最後の晩餐にはまだ早い


亀有「ティア・ブランカ」(8回目)

 この日の平日ランチは定点観測?中の、自転車で行けるご近所イタリア料理店、亀有「ティア・ブランカ」へ、先月に続いての訪問。
 年末に行った時はカウンターを含めてパッツンパッツンの満席だったが、この日は入店時にテーブルが1席埋まっていただけ、この後2組の入店があったが、カウンターには誰も座らず6割の入りだった、亀有みたいなベタな下町(失礼)でも何故か12月後半となると横メシ系の外食店は、昼夜を問わずに混むのだから不思議だ、私を含めてディープな外食好き人間は、年末年始は国内では外食を控える傾向があるが、それは正解だと思う(笑)。

           130131-1.jpg

 ひと月ぶりに会った料理長は金髪ショートの不思議な髪型に変っていた(笑)、でもラテン系のノリは相変わらずだ。
 いつもの様に1,200円のデザート付きランチで、メインは鶏肉ソテーかパスタ3種の中から選ぶのだが、この日は魚介系パスタが食べたかったので、それを注文する事にした。

           130131-2.jpg
・野菜と豆の具沢山スープ

                130131-3.jpg
・定番のスパニッシュオムレツ、大麦・トマト・黒オリーブのサラダ

           130131-4.jpg
・ムール貝、イイダコ、トマトのスパゲッティーニ

           130131-5.jpg
・ガトーショコラ、バニラアイス、コーヒー

 大鍋で煮込んだ豆入りのミネストローネは、寒い中を自転車で来たので冷え切った身体に浸みていく美味しさ、大麦のサラダは多分初めて食べると思うが、何気ない物だがしみじみと旨い、パスタはムール貝もイイダコもたっぷりと入っていて、味付けも濃くなくあっさり目なので幾らでも食べられそう。
 ガトーショコラはこの店で作ったのかは聞き洩らしたが、最近のパティスリーで売っている物より濃い味で私好みだ(笑)。

 今、回転寿司店へ行ったら、飲物を注文しなくても一人2,000円前後支払う事を考えれば、この店の1,200円ランチはお得だなと思う、でも私がこの店の近くに勤めていたとしたら、昼休みに頻繁にランチを食べに行くかとなると、これはまた別の話になってしまう(笑)、今は毎日の昼食代は6~700円がいい処で、コーヒーは外で飲むと高いから、職場の自販機で買う事にしている(笑)、この辺りがONの時とOFFの時の食事に対する考え方の違いなのかなと思う、今は毎日のランチに1,000円以上出せるのは若い女性達だけではないだろうか(笑)。

 ブログでこの店の事を書いたら、読んでくれた方から、「自分のお気に入りの店です」とのメッセージをいただいた、とても嬉しい事だ。
 地元の人から支持され愛される店こそ「三ツ星店」、「ナンバーワンよりオンリーワン」でいいのではと思う(笑)、長くこの地で続いて欲しい店だ。



スポンサーサイト
  1. [ edit ]
  2. イタリア料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:1

浅草「オマージュ」のスペシャルバーガー

 池袋西武百貨店で開催されていた「YAHOO!ショッピング お取り寄せグルメ祭り」と題されたイベントに、浅草のフランス料理「オマージュ」が出店していると聞き、勤め先から近い事もあり、仕事が終わってから寄ってみた。この日は月曜日で店は定休日なので、料理長も来ているのではとの期待?もあった。

            120127-1.jpg

 イベント会場は7階、日本全国からネット通販で人気になっている商品を集める最近人気のフェアで、同種の催しは他の百貨店でも行われている、イートインコーナーが併設されて、そこにオマージュが呼ばれたそうだ、コーナーは入口入ってすぐ、和服割烹着姿の見慣れた女性が居ると思ったらマダムだった(笑)、挨拶したら思った通り料理長も来ているとの事、それならこれで帰る訳にもいかず(笑)、イートインを体験する事になった。催事会場のため本格的なフランス料理の提供は無理で、メニューは「いわて短角牛入パテとファアグラのスペシャルバーガー」(2,100円)と「フォアグラ丼」(1,500円)の2種のみ、前者を食べる事にしてチケットを購入、出来上がりを待った。

                 120127-2.jpg

               120127-3.jpg

           120127-4.jpg

 注文があってから仕上げるためか、少し待ってトレイに載せられて出て来たのは、予想より大きなフォアグラが乗ったバーガーとパテ・ド・カンパーニュ、小皿(オリーブ、トマト)と煎り米のブランマンジュの3点、メインのバーガーは浅草ペリカン製のバンズの間に下からレタス、牛肉を荒くアッシュしてハンバーグ状に成形して焼いたパテ、その上にマヨネーズ状のソースと生トマト、最上段にフォアグラが鎮座する。これ食べ方が難しいが、まずはフォーク&ナイフでフォアグラとパテを少し切って食べる、脂肪の少ない短角牛なので、フォアグラの脂分で補う意図だ、フランス料理に「トゥルヌド・ロッシーニ」と云う料理があるが、あれと考えは同じ。パテもフォアグラも上質な物、特にこの日は料理長自ら調理にあたった事もあり、キュイッソン(火入れ)はジャストだった。紙を渡されて「よかったら、手で掴んで食べてください」と言われたが、これはそうして食べた方が良さそうだ、全体を一緒に頬張ると、バンズ、野菜、パテ、フォアグラがミックスされて、カオス的だが下品にならない一歩手前の美味になる(^^;)。
 一緒に出て来た小皿の中には、パテ・ド・カンパーニュとXO醤?をかけたトマト、オリーブ、前菜と云うより「箸休め」的感覚か、これに使ったXO醤は販売もしていた。煎り米のブランマンジェは美味しいが、もう少し量が欲しかったか(笑)。

 「オマージュ」の実店舗では、平日なら2,900円でランチが食べられる事を考えると、2,100円のハンバーガーは少し高いのでは?とも思ったが、実際にこれを食べてみて、使っている食材を考えたら納得出来た、ただこれを若い人達で賑わう浅草の雷門辺りのカフェで出すとしたら、もう少し食材落としても1,000円~1,500円位で提供したい処だ(笑)、それで「浅草バーガー」とか名付けて売れば、結構客は来るかも知れない(笑)。
 この時は割と空いていたので、カウンターに挨拶に来た料理長と話す事が出来たが、去年某有名ラーメン店との共同メニューのコラボがきっかけで、「出店しないか?」との話が百貨店の催事バイヤーから持ち込まれたそうだ、そこで手伝ってくれそうな人達に声をかけて、この出店になったとの事、そのため以前オマージュに勤めていた若い料理人や、マダムの実兄で本職は寿司職人(笑)もヘルプに来てくれたそうだ。

 長引く不況から単価の安い居酒屋的な店ばかりに人が集まっているので、こうした催しで「居酒屋もいいけれど、もう少し上質な世界もありますよ」と周知するのは、いい事だと思う、店の宣伝にもなるし、浅草に今以上に人を呼ぶ事にも貢献出来るのではないか。以前「オマージュ」で働いていたI君とも久し振りに会えて元気そうで安心した(笑)、こうしてヘルプの呼び掛けに皆が集まってくれるのも、料理長の人望によるものだろう、最後は料理長、マダム、マダムのお兄さんを記念撮影して会場を後にした。

           120127-5.jpg



  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

麻布十番「ビストロ・コティディアン」(2013年1月)

 平日休みのこの日は東京に大雪が降った翌々日、街中にはまだ積雪が残り、冷蔵庫の中みたいに寒い(笑)、こうした日は「とにかく温かいものが食べたい」と思いを巡らせ、行き着いたのが「カスレ」、去年9月に訪れた麻布十番のフランス料理「ビストロ・コティディアン」に「カスレランチ」があって心惹かれたのだが、その時はまだ暑さも残っていたので「カスレはこの次に」と決めてシュークルートを食べたのだが、それを実行する日がやっと来た(笑)。
 11時前に電話して席を確保、我家から麻布十番までは約1時間かかるが、カスレのためなら何でもない(笑)。ご存知ない人のために簡単に説明するが、「カスレ(Cassoulet)」とはフランス南西地方の郷土料理、鴨や羊、豚肉ソーセージ等を煮込んだ料理だが、必ず白インゲン豆が入るのが特徴、「カソール」と呼ばれる土鍋で作るためにこの名前が付いた、私もトゥールーズのブラッセリーで「本場物」を食べた事があるが、熱くて塩気と脂が強いコテコテの郷土食、豆の嫌いな人には辛いかも知れない(笑)。

           130123-1.jpg

 店には昼の12時丁度に到着、笑顔の素敵なマダムとソムリエールに迎えられて着席、一応メニューを渡されたが、やはり今日はカスレランチ(3,500円)を注文する事にした。この後に来た女性の一人客も同じメニューを注文していたので、この寒さで考える事は皆同じみたいだ(笑)。

                130123-2.jpg
・ゴボウのポタージュ(これは寒いだろうと厨房からのサービス)

           130123-4.jpg
・白子のムニエル、上澄みバターとケイパー&トマトのソース、バルサミコ

                130123-3.jpg
・カスレに合せてカオールのワイン‘Chateau Lamartine’(グラス900円)

               130123-5.jpg
・カソールに入ったカスレ、シャラン鴨もも肉のコンフィと自家製ソーセージ入り

           130123-6.jpg
・タルトタタン、バニラアイス
・エスプレッソ

 前菜の白子はとても質の良い物、最上質の鴨フォアグラは白子に近い味になるが、それを思い出した、全体の味付けは南仏風で軽い、バルサミコの置き方は「P・ガニェール」出身の料理人ならでは(笑)。
 真打のカスレは比較的軽く仕上げたもの、これについては食後に料理長から説明があったが、麻布十番の客の年齢層が高いせいか、従来の作り方だと「脂が強い、味が濃い」と言われる事が多かった、そこで脂分と塩気を抑えて仕上げて出した処これが好評で、以降はその作り方を続けているとの事だ、トゥールーズで食べたカスレは色からして真っ黒で塩も脂も強く、日本人の私には少々濃過ぎた、この店のカスレは客の嗜好に合せてはいるが、オリジンの考え方は失って居ないので、この「変容」はあっていいと思う、充分立派なカスレだし美味しい。
 そしてデセールはタルトタタンにバニラアイスという「黄金の組合せ」(笑)、定番だけにごまかしが効かないが、これはどちらも丁寧な作りで文句なし。

 今ランチに3,500円は高いと思われる時代だが、この料理にかけている材料や手間、そして麻布十番の土地代を考えたら安いと思う、前回食べたシュークルートも秀逸だったが、このカスレも負けず劣らずに旨い、出来る事なら交互に食べに来たい(笑)。
 食後に須藤料理長と少し話をさせてもらった、1976年生れだからまだ30代半ばの若さ、だからこそカスレの味付けを変える様な「柔軟さ」があるのだと思う(笑)、これが「俺の料理は、客に媚びない料理だ」などと勘違いし始めると、料理人としてはもう駄目になる(笑)。
 この店はこれからもっと人気店になりそうな気がする、店名は「日常」だけれど、提供している仕事は決して日常ではない上質なものだ。願わくは家の近くにこの店が欲しい、いや自分が麻布十番に引っ越したい(笑)、毎月でも通いたい素敵なビストロだ。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

秋葉原「ビストロ・ヌー」

 フランスの通貨がユーロに替わった後で、何時とははっきりした記憶は無いのだが、料理マスコミで「ネオ・ビストロ」と云う言葉を聞く様になった、この意味については、柴田書店で刊行している「パリのネオ・ビストロ」という書籍の紹介文から引用させてもらうが、
「高級レストランと引けをとらない料理のクオリティを持ちつつも、シンプルサービスで気軽な雰囲気の店の事。錚々たる高級店で修業をした一流シェフが、『美味しさ』に徹した料理をリーズナブル価格で提供しているのが特徴で、最近のパリの料理界はネオ・ビストロブームが席捲。」
 この本が出たのは2009年だが、その後ブームは下火になるどころか、パリでは更に増殖中で、遂にはネオ・ビストロを日本に「輸出」までする様になった(笑)。この紹介では触れていないが、もう一つの特徴として殆どの店で日本人料理人が厨房に入っているケースが多い、この理由について書くと長くなるので簡単に留めるが、日本人それも若手料理人の優秀さがパリでそれだけ認められていると云う事だ。

            130119-1.jpg

 この日の昼に訪れた、一昨年秋葉原にオープンしたフランス料理「ビストロ・ヌー」の料理人は、WEB情報にあった様にフランスでは高級店ではなくネオ・ビストロで働き、最後はスー・シェフ(副料理長)のポジションまで務めたらしい、そうは言っても若い、どう見ても30歳代前半だと思う、サッカーの長友佑都をもう少し優しくしたみたいなイケメン料理人だ(笑)。
 ランチはプリフィクスでコーヒー付きで1,500円、デザートが別料金で300円、前菜&メイン共に5種から、デザートが4種からの選択になる、黒板メニューから選んだものは、

                 130119-5_20130119194744.jpg

                 130119-2.jpg
・白インゲン豆のポタージュ

           130119-3.jpg
・豚肩ロースのソテー


                 130119-4.jpg
・キャラメルナッツとホワイトチョコのタルト

 料理は一人で全て行い、女性が一人で客席を担当する、このため手の込んだ料理は難しいと思うが、それでもこれだけ選択肢があるのは立派、ポタージュはシンプルだか白インゲンの繊維を残していて、洗練され過ぎない美味しさ、豚肉ソテーは「生姜焼き」をイメージしたそうで、生姜、レモンバームに醤油を隠し味に使っている事を教えてくれた、これからパリでの醤油話になったのだが(笑)、今はフランス人料理人の方が平気で醤油を使う時代になっている。少し気になったのが豚肉のガルニがスープと同じ白インゲンで、これは食材が「被る」事を説明があった方が良かったと思う、デザートはフランス的に甘さもしっかりあって美味しい。

 この日は1人での訪問なのでカウンターに座り、その後の来客も2組3人だったので、料理人と色々と話す事が出来た、この料理人が働いた店は、パリ17区にある‘L’Entredgeu’と云うバスク地方出身のオーナーシェフのネオ・ビストロで、この種の店が多いセーヌ左岸の14区や15区ではなく、高級住宅地もある右岸の17区なので、有名人がお忍び?で訪れる事があり、アラン・デュカスもプライベートで来たし、ある日この料理人が作ったデザートを食べていたのが、ジャン=ポール・エヴァンだった事もあったそうだ(笑)。日本のマスコミではあまり知られていないが、人気店で週末夜は席が2回転や3回転する時もあり、「倒れそうだった」との事だ(笑)。

 高級レストランではなく、地元の人が集まる地域に密着した新感覚のビストロで働いた料理人が日本に帰って来て自分の店を開く、こうした店が増えれば東京のフランス料理界はもっと面白くなりそうだ、個人的には今は高級店よりこうした普段着のレストランに惹かれる事が多くなった、また訪れたい店だと思った。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

綾瀬「パティスリー・アンプリル」のケーキ

 私は基本下戸で甘党だが、その割には店売りのケーキ類にはあまり興味を持たない方だ、一番美味しい甘味は作ってからの時間差が無いデセールだと思い込んでいて、そうでなければコンビニスイーツで満足出来る安上がりな人間だ(笑)。
 そんな私だが、去年10月に我家から自転車で7~8分の場所に、結構本格的なパティスリーが開店したのを知った、赤を基調にした派手な外装は、下町にはあまり馴染まない気もしたが、事前の宣伝が効いたのか開店直後は行列が出来る位の人気になっていた、「いつか買ってみよう」とは思っていたが、私と定休日?が同じ事もあって行きそびれていた。それがクリスマスイブ当日に店の前を通ったら、駐車場係まで出る大混雑だったため、「これは試してみなくては」と思い、年明け早々に勤め帰りに寄ってみた、店の名前は「パティスリー・アンプリル」、アンプリル(emplir)は仏語で「一杯、満員にする」との意味だから、中華料理なら「満来軒」みたいな感じか(笑)。

 店は結構広い敷地で駐車場も完備している、駅からは10分位歩くので、車や自転車での来客が中心なのだろう、店内も広くて明るい、厨房が全てガラス張りで見えるのだが、4人も中に入って菓子製作をしている、売場にも3人いるので、家族経営の小規模店ではない、人材不足の飲食業界でこれだけ集められたのだから、この店主はかなり実績のある職人かも知れない。
 初回だった事もあり、定番と言えそうなケーキを3種類買ってみた、販売のオペレーションはあまりスムーズでは無く、客としてはちょっとストレスを感じる、これは改善して欲しいと思う。

 まずはこの店の看板商品みたいだった「モンブラン」(420円)、
               130115-1.jpg

 最近少なくなった、焼いたメレンゲを中に入れたもの、このため「買って一時間以内に食べてください」と指示があった、メレンゲが湿ってしまうからとの事だ、栗は和栗を使っているそうで、これは美味しかった、全体に軽めの仕上げで個人的にはもう少し「こってり感」があってもいいと思ったが、この位の軽さが今は受けるのだろう。

 次は「ピュイ・ダムール」(340円)
               130115-2.jpg

 個人的にはこれが一番気に入った、パイ生地の中にカスタードクリーム、更にその上にクリームシブーストを載せたもの、18世紀に有名料理人が考えた菓子で、元はパイ生地にホワイトソースを入れた料理だが、それをクリームに替えて「愛の泉(井戸)」と名付けたセンスは優れている(笑)。パイ皮とクリームのバランス感が見事、値段も都心の有名パティスリーに比べれば安いと思う。

 最後は「クラシック・ショコラ」(300円)
              130115-3.jpg

 値段に惹かれて(笑)買ったが、これはごく普通のガトー・ショコラだった、素材の良さは感じ美味しいのだけれど、全体にあっさり仕立てでインパクトは少し弱いか。

 ブログを書くために調べたら「ピュイ・ダムール」は、恵比寿等に支店展開する有名店のスペシャリテみたいで、もしかしたら店主はそこで働いていたのかも知れない。
 全体の印象を言えば良質の素材で真面目に作られた、かなり本格的なケーキ類だと思った、値段は下町価格では無いが、都心の有名パティスリー程の値段でも無い(笑)。ここはまた買ってみたいと思う、あえて厳しい時代にスタートした地元の店は頑張って欲しいものだ。


  1. [ edit ]
  2. スイーツ・和菓子・パン
  3. / trackback:0
  4. / comment:2

「ル・プチメック東京」のパン・ド・セレアル

 私が無類のパン好きである事は以前に書いたが、美味しいと言われるパン店を回る事を趣味?にしていた時期もあった(笑)、レストランに行っても「このパンは美味しい」と思うと、店の人に「このパンは何処のですか?」といつも尋ねていた(笑)。ただ何店も回って買って食べた結論では、「パンとしての純度を高めていくと、料理との相性は必ずしも良くない」という事が判った、私は特にハード系のパンが好きなのだが、過去体験した中でベスト3を選ぶと、
・東京・富ヶ谷「ルヴァン」のパン・コンプレ
・千葉・新松戸「PAO」のファーマーズ・ブレッド
・広島「ドリアン」(現在は休業中)のパン・ド・カンパーニュ
 この3つかなと思う、ただこの3種共に料理は選ぶ、例えば野菜スープみたいな料理には合いそうだが、レストランで出されるソースを使う料理には、パンの存在感が強過ぎて相性はあまりよくないと思う、これが美味し過ぎるパンの難しい処だ。
     
 最近「お気に入りパン」になりつつある、マルイ新宿店内のインストアベーカリー「ル・プチメック」のパンを食べていて、上記の事を考えていた。この京都に本店があるブランジェリーのパンは美味しい、それでいて個性を主張し過ぎていない、これならレストラン料理との相性も問題ないだろう、その意味ではこのプチメックと、青山「フロリレージュ」で使っている駒場東大「ル・ルソール」、大阪「ラ・シーム」で使っている心斎橋「サミー・プー」のパン等は、個性を主張し過ぎない新世代のブランジェリーなのかなと思う。

             130111.jpg


 この「ル・プチメック」が東京に進出したのが2009年の4月、此処のパンが美味しいという噂はWEB上やパン好きの知人から聞いていたが、新宿が自宅からも職場からもアクセスが悪くて、なかなか行く機会が無かった、それが去年の秋に仕事で都庁に出かける用事が出来て、帰りにこの店を思い出して西口から遠回りして買った処、期待以上に美味しく、また個性が強過ぎず料理との相性も良かったので、今後は何かに付け新宿へ行く用事を作ろうと思っている(笑)。
 幾つか買った中で一番気に入ったのは「パン・ド・セレアル」で、「セレアル」は英語の「シリアル」だから、全粒小麦に数種の雑穀を加えているパンの事、これはハードパン好きな人ならきっと好きだと思う、小麦の旨さと香り、雑穀類とのバランスも見事なハードパンだ。

 ブログを書くために店の事をWEB上で調べていたら、此処の店主が自分の職人歴を語った記事を見つけた、
http://panlabo.jugem.jp/?eid=759 
 これに書かれている様に、店主は料理人から経歴をスタートしたそうだ、だからこそ料理との相性がいいのだろう、京都ではこの店のパンを使用するレストランが相当数あると聞くが、私がフランス料理店主ならこのパンを店で出したいと思う。そして文章を読むと、店主のパンへの限りない愛情と真摯な思いがよく伝わって来る、「文も人なり」と云うが「味も人なり」なのだろう。

 京都では今出川の1号店は赤色を基調にした店作りから「赤メック」、御池にある2号店は黒いデザインから「黒メック」とそれぞれ呼ばれて親しまれていると聞く、また昨年、東京・神宮前に「レフェクトワール」と云う名のカフェレストランを開店したので、ここは是非行ってみたいと思っている、料理人も同じだが、もう海外ブランドだからとありがたがる時代では無いと思う、国内発祥の店はもっと応援したいものだ。


  1. [ edit ]
  2. スイーツ・和菓子・パン
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

亀有「ティア・ブランカ」(7回目)

 2013年の本格的な外食始動は1月中旬になると思うので、今回は年末に行ったレストランからで、ブログネタに困った時に登場する(笑)、ご近所イタリアンの亀有「ティアブランカ」のランチを、この日は平日昼ながら女性ばかりでほぼ満席、中年親父はカウンターで小さくなっていたが、隣に座った年配男性に見覚えがあった、前にも此処で遭遇した事がある、女子会ばかりのイタリアンランチに独り親父客二人、妙な親近感が生まれて来るものだ(笑)。

             130107-1.jpg


             130107-2.jpg
・カップに入ったミネストローネ

                 130107-3.jpg
・スパニッシュオムレツ、ツナとジャガイモのサラダ

                 130107-4.jpg
・豚ロース肉のソテー、レモンバターのソース、野菜のフリット

            130107-5.jpg
・ココナッツのジェラート、コーヒー

 いつもはパスタを注文するのだが、この日は肉料理を食べたくなって「本日の肉料理」をオーダーしたが、これが200gはあろうかという豚肩ロースのソテー、札幌「ブラッセリー・マーシュ」の「厚切り十勝豚のステーキ」程の極悪感は無いが(笑)、これで総額1,200円では利益出ないのではと思ってしまう。

 この店は一昨年10月にオープンしたとの事で、この地で1年経過した事になる、こうしたまともな横文字レストランが根付き難い下町で、よく頑張ったと思う、料理人は特に有名店で働いた訳では無いそうだが、こうして口コミで地元客に浸透して行くのは、嬉しい反面、「自分が見つけた店なのに、こんなに知られてしまった」と少し悔しい思いもある(笑)、新しい店と云うのは下記の様な経過を辿ると思う、
1 開店後しばらくは店主の知己や関係者だけが訪れる。
2 近所の人が来る様になる。
3 訪れた人の口コミで知られて、近郊の人も来る様になる。
4 ネット上やマスコミで取り上げられる。
5 ガイドブックに掲載され、遠方からも客が訪れる。
6 予約しないと利用できなくなる。
7 予約が取れなくなる(笑)。

 この7まで辿り着くのは100店に1店位だろうか(笑)、でもそうなる事が店にとって、またその店の存在している地域にとって良い事なのかとなると、どうも違う様な気もする。「地元の人が思い立った時に利用出来、地域住民に支持されているレストラン」こそが、一番いい店なのではないかと、最近思う様になった、BS日本テレビで放映している「イタリア小さな村の物語」という番組が好きでよく見ているのだが、あそこに出て来るガイドブック等には無縁だが、地元民に愛される家族経営の温かいトラットリアやリストランテこそが、今の閉塞し人の繋がりが希薄になった日本に、もっと欲しい気がする。
 此処は下町にあって、若い店主だがそうした方向を目指している様にも感じている、私は「地元民」と呼ぶには店から少し離れているが、これからも頑張って欲しいと思う。


  1. [ edit ]
  2. イタリア料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:2

2012年「印象に残ったデザート」

 皆様、明けましておめでとうございます、今年も宜しくお願いします。
 前回の更新で「2012印象に残った店」を挙げたが、料理だけの話になってしまったので蛇足になるかも知れないが、甘党の私としては、去年も書いた「印象に残ったデザート」も挙げておきたいと思う。
 まずは料理同様に青山「フロリレージュ」からで、ここは去年3回訪れたが、料理以上にデザートも秀逸だった、その中でも特に印象深いのは、1月のディナーで登場した「柿のタルトタタン」。

              130103-1.jpg

 フルーツを使ったデザートは難しく、なかなか美味しい物に出会えない、元になる果物を超えるのは至難なのだろうと考えていたが、この柿の扱いは見事で「柿を超えた柿」になっていると思った、店も自信があるのだろう、今シーズンにも少しスタイルを変え出していた。

 関西では何と言っても和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の「トリュフのスフレ、トリュフのグラス」、これは説明不要だと思う、見ただけで美味しいのは判る筈(^^;)、「贅沢」とはこの皿の上にある。

          130103-2.jpg

 長年「食べたい」と憧れ続けていたのが、大料理人フェルナン・ポワンが考案したとされる「ガトー・マルジョレーヌ」、それも正調原典?のルセットで作られた物を体験出来たのが大阪・本町の「びすとろぽたじぇ」、これは貴重な経験だった、料理も店も人の気持ちも、全てが豊かだった時代を想起させる本当に贅沢なデザート、これを食べられたので、もう何時死んでも悔いない?(笑)。

               130103-3.jpg

 これぞ「ビストロデザート」と思ったのが、麻布十番「ビストロ・コティディアン」の「胡桃と黒糖のタルト、キャラメルアイス」、これはパリのビストロ等でよく出て来る、甘いだけでやっつけ仕事なデザートとは違う(笑)、この画像を見た或る料理人に「あのタルト美味しそうでしたね」と言われたが、やはり判る人には見ただけで判るらしい(笑)。

           130103-4.jpg

 札幌で挙げておきたいのが、西18丁目「プロヴァンサル・キムラ」の「栗のクリームを包んだ栗粉のクレープ、マダガスカル産バニラのグラス」、見かけは地味だが良質の材料を多量に使って甘さも強調、これは一昔前のフランス高級レストランを思い出した、日本離れした美味なデザートだった。

               130103-5.jpg

 最後は浅草「オマージュ」の「トンカ豆の香るショコラのガトー、ローストしたトンカ豆のグラス」、最近のこの店のデザートについては、あまりいい事を言っていなかったが(笑)、これは久しぶりに感心した秀逸な物、ビロトロでは無いガストロノミー・レストランのメインデセールとして存在感があった、願わくはこのレベルを今後も維持して欲しいと思う。

            130103-6.jpg


 こうして見ると私のデザート好みは、シンプルで見た目地味でも、甘さも量もしっかりあって、とにかく食べて美味しい物みたいだ、泡が吹いたり煙が出たりしてビジュアルで驚かすだけのデザートはどうも苦手だ(笑)。


  1. [ edit ]
  2. スイーツ・和菓子・パン
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2013 01  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -