陶芸家になると、個人で製作するのは「数」が限られてしまい、大量注文には対応できない、そのため弟子筋が中心になって「工房物」を作る、これは北大路魯山人もやっていた事だが、こうした場合通常「作家物」と「工房物」として区別される、勿論値段もかなり違ってくる、ただ「工房物」と言っても作家は監修の責任があるし、いい加減な物は作れない、良い物はそれなりの値段がしている。
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 この青白磁皿5枚は、出品時の金額は一枚当たりの値段ではないかと思った位の安さ、競った入札者が一人いたのだが、結局私が落札出来た。
 暫くして届いたのが、予想以上に綺麗な状態で、外箱は少し傷んでいたが、皿自体は使用された形跡が無い、おそらくは結婚式などの「引出物」として入手したが、使用されないまま持主の死去などで骨董店に持込まれた物ではないだろうか。

 塚本快示は、「名品」が残された中国北宋時代の青白磁を模範としたと伝えられるが、その精神は十分伝わってくる。パン皿にでも使ってみたいと思い購入したが、この気品ある姿を見たら勿体無くて使えなくなった。
 ランチ一食分位の値段だったが、これは「掘り出し物」。



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Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
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混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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