最後の晩餐にはまだ早い


大阪・狭山「オステリア・デラ・カンティーナ」(閉店)(2013春関西食べ続け③)

 旅行二日目はFBで知り合う事になった、関西有数のグルメな友人に会うため、南大阪の狭山へ向かう事に。
 和歌山から乗った阪和線を三国ヶ丘で降り、南海線に乗換え降りた狭山駅は駅前に何も無かった(笑)、狭山市の中心は隣の金剛駅周辺で、この駅は歴史的には新しい「狭山ニュータウン」住人のための乗降専門駅という印象だ。

 友人の車に乗せてもらい、向かったのは狭山市内の近大附属病院近くにあるイタリア料理「オステリア・デラ・カンティーナ」。この日の夜も大阪市内のビストロでフランス料理なので、出来れば中国料理かイタリア料理と店選びをお願いし、何店かの候補の中から選んだ店だ。人気店で昼席は2回転していて、我々は13時30分からの回に何とか滑り込む事が出来た。店内は東京でもこの種の店がそうである様に女性客ばかり、そこへ中年男の二人組は、ちょっと異質だったが(笑)。
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 ランチメニューは3種類、夜の事を考えてパスタがメインのCプランツォ(1,785円)にして、パスタ2種はシェアする事にした。

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・前菜盛合せ(パテ・ド・カンパーニュ、カポナータ、ホタルイカ)

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・リポリート

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・海の幸のスパゲッティー

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・フジリ、サーモンとパン・ディ・ズッケロのクリームソース

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・ゴルゴンゾーラのトルタ、ジェラート
・エスプレッソ

 野菜、それも地元の狭山や堺の農家産野菜を積極的に使用している、前菜はその野菜が中心で柔らかく優しい味、ホタルイカが印象的だった。次の「リポリート」は野菜だけのスープでトスカーナ地方の郷土料理、「ミネストローネ」との違いは、ベーコンやパンチェッタ等の動物系油脂を一切使わず、野菜とオリーブオイルだけで仕上げるそうだ、このため野菜の旨みがストレートに来る、これはスーパーで売っている様な、水で洗い流したみたいな野菜を使っても美味しくない、この料理の野菜達は、力のある「野菜の味」がする、これが味を決めると思う。サーモンのパスタで使われた「パン・ディ・ズッケロ」はイタリアの葉野菜で、白菜とキャベツの中間的な味わい、料理長が信頼出来る農家を訪ね、生産者と対話して作ってもらった野菜との事だ。
 全体的な味付けは優しく柔らかい、東京人である私の好みからするとパスタ等は「もう少し塩分があってもいい」と思ったが、地元の特に女性客にはこれが「標準味」なのだろう、こうした店はまず地元民に受け入れられなければ、やっていけない筈だ。

 個人的意見だが、フランス料理よりイタリア料理の方が「地域性」がより出る気がする、地元産の新鮮な食材を使い、あまり複雑な調理過程を採らないイタリア料理は、調理法もメソッドも中央集権的、錬金術的なフランス料理より地域に根差し易いのだと思う、日本の各地方で個性的なイタリア料理店が生れているのも、これが理由の一つだろう。

 友人がこの店の常連客だけあって、最後挨拶に出て来た竹中料理長は、痩身で学究的な印象、料理人と云うより店前にある病院の先生みたいな雰囲気だ(笑)、名門調理師学校卒業後にフランス料理の世界へ進むが、その後にイタリア料理に転身、現在は地元狭山で「野菜の旨味を強調した料理」を提供している、見かけはインテリ風だが、話してみると結構きさくな人だ。
 狭山は隣の堺と較べると街の雰囲気が落ち着いていて、こうしたアダルトな人間と料理が生れるのかも知れない。
 美味しい料理でした、ありがとうございました、デザートを食べたにも関わらず、この後「甘味を食べに行こう」と、また車に乗って狭山を後にする事に(笑)。
※残念な事に、2013年夏に閉店になりました。(2013.11)
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和歌山「オテル・ド・ヨシノ」(2013春関西食べ続け②)

 和歌山「オテル・ド・ヨシノ」を訪れるのはこれが5回目、今回はディナーなので時間的余裕もあり、タクシー代節約と昼食の「ロールキャベツ」消化のため、和歌山駅から歩いて行く事にした(笑)、レストランの入っている建物「ビッグ愛」までは約20分、まずはレストラン階下にあるホテルにチェックインする。このホテルはレストランの利用者に対し宿泊料金の割引があるので、ディナー利用時にはお薦めしたい、ただ用途としてはビジネスホテル仕様なので、何かが起きそうな「色気」を求めてはいけないが(笑)。

 ディナーのために12階のメインダイニングに入ったのは18時半、広い窓からは夕闇に包まれる和歌山市内が一望、高い建物が少ないため穏やかに感じる夜景が遠望出来、気持ちは和らぎながらも、これから始まる宴への期待で高揚していく。既に食事中の客もいたが、客席の雰囲気はフランスのリゾート地にある高級レストランみたいで、とても素敵だ。

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 客席に出て来た手島料理長と挨拶を交わし、ボランジェをいただきながら、今宵の「Menu Special」の説明を受けて、ディナーが始まった、

・グジェール
・甲殻類のカクテル

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・鹿のコンソメ

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・ウツボのパピヨット

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・舌ヒラメ デュグレレ風

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・大和鹿のロワイヤル

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・プレデセール

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・タルトタタン、スパイスを効かせたグラス

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・ミニャルディーズ
・ヴェルヴェーヌのアンフィージョン

 まさに手島ワールド全開(笑)、最初のピークはコンソメ、これほど深くて奥行きのあるコンソメは初体験だ、伊丹十三著の「フランス料理を私と」という著書の中で、「採算度外視で極上のコンソメを作る」をテーマにコンソメを作った処、一人分の原価は約2,000円になったそうだ、これをレストランで売るとすれば一杯6,000円、これでは誰も注文しない(笑)、この手島コンソメはそれに近いのではと思える贅沢さを感じた。
 珍しかったのがウツボの料理、フィレ身を春巻状にして揚げたものだが、これは個性があって忘れ難い味だった、地元の大和鹿は東京などで出回る蝦夷鹿とは肉質が違い、より濃厚な味がする、そのために本来なら野兎を使った料理である「リエーブル仕立て」にする事で、この食材を生かしたかったと、あとで料理長が説明してくれた、この狙いは成功していると思う。
 全体的な料理の印象は小細工無しの直球勝負、ただ「速い」だけではない文字通りの「剛速球」だ(笑)。
 若干23歳と聞く、美少女パティシェールの児玉嬢が作った「タルトタタン」は、クラシックな技法の中にも繊細な軽やかさを表現し、定番ながら美味しかった、手島料理長とのコンビはまさに「美女と野獣」だが(料理長すいません)(笑)、今後楽しみな才能だ。
 そして小松支配人と女性サービス陣のサービスは以前より洗練され、レストランとしてのポテンシャルは更に高まったと感じた、それが理由だろう、客入りも好調みたいだ。

 手島料理は力強さと同時に色気がある、ちょうどこの旅行中、名コピーライターで骨董収集家としても知られる仲畑貴志氏の、「この骨董が、アナタです。」(講談社文庫)を読んでいたのだが、その中に印象的な文章があったので、引用させてもらう、
「長年、コマーシャルをこさえてきて気づいたことは、購入をうながすための表現に思索的な要素を入れてはいけないということ。広告は、消費者の首より下、胸、もしくは腹、できればへそより下を刺激するべきで、決して頭を刺激しては売れない。」
 これは正しいと思う、そして「広告は」を「料理は」に置き替えると、そのままレストランに通用すると思った(笑)、その良い実例がこの「オテル・ド・ヨシノ」だ、此処は頭で考えるのではなく、身体それも下半身を刺激する、とてもエロスを感じるレストランだ(笑)、「今、関西フレンチなら何処?」と訊かれたなら、その人の食レベルにもよるが、まずはこの店だろう。和歌山と関西はこの店がある事に誇りを持っていいと思う。

 関西一日目のラグジュアリーな夜は、スタッフの皆に見送られ、満腹を抱えながら幸福な笑顔で終わった。


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大阪・布施「パパノエル」(2013春関西食べ続け①)

 今年の関西食べ続けを計画するにあたり、「行ってみたい店」をピックアップしたら、殆ど去年と同じになってしまった(笑)、限られた日程のため「当たりか外れ」に賭けるより、「外したくない」が優先されるので、結果としてどうしても個人的に鉄板な店になってしまう(笑)。

 まず第1店目は昨年と全く同じで、東大阪布施の駅前商店街にあるフランス料理「パパノエル」へ向かう事にした、ここの料理長とは以前から親しかった事もあり、「今年も行こうかどうしようか」と思って店のWEBページを見た処、「1000円ランチスタート」の文字があり、実に美味しそうな「ロールキャベツ」の画像を見てしまった。これで我慢出来なくなり「ロールキャベツを食べに行きたい!」と連絡を入れる事に(笑)、「1000円のロールキャベツを食べるために、新幹線に乗って行く」、店にとっては甚だ迷惑かも知れないが、これ素敵ではないですか(笑)。

 大阪の下町、布施駅に降りるのは1年振り、商店街はシャッターを閉めた店舗が更に増え、年々寂しくなっているが、この「パパノエル」がある通りだけは結構賑わっていた。
 画像は「商店街にあるフランス料理店」の雰囲気を上手く伝えているか?

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 12時半に入店、店内は他に2組食事中で、その後更に2人連れの客が入店した。まず料理長夫妻に挨拶を交わし、その「ロールキャベツ・ランチ」を注文したら、すぐに料理が出て来た、大阪では「料理が出るのに15分待たすと催促が来る」そうだから(笑)、料理の出は東京より明らかに早い、これは酒飲みでない私にはありがたい事でもある(笑)。

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・ロールキャベツ(大きいです)

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・パン

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・デザート(これは「普通版」ではありません)
 クレームブリュレ、胡麻のタルト、アイスクリーム
・コーヒー

 課題のロールキャベツは実に優しい味、東京の洋食屋ならもっとナツメグや胡椒を効かせ、トマトの酸味が強い仕立てにするが、これは練肉の旨味と優しいトマト+クリームのソースで食べさせるフランス料理版だ、「おふくろの味」ならぬ「パパの味」(笑)。店主の奥さんが話してくれたが、長引く不況で客足が落ち気味なので、数量限定ながら破格のランチを作り、近所の人が気楽に来られる「きっかけ」にしたかったとの事だ、決して「洋食店」への転身を考えている訳では無いと思う。それにしてもこの本格的な一皿とパンにデザートが付いて、税込1,050円は安過ぎると思った(笑)、家が近いなら毎週でも来たい。
 デザートは通常版ではなく、甘党の私のために料理長が特別に増量してくれたもの(笑)、此処のデザートは毎回感じるのだが、私と味のベクトルが合って、とても美味しいと思う。
 隣席になったのは、料理長の知人であるフランス料理店主との事だった、不況下の客入りについて尋ねてみたら、ランチタイムはそれなりに来客はあるが、ディナーは波があって厳しいらしい、これは東京のフランス料理店で聞く話と同じだ。

 厳しい現状だが、地域を盛り上げるためにも、地元密着型のフランス料理店として、この「パパノエル」は健在であって欲しいと思う、美味しくて温かいランチをありがとうございました、和歌山へ向かう前に、大阪環状線を鶴橋で途中下車する意義は十分あった(笑)。


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大崎「おはらス・レストラン」

 私は東京の北端に住んでいる事もあり、東京の南西方面へはあまり出かけない、このため殆どの人が知っている有名レストランでも、ずっと未訪問のままという店が幾つかある、グルメ仲間の集まりに行って、そうした店の話題になると、「実はその店行っていません」となかなか言い出し難く、黙っているだけである(笑)。「いつか行ってみたい」と思いながらも、何時の間にか閉店してしまった事も過去何店かあった。
 この日初めて向った、大崎のフランス料理「おはらス・レストラン」も、私の「いつか行ってみたい店」リストにずっと載っていた店だった。今回訪れる事になったのは、関西の友人料理人からのリクエストで、利用予定店の中に此処の名前を見つけたからで、不安な「初体験」には心強い援軍だと思い(笑)、喜んで同行させてもらう事になった。

 大崎駅から住宅街を歩き、「地図だと確かこの辺り」と思いながら周りを探すが、どう見てもフランス料理店がある雰囲気では無い、「この道には無いだろう」と思う細い道の途中に、店名を書いた地下への入口があった、この意外感と判り難さは都内有数かも知れない(笑)。階段を降りたら笑顔で迎えてくれたのが、ドイツ人と聞く体格の良いマダムだった、店内は地下でも結構明るい、思ったより広くて30席近くありそう、このロケーションは麻布十番の「シプレ」と似ていると思った。

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・テーブル上の華やかな位置皿

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・今は珍しくなったテーブル置きの塩&胡椒、これは三田「コートドール」と同じ

 ランチメニューは3,150円と5,250円の2種、更にディナーと同じ料理を選べる7,350
円のメニューもあった。感心したのは選択肢が多い事、例えば5,250円では、前菜、スープ、メインを1品ずつ選ぶのだが、前菜5種、スープ3種、メイン6種から選択出来る。「おまかせメニュー」だけを提供する店が増えた現在、これだけ多種の食材を用意する店は少なくなった、食材ロスが出るのは覚悟の上なのだろう、このスタイルを貫いている処に、この料理人のある種昔気質なこだわりを感じた。
 5,250円のメニューから私が選んだ料理は、

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・スコットランド・サーモンのタルタル

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 ・温製、魚のスープ、ルイユ添え

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・徳島産阿波赤牛いちぼ肉の直火網焼き、ベアルネーズソース添え

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・苺のガトー、バニラアイス、カシスのソルベ
・エスプレッソ、ミニャルディーズ

 料理はとても良かった、そして今までこの店に来ていなかった事を後悔した(笑)。サーモンのタルタルは今切ったばかりと思われる角の立ち方、香草が強過ぎず弱過ぎず絶妙の加減で美味しい、「魚のスープ」は意識して魚介の繊維を残し、洗練され過ぎていない、これは本物のスープ・ド・ポワソンだ、赤牛は今注目されている食材だが、少なくともフランス料理において、私は黒毛和牛より好きだ、これを強めのキュイッソンでグリエし、美味しさを引き立たせている。

 小原料理長は1968年にシベリア鉄道!で単身フランスに渡り、今は伝説の店となったパリ「ヴィヴァロア」等で研鑚を積む、10年後に帰国し札幌で個人店を開業し、地方フランス料理店の先駆けとなった。東京の現在地に移店したのが2001年、既に40年以上フランス料理人生活を続けている事になる、それでいて料理は決して古臭くないし、変に日本化されていない。三田「コートドール」の斉須料理長とは「ヴィヴァロワ」時代の同窓なので、どうしても比較したくなるが、余分な物を削ぎ落し本質的でストイックな斉須料理に対して、大らかで懐が深く且つ繊細な小原料理と云う感じだろうか。店内サービスもマダムとソムリエールの女性コンビのため、余計フェミニン(悪い意味で無く)で優しい印象を持った。此処のマダムと話していると、フランスのレストランで出会った、貫禄ある名マダム達を思い出す(笑)。
 最近、若手料理人の店へ行く機会が多かったが、ベテラン料理人はベテランならではの良さがある事を認識した、ここは訪問が「間に合って」良かった(笑)。
 個人的にまた行ってみたいし、特にマニア系ではない人生経験を積んだ成熟した大人には、是非お薦めしたい素敵なレストランだ。

 次回ブログ更新は2月17日(日)の予定です。


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富ヶ谷「ルヴァン」のパン

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 「あなたが一番好きなのは何処のパンですか?」、こう訊かれたとしたら、私は躊躇なく「富ヶ谷のルヴァン」と答える、これは20年間変わらない(笑)、それ程この店のパンが好きだった、
 店がある場所は渋谷区の富ヶ谷、代々木公園から代々木上原駅へ向かう途中で、井ノ頭通りに面した角にある。店主は甲田さんという方で長野県出身、フランス人のパン職人からイーストを使わない天然酵母によるパン製法を学ぶ、最初は調布で開業し店頭販売はしていなかったが、1984年に現在地で小売店を開業、以降30年近くにわたってマスプロ的でない独自のパンを提供し続けている。
 我家からは地下鉄千代田線の端から端まで、乗っているだけで約1時間かかるが、以前は土日に本を読みながら買いに行くのを、月に一度の楽しみにしていた。此処のパンの特徴はどっしりとした重量感と粉の旨味、噛めば噛むほど味わいが広がる存在感のあるパンだ、酵母の香りと酸味が多いのも特徴。

 その「ルヴァン」に久しぶりに行ってみた、たぶん2年位ご無沙汰していたと思う、通勤定期がある時は代々木公園駅まで片道190円の乗り越し料金で済んだが、通常料金で乗るとなると我家からは往復500円以上かかってしまう、1,000円のパンを買いに行くのに500円以上払うのは、今の薄給の身には結構辛い(笑)、パンを買うのは自転車で行ける場所の店が中心となってしまっていた。この日は近くに用事があって、「そうだ、富ヶ谷に行ってみよう」と思い立ち、平日休みの午後に訪れる事に。
 代々木公園駅から歩いたが、途中にある高級マンションが、「新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件」(ウィキペディアの記載だが、もう少し別の表現ないのかな?)の現場になったのを思い出した。驚いたのは富ヶ谷交差点の歩道橋が新しくなり、エレベーターが設置されていた事、この工事の間来ていなかったのだ、いつもこの歩道橋は辛かったので、設置はありがたい(笑)。

 店は以前と全く変わっていなかった、隣に在るカフェ「ル・シャレ」も変わらず、そして店内にいるスタッフが若くて活気がある、この店はいつ来てもスタッフが若いのだ、全国各地から天然酵母のパン作りを学びたい若者達が集まって来て、ここで経験を積んでから各地でブランジェリーを開業している、こうして伝統的な製法でのパン作りを「伝承」していくのは、素晴らしい事だと思う。

 パンは数種類あるが、特に私が好きなのは全粒粉を5割含んだ「パン・コンプレ50」と、この店の看板商品でもある胡桃とレーズン入りの「メランジェ」、この日買った2個で1,155円、此処の店はグラム売りが基本だ。家に帰って早速食べてみたがやはり美味しかった、以前のブログに書いた「プチ・メック」のパンが新世代なら、この店のパンは旧世代と言っては失礼になるから「トラデショナル」と呼びたい(笑)。フランスでも地方ならまだあるかも知れないが、パリではこうした伝統的な作り方をしているブランジェリーは、もう殆ど無いと思う。

 30年近く続いたこの店が、何時まで続いているのかは判らないが、東京に優れたパン文化を残した功績は讃えられていいと思う、「東京が誇れる名店」だ。


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六本木「プロヴィナージュ」

  欧州へ単身乗り込み、料理武者修行中の若き料理人G君が、次の遠征先へ行くまでの間に一時帰国したため、有志で集まろうという話になった。幹事役を買って出てくれた人がいて、今回私はそれに乗っかるだけでいい楽な役割だった(笑)。
 集まった場所は六本木ヒルズ近くのフランス料理「プロヴィナージュ」、私はこの店「ワインバー」だと思い込んでいたのだが、行ってみて充分立派なフランス料理店だと知った、私が注目している料理人の一人、「ピアッティ・カステリーナ」の榎本料理長も以前この厨房にいたと聞く。
 「プロヴィナージュ‘Provinage’」という言葉は知らなかったが、店のWEBページで説明があり、伝統的なブドウ樹の栽培法だそうだ、詳しくはこちらを、
http://www.provinage.com/concept

 下町人間の私は夜の六本木を歩くと、すっかり「お上りさん」気分、思わず見とれてしまう様なモデル体型の外国人女性とすれ違うと、「非アジア系外人だ、都会だ」と感嘆してしまう(笑)。店は雑居ビルの2階にあって隠れ家的雰囲気、フリの客はまず来ないだろうと思う、19時の入店時には既にG君も来ていた。
 料理はこの日のために料理長が特別なムニュを考えてくれた。

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・平目の昆布〆

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・鰆のミキュイ、薫製の香り

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・白子のポワレ、甘長唐辛子、アボガドソース

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・甘鯛のウロコ付ポワレ、蕪、シメジ

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・ヴァンデ産仔鳩、胸肉とモモ肉のファルス、ブロッコリー

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・キルシュをかけた苺のデセール

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・斉藤料理長

 この日集まったメンバーからして当然だが、話の内容が熱く煮詰まってしまい(笑)、料理名や食材の記憶が曖昧、もしかしたら間違っているかも知れません、またワインもソムリエでもあるオーナーが厳選してくれた「冷涼ワイン」だが、これも最後がアルザスのピノ・ノワールだった事位しか覚えていない(笑)、こういう場でメモを取り食事するのは無粋なので、料理&ワイン名を記したものを貰えると嬉しいと思うのは、記憶力が衰える一方の老ブロガーの戯言か(笑)。
 料理はとても良かった、現在の斉藤料理長は渋谷「ラ・ブランシュ」出身、その後渡仏しブルゴーニュの一つ星‘BENATON’で働き、帰国後は銀座の「ラール・エ・ラ・マニエール」を経て、この店の料理長になった。大阪出身と云う事もあるのだろうが、特に魚料理が良かった、全体的に浅いキュイッソンだが、中でも鰆はポワレではなく、特製燻製機で短時間火入れし、鰆の美味しさを見事に引き出した印象的な料理、やはり魚を料理させたら、日本それも関西人にはどの国の料理人も敵わない気がする(笑)。デセールはリキュールが強過ぎて私には駄目だったが、そもそもこの店には酒に弱い客は来ないのだろうけれど(笑)。オーナーのサービスには問題は無いが、料理やワインの説明にもう少し客側に一歩踏み込んだ「元気」が欲しい気もする。
 この店の料理長もそうだが、日本のフランス料理界の30歳代料理人の数と質は凄いと思う、そこへG君みたいな次の世代が持ち上がって来るのだから、40歳以上の料理人は崖から突き落とされない様に、今以上に必死になる必要がありそうだ(笑)。

 欧州のレストラン界の第一線で活躍するG君との話は、料理の国際大会「ボキューズ・ドール」から始まり、「次郎」や「龍吟」、更には九州ラーメンの話題まで尽きる事が無かった(笑)、このままずっと続けていたかったが、終電も近くなり皆でこの店に泊まる訳にもいかないので(笑)、続きはまた別の機会とする事で11時半に終了となった。
 願わくは彼が滞在している間に勤務先を訪ねてみたい、私自身の今年の予定も先が判らず何とも言えないのだが、何とかお金と時間を作りたいものだ(笑)。
 G君、お土産までいただきありがとうございました、春からの新たな戦場での更なる奮闘を期待しています。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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