最後の晩餐にはまだ早い


札幌・西23丁目「レストランMiya-Vie」(2012札幌食べ続け⑤)

 「札幌食べ続け」もかなり煮詰まってきた3日目(笑)、この日の昼に訪れたのは地下鉄円山公園駅から南に向って暫く歩き、住宅街に現れるフランス料理店「Miya-Vie」だ、オーナー料理長は横須賀雅明氏、レジス・マルコンの「オーベルジュ・クロ・デ・シーム」等で働いた後に、ウィンザーホテル洞爺内の「ミシェル・ブラス・トーヤ・ジャポン」の日本人料理長に就任、現在は仏オンフルール「サ・カ・ナ」のオーナーになった、アレックス・ブルダス料理長と名コンビを組んだ後、2007年に現在地にて独立開業した、私はこの店が始まった年に訪れており、今回5年ぶりの再訪問になった。
 前回は開店後間も無かったので、店内は何処となく落ち着かない印象も受けたが、打ち放しコンクリートの壁面は経年で変化して、なかなかいい雰囲気になっていた、店内装飾には何処か「ブラス」を連想させるものがある。

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 12時の入店時には既に数組が食事を始めていた、札幌は大阪と同じく昼の開始が早い、入口に近い丸テーブルを独占し、サービスの女性から渡されたのは3種類のメニュー、このうち4,500円のものは肉料理が前回来た時と同じ牛肉だったので、2,800円のメニュー「Hana」を注文する事にした。

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・プチブシュ「レンズ豆、フロマージュブランと鶉の卵、黒糖と酸味をアクセントに」

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・Miya-Vieのシンボルマークから、葉野菜、実野菜、根野菜を海の香りでつつみ、

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・自家製パンは2種類、

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・生姜とココナッツの香る冷たい大根のスープ、マイカ、ブロッコリーと三つ葉、オクラを添えて、

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・蒸し焼きにした新冠産黒豚肩ロース、茄子、磯の香りのクリーム、熟成にんにくのペースト、オレンジ、

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・サングリアでコンポートしたプルーン、フレッシュチーズのクリーム、赤紫蘇のシャーベット、胡麻のサブレ、

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・ミニャルディーズ(生姜のパウンドケーキ、わらび餅)

 食べているうちに、不思議と身体がリラックスして、何故か北海道の豊かな緑と真っ直ぐな道を連想してしまった、それだけ料理は自然に根差していて繊細で鮮烈、「大根のスープ」は和食の「擦り流し」の様な形態の料理で、繊維を残したピュアな大根のスープが連日の食べ続けで疲れた胃に浸みて、身体が清浄になれる気がした(笑)。
 新冠産黒豚肩ロースの蒸し焼きは、ブラス・トーヤで体験した仔羊の火入れそのままで、まるで出来立ての餅の様な柔らかく弾力のある食感、イタリア産の白ナスがいいアクセントになっていて、これは今回の札幌旅行中の「べスト・プレート」になりそう。
 感心したのはパンの美味しさ、粉が良いからだろう、札幌で食べるパンは概ね美味しいが、中でもこの店のライ麦粉を使ったパンは格別だった、「パンは大きく焼いて切り分けて食べるのが美味しい」は私の持論だが、この料理人も一番美味しい食べ方を知っている。
 
 以前にはなかった「箸」が置いてあり、隣席の女性達はそれを使って食事していた、この5年間に料理人は「和」へ傾倒して行ったと感じるが、横須賀料理長と浅草「オマージュ」の荒井料理長はレジス・マルコンの下で働いていた同僚、現在オーナーシェフとなった両者共に「和」へ接近しているのは興味深い、和食の調味料や技法を積極的に使いながらも、スタイルはフランス料理の枠内で仕事する荒井氏と、形態としては和食を取り入れながら、料理はフランスから外れない横須賀氏の違いは面白い。

 この値段でこの料理内容は「お見事」の一言、決して高級食材は使っていないが、「ミシェル・ブラス」の自然と食材へリスペクトする精神は十分受け継いでいると感じた。
 サービスは開店時に居たベテラン男性は交替したが、男女二人による丁寧なサービスは心地よかった。退店時に挨拶に現れた料理長に開店直後に訪れた事を話したら、覚えていてくれたみたいだ。
 此処は札幌を代表する名店になれる要素は備えている、更なる躍進が期待出来そうな店だ。


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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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