最後の晩餐にはまだ早い


大阪・本町「びすとろぽたじぇ」(2014関西食べ続け④)

 関西二日目の夜は、私が勝手に「大阪の我が家」と思い込んでいる、本町の「びすとろぽたじぇ」へ行く事に、いや我が家だから「帰って来た」が正しいか(笑)。
 此処へ行くからと、大阪の友人に声をかけた処、「友達の友達はみな友達だ」と話しの輪が広がり(笑)、結局総勢7人の団体になってしまった、それがまた濃いメンバーで、私が料理人なら、絶対この人達には料理出したくないと思う大物ばかり、店の人達は嫌な顔一つしないが、結構辛かったのではないかと、呼びかけた本人が言うのも変だが、同情してしまう(笑)。

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 この店は開業以来3年目を迎えた、店がある辺りは当初寂しい雰囲気だったが、最近立て続けにバル風な店が開業し、なかなか面白いエリアになってきた、中には「お好み焼きバル」と云う、いかにも大阪的な店もあった(笑)。何処も客単価が低いのは東京と同じだが、居酒屋ばかり並ぶより多様性があっていいのではないかと思う。
 18時半の集合時間少し前に入店し、他の参加者の到着を待っていたら、次々と重鎮達がやって来た、文化人や芸能人もそうだが、一芸に秀でた人は仕事着を脱いでも、皆独特のオーラが漂っている、昔の人はこれを仏像や仏画に、光背(こうはい)として表現したが、まさにそんな感じだ(笑)。一介のサラリーマンである私は、背中に貧乏臭さしか匂わないが、謹んで皆さんの会話の中に加えてもらう事にした(笑)。

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 そんな事もあって、この日は「特別注文」はせず、店のプリフィクスメニュー(5,700円)から料理を選ぶ事に。定番メニューとその日限定の黒板メニューがあり、客はその中から自分の食べたいものを選び、自分でメニューを構築する、以下は私が選んだ料理だ、

 
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・アミューズは店名のとおりポタージュ(笑)

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・田舎風パテのシーザースサラダ

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・鱈のコンフィ

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・蝦夷鹿のステーキ

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・デセール好きなだけ(キウイとミカンのソルベ、ガトーショコラ、ブリュレのタルト、苺のババロワ他)

 7人バラバラの料理注文に対応するのも面倒な事だが、別のグループとも時間帯が重なってしまったため、余計にキッチン内が大変になってしまった、フルオープンキッチンだから、たぶん見せたくないものまで見えてしまう(笑)。
 それでも料理はいつもどおりの仕上げで、全体を通して優しい味、東京の同種のビストロに比べて塩気も強くなく、私みたいな非酒飲みでも安心して楽しめる美味しさだ。
 鱈と白インゲン豆の組合せは、バスク地方辺りがオリジンだろうか?意外な相性を見せる。蝦夷鹿は「グランヴヌール‘Grand Veneur’」と呼ぶ、伝統的なソース仕立てで、鉄分のある鹿の赤身肉が美味しい。
 訪れる毎に良くなっている食べ放題のデセール、過去全種類を三周りした猛者がいたそうだが、さすがにそれは無理(笑)、今迄食べていない物を中心にいただく事にした。
 

 美味しい料理を食べながら続けた話が、これがまた特別に濃かった(笑)、
・1992年まで放映されていた料理番組「料理天国」で、某女優が作った料理の話。
・作家開高健のアラスカ釣り紀行の話。
・ヴィエンヌ「ピラミッド」の料理長だった、ギー・ティヴァルの消息話。
 判る人には判るけれど、知らない人は絶対知らないと云う、マニアック極まりない話ばかり(笑)。メートルのヴァンサンとソムリエのルイ・トマジとギー・ティヴァル、そしてマダムポワンが居た時代の「ピラミッド」へ行き、そこで働いたのは、現存している人ではもう少ないのではないか?若い料理人&料理業界関係者は、こうした話を今教わっておかないと、やがて「あの時聞いていれば」と、後悔する事になると思う(笑)。
 口達者&芸達者?な大阪の個性豊かな方達が集まるとなると、正直どうなる事かと心配もしたが、皆さんこうした場所での遊び方を心得ている大人ばかり、心配は杞憂に終わった(笑)。おかげで楽しい夜になりました、出来る事なら一年に一度はこうして集まりたいものです。
 シェフ&グランシェフ、そして奥様二人、遅くまでありがとうございました。

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 やはり最後は「ごちそうさん」です(笑)。


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大阪・狭山「翠陽」(2014関西食べ続け③)

 関西滞在二日目は、和歌山から大阪市内に向かうが、去年と同じく途中で右折し(笑)、南大阪の狭山市に住む食仲間を訪れる事になった。
 三国ヶ丘駅でJRから南海電鉄高野線に乗り換えるが、去年は路線を間違えて別の場所に行ってしまったため(笑)、今回は慎重を期して、何度も確認をして狭山駅まで辿り着いた。
 友人宅から車に乗せてもらい、この日のランチに選んだのは、四川料理「翠陽(すいよう)」、店の場所は高野線金剛駅と滝谷駅の中間位、国道310号線別名高野街道沿いにある。

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 オープンは2010年で、当初は「四川担々麺専門店」を謳っていたが、最近「担々麺専門店」を店名から外したみたいで、これから本格的四川料理店への方向を目指しているのだろうか、ただしランチタイムは、従来からの看板メニューである担々麺等の麺メニューが中心だ。
 店前にある駐車場に車を停めるが、この辺りは車での移動が多くなるので、飲食店は駐車場を備えていないと厳しい、これは東京の端っこにある我家の近くと似ている。到着は午後1時過ぎだったため空いていたが、友人の話では、正午過ぎの時間帯は入れ替わりで頻繁に来客があり、駐車場も満車になる事があるそうだ。
 最近改装されたばかりと聞く店内は、モノトーンデザインでスッキリと綺麗、カフェみたいに洒落た空間だ。スタッフは料理人の店主が一人、店内サービスに女性二人。

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 カウンターに座ってメニューを見るが、ランチのセットメニューは数種あり、この中から、友人の勧めに従い、担々麺+ミニ棒々鶏セット(1,100円)をお願いする事にした。

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 割と早目の待ち時間で出てきた担々麺、大阪人はせっかちな人が多いから(笑)、こうした麺を中心メニューにした店は、東京より大変だ、細麺を使う店が多いのも、茹で上げ時間が早いためではと思うが、違うかな(笑)。
 まずはスープから飲んでみるが、割とあっさり目で独特の香りがある、これが何だか判らなかったのだが、あとで店主に確認したら、「八角を使っています」との事、成程その香りだった。その次に胡麻の甘味と濃厚さが来て、続いて唐辛子の辛さがやって来る、このバランスはとてもいい。具は豚そぼろ肉と青梗菜に茹でたモヤシ、担々麺にモヤシは東京ではあまり見ない、麺は細めでストレートな麺、西日本ではモチモチ食感の麺が好まれるみたいで、この麺もそうした印象だ。
 友人から「東京の担々麺とは、違いますよ」とは聞いていたが、確かに東京ではもっと辛味やスープ粘度を増してエッジを効かせ、味を尖らす店が多い、それに比べたら穏やかな優しいタイプだ、これは料理人の性格が出ているのかも知れない(笑)。

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 続いて「ミニ棒々鶏ライス」を、これは海南ライスとは違い、白飯にレタスと蒸し鶏を載せ、ピリ辛胡麻ソースで食べさせるもの、担々麺と同じく優しい味だった。

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 場所柄、遠くから食べに来ると云うより、近くの担々麺好きが集って来ている印象、「名店」とは地域の人に支持されてこその名店だと、最近特に思うようになった。店主はまだ若いし、これから更なる発展が期待出来そうだ。我家の近くには、それなりのラーメン専門店はあるが、美味しい担々麺を提供してくれる店はなく、近所に欲しい(笑)。

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 食後は市営地下鉄の「なかもず」駅まで送ってもらったが、その途中に南大阪を本拠とする泉南乳業が運営する、乳製品のアウトレットショップ「ミルクレット長尾町店」へ寄り、友人おススメのソフトクリーム(170円)を食べる事にした。これが美味しかった(笑)、ちょっと不思議なクセになる味で、後を引く中毒性がある(笑)、値段も安いし、このソフト推薦出来ます(笑)。
 この夜行く大阪の濃いビストロには、濃い親父達が集合する(笑)。あまり空かないお腹だが、ホテルの周りでも歩いて、詰めるスペースを空けないといけないと思いながら、地下鉄に乗る事にした。


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和歌山「オテル・ド・ヨシノ」(2014関西食べ続け②)

 和歌山「オテル・ド・ヨシノ」を訪れるのはこれが6回目、料理長とも親しくなったので、最近は「これが食べたい」と事前リクエストする事が多い、手島料理長が得意とするのは古典料理、文献を紐解き研究し、今はフランスでも出会う機会の少ない伝統料理を、現代に甦らせる事が出来る料理人だ。今は何でも軽薄短小な時代だが、彼の料理には重厚長大な物語がある。今回は関西在住のグルメな友人が参加表明してくれた事もあり、恐ろしく手間のかかる「プーレ・ヴェッシー」をお願いする事にした。

 ご存じない方に説明すると、鶏(可能ならブレス鶏)を丸ごと一羽下処理し、ヴェッシーつまり豚の膀胱に詰める、この時にトリュフやコニャックまたはアルマニヤックを加えるが、豚の膀胱は洗って干した後でもアンモニア臭がある、つまりおしっこ臭い(笑)、通常だと異臭だが、これにトリュフとコニャック、更に鶏の脂肪分が加わり、膀胱を膨らました後に長時間加熱する事により、劇的に芳香に変化する。
 以前TVの情報番組でフランス香水を特集した時に、人間の体臭との相乗効果で「いい匂い」に変わる事を分析していた、油絵技法もこれと同じ理屈で、西洋文化の根源である「足し算」の方式論だ。香りの面でも優れているが、同時に膀胱内で弱圧力加熱される事により、しっとりとした肉質が保てる、手間と時間はかかるが実に合理的な調理法なのだ。しかし短所があって、料理を作るには係りきりでアロゼ(外側から湯をかける事)をしなければならず、歩留まりの悪い方法のため一日一組位の注文にしか応えられない事。現在でもこの料理をスペシャリテにしているフランスのレストランがあるが、数をこなすために正規の調理法に改良を加えていると聞く、そのため「正調ヴェッシー料理」を食べた事のある人間は、実際には少ないと思う。
 今回、手島料理長にお願いしたのは、勿論この正調版(笑)、ブレス鶏一羽使用のため面子が必要だが、仕事で忙しい友人を誘ったのは、これも理由の一つだった(笑)。

 階下のホテルに部屋を取り、19時過ぎにダイニングに入ったが、既に満席に近い状態、最近就任したばかりの、メートル兼ソムリエの松岡氏に案内され一番奥の席に着いたが、店内のゲストとキャストが醸し出す場の雰囲気は、以前訪れたフランスの歴史ある名店を思い出す程、優雅で艶が感じられた。日本では数少ない「座っているだけで気分が高揚していく店」だと言える。
 前述のプーレ・ヴェッシーをメインにした、手島料理長の「ムニュ・スペシャル」は以下のとおり、

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・メゾンブッシュ※アミューズ前の口取り(猪のリエット、アンショワ風味のミニクロワッサン)

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・貝と海藻のゼリー寄せ、フェンネルのクリーム、自家製海苔

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・ジビエのコンソメ

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・「次の鰆の燻製の香りに合わせました」と、ソムリエがグラスで出してくれた、「コス・デストゥルネル」のセカンド「レ・パゴド・コス2002」、こうした隠し玉をさりげなく出すのが憎い(笑)。

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・サワラの軽いフュメ、季節の根菜、フロマージュ・ブラン

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・メヌケのポワレ

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・ブレス鶏のヴェッシー、一皿目は胸肉

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・同じく 腿肉を軽くグリエして

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・プレデセール(ブランマンジェ)

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・バニラ風味のミルフィーユ、トリュフのアイスを添えて
・ミニャルディーズとアンフィージョン

 料理全体の印象は、以前みたいに剛速球ばかり投げていた時期と少し変わり、ムニュの流れに緩急を入れ柔軟になったと感じた、MLBの一流投手みたいにチェンジアップを有効に使い、速球をより速く見せるテクニックを身に着けたと思う(笑)。
 ジビエのコンソメは手島料理長のスペシャリテだが、去年より仕上げが軽くなり、後の料理との繋がりが良くなった、魚の一品目の鰆は燻製にかけたもので、燻香と絶妙な火入れが一体となり、最近食べた魚料理の中でも特筆すべき出来。二品目のメヌケは伝統的なソース・ブールブランで食べさせる、個人的には大型魚より小・中型魚を好むからか、どちらが好き?と訊かれたら鰆の方か。

 そして真打の「ヴェッシー」登場だが、胸肉と腿肉の二皿仕立、これは圧倒的に胸肉の方が美味しかった、ブレス鶏を使ったこの伝統料理は、胸肉をいかに美味しく食べさせるかに、先人達が苦心して編み出した調理法だと理解した、その位に未知の食感、軽やかなソースと共に、忘れられない料理になった。この日は大き目のプーレ(若鶏)を使用したそうで、湯煎鍋に膨らませたヴェッシーを浮かべ、約50分鍋の熱湯をかけ続けたと聞く。内部の空気は膨張し鶏肉に熱と香りを伝えるが、蛋白質が凝固せず水分も奪わない均質な火入れになる、結果として低温調理なのだが、これを半世紀以上前に考案した料理人は「凄い」としか言いようがない。この一羽丸ごとの料理を食べるには、最低3人位の参加者が必要だが、万難を排して集まる価値がある(笑)。 
 デセールは美少女パティシェール作による「ミルフィーユ」で、「ナポレオンパイ」をイメージした華やかなもの、パイ生地にもう少し軽さがあればもっと良かったか。でもミルフィーユは難しい、過去レストランで「これは美味しい」と思ったのは、パリ「アルページュ」の「ウィスキー風味のミルフィーユ」位で、あとは全滅(笑)。
 初日から飛ばし過ぎと思える程に全体重量があり、且つ華麗な料理体験になった。

 名料理長と謳われた、志摩観光ホテル前料理長の高橋忠之氏が現役時代、TV番組のインタビューで、「此処(ラ・メール)の料理は(値段が)高いと言われる、でも少年の心と大人の財布を持った人には来て欲しい」と語っていたのを覚えているが、手島料理長にもこの位は言って欲しい(笑)、そのレベルにまで料理は到達して来たと感じた。同時に以前からのファンの一人として、嬉しい反面寂しさも少しある、例えれば応援していた地下アイドルが、全国区アイドルになってしまったファン心理だろうか(笑)。
 料理人はいつか客を乗り越える、売れない時代を支えた客も、切らないといけない時がある、料理に限らず「選ばれた才能」とはそうしたものだ、もしそうなったら古い客は、「柱の陰で見守る星明子」みたいな存在で満足しないといけないかも知れない(笑)。
 こうして和歌山の冬の夜は、忘れ難い料理で忘れられない夜になった。


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和歌山駅「丸美商店」(2014関西食べ続け①)

 今回の関西行は波乱のスタートになった。
 昨年の札幌行以来の安さに惹かれて、成田発のLCCで行く事にしたのだが、この日朝から雪がちらついて不穏な気配、京成電車に乗って成田へ近づくに連れ、結構な降雪量になっていた、「これはマズいかな?」と思いながら出発デッキへ向かったが、搭乗する11時発便の前便がまだ出ていない、やがてその便は欠航となってしまった。暫く待機していたが見通しは全く掴めなかった、この日の夜は19時にレストランを予約していたので、もし飛ばないなら新幹線で行くしかない、時間を逆算してタイムリミットの14時まで待ち、その時点で判断する事にした。
 デッキ内では英語や独語を話す外国人もいたが、感心するのは彼等の態度、こうした場面は慣れているのか、文句一つ言うでもなく、ただひたすら待っている。やがて雪が小降りになり晴れて来て、「もしかしたら」と思っていたら、その外国人達が一斉に行列を作った、アナウンスも無いのに変だなと思ったら、沖止め飛行機へ乗客を乗せるためのバスが到着し、その横腹に便名が表示されていたので、彼等が反応したのだ、この待機と素早く行列を作る見事さは、日本人も学ばないといけないと思った。

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 結局出発は予定時刻から2時間以上遅れたが、何とか飛び立って安堵した、私は過去パリCDG空港で、オーバーブッキングにより10時間以上足止めされた事もあるが、この日みたいに後の予定が詰まっていると、余計不安になるものだ、LCCを利用する事は、案外人間修行の場になるのかも知れない(笑)。
 初めて降りた関西国際空港は、海中に舞い降りるみたいな感覚だ、ここからはリムジンバスで和歌山駅を目指すが、途中の道路が真っ直ぐで乗り心地が良く、周りの景色と共に、まるでリヨンの空港から市内へ向かうバスに乗っているみたいだった。

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 和歌山駅到着は16時半、安心と共にお腹が空いている、朝飯を食べただけでその後何も食べていないのだ、ディナーは3時間後となると、何かお腹に入れておきたいと思い、駅に隣接したショッピングビル内を歩いていたら、目に留まったのが「中華そば」の文字、「丸美商店」(和歌山の店は「商店」を名乗る処が多い)と云う店だが、実はこの日予定どおり着けば、何処かで「和歌山ラーメン」を食べてみたいと思っていた、豪華フレンチの前にラーメン食べたら、知人の料理長に怒られるかも知れないが(笑)、黙っていれば大丈夫と、思いを決し?入る事にした。

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 店内はレトロ調で綺麗、食券制ではなく口頭注文のスタイル、カウンターに座ったが、目の前に昔懐かしいアルマイトのヤカンが置いてある、持ち上げると重いので飲む水が入っているみたいだ、このセンスなかなか好きだ(笑)。

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 メニューは「中華そば」「特製中華そば」「特製つけ麺」の三種で、それぞれ大盛がある、炊き込み御飯との「ランチセット」もこの時間でもあったが、後の事を考えてシンプルで値段の安い「中華そば」(600円)を注文した。面白いと思ったのが、卓上にオニギリと共にラップ?に包んだ一口寿司があった事、和歌山ではラーメン店でこうした寿司を置くのは変な事では無いらしい(笑)、興味津々で食べてみたかったが、此処は夜を考えて我慢した。

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 暫くして出てきたのは、昔懐かしい中華模様の丼に入った中華そば、これはたしかに「ラーメン」ではなく「中華そば」だ、見た目は昭和の匂いがする。
 まずはスープから味見するが、少し濁ったスープは豚骨と鶏ガラか?醤油の香りに特徴があり微かに甘味を感じる、和歌山は醤油の名産地なのでラーメン用に作った物だろうか、昔味風だが全体のバランスは悪くない。麺も昭和風な縮れ麺を期待したが、これは割と真っ直ぐでモチモチ感があった、具はチャーシュー、メンマ、ネギとオーソドックスだが、最近東京では見なくなったナルトが入るのがいい(笑)、和歌山は海産物が豊富なので県内産かも知れない。
 空腹だったのもあるが、予想より美味しかった(笑)、何処か懐かしく昭和世代に訴える味、これが若い人にも支持されるのなら、やはりこうした味こそが日本人にとっての普遍性、基準器と云う事なのだろう、料理人も覚えておいた方がいい。

 さすがにスープは少しだけ残したが、フレンチの前にラーメンは大丈夫か?との不安も抱え、少しでもカロリーを消費するため、寒風の中を歩いて「決戦の地」なるホテル&レストランへ向かう事にした。

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 このディナーの報告は次回の更新にしたい、


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亀有「123ベーグル」

 この米粉ベーグルの専門店は、私が実家にいた時から通い続ける美容店(理容ではない(笑))へ行く途中にあるので、一昨年4月の開店時から知っていた。これがなかなか凄い場所にあって、駅はJRの亀有が一番近いが、そこから歩いたら10分近く、昔は曳舟川(別名:葛西用水)と呼ばれた運河があって、近くにあった工場の排水路として使われていたが、現在は親水公園として生まれ変わった、そのベルト公園に面した、古いアパートの一室を改造して製造販売をしている。
 自転車で前を通る毎に、「一度買ってみよう」とは思っていたが、個人的にベーグルはそれ程好まない事もあり、いつも見送ってしまっていた、WEB上でもこの店の情報を知り、今回「ブログ記事にしたい」と云う下心もあって(笑)、初訪問をする事に。

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 昼前に到着した時に客はいなくて、すんなり入れたのだが(画像は帰りに撮った)、予想以上に狭い店舗だ、アパートの玄関三和土に小さなガラスケースを置き、そこにベーグルが少ないながら幾つか並ぶ、客はそれを見て選ぶのだが、玄関なので一人しか入れない(笑)、つまり「定員一人」、客がバッティングすれば外で待つ事になる。入口には寒さ除けだろう、冷蔵庫に使う様なビニールの透明カバーが下げてある。
 中から出てきたのは若い女性、奥では若い男性が作業をしている、夫婦だと思ったのだが、あとでWEB情報を調べたら兄妹だそうだ。時間帯によって並ぶベーグルの種類は違うらしいが、この日は7種類位、米粉で作ったワッフルもあった、その中からプレーン、惣菜系、スイーツ系のベーグル3種を選んで買う事にした。
 値段は一番安いのがプレーン(小)で70円、高い物で300円位まで、パン店で売っている小麦を使ったベーグルと比べて、格別安い訳ではないが、持った感じの重さはズシリとして質量は結構大きい。紙袋はシンプルそのものだった。(笑)

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 米粉を使ったベーグルは日持ちしないそうで、買ってすぐに試してみた、以下はその画像と食べた感想。

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・プレーンベーグル(中)(150円)
 この店基本の米粉ベーグル、島根県奥出雲産の「仁多米こしひかり」を使用しているそうで、詳しくは店のWEBページを、http://www.123bagel.com/NITAMAI.html
 とても「もちっと」した食感、小麦粉ベーグルを食べ慣れていると、脳が一瞬混乱して、「これは今まで食べたベーグルじゃない、でも美味しい」と反応するのに時間がかかる(笑)、噛んでいると口腔内に甘味が広がり、これも握り飯に近いが、やはりどこか違う不思議な食感。食事のパンとして考えると、合わせる食材は難しいかも知れない、ミネストローネより「けんちん汁」等和風に合いそう(笑)。

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・ソーセージ・チリコンカーン&チーズ(300円)
 生地はプレーンと多分同じで、辛味を感じるソーセージ&豆の煮込みを中に入れ、溶けるチーズを載せ焼いている、値段は高めだが、これ一個でお腹一杯になる(笑)、小食の人ならこれとサラダでもあれば十分だと思う、全体の味はいい。

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・アップルシナモン(250円)
 アップルパイのベーグル版だろうか、リンゴのスライスを残したコンフィチュールが中に入れてある、個人的には米粉ベーグルとの組み合せは、あまり合わない気もしたが、他の人はどうなのだろう(笑)。

 全体的に真面目に作ったベーグルである事は充分判った、今は小麦粉を使ったベーグルは、街場のパン店でも普通に売られる様になったが、米粉を使う店は少数派だ、小麦アレルギーの子供を持つ親は、遠くからでも買いに来たいと思う筈、なお通販もやっているとの事。また最近学芸大学にも支店が出来たそうで、下町の亀有と学園都市の学芸大学という街の性格が全く違う二つの街で、これからどう展開していくのか楽しみだ。なお店名は「ひふみ」と読むそうだ。
http://www.123bagel.com/index.html
 こうした若者達が、条件のあまり良くない極小店舗からでも、「とにかく始めてみよう」と実行するのは、勿論リスクを伴うかも知れないが、いい事だと思う、将来が不安だからと言って、若い時から安全な道ばかり選んでいたら、人生つまらないと思う、安全運転は歳を取ったら幾らでも出来る(笑)。
 飲食業界で働く若い世代が減っている中で、彼らの後に続く若者達がもっと現れて欲しいものだ。

 次回のブログ更新は16日(日)の予定です。



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秋葉原「ビストロ・ヌー」(2014年1月)

 この日秋葉原で用事があり、その前に寄ったのが、私が去年から注目している店の一つ「ビストロ・ヌー」、そう言っても半年ぶりの訪問になってしまった。
 この日の秋葉原中央通りは、春節が近いせいか、あらゆる場所で中国語が聞こえる、おそらく秋葉原は中国人観光客の東京観光スポットベスト3に入る筈、変な言い方だが、私が中国人なら東京では一番行ってみたい場所だ、それだけ此処は、今の東京の縮図と言っていい位、あらゆるものが存在するカオスな街だ(笑)。

 中央通りは賑やかだが、このビストロ・ヌーがある昌平橋通りは静かな普通の街並、平日昼に目立つのはビジネスマン位で、観光客は殆ど見ない、でもこうした場所に本当の「行くべきスポット」があるのは、パリでも東京でも同じだ(笑)。
 11時半の開店直後に入店したら、既に一組が着席していた、いつもどおりカウンター席に座ったが、前回居たアルバイト女性がおらず、磯貝料理長だけなので、「一人でやっているのですか?」と訊いたら、今ランチタイムは殆ど一人で、夜だけアルバイトに来てもらっているとの事、この日みたいに5割の客入りなら何とか対応可能だが、満席になったらどうするのだろうと、余計な心配をしてしまう、これも今の日本が抱える飲食労働力不足の影響だろうか。
 店内には見事な桜の枝花が活けてあり、厨房の熱で開花し、早くも春が来た(笑)。

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 プリフィクスのランチ(デセール付で1,800円)から選んだのは、

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・スープ・ド・ポワソン

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・自家製パン

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・2008 Marsannsy “Les Echezots”Ballolin &F (グラス980円)
 「昨日開けたら尖っていた」との事だが、酸味が立って好きなタイプの自然派ワイン。

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・大山骨付鶏モモ肉の赤ワイン煮込み

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・ガトー・ショコラ

 魚のスープは一口飲むと、少し生臭みを感じたが、飲み続けると気にならなくなり、この野趣が味を複雑にしている、例えは適当ではないが「美女の腋臭」みたいな印象(笑)、クリーム等を入れて変に洗練させないのがいい。
 メインは黒板メニューを見た瞬間に決めた「コック・オ・ヴァン」、去年、大崎「おはらス」で、同じ大山鶏での料理を体験したので比較したくなり選んだ、これが予想以上にいい出来、煮込み時間やワインの酸味の飛ばし方と利かせ方が適格、「おはらス」ではコクを出すため血を加えているのでは?と思ったが、それが感じられなかった位で、1,800円メニューのメインながら、基本とするものに大きな違いは無いと思った、スープ・ド・ポワソンも「おはらス」のスペシャリテ、小原氏と磯貝氏は年齢なら30歳の開きがあり、フランスで働いた時代は40年違う、それでいて指向するものが似るのは、とても興味深い。 
 ガルニのブロッコリーや蓮根が浅い茹で具合だったので、「フランスでも、同じやり方でしたか?」と思わず訊いてしまったが、料理長は首を振って「これでは、やり直せと云われます」との事(笑)、野菜の火入れに関しては、日本とフランスでは、まだ「越えられない壁」が存在するみたいだ。
 デセールは「ガトー」と云うよりも、「テリーヌ」と呼びたい形状、フランス的に甘さがあって、見かけは地味ながら印象に残る味だった。
 高額レストランでも、美味しいと思えないデリバリーのバゲットや冷凍種パンを使う店もある中で、自家製のパンを焼くのは立派だし、専門店とは違うが充分美味しいものだった。

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 この店を訪れるのは4回目で、失礼ながらランチタイムばかりだが、それでも進化は感じ取れる、訪れる毎に料理は良くなっている。この日の料理は「定番のフランス」だが、こうしたものがしっかりと美味しく作れるのは、古典に学ぶ姿勢と料理センスがあるからだと思う。
 この料理にブルゴーニュの自然派ワインを飲んで、3,000円でお釣りがくるのは申し訳ない位の安さ、これはもっと間を置かずに訪れないといけないと反省(笑)。
 週末は厳しいかも知れないが、その日に思い立って行く事が可能で、高クオリティで低廉価格のありがたいフランス料理店として、「ビストロ・コティディアン」、「ビストロ・アバ」と共に、私の都内3傑に選びたい店だ(笑)。


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亀有「らーめん銀杏」

 茶懐石の名門出身の新鋭和食 → 東京を代表するコンテンポラリーなフランス料理 → こう続いた後に、下町亀有のラーメン店が登場するのが、このブログの特徴(笑)。

 この日、都内でも有数のラーメン激戦区である葛飾・亀有に去年開店した「らーめん銀杏」を初訪問した、「銀杏」は「ぎんなん」と読む。
 店の場所はJR亀有駅北口を出て、線路沿いを綾瀬方向へ歩き、高架下のショッピングモールの入口辺りで右折した場所、店前には時間貸の駐車場がある。この店舗は以前「もぐや」と云う、それなりに人気のあるラーメン店だったが、三軒茶屋に移転する事になり、その後に入った店だ。それも前店が引き上げてから半月くらいで開店したので、内装等は殆ど変えず文字通りの「居抜き」だ、「もぐや」には数回入った事があるので覚えているが、看板を付け替え塗装を上に加えた位だと思う、ラーメン店はこれが出来るのがいい、フランス料理店ではこうは行かない(笑)。

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 平日の開店直後だったため、口開けの客になった、最近は一般的な券売機で食券を買う方式だが、メニューは「鶏SOBA」が塩・醤油・味噌の三種類、この他に「鶏つけSOBA」がある、何故ローマ字表記なのかは不明だが、事前情報どおり鶏出汁味のラーメンが主力メニューだ。この中から一番先に券売機のボタンがある、という事は一番の売りである筈の「鶏SOBA 塩」(700円)と、「奥久慈鶏の味玉」(100円)を注文する事にした。
 カウンター席に座るが、厨房内に店主と思われる若い男性が一人居るだけ、水はセルフサービスだ、我家近くのラーメン店も同じだが、飲食店の従業員不足が続いているので、こうした形態の店が増えていると思う。
 食券を出したら、「ランチタイムはライスがサービスになりますが、付けますか?」と聞くので、これは当然(笑)お願いする事にした。

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 カウンター上には、京都「原了郭」の黒七味と粉山椒が置いてあり、食材の薀蓄も書かれている、こうした店は胡散臭い処もあるので心配になったが(笑)、暫くして出てきたのが、鶏SOBAの塩味、味玉付きだ。

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 まずはスープを味わってみるが、ポタージュスープみたいにドロっとした粘度がある、ラーメンフリークが「ベジポタ(ベジタブル・ポタージュの略)」と呼ぶタイプだ、おそらく鶏出汁だけで豚骨は使っていないと思う、このスープが繊細さと強さがあって美味しい、どこか洋風な印象もある。次に麺を啜ってみたが、細めで縮れの少ない麺、これにポタージュ状スープが絡む、今まで体験していないラーメンで、ラーメンと云うより「ヌードル・ポタージュ」とでも呼びたい感じがする(笑)。
 具は鶏肉チャーシューと軟骨を加えた「つくね」、そこへ別注文の味玉が加わるのだが、どれも丁寧な作りで美味。他に水菜と青ネギ、薬味として玉葱フライと柚子胡椒が付いている、これと黒七味や山椒を好みで加えながら食べるので、一杯のラーメンが途中で変化して面白く飽きない。
 東京下町人間の私は、豚骨ベースより子供の頃から馴染んだ鶏ベース味の方を好むのだが、鶏だけだとどうしてもコクが不足する、このラーメンはそれを野菜で補っているので、上手い解決法だと思う。なお鶏は愛知県の「錦爽(きんそう)どり」と云う銘柄鶏を使用している。

 初訪問ですっかり気に入ったので。翌週に2回目の訪問をしてしまった、つまり「裏を返した」(笑)、この時は「鶏SOBA 醤油」を試してみたが。これも美味しかったが、麵や具とのバランスを考えると、どちらかと云えば塩味の方が好みだ。

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 亀有はこのブログで紹介した「たいせい」に「敦」と、気鋭のラーメン店が登場していたが、そこへこの「銀杏」が加わったので、更に激戦になった。もし亀有まで来ることがあれば、この三店のうち何処かに入ってみてください、胃袋のキャパシティに自信のある方は、三店ハシゴにチャレンジする価値ありかも?(笑)。




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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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