青山「フロリレージュ」(2013年6月)
この日は今年2回目になる青山「フロリレージュ」へ、最近ランチが多かったがディナーは久しぶりだ。親しくしている料理業界人が、この店へ行った事がないと聞き、それなら一度行ってみましょう、付き合いますよとの話でまとまった?もの(笑)。
利用まで2ヶ月待たないと駄目かなと思って電話したら、意外にも1ヶ月前で席が取れた、週末より平日の月・火曜日それもランチよりディナーなら、埋まっていない日もあるみたいだ、当日になって気付いたのだが、この日は日本対オーストラリアのサッカー試合があった夜、もしかしたらそれも関係あったかも知れない(笑)。
ディナーの開始時間18時半に口開けの客となったが、今は陽が長いのでランチタイムと錯覚してしまう、窓のない店内の雰囲気は昼夜あまり関係ない(笑)、ただ客層は違って夜は年齢高めで男女混合客が多くなる、この店に限らないがレストランらしい雰囲気を求めるならディナーだろう。
夜はカルトブランシュ(白紙のメニュー)1種類(10,500円)、アレルギーや苦手な食材がある場合は省いてもらえるが、私はいつも「ありません」と答えている(笑)。
当日の全10品を紹介したい。

・ほうれん草のガレット(この束の中に隠してあるので探す(笑))

・定番のオリーブのパン

・和歌山産雅鮎のベニエ、はらわたのピサラディエール、サマートリュフ、ズッキーニのピュレ

・フォアグラにパイを被せて、姫人参、レーズン

・金目鯛、コゴミとリュバーブのピュレ、桜エビ(黒い皿はどうしても写りがよくない)

・フランス産プーラード、胸肉と腿肉、アンディーブ、焦がしニンニクのソース

・(二皿目)煮込んだ鶏肉を芽キャベツに包んで

・パッションフルーツのムース、ブランマンジェ、ミントのジュレ、

・作り立てのエクレア、クレームブリュレのアイスクリーム

・チェリーの飴掛け、コーヒー
雅鮎の皿はベニエした鮎に内蔵のピサラディエールを合わせたもの、蓼酢に見立てたのはズッキーニ。良質なフォアグラはパイ地で作った帽子?を被せ、フルーツの甘味とビネガー?の酸味、「甘酸っぱさ」とフォアグラの相性は定番だが、下品にならないギリギリの線で攻めるのがこの料理人のセンスだ。金目鯛と桜エビは「海老で鯛を釣る」がテーマだそうだ(笑)、コゴミのピュレの苦味がいい。仏産プーラードは丸焼きしたものを分ける、「鳥類は骨付き丸のまま焼くのに限る」は大阪の某料理人の名言?だが(笑)、このキュイッソンも見事の一言、淡白な肉質に熟成黒ニンニクのソースが効いている。一皿目の完成度が高過ぎたので、二皿目の芽キャベツに包んだ煮込みは必要なかったかも知れない。デセールは2品共に秀逸だった。
料理は甘味、酸味、苦味を見事に駆使し、特に初夏向けに酸味を際立たせ、鮮烈にして淡麗、アミューズからデセールまで優雅にして繊細、それでいて随所に骨太さも感じさせる、時折遊び心を見せるのもまた心憎い(笑)。食材の力が落ち易い夏の料理で、ここまで構成に唸らされたのは、2年前の大阪「Fujiya1935」での料理体験以来だ。
「カルトブランシュ・メニュー」とは、その場の即興で考えるものではない筈、従来は一神教にも通じる「絶対的なもの」であったフランス料理の世界に、客の経験値や熟練度により変化する「相対的な料理」という概念を取り入れたのが重要な点。考え方は和食や茶の湯の世界に近い、季節や気候によっても変わり、料理はその前に出た料理、その後に出る料理と有機的に繋がり、総合的な作品として完結する。どうもこの事を理解していない料理人がいる、形だけを真似ても駄目で、自分の「精神」を表現する必要があり、かなり難しい方法だと思う。
この「フロリレージュ」の若い料理人には、カルトブランシュの本質を理解する非凡なセンスがある、オフにはフランス料理より和食や中国料理を食べ歩く事が多いらしいが、この日の料理にも和食からヒントを得たのではと思わせるものがあった(笑)。
この店は20席の客席数に対し、3名のサービスと5名の厨房スタッフ、数だけでなく質も備わっているので快適な時間が過ごせる、料理の出も滞らない。夜のムニュ10,500円は東京高級店の中心価格帯だが、この店で提供されるものを考えれば安いと思う。特に平日は同業者が食事に来る事が多いそうだが、自分の店の参考にすべき点が幾つかあると思う、例えば食事中のパンにしてもこの店位のレベルの物を使って欲しい、これはお金をかけずとも出来る筈だ。
最後は川手料理長と近藤支配人に見送られて店を後にした、此処は昼もいいが夜もそれ以上にいい(笑)。食べる側を常に刺激する料理と居心地の良いサービスのおかげで、とても満ち足りたディナーになった。
利用まで2ヶ月待たないと駄目かなと思って電話したら、意外にも1ヶ月前で席が取れた、週末より平日の月・火曜日それもランチよりディナーなら、埋まっていない日もあるみたいだ、当日になって気付いたのだが、この日は日本対オーストラリアのサッカー試合があった夜、もしかしたらそれも関係あったかも知れない(笑)。
ディナーの開始時間18時半に口開けの客となったが、今は陽が長いのでランチタイムと錯覚してしまう、窓のない店内の雰囲気は昼夜あまり関係ない(笑)、ただ客層は違って夜は年齢高めで男女混合客が多くなる、この店に限らないがレストランらしい雰囲気を求めるならディナーだろう。
夜はカルトブランシュ(白紙のメニュー)1種類(10,500円)、アレルギーや苦手な食材がある場合は省いてもらえるが、私はいつも「ありません」と答えている(笑)。
当日の全10品を紹介したい。

・ほうれん草のガレット(この束の中に隠してあるので探す(笑))

・定番のオリーブのパン

・和歌山産雅鮎のベニエ、はらわたのピサラディエール、サマートリュフ、ズッキーニのピュレ

・フォアグラにパイを被せて、姫人参、レーズン

・金目鯛、コゴミとリュバーブのピュレ、桜エビ(黒い皿はどうしても写りがよくない)

・フランス産プーラード、胸肉と腿肉、アンディーブ、焦がしニンニクのソース

・(二皿目)煮込んだ鶏肉を芽キャベツに包んで

・パッションフルーツのムース、ブランマンジェ、ミントのジュレ、

・作り立てのエクレア、クレームブリュレのアイスクリーム

・チェリーの飴掛け、コーヒー
雅鮎の皿はベニエした鮎に内蔵のピサラディエールを合わせたもの、蓼酢に見立てたのはズッキーニ。良質なフォアグラはパイ地で作った帽子?を被せ、フルーツの甘味とビネガー?の酸味、「甘酸っぱさ」とフォアグラの相性は定番だが、下品にならないギリギリの線で攻めるのがこの料理人のセンスだ。金目鯛と桜エビは「海老で鯛を釣る」がテーマだそうだ(笑)、コゴミのピュレの苦味がいい。仏産プーラードは丸焼きしたものを分ける、「鳥類は骨付き丸のまま焼くのに限る」は大阪の某料理人の名言?だが(笑)、このキュイッソンも見事の一言、淡白な肉質に熟成黒ニンニクのソースが効いている。一皿目の完成度が高過ぎたので、二皿目の芽キャベツに包んだ煮込みは必要なかったかも知れない。デセールは2品共に秀逸だった。
料理は甘味、酸味、苦味を見事に駆使し、特に初夏向けに酸味を際立たせ、鮮烈にして淡麗、アミューズからデセールまで優雅にして繊細、それでいて随所に骨太さも感じさせる、時折遊び心を見せるのもまた心憎い(笑)。食材の力が落ち易い夏の料理で、ここまで構成に唸らされたのは、2年前の大阪「Fujiya1935」での料理体験以来だ。
「カルトブランシュ・メニュー」とは、その場の即興で考えるものではない筈、従来は一神教にも通じる「絶対的なもの」であったフランス料理の世界に、客の経験値や熟練度により変化する「相対的な料理」という概念を取り入れたのが重要な点。考え方は和食や茶の湯の世界に近い、季節や気候によっても変わり、料理はその前に出た料理、その後に出る料理と有機的に繋がり、総合的な作品として完結する。どうもこの事を理解していない料理人がいる、形だけを真似ても駄目で、自分の「精神」を表現する必要があり、かなり難しい方法だと思う。
この「フロリレージュ」の若い料理人には、カルトブランシュの本質を理解する非凡なセンスがある、オフにはフランス料理より和食や中国料理を食べ歩く事が多いらしいが、この日の料理にも和食からヒントを得たのではと思わせるものがあった(笑)。
この店は20席の客席数に対し、3名のサービスと5名の厨房スタッフ、数だけでなく質も備わっているので快適な時間が過ごせる、料理の出も滞らない。夜のムニュ10,500円は東京高級店の中心価格帯だが、この店で提供されるものを考えれば安いと思う。特に平日は同業者が食事に来る事が多いそうだが、自分の店の参考にすべき点が幾つかあると思う、例えば食事中のパンにしてもこの店位のレベルの物を使って欲しい、これはお金をかけずとも出来る筈だ。
最後は川手料理長と近藤支配人に見送られて店を後にした、此処は昼もいいが夜もそれ以上にいい(笑)。食べる側を常に刺激する料理と居心地の良いサービスのおかげで、とても満ち足りたディナーになった。
スポンサーサイト
- [ edit ]
- フランス料理
- / trackback:0
- / comment:0
プロフィール
Author:オンクレ・トシ
店の点数評価等はしません、「食と人」を描きたいと思っています。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
- 2018/04 (5)
- 2018/03 (8)
- 2018/02 (7)
- 2018/01 (8)
- 2017/12 (9)
- 2017/11 (8)
- 2017/10 (7)
- 2017/09 (8)
- 2017/08 (8)
- 2017/07 (7)
- 2017/06 (8)
- 2017/05 (8)
- 2017/04 (7)
- 2017/03 (8)
- 2017/02 (6)
- 2017/01 (8)
- 2016/12 (8)
- 2016/11 (7)
- 2016/10 (8)
- 2016/09 (8)
- 2016/08 (7)
- 2016/07 (8)
- 2016/06 (8)
- 2016/05 (7)
- 2016/04 (8)
- 2016/03 (8)
- 2016/02 (7)
- 2016/01 (8)
- 2015/12 (7)
- 2015/11 (8)
- 2015/10 (8)
- 2015/09 (7)
- 2015/08 (8)
- 2015/07 (8)
- 2015/06 (7)
- 2015/05 (8)
- 2015/04 (7)
- 2015/03 (8)
- 2015/02 (7)
- 2015/01 (7)
- 2014/12 (8)
- 2014/11 (8)
- 2014/10 (7)
- 2014/09 (8)
- 2014/08 (7)
- 2014/07 (8)
- 2014/06 (7)
- 2014/05 (8)
- 2014/04 (8)
- 2014/03 (7)
- 2014/02 (7)
- 2014/01 (7)
- 2013/12 (8)
- 2013/11 (8)
- 2013/10 (7)
- 2013/09 (8)
- 2013/08 (7)
- 2013/07 (8)
- 2013/06 (8)
- 2013/05 (7)
- 2013/04 (8)
- 2013/03 (8)
- 2013/02 (6)
- 2013/01 (8)
- 2012/12 (8)
- 2012/11 (7)
- 2012/10 (8)
- 2012/09 (7)
- 2012/08 (8)
- 2012/07 (7)
- 2012/06 (8)
- 2012/05 (8)
- 2012/04 (9)
- 2012/03 (8)
- 2012/02 (6)
- 2012/01 (10)
- 2011/12 (4)
カテゴリ
最新コメント
訪問者
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム
QRコード
