最後の晩餐にはまだ早い


亀有「ティア・ブランカ」(10回目)

 この日は定期的に通っている、下町イタリアンの亀有「ティア・ブランカ」で平日ランチのため自転車で行く事に(笑)、最近の数回はすべて満席だったので、この日はどうなのかなと思っていたが、やはり最後にはカウンターも含めて満席になった、980円ランチでも予約を取るので、近い内にフリで行ったら断られる店になりそうな気もしている(笑)、自分が見つけた店が人気になるのは嬉しい反面、ヤンママ達に占領されるのは、ちょっと悔しい気持ちもある(笑)。

 この日の平日ランチ(デザート付で1,200円)は、

             130430-1.jpg
・カップに入ったスープ・ミネストローネ

             130430-2.jpg
・定番のスパニッシュオムレツ、カポナータ、イタリアンサラミ

         130430-3.jpg
・若鶏のソテー、オレガノ風味、トマトとチーズのソース、焼き野菜

         130430-4.jpg
・パンナコッタ、コーヒー

 ミネストローネ、トルティージャ、カポナータ等は、この店ではすっかりお馴染みになった、洗練されたリストランテの味というより、もっと家庭的で日常的なホッとする美味しさ、作っているのは若い男性料理人だが、「マンマの味」とはこうしたものを指すのだろうなと思う。
 この日はあえてパスタを外して鶏肉料理を選んだが、これは少々普通だった(笑)、下町でイタリアンのランチとなると、例えばトリッパ(モツ料理)を出しても殆ど注文は無いだろうし、コストも考えれば無難な鶏や豚肉料理に落ち着いてしまうと思う。個人的にはもう少し違う料理も食べてみたいが、そうなると夜に来るしかないだろうか。

 この日はヤンママ達とカウンターに並んだが、聞こえてくる話が面白かった、今の若い女性達は普段携帯電話で話すからか、声が大きく会話が筒抜けだ(笑)、面白いなと思ったのが、話の主語が曖昧な事、一例を挙げるとこんな感じだ、
「マーくん、あっちゃんとスーパーへ行ったら、マー君とクラスが同じやっくんとママに会った、クラス分けの話になったけど、やっくんママの話ではジュン君は休んでいるんだって」
 どうも我々の世代の会話とは次元が違う(笑)、会話を成立させるには、各家庭の構成と愛称?をお互いが知っている事が前提になる(笑)、今のヤンママ達の世界は意外と閉鎖的なのかも知れないと、これは勉強になった。
 夫君は会社の近くで280円牛丼や300円立ち蕎麦で小遣いを浮かし、週に一度の単価3,000円居酒屋でストレスを発散する、その奥さん達はこうして1,000円のママランチで仲間と喋り続ける事でストレスを発散している、どうやらこれが日本の平均的な若いサラリーマン夫婦の実態みたいだ(笑)。

         130430-5.jpg


 東京下町にすっかり馴染んだこのイタリアン、集客は好調みたいなので、一応出店は成功したと言っていいだろう、この店に続いてこうした店がもっと増えてくれれば、下町人間の私には嬉しい事だ(笑)。


スポンサーサイト
  1. [ edit ]
  2. イタリア料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

大崎「おはらス・レストラン」(2013年4月)

 この日は以前からお付き合いさせてもらっている、高知在住の食関係の友人が東京に来るのに合わせ、日曜日のランチを一緒にする事になった、実はこの前週の日曜はフランス人の食業界人と一緒だったので、私の交友関係も実にグローバルになった(笑)、これも全てネットのおかげで、行った事のない地方に友人が出来るのは、ネットが無かった昔では考え難い事だ。

 この日選んだ店は大崎のフランス料理「おはらス・レストラン」、私は今年2月に続いて2回目の訪問となる、実はこの店の事をブログに書いたら、友人がそれを見て「この店、是非行ってみたい」と思ったそうで、私自身も今年行った中では一番再訪したい店だったので意見が一致した(笑)、私が書いた文章で、誰かに「ここ行ってみたい」と思わせる事が出来たとしたら、これはブロガー冥利に尽きる(笑)。
 JR大崎駅で待ち合わせ店へ向かったが、予約していた12時より15分程早く着いてしまったので、「大丈夫かな?」と心配したが、笑顔で快く迎えてくれたのはドイツ人マダム、これで緊張が一気に和らぐ。ちなみに今回同行した友人は、以前中央線の某駅にある有名老舗レストランで同じ場面になり、予約しているにも関わらず「まだ入らないでください」と怒られたとか(笑)、こうした店が「名店」として持ち上げられているのだから困ったものだ。

          130426-1.jpg

 地下ながらドライエリアからの採光が良く明るい店内、2月は壁際の角テーブル席だったが、この日は入って左側の丸テーブル席に案内された、前回は大雪の予報が出ていた平日昼だったので、貸し切り状態だったが、今回は我々の他に3組の利用客があった、客の年齢層は青山「フロリレージュ」あたりと比べると高い、提供する料理もサービスも、この店は「酸いも甘いも知り尽くした」大人のレストランと云う感じがする。
 前回と同じく、選択肢の多い5,250円のプリフィクスメニューから私が選んだ料理は、

          130426-2.jpg
・シャラン産鴨のテリーヌ、くるみ風味

              130426-3.jpg
・冷製、羊蹄山麓京極町産人参のスープ

          130426-4.jpg
・大山地鶏腿肉の赤ワイン煮

          130426-5.jpg
・苺のケーキ、フランボワーズのソルベ

              130426-6.jpg
・チュイール、ショコラオランジュ
・エスプレッソ

 以前、知人の料理人から「料理人の実力は、テリーヌやパテ・ド・カンパーニュを食べれば大体わかる」と聞いた事があり、この日は鴨のテリーヌを前菜に選んでみた、運ばれて来た皿を見た時に、思わず「古い」と口走りそうになったが(笑)、今の若い料理人ならここまでガルニ(付け合せ)は使わない、でも実際に食べてみると理由が判った、テリーヌ自体の味は良いのだが、焼きが強く乾いていて、これだけだと少々味が単調、しかし野菜や胡桃と一緒に食べると味が複雑に変化して何度も楽しめる、これはテリーヌとの相乗効果を狙った皿だ。
 「人参のスープ」はクリーム分がしっかり感じられるトラデショナルな味、前菜とメイン料理を上手く繋ぐ、いい「セットアッパー」になっている。
 「次来る時は、これを食べよう」と決めていたのが(笑)、「大山地鶏腿肉の赤ワイン煮」、これは手間と時間がかった料理だ、いわゆる「コック・オ・ヴァン」だが、日本のレストランで見る事は少ない、手間の割にはお金を取れない料理だからと思うが、しっかり作った定番料理は美味しいという実例、これを食べるためだけに再々度訪問したいとも思う(笑)。
 唯一残念だったのは、デセールが前回と同じ苺のケーキだった事、これは是非他のものを食べてみたかった(笑)。

             130426-7.jpg

 マダムとソムリエールのサービスは、日本的な「痒くないところまで掻いてくる」様なしつこさ?はなく、欧州的にドライなもの、でも客の事は見ているし、慣れたら余計な気を遣わないので気が楽(笑)、グラスワイン等飲物類は良心価格だ。
 前回も思ったが、この店はもっと早く来るべきだった、その後悔からマダムに「(この店)まだ続けてくれますよね?」とお願いしてしまったが、まだ暫くは大丈夫そうだ(笑)。退店時には恰幅の良い小原料理長も挨拶に出てきたが、本当に素敵なご夫婦だと思う、此処は大人が楽しめる本物のレストラン、この日も美味しくて楽しい午後を過ごせました。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

六本木サボア・ヴィーブル「竹下鹿丸展」

           130422-1.jpg
 ブログにUPしようと思いながら遅くなってしまい、既に会期は終わってしまったが、今月初めに行った、六本木の器を中心としたギャラリー「サボア・ヴィーブル」で開催されていた「竹下鹿丸展」の報告を。

 竹下鹿丸氏については以前ブログで紹介した事があるが、1977年生まれの益子の若手陶芸家、釉薬を使わない「焼き締め」と呼ばれる陶器を中心に制作活動を続けている、私は5年前に同じ場所で開催されていた個展でこの作家を知り、片口鉢を購入してからファンになった、ただこの片口鉢は、普段は器としては使わずそのフォルムの美しさから、骨董品の銭箱の上に置いてインテリアにしているだけ(笑)、今回は出来れば日常的に使えるものを選びたいと思いながら、会場へ向かった。

 サボア・ヴィーブルは六本木AXISビル内にあり、1881年からここで食器類を中心に販売をすると共に、主に若手作家達の発表場所としてギャラリー活動を続けている。1980~1990年代初めはバブル景気の真最中、このビル辺りから飯倉、六本木と西麻布一帯は「バブルの聖地」だった(笑)、今は「つわものどもが夢のあと」だなと、近くにある「ドン・キホーテ」の建物を見ると妙に感慨にふけってしまう(笑)。この店が長く続いた理由は、こうした若手作家を紹介する事で、新しい潮流を生んでいったからではないかと思う、竹下鹿丸氏の器もこの店がある事によって、話題の日本料理「龍吟」で使われる様になったと聞く。

         130422-2.jpg

 伺ったのは金曜日の夕方、入店後に奥の個展会場へ入ったら、赤いパンツ姿で独特の髪型の長身男性が居た、前回も会った作者本人だ(笑)、2011年の震災で使用していた穴窯が崩落、更に昨年は北関東を襲った竜巻で自宅兼作業場が半壊するという二年続きの災害に見舞われながらも、この作者はどこか肩の力が抜けていて軽やかな自然体だ、話し方も穏やかでこれは無骨になりやすい焼き締め器を、見た目以上に軽く仕上げる作風にも共通していると感じた。
 作者に以前から気になっていた「土」の事を聞いてみた、今は益子でも備前でも良質な陶土が枯渇し、他地方から「輸入」しているとも聞いていたからだが、これに関しては、「自分は他の人が使わない粗い土を好んで使うので、地元益子の土で足りている」との答えだった。これ食材と料理に似ていると思った(笑)、皆が同じ食材を使い出すと、需要と供給のバランスが崩れ希少価値になり値段が高くなる、「他の人がやっていない自分だけの仕事をする」事が大切なのは、優れたクリエーターに共通だと思う(笑)。

           130422-3.jpg

           130422-4.jpg
 会場内を30分くらい見て回り、一番惹かれたのは「南蛮花入」(26,250円)だったが、今日は実用的な物を買いたかったので次回への宿題とし、李朝の名品「伊羅保茶碗」を思わせる飯碗の大(4,200円)と、古越前焼の風格が感じられる小(3,300円)の二つを購入する事に、別に夫婦茶碗にする訳ではなく自分でどちらも使いたい(笑)、小さい方は炊立ての白飯を、大きな方はお茶漬けか小丼向けと思っている。

         130422-5.jpg

 全体的な作風は5年前とは少し違った印象を持った、その時は織部釉みたいな実験的作品もあったが、今回は原点回帰していると思った、日本人は「この道一筋」みたいな作風が好きだが、オランダでも個展を開いたこの作家は、世界に認められるためにも、こうした変容はあっていいと思う。
 
 誤解を恐れずに書いてしまうと、料理人にも言える事だが、一般論として物造りに関わる人間は、名前が有名になり年齢を重ね「大家」になるに従い、作った物が詰まらなくなる気がする(笑)。この作家の作品は今ならまだ私でも何とか買える金額なので、しばらくは追いかけていきたい才能だ。

※なお店内撮影は作者の承諾を得ました。
  1. [ edit ]
  2. 器・骨董
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

秋葉原「ビストロ・ヌー」(2013年3月)

 この日は平日休みで、ランチは以前からマークしていた某フレンチへ行こうと、電話をかけたのだが満席で断念、そこで思いついたのが、今年1月に利用して好印象だった、秋葉原のフランス料理「ビストロ・ヌー」へ行く事に、此処ならカウンター席があるので、予約しないでも大丈夫だろうと思いフリで出かけたのだが、結局この店も最後には満席になった。ランチタイムだけの現象なのかも知れないが、飲食店に客が戻りつつあるのは確かな様だ、平日ランチでも「1,000円以上払ってもいい」という客が増えているとしたら、これはレストランにとって良い兆候だと言える。ついでに厳しい言い方をすれば、今の時期にお客が増えていない店は、集客に根本的な問題があると言えなくもない。

 地下鉄千代田線の湯島駅から歩き、店に着いたのは11時30分の開店直後だが、既に2組入店していた、カウンターに座って、プリフィクス(1,500円+デザート300円)の黒板メニューから選んだのは、

              130418-1.jpg

          130418-3.jpg
・エビのパートプリック包み

              130418-2.jpg
・アンジューブランと自家製?パン

              130418-4.jpg
・牛ハラミのロティ、粒マスタードソース

         130418-5.jpg
・クレーム・ブリュレ
・コーヒー

 「エビのパートプリック包み」は、エビ身を叩いてパートプリックで春巻状に包み揚げたものを、エビで取った出汁のスープを付けて食べる、ちょっとアジアンテイストが入っていて、これはユーロ導入後のパリ味だ(笑)、この料理人がパリで働いていた時期が、このタイプの料理が一番流行っていた頃だと思う。
 「牛ハラミのロティ」は、フランスの国民食「バベットステーキ」‘bavette steak’の事で、これはあえてスーパーオーソドックスな料理を選ぶ事で、この料理人の実力を推し量りたかったのもある(笑)、期待に違わず充分美味しかった、豪州産牛肉だそうだが、この料理とは上手くマッチしている、下に敷かれたのは最近あまり見かけなくなった気がするジャガ芋のピュレで、これがまた美味しい。
 クレーム・ブリュレも脱日本的に甘味のしっかりしたもの、これならフランス人も納得すると思う。

 実は私の後に予約していない男性5人組が来店したが、最初接客係の女性が「今日は満席なので」といったん断ったのだが、料理長が「詰めれば座れる」と指示を出して案内させた。これで店内は満席になったが、ここからこの料理人が本気を出した(笑)、一人でガスレンジ4口とコンベクションオーブンをフル稼働、見ていて「腕が3本あるのでは」と思わせる素早さで、次々と料理を出して行く、思わずこのスピードに見とれてしまった(笑)。前回来た時に、この料理人がパリで働いていた当時の話をしたが、人気のネオ・ビストロで、週末夜は2回転・3回転する日もあったそうだ、こうしたスピード感はその中で身に付いたのだと思う、そしてパニックにならず平然としている、これは大事な点だ。
 今は技術に関しては、日本の調理師学校の優秀なメソッドで、殆どのものが日本で習得出来る筈だ、だがこうした「火事場の馬鹿力」的なものは、現場と云うか「修羅場」を体験しないと身に付かないと思う、これからフランスで働こうと思っている日本の若い料理人達は、こうしたものを是非持ち帰って欲しいものだ。

             130418-6.jpg

 この店と料理人はこれから楽しみだ、そしてこのタイプの店が成功すれば、東京でも「ネオ・ビストロ」的な店が増えていくと思う、そうだとすれば長生きする楽しみが少し増える気もしている(笑)。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:2

青山「フロリレージュ」(2013年3月)

 今年初めての「フロリレージュ」のランチ、この店の唯一と思える不満は、「行きたい」と思ってから予約すると、2ヶ月待たなければならない事(笑)、これはもちろん店側の責任ではないが、この日も2ヶ月前に昼間電話をかけられる同行者に電話予約を頼んだ、私がかける時と違い一回で繋がったそうだ(笑)。

 行かれた事のある方はご存知だと思うが、この店は高級住宅街の中にあって道が狭い、以前夜に来た時は来店客を乗せたタクシーが道の途中で立往生しているのを見たし(笑)、この日も普段でも狭い道で更に工事をしていて、車幅のある高級外車に乗った近所の男性が、工事担当者と口論していた、「金持ち喧嘩せず」と言うが、青山では違うみたいだ(笑)。
 入店は12時ちょうど、この店は昼の開始時間を12時と12時半以降に分け、客が集中しない様にしているらしく、この日も結局満席になったが、料理の出は割とスムーズだった、毎回感じるのだが高級店の割に客層が若いのがこの店の特徴。

 この日のプリフィクス・ムニュ(4,200円)から選んだのは、

           130414-1.jpg
・アミューズ(定番オリーブのパン)

           130414-2.jpg
・ランチタイムで提供するグラスワイン3種

                130414-3.jpg
・竹の子のロースト、アワビのビゴリ

           130414-4.jpg

           130414-5.jpg
・北海道産仔羊のローストとそのラグー

                130414-6.jpg
・柑橘のデクリネゾン

                130414-7.jpg
・マカロン

 前菜はこれから旬を迎える竹の子のローストに、アワビの身と肝をすり潰しパスタ状にしたものを合わせた、このパスタ?は前回に隣席で出ていたのを見たので食べてみたかった、見かけはあまり良くないが(笑)、アワビの香りが強く個性的な一品。
 この日の圧巻は肉料理の仔羊で、部位は背肉ではなく股肉、所謂「ジゴ・ダニョー」だが、普通のジゴ・ダニョーでは終わらない(笑)、この見事な火入れは素晴らしい、二皿目は端肉を煮込んでミンチにして丸く成形した、簡単に云うとコロッケだ(笑)、これは遊び心で味わえた。
 デセールは金柑を使ったもの、おそらくは「金柑パフェ」をイメージしたものだと思うが、個人的にあまり好きでないクレームシャンティが多かったせいか、以前にこの店に味わった秀逸なデセールに比べると、少し平凡に感じてしまった。

 サービスは近藤支配人を含め男性3人によるもので、とても快適に過ごせる、飲食店の人材不足(特にサービス陣)が深刻な東京で、これだけの接客レベルを維持するのはいかに大変か、様々な場所で聞いているだけに、感心もするが同情もしてしまう。
 先日、偶然食事を一緒にする事になったフランス人の料理関係者が、この店を訪れていて、「フロリレージュの料理はとてもフランス的、支配人も大変面白い、ワインリストは珍しい物を揃えていて素晴らしい」と称賛していたが、これこそ日々の努力の積み重ねによるものだろう。
 この値段で提供される料理とサービスの質の「キャルテ・プリ」を考えたら、やはり東京有数と言わざるを得ない、連日昼夜満席にするにはそれなりの理由があると思う。

 前述の様に、ロケーションや席数には課題もあるし、この若く才能ある料理人には、この店で完結して欲しくない気がする、次なるステップがあってもいいのではとも思っている。
 いずれにしても、今の東京で最も輝いている店の一つである事だけは間違いない。



  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

「傘工房ワカオ」の傘

 やがて来る雨降り季節のため、いい傘が欲しくなった、雨を防ぐだけならコンビニで売っている300円のビニール傘で足りるが、あれが嫌だなと思うのは、ちょっとしたレストランのレセプションに預ける時(笑)、足元ならぬ傘元を見透かされるみたいで、手渡すのに気後れしてしまう。

 町中から「傘屋さん」が消えて久しいので、傘は何処で買ったら良いのだろうと、WEBで調べてみたのだが、今はこの業界も寂しい状況になっているのを知った、まずは前述の300円ビニール傘、更に安い105円ショップで売っている物もある、これを日常に使う人は8割位いるのではないか?これでは嫌だと思う人が買うのが、ホームセンター等で売っている1,000~2,000円位の傘、これは殆どが中国製だ、まともな国産品は無いのだろうかと調べたら、ごく小規模な生産者がハンドメイドで作っている処が数か所ある位、自社製品として売る場合と、デザイナーズブランドを冠してデパート等で売られる事もある、これは最低でも1本1万円前後の高級品だ、今国内で作ろうとすると、材料費や人件費でどうしてもこの位の値段になってしまうという事だ。

 自社製を売っているのは東京でも3、4店、先ず一番名前が知られているのが台東区の「前原光榮商店」
http://maehara.co.jp/index.html
 次に日比谷線の仲御徒町駅近くにある「傘工房ワカオ」、
http://www.wakao-kasaya.com/
 自社製ではないみたいだが、ファクトリー物を専門に扱う「神田の傘や」
http://www.rakuten.ne.jp/gold/kasa/
 この辺りが引っかかったが、不思議な事にこの3店は近いので、その気なら半日でも回れる(笑)

 この中から勤め帰りに一番行き易い、「傘工房ワカオ」を訪ねてみる事にした。
 これが予想以上に古い店舗で、中では職人風な爺様が一人で傘を手入れしていて、とても入り難い雰囲気、意を決して入ろうとしたら、建て付けが悪くガラス引き戸が開かない(笑)、それでも何とか戸を開け「傘を見せてください」と呼びかけたら、この爺様が出て来て色々と説明を始めたのだが、これがまた長い(笑)、傘の話で止まらなくなった、江戸職人の血を引き継ぐ、相当「煮えている」人みたいだ(笑)、話によると今迄にTVや雑誌の取材を何回も受けているとの事、男性用雨傘を探しに行ったのに、いつの間にかこの人が作った女性用日傘の自慢話?になっていた(笑)。

 結局選んだのはこの店オリジナルの葡萄木の柄が付いた黒色の長傘、柄だけでなく中棒(シャフト)も天然木だ、値段は12,000円也、300円で傘が買える時代に「高い」と思われるかも知れないが、持ってみた軽さと高級感はかなりのもので、所有する満足感は高い。傘の布地は柄入りで、近くで見ると高級カーテンみたいな雰囲気もあって、あの爺様見かけによらず洒落ている(笑)。

             130410-1.jpg

             130410-2.jpg

             130410-3.jpg

 これなら、雨の日にレストランで「ドーダ、この傘いいだろ」と、ドヤ顔で預けられそうな気がする、そのためなら12,000円は惜しくない(笑)。これを読んでいるレストラン関係者は、こうした傘を持っている客が来たら、傘を褒めるときっと嬉しがると思う(笑)。

 ただ残念な事を聞いてしまった、この傘屋は三代続いているが、当代の70歳過ぎの職人には後継者がいないそうだ、と云う事はこの傘が買えるのは、もう何年も無いのかも知れない、このままでは東京職人の伝統がまた一つ消えてしまいそうだ、「いっその事弟子入りして、傘職人になろうかな」と思ってみたりもしている(笑)。


  1. [ edit ]
  2. その他
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

南千住「パスティチェリア・バール・アルテ」(2013年3月)

 「東京下町イタリアン訪問」は続く(笑)。
 平日休みのこの日、午前中に銀行で手続きを済ませると時間は午前11時、風も強くなって来たので、あまり遠出をしなくて済む南千住のイタリア料理「パスティチェリア・バール・アルテ」へ電話したら、利用OKとの事で、千代田線~日比谷線に乗って向かう事になった。事前に店のホームページを見ていたら、ランチメニューの肉料理が変わり、「自家製ボイルハムとクラウティ添え」とあったので、「どんな料理?」と興味を覚え、食べに行きたいと思っていたので丁度良かった(笑)。

 この店を訪れるのはこれが5回目、去年の4月が初訪問だから、私としては「頻繁に」通う店になった(笑)。決してお洒落な地域にある訳でなく、失礼ながら多分東京でも一番レストランが似合わない場所にありながら、骨太のイタリア料理が味わえ、且つ値段が安い、この店を体験すると、家賃が高い都心のイタリアンは何処も割高に感じてしまうので、これも「知ってしまった不幸」の一種かも知れない(笑)。

 この日のランチ‘Planzo Arte’(2,100円)は、

              130406-1.jpg
・アンティパスト・ミスト(若鶏のインボルティーニ、ほうれん草のスフォルマート、カポナータ、自家製スモークサーモン、クロスティーニ)

          130406-2.jpg
・自家製フォカッチャ

          130406-3.jpg
・ホタルイカと菜の花のタリエリーニ

              130406-4.jpg
・自家製ボイルハムとクラウティ添え

          130406-5.jpg
・ドルチェ・ミスト(抹茶のパンナコッタ、ブラッドオレンジのジェラート、ティラミス)
・エスプレッソ

 この店のアンティパストが好きだ、どれも丁寧に手間をかけて作ってあり、派手さはないが優しい味で美味しい、自分でも作ってみたいと思わせるのだが、これは同じ物が出来ない、プロとアマチュアの一番の違いは、さりげなく作りながらも、背後にある確かな技術を感じさせるか否かだろう。
 春を感じさせる菜の花のタリエリーニ(「タリオリーニ」ではなく、この店ではこう呼んでいる)は、「もっと食べたい」と思ってしまった(^^;)。
 一番興味を持っていた肉料理は、簡単に云うと「イタリア版シュークルート」だった、「クラウティ」はドイツなら「ザウアークラウト」の事、塩漬けの豚肉と塩漬けのキャベツ、ジャガイモをワインで煮込む料理、あとで料理長が説明してくれたが、北イタリアの一部で実際にこうした料理があるそうだ。地図を見るとイタリアとドイツは国境を接してはいないが、距離は意外に近い、イタリアと聞くと、「アモーレ(愛し)、カンターレ(歌い)、マンジャーレ(食べる)」の国というイメージがあるが、これは首都ローマ以南の話で、北部には違う文化があるみたいだ。
 ドルチェはパティシェ出身の料理長なので、どれも安心して美味しい。
 これだけ手の込んだ料理でこの値段は、ちょっと申し訳ない気もする(^^;)。

 大阪・狭山の人気イタリアンでも感じた事だが、フレンチよりイタリアンの方が、より地域と結びつきやすい気がする、調理過程がフランス料理程に絶対的構築的でないからか、地産の食材を使い易いし、ナイフ&フォークのヨコ飯にあまり慣れていない人には、パスタがある事によって「入り易い」のもあると思う。東京下町のこの店の近くには畑は無いが、支えているのは地域の人達だというのは、訪れている内に判った。
 「地元に根差した往き方」、東京の飲食店でもこれがこれから一番大事になると思う、フランスの地方にある人気三ツ星店へ行くと、ランチタイムは地元客のために低廉なムニュを設けている店が幾つかあった、これはあまり有名でない頃から支えてくれた、地元の常連客を大事にしたいとの意図からだろう、こういう客が付いている店は不況になっても強い筈だ、この店も下町の客に支えられて、これから一層光って欲しいと願っている。
 

  1. [ edit ]
  2. イタリア料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:1

亀有「ティア・ブランカ」(9回目)

 平日休みのこの日は、午後から整体治療の予定があったので、ランチはこのブログでお馴染みの、自転車で行けるイタリアン、亀有「ティア・ブランカ」へ、これが9回目の訪問になる。

              130402-1.jpg

 11時半の開店時には既に1組入っていたが、この後続々と女性客中心に来店、最後はカウンターも含めて満席に、すっかり人気店になったみたいだ、この種の店が少ない地域と云うのもあるが、それでも肝心の料理が悪かったら、コスパにシビアな女性達はやって来ない筈だ(笑)・
 この日のデザート付パスタランチ(1,200円)は、

              130402-3.jpg
・豆がたっぷり入ったミネストローネ

          130402-4.jpg
・トルティージャ、ルッコラとイッタリアンソーセージのサラダ

          130402-5.jpg
・明太子と生海苔のクリームスパゲッティー

          130402-6.jpg
・ティラミスとコーヒー

 大阪で親しくさせてもらっているフランス料理店主が、私のブログの画像を見て、一番「食べてみたい」と思ったのが、この店のトルティージャ(スパニュッシュオムレツ)だったそうだ(笑)、食に携わるプロは見ただけで旨い不味いが判るみたいで、たしかにこの店のオムレツは、本場スペインで食べた物と比べても遜色は無い、以前に書いたが料理人の叔母にあたる人がスペイン人で、その人から作り方を教わったとの事で、こうした家庭の味の伝承には「血統」に優るものはないみたいだ(笑)。
 「本日のパスタ」はこの店には珍しく和風、何でも明太子を多量に入手したために考えた物だそうだ、普通は最後に刻み海苔をまぶす事が多いので、あえて生海苔を使ってみたとの事、これはクリーム味にマッチしている、我家でも真似してみようと思った。
 自分では特に「大食」のつもりは無いのだが、それでも都心高級店の少量イタリアンは苦手だ、この店みたいにランチでもタップリ量があれば、その日一日幸せになれそうな気がする(笑)。

          130402-2.jpg

 「アベノミクス」の影響なのかどうかは不明だが、数字ではなく感覚的印象で、今年になってから飲食店に少し人が戻って来ている様に感じている。
 私は週の中日に平日休みがあり、お得な平日ランチ狙いで出かける事が多いのだが、先日訪れた大阪も含めて、最近出かけた店に結構人が入っている、平日ランチなので女性客中心で有料のドリンクを頼まない客も多いが、中にはスーツ姿の男性客が3、4人でビジネスの話をしていたりする事もあり、「昼食に1,000円以上払ってもいい」との傾向になりつつあるなら、飲食店にとっては僅かながらも「明るい兆し」と考えていいのかも知れない。

 そして個人的意見だが、フレンチでもイタリアンでも、これから東京で出店しようと考えている料理人は、港区や渋谷区はもう飽和状態なので、これからは葛飾・足立・墨田・荒川等の下町が狙い目だと思う、こうした店が下町に増えれば私は嬉しい(笑)。
 


  1. [ edit ]
  2. イタリア料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2013 04  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -