最後の晩餐にはまだ早い


五反野「アシルバド」

 WEB上で得た情報だが、東京都内では過去10年間中で一番増えた飲食業種はインド料理店だそうだ。タウンページ上の数字では2007年に302軒だったのが、5年後の2012年では1,530軒と何と5倍、急増と言っていい。
 表向きにはインド人のIT技術者が都内に増加したのが原因の一つとされているが、実際に店舗へ行ってみてもインド人客はそう多くない、殆どの客は日本人だ。さらに調べてみるとどうやら別の事情が浮かんでくる。
 都内のインド料理店で働いている人達は、実際にはインド人ではなくネパール人が多い、その理由は、
・都内に住むネパール人は2000年には3,212人だったが、2011年には20,383人に増えている、およそ6倍強
・ネパールでは高収入が得られる日本での就労を望む人が多い。
・日本は単純労働に就こうとする外国人労働者には就労ビザが下りにくい国であるが、ビザ取得条件の中に「料理人として10年以上の経験を有している」との項目がある。経験を積んだ料理人は「技術者」とみなされ、就労ビザが下りやすい。
・その結果料理人として日本へやって来るネパール人が一気に増加した。
・ネパール人が営んでいるのに「ネパール料理店」でなく「インド料理店」を名乗っているのかは、インド料理店の方が日本人に受けがいいと云う理由しか考えられない(笑)。丁度パリのオデオン辺りに集中している中国人や韓国人が営業する「日本料理店」みたいなもの(笑)。

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 前置きが長くなったが、この日訪れたのは我家から近い東武鉄道の五反野駅から近い「アシルバド」、ここは最初から「インド・ネパール料理」を名乗っている、それなので店員はネパールの人と見てまず間違いないだろう(笑)。
 この店を知ったのはネット上の情報からで、飲食店を点数評価しているサイトでも評判は割と良かったので興味を惹かれ、自転車で行ける距離なので日曜昼に訪れてみた。 以前ブログに書いたパティスリー「シフォン」の近くで、派手目な装飾の店が多いインド系料理店の中では地味な店構えだ。
 11時の開店直後だったせいで、他に客はおらず客席担当の外国(ネパール?)人男性が携帯で話していた。厨房も同じネパール人と思われる男性が一人でやっている。
席に座って昼メニューを見るがこれが結構豊富で、なんと「カレーうどん」まである(笑)、「カレーうどんって、インド・ネパール料理か?」と思ったが、まあ細かい事はいいでしょう。

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 悩んだ末に選んだのが「アシルバドセット」(1,150円)で、その内容を紹介したい。

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・サラダ
 日本のインド料理店で定番の、刻んだキャベツ等にサウザンみたいなドレッシングをかけたもの、これははいたって普通。セットに付いた選べるドリンクはマンゴラッシー。

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・カレー2種とナン、ターメリックライス、タンドールチキン、デザート(ヨーグルト&フルーツ)
 WEB情報で読んでいたが、まずはナンが巨大(笑)、皿からは完全にはみ出していて、長辺40cm以上短辺25cm以上あると思う、平たく伸ばしているので厚さはそれ程ないが、それでも過去最大級のもの「おかわりできます」とあったが、誰がおかわりするのだろう?(笑)、さらにターメリックライスまで付いている。

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・本日のカレー(鶏肉とインゲン)とダルカレー
 中辛をお願いしたのだが、割と刺激の少ない穏やかな味付け、本来はベジタリアン向けのダル(豆)のカレーが特に良かった。

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・タンドールチキン
 皿上に乗せる場所がなくなり(笑)、ナンの上に乗っている。骨付き鶏肉をタンドールチキン、骨なしをチキンティカと呼ぶそうだが、これは断然骨付きの方が美味しいと思う

 全体的に優しい味付けで万人に受け入れられそう、日本それも東京下町人向けに合わせているのだと思うが、ベースになるカレーの質は悪くない、ナンのインパクトが強烈なので、食べ終わると充実感がある。

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 店内はこの手の店にありがちな、ゴテゴテとインド調に飾っていないし、空いているのでゆったりと食事出来るのがいい、これはリピートしたい店だと思った。
 先ず次回は「カレーうどん」を狙ってみたい(笑)。
 


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護国寺「TeF(テフ)」

 この日は久しぶりにフレンチの新規開拓店、メトロ有楽町線護国寺と江戸川橋駅の中間位に、今年5月にオープンしたばかりの「TeF(テフ)」へ伺う事にした。
 この店の存在を知ったのはWEB情報で、勤め先からそう遠くないので、もし良かったら今後何かに使える店になりそうとの期待もあった、「どこかいい店ない?」と訊かれる事も多く、お金にならないコンシェルジュ?としては引き出しの中身を補充していないといけない(笑)、先ずは偵察を兼ねてランチタイムへ。

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 店の場所は音羽通りに面した新しいビルの1階、有名な鳩山御殿(地元の人はこう呼ぶ)に近い、白色を強調したフランス風の清潔なファサードは、この店は美味しいものが出て来そうな期待を抱かせる(笑)。店前には黒板を出しメニュー表示をしているが、「本日は満席です」の掲示があった、この日は平日の昼間だったのでちょっと驚き、開店2ヵ月ながらもう人気店になり始めている。
 迎えてくれたマダムに予約した名前を告げたらカウンター席へ案内された、カウンターは3席で目の前がキッチンだが、フルオープンではなく額縁状の部分オープンスタイル、これは厨房の熱が客席に伝わり難い利点がある反面、「今そこで作っている」ライブ感は薄れてしまう気はする。他にテーブル席が10席あり、この日は6名のマダムランチ団体が来ていた。

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 キッチン内は体格のいい料理人が一人、店内はマダムが一人でサービスを担当、WEB情報によると料理長は麻布十番のカウンター主体のフランス料理店で料理人、マダムはパティシェール出身とあった。
 ランチメニューは1,500円と2,800円(税別)の2種で、違いは前菜が増えるのとデセール内容みたいだ、2,800円の方をお願いする事にした。

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・冬瓜とモロヘイアと浅利の冷製スープ

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・自家製パンとリエット

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・有機野菜のグリーンサラダ

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・鰯のマリネといんげん豆、レモンのマーマレード

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・牛ホホ肉の煮込み(メインは魚or肉からの選択)

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・杏仁ブランマンジェと杏子のコンポート
・コーヒー
 

 スープは脂分も塩分も抑えたアッサリしたもの(洒落ではない(笑))、次のサラダはルッコラとその仲間のセルバチコだったか?とても新鮮で爽やかな苦味を感じた。鰯のマリネはドレッセも綺麗な夏向けの前菜。牛ホホ肉は赤ワイン少な目でブイヨンで煮込んだとの事だが無難な仕上がり、美味しいけれどこれは何かもう一捻り欲しかった。
 甘さ控えた日本的なデセールはとてもいい出来だった。
 全体的には「上手くまとめた料理」と云う印象、ただ全体的にあらかじめ仕込んだものが多く、その場で火入れする料理が殆どなかったのは少し残念。
 一人厨房で特に客の入店時間差がないランチタイムでは難しい事は多い、更にこの地域は保守的な文教地区でもあるので、客との兼ね合いで冒険をやり難い面もあると思う、でもポテンシャルを持った料理人なのは判った、これから更なる個性表現をして行って欲しいなと感じるし、その期待は出来ると思う。
 マダムのサービスはまだぎこちない印象もあるが、気持ちは伝わってくるし好感の持てるものだった。

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 変わった店名は店のWEBページによると、パリのエッフェル塔‘Tour Eiffel’から取ったそうだ、
http://restaurant-tef.com/index.html
  音羽通り近辺は昔からグルメには不毛地帯だった、夜間人口それも外食が期待できる年齢層が少なかったのが影響していたと思う、そこへこうした店が出現し支持される様になれば、もっと魅力のある街になる筈だ、この地域を代表する名店に育って行って欲しいと願う。


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亀有「ティア・ブランカ」(2014年7月)

 この日は久しぶりになってしまった、亀有のイタリア料理店「ティア・ブランカ」のランチへ。此処は我家から近くて普段着で自転車に乗って行けるので、「いつでも行ける」と云う安心感からか、つい後回しになってしまった(笑)。
 他店同様にこの店も消費増税に伴い値上げをしていたが、それでもノーマルなランチは1,050円、デザート&コーヒー付でも1,300円は安い、細かい話だが前回ブログのスープカレーがデザート付コーヒーなしで1,350円なのを考えると、これが都心と都心から離れた下町の違いだなと思う(笑)。

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 11時半の開店直後に行ったのだが、既に「マダムランチ」と言うより「ママさんランチ」と呼びたい女性達が数組着席、この後も続々と女性客がやってきて結局ほぼ満席になった。
 前回までは料理人と若い男性サービスの二人組だったが、この日はもう一人女性が加わっていた、サービスが二人になるとやはり違う、皿出しや片づけがスムーズになって店内が停滞しなくなる、料理人としてはありがたいが、反面経営者としては人件費増になるのでバランスを取るのが難しい処だ。

 この日はパスタが食べたい気分だったので、パスタランチをデザート付でお願いする事に。

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・カップに入ったミネストローネ

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・サラダ二種(大麦とトマト、白インゲン豆・クスクスとソーセージ)

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・バゲットのオリーブオイルがけ

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・ホタテとアスパラの軽いクリームのパスタ

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・自家製ガトーショコラとアイスクリーム
・コーヒー

 ミネストローネは毎回出て来る具沢山のもので、特にひよこ豆が美味しい。この日はスペシャリテのスパニッシュオムレツはなかったが、大麦と白インゲンのサラダはどちらも優しい味。パスタも肉厚の帆立貝と旬のグリーンアスパラがいいマッチングを出している、此処の料理人の味付けは割と薄味なので私好みだ(笑)。欲を言えば乾麺ではなく自家製生麺ならもっと美味しくなると思うが、そうするとこの値段での提供は厳しいだろう。
 ガトーショコラは以前に比べると少し小さくなった気もしたが(笑)、まあこれは原材料費高騰の中で仕方ない処か。

 この日もカウンター席に座ったのだが、隣席になったママ友達と思しき二人組、この店には何回も来ている常連らしく、店主と親しげに話して「夜のメニューでもお願いできますよね?」と確認した上で注文したのが、「バーニャガウダ」と「手長海老(スカンピ)のグリル」、この2品をスプマンテ飲みながら「とても美味しい」と言って食べていた。「バーニャガウダとスカンピとスプマンテ」この三題が下町葛飾の亀有で、昼間から見られるとは、昔の亀有を知っている人間(私)にはあり得ない話で、まるで白日夢を見ている様だった(笑)。
 私が中学生の頃の亀有は、日立の工場があったせいで、どこか荒んだ労働者の街と云う印象が強く、駅前には彼等相手の赤ちょうちん酒場しかなかった、それから何十年経ったが、今はバーニャガウダとスカンピとは!長く生きると見られると思っていなかった事も見られる様になるものだ(笑)、その反面見たくないものも見ないといけなくなるが・・。

 この店も開業して今年の11月で丸3年を迎える、女性客を中心に此の地ですっかり支持される店になったと思う、若者向けの店が出来れば何時か若い人達はやって来るものだ、ましてや今はネット時代、飲食店の情報が伝達するスピードは昔とは桁違いに早くなった。願わくはこの店に続いて、まともなリストランテやビストロがもっと下町地域に開店するのを期待したい。

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 店の前には細い路地があるのだが、そこに一匹の猫が住み着いている、最近は野良猫ではなく地域猫と呼ぶらしいが、飲食店が3店集まっていて、誰かが餌をあげているうちに住み着いてしまったらしい、そのせいかこの猫とても人懐こくて人間を恐がらない、人に慣れているのでこの猫を見るためにやって来る人がいるとの事、この画像を撮った時も意識してポーズをとっている(笑)、この後私に近寄って来たので「撮影料(食べ物)よこせ」と言いたかったのかも知れない。
 リストランテの店前に住み着いた猫、まるでTVで見たイタリアの路地裏の風景を連想してしまった(笑)。


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本郷壱岐坂「スパイススマイル」

 今回紹介する、本郷壱岐坂途中にあるスープカレーの店「スパイススマイル」の店主も、前回のパン店と同じく女性だ。
 この店は近くにある肉食系フランス料理「ビストロ・アバ」へ行く途中に見つけた、「こんな場所にカレー屋?」と思って通り過ぎただけだが、後にWEB上で調べて興味を惹かれた。
 店主が自らのブログで経歴を紹介しているが、彼女は元実業団のバドミントンプレーヤーで、大学卒業後に北海道のチームに参入、そこでスープカレーと初めて出会い感動し、以降4年間で訪れた札幌のスープカレー店は90軒以上、そして「いつかこの味を東京で再現したい」と思い始める。その願いが叶って一昨年に小さなスープカレー専門店を開業し現在に至っているとの事。

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 店のアクセスはあまりよくない、近いのはJRの水道橋駅か地下鉄丸ノ内線の本郷三丁目駅だが、どちらからでも歩いて10分はかかる。フリの客は少ない場所で、この店を知って来る客しか期待出来そうにない、それでも結構客がやって来る、特に女性客に人気があるみたいだ。
 この日は13時過ぎの入店だったので、割と空いている時だった、先ずは席に座ってメニュー内からカレーを選ぶのだが、システムが独特で「カレー」→「3種類あるスープから1種」→「スープの辛さ」→「ライスの量」、以上の4つを選ばないといけない、慣れないと戸惑いそう(笑)。

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 この日私が選んだのは7月の季節限定メニューである「夏野菜と鶏ももハムのスープカレー」(1,150円)を、スタンダードスープ、中辛、ライス中盛でお願いする事にした。
 店内は白色が基調色で清潔な印象、オープンキッチンからは店主の作業が見える、WEB情報では母親が手伝っているとあったが、この日は別の若い女性が店内サービスを担当していた。

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 まず運ばれて来たのが野菜サラダ、インド料理店のランチではキャベツを刻んでサウザンドレッシングかけただけの物が出て来る事が多いが(笑)、この店はちゃんとしたリーフサラダだった。

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 オーバルの器に盛られたスープカレー、札幌でもあまり見かけなかったタイプで、サラっとしたスープに南瓜・茄子・ズッキーニ・玉葱・オクラ・ゴーヤ・ミニトマトが入っている、楊枝を使って野菜が崩れない様にしているのは丁寧なやり方、この辺りは女性料理人ならではか、鶏肉は煮込んだものではなく一旦ハムにして仕上げに加えている、この鶏ハムは美味しい。

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 ライスはターメリックを使って炊いたターメリックライスみたいだ、このご飯も美味しかった。
 カレーの印象はあっさり系、スパイス類の香りも生きている、過去に食べたスープカレーとは少し違って、札幌風と云うより東京向けにアレンジしたものと感じた、油の強いコッテリ系ではないので、特に女性には好まれると思う。

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 食べ終わって甘味が欲しくなり(笑)、「本日のデザート」(200円)を注文してしまった、この日は「小豆きな粉のアイス」、アイスクリームは業務用みたいでごく普通だったが、自家製?のきな粉は良かった。

 カレーとデザートで1,350円、サラリーマンランチとしては高目だし、すぐ近くの「ビストロ・アバ」なら、同程度の金額でボリューム溢れる肉料理が食べられる。
 ただ小奇麗な店舗で不足しがちな野菜の多いランチを食べられる場所となると意外に少ないので、OLさん達には貴重で支持されるのではないかと思う、現にこの日も女性客が多かった。

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 今までは、カレーはラーメンや牛丼と並んで「男の食べ物」みたいな印象があったが、どうやら「女性の感性で作ったカレー店に、女性達がやって来る時代」になった、こうして作る側にも食べる側にも女性が進出している(笑)。
 貧乏サラリーマンの私には毎日千円超のランチは厳しいが(笑)、個人店応援のためにも、また行ってみたいと思う。


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東和「ユッカのパン」

 今年読んだ、増田俊也著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」(新潮文庫)は、タブロイド判紙みたいな安手タイトルは感心しないが、不世出の名柔道家の生涯を追った内容は大変面白く一気に読ませる本だった、特に格闘技好きの人にはお勧めしたい読み物だ、この本の最後で著書が語った言葉が印象的だった、それは、
「20世紀は木村政彦の如く闘っていた男達の時代だったが、21世紀は女達の時代だ。」と云うもの、これには共感を覚えた(笑)。
 特に感じているのが飲食業界で、今この業界を支えているのは、食べ物を提供する側も提供される側も女性達である事は間違いない、今飲食店は何処も人手不足が深刻だが、救えるのは女性労働力しかないと思う、某有名パティスリーは女性を雇わない事で知られているが、今時そんな事やっていて店大丈夫なの?と心配してしまう。

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 今回紹介するのは、我家から自転車で行ける距離に在るパン屋「ユッカのパン」で、この小さな店の主人は女性だ。
 WEB情報によると、学生時代にパン屋でアルバイトした事がきっかけでパン製造に興味を持ち、やがて「自分の店を持ちたい」と思った彼女は、足立区内にある地域では割と知られたパン店に勤務し、数年間修業後2005年に念願の自店を開業した、ご両親はそれまで別の製造業をしていたが、娘の夢の実現のため開業時から一緒に店を手伝っている、店名は店主の呼び名から付けたそうだ。
 先ずはこの日買ったパンを紹介したい、

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・ポテサラとツナのサンドイッチ(200円)
 8枚切りの食パンを2枚重ねて、その中に具を入れるオーソドックスなサンドイッチ、店を入ると一番目立つ場所に置いてあるので、おそらくこれが一番の売れ筋かも、中身はハム&レタス、玉子、ツナ&レタス、ポテトサラダの4種で、これをそれぞれ組み合わせた2個組で売っている、土台になる食パンの質がいいので美味しい、コンビニでも同種の物が売られているが、この店のサンドを食べてしまうと、あれは食べたくないなと思ってしまう(笑)。

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・コロッケパン(200円)
 同じくこの店の人気パン、ずっと180円で売っていて去年値上げしたが、それでも安いと思う、揚げたてのポテトコロッケがとてもいい出来で、生の千切りキャベツと甘いソースが絡んで何個でもいけそう、画像を見ながら書いている今も食べたくなっている(笑)。

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・チョコレートクリームのパイ(200円)
 正確な名前は忘れてしまった、「ミルフィーユ」みたいな折り込みパイ生地でチョコレートを加えたクリームを挟んだもの、このパイ生地の出来が良く、1個200円の仕事としては立派。最近パティスリーやレストランでも美味しいミルフィーユに当たらない、どの店も重すぎるのだ、羽根が生えて飛んでいく様な軽い生地が理想なのだが、この店のパイ生地にはその軽さがある。

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・食パン(200円)
 「パン・ド・ミ」ではなく、日本風に「食パン」と呼びたい(笑)。あまり美味しいと思えなかった「金の食パン」が税込256円なのを考えると1斤200円は安い、癖のない味で前述のサンドイッチ等には最適、私は6枚切が好きで4枚切は苦手だ(笑)。

 どのパンも店主の人柄が推し量れる優しい味わいで、クオリティを考えたら安い、家族経営だからこの値段でやって行けるのだと思う。

 店へのアクセスはどの駅からも離れていてよくない、この店舗は居抜きで以前も別のパン屋だった、開店した時も何時までも持つのだろうか?と心配だったが、今はすっかり人気店になり、土日の午前中などは狭い店から人が溢れそうになっている(笑)、車でやって来る客も何回か見た。
 美味しくて安くて買って気持ちが嬉しくなるパン、コンビニのパンでは得られないものだから、人は買いに来る。
 24時間営業のコンビニやスーパーと競合する個人経営店には厳しい時代だし、ましてや女性がそれらと勝負するとなると、色々と気苦労は多いと思う。でも心折れずに続けて欲しいと願っている、こうした良心的な個人店が存続できない様では、住んでいても面白くない街になってしまう。


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秋葉原「ビストロ・ヌー」(2014年7月)

 辻芳樹著「和食の知られざる世界」(新潮新書)によると、辻家で家族旅行をした時に、旅館等で出された料理を食べ、よく料理人の年齢当てをやったそうだ、勿論音頭を取るのは父親であり前辻調理師専門学校長の辻静雄だった。その結果について本では詳しく述べていないが、彼が健在だった頃のTVの対談番組で、「実際の年齢と前後5歳は違わなかった」と語っていたのを記憶している。
 私自身も和食や中国料理は全く自信ないが、フランス料理なら大体の年齢を言い当てられるのではと思う、ただ今はネット社会になって店へ行く前からその料理人の経歴等の情報が氾濫しているし、オープンキッチンの店も増えて、「事前に知っていたのでしょう?」と言われそうなので、年齢当て自体はもうあまり意味のない事かも知れないが(笑)。 
 「若い料理人は若い料理を作る」これだけは間違いない、日本では「若い」は「青い」と同義語であまり褒め言葉ではないが、「勢いのある料理」と言い換えればいいかも知れない。サッカーのW杯をTVで観ていて思ったが、アスリートのピークは30歳前後、それを過ぎるとフィジカル面で落ちるのは確実だ。料理人の場合はサッカー程には走り回らないので、もうあと10歳プラスして40歳前後がピークではないかと思っている(笑)。

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 この日ランチタイムに訪れた秋葉原(末広町)のフランス料理「ビストロ・ヌー」での食事後、そんな事を考えた。この店の磯貝料理長はまだ34歳の若さ、開店して3年経った現在でも、オーナーシェフとしてはこのブログに登場したフレンチ料理人中で最年少だと思う。

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 まずはこの日に出た料理を紹介したい。

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・自家製カンパーニュ系パン

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・ロワールだと思ったソーヴィニヨン・ブラン(850円)

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・トマトの冷たいスープ

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・フランス産ウズラのロティ(+1,080円)

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・ホワイトチョコとルバーブのタルト

 基本のプリフィクスは1,620円だが、これにあえてプラス料金を承知で仏産ウズラを選ぶ事にした。
 まずは此処のパンが美味しい、最近の私はパンの不味い店はそれだけでアウトだが、料理人一人の厨房で粉捏ねから取り掛かるのは立派だと思う、美味しくないパンを作っても意味ないが、噛んで滋味のある素朴なカンパーニュだ。
 ガスパッチョ風のスープはあえて野菜の繊維を多目に残して、洗練され過ぎない味にしている、この日は暑かったので殆どの客がこの冷製スープを注文していた(笑)。
 期待していたウズラ料理は期待以上の出来、「サラマンダーが無いので」と料理長が簡易バーナーで表面を仕上げに焼いていたが、繊細な肉質のウズラの特徴を上手く生かしている、鳥類は骨付きで調理するのが一番美味しい、ソースはフォン・ド・ヴォーを使ったとの事、ガルニの野菜の仕上げも丁寧だった。
 ホワイトチョコのタルトは2回目だが、料理人の自信作なのだろう、甘さをしっかり付けたフランス的な味わいで、見かけは地味だが印象に残る味わいだった。
 これにコーヒーを加えて支払いは3,800円、若い人の多い秋葉原では高額ランチだが、提供される料理のレベルの高さはかなりのもの、斬新さを感じさせながらも何時か食べた記憶のある懐かしい味わいもあり、この料理人はフランスの本当にいい部分を吸収しているなと思った。

 磯貝料理長は少々変わった経歴の持ち主で、大学卒業後にバーテンダーをやっている時に料理に興味を持ち、以降ダイニングバーやカフェ等で料理人を担当する、その後学生待遇で渡仏し働いたのが、パリ17区にあるバスク出身の料理人が経営するネオ・ビストロ、人気店のため厨房は戦場みたいな忙しさで、「料理は習うより作って覚えろ」の世界だったらしく、そうして身体で覚えたものが、現在彼の財産になっている様に思える。
 調理師学校を優秀な成績で卒業し研修生待遇で海外の星付有名店で働いた、みたいなエリート料理人とは違ったアプローチだ。だが料理の優劣は別にして、不思議に私と相性がいいのが磯貝料理長みたいなタイプで、いわば「雑草キュイジニエ」とでも呼びたい叩き上げ職人系、最近通っている「シック・プッテートル」「オー・トレーズ・ジュイエ」「パスティチェリア・バール・アルテ」はこのタイプの料理人達だ(笑)。
 私自身が同じアンチ・エリートだったのもあるが(笑)、彼等の料理に「閉塞していない自由さ」みたいなものを感じるのが一番の魅力だ。そして意外にもと言っては失礼かも知れないが、古典や地方料理へのリスペクトがある。

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 この店はこれからも成長して行くと思う、今を追いかけていたい料理人の一人だ。


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亀有「蕎麦切り・ごうめん」

 私の実家があり、多感な?少年時代を送った亀有に、少々変わった蕎麦店が出来たとの情報をWEB上で知った。
 簡単に言うと、日本蕎麦を使用した「つけめん」専門店で、メニューはそれしかないそうだ、珍しいものに惹かれがちな私は「これは面白い」と思って、早速自転車で行ってみる事にした。

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 店の名前は「蕎麦切り・ごうめん」で、場所は亀有駅南口を出て、バスロータリーを進むと「ゆうろ~ど商店街」と云う割と大きな商店街に出る、通りの右手には私がよく行くイタリア料理店の「ティア・ブランカ」、その反対側に「仲町商店街」と云う名前の屋根の付いた通りがあり、私が子供の頃は「南口のアーケード」と呼んでいたが、この中に昨年出来た店だ。
http://gomen.jimdo.com/
 店前にはメニューが写真付きで掲げてあるが、事前情報のとおり「肉つけそば」(850円)、「鳥つけそば」(850円)、「もりそば」(750円)の三種類のみ、餃子とかご飯物の副メニューで儲けようとしない、この潔さはいい(笑)。

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 店内へ入ると新店だから当然だが綺麗な空間で、白色を基調にしたインテリア。先ずは券売機で前述の三つから選ぶのだが、迷った末に「鳥つけそば」にした。カウンターだけ11席で壁沿い、窓際、厨房に繋がった場所と三カ所に分かれている、このため料理人一人では客対応は難しく、アルバイトと思われる若い女性がフロアーを担当していた。
 BGMにはジャズが流れていて、明るい空間と相まって、ここが「下町亀有の蕎麦屋」とはとても思えないような洒落た空間になっている(笑)。

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 入店時には私だけだったが、次々と客がやって来て、食事終了後には6割位の入りになった、昨年11月の開店だが店の存在は既に知れ渡ってきたみたいだ。
 暫くして店主の料理人自ら運んで来たのが「鳥つけそば」、店名みたいに強面な人かな?と思ったが、優男の青年でした(笑)。

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 見た目は「つけ麺」の麺を蕎麦に替えた感じそのまま、一口麺を食べてみると、振りかけられた胡麻の香りの後に蕎麦の香りが来る、麺は店名のとおりに固くゴワリとした食感だが、気になる程では無く喉越しも悪くない。蕎麦粉十割だとここまで固くならない筈なので、何かつなぎを使っていると思うが、それが何だかは分からなかった。
 つけ汁はちょっと甘口、中に入った鶏モモ肉が大変柔らかくて美味しい、煮ただけではこの柔らかさは出ないと思う、真空パックで調理するとこれに近くなるが、この店にバキュームの機械があるとは思えなかったので、どう加熱したのだろう?カウンターテーブル上には揚げ玉が備えてあるが、これは自家製ではないみたいだ。

 蕎麦屋なら「鴨南蛮せいろ」ならぬ「鳥南蛮せいろ」の形態だが、それをあえて丼に入れて「つけそば」としたのを「独創的」と評価するかどうかだが、せいろ用の器を揃えなくても丼だけで提供出来るので、コストを考えるとこれはあってもいいのではないかと思った(笑)。
 WEB情報によると東京・虎の門に「港屋」と云う名前のつけそばで有名な店があり、そこにインスパイアされたのでは?との指摘があった。こうしたものはオリジンが何処であるかより、提供する内容で勝負だと思うので、そこに負けない店になって欲しいものだ。
 個人的には甘味の強かったつけ汁にもう一工夫欲しい気がしたが、まだ始まって半年なので、これからの成長に期待したい店だ。企業系スーパーに押され、古い商店街は何処も停滞気味だが、こうして若い人達の開業店が増えれば、話題性もあり新たな活力になって行くと思う、早速TV局の取材もあったそうだ。

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 なお、この店の斜め向かいにはある「グルメショップ・いとかわ」は、昭和12年から続く歴史ある肉屋だが、そのまま食卓に出せる惣菜類も売っている、中でもお勧めしたいのは「焼豚」。ローストしているのではなく「煮豚」だが、甘めのタレが良質な豚肉によく合い、私は子供の頃から好物だった(笑)、この日久しぶりに買ってみて、昔と変わらない味に懐かしく安心した、亀有に来た時にはお土産にどうぞ(笑)。

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※この画像はWEB上から引用しました。



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南千住「パスティチェリア・バール・アルテ」(2014年6月)

 SNSのおかげで何人かの料理人と親しくなる事が出来た、店へ食べに行くだけではなかなか「親しく」なるまでには時間がかかるもの、その点ブログやSNS等で現在を発信していると、お互いが判ってくるものだ。私は人見知りが激しいし、電話で話すのもあまり得意ではないのでありがたい事だ。
 今回はそうして親しくなった大阪の料理人が東京にやって来る事になり、「何処かでご一緒しましょう」との話しをしていたが、「東京で行ってみたい店」を聞いたらこれが意外にも、東京でも一番ディープな場所である台東区清川、通称山谷にあるイタリア料理店「パスティチェリア・バール・アルテ」だった。

 私を含めてプロの料理人でない只食べるだけの人間が店を選ぶ場合、店の評判や話題性、料理人の経歴やマスコミの登場頻度等、主に外形部分で決めがちだ、ところがプロになるとそれも全くないと言えないが、まずは料理のクオリティ、そしてそれを値段は幾らで、どんな箱(店)で出すのかと言った、もっと実質的な眼で判断する、今回来る料理人も私のブログを見て、まず行ってみたい店と思ったそうだ、東京人だと「山谷」と聞くとネガティブなイメージを持つが、それをあまり知らない大阪人だから、かえって料理だけの本質が見えたのだと思う。

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 この店は何時もランチタイムに訪れていたので夜は初めて、どんな料理が出るのが私も楽しみだった。
 地下鉄南千住駅で待ち合わせ、歩いて店へ向かうが、途中の外国人向けドミトリーホテルの値段や、この山谷界隈が舞台になった漫画「あしたのジョー」話で盛り上がった(笑)。
 入店後、相越料理長と奥様に挨拶し着席、スプマンテで乾杯し下町イタリアンのディナーが始まったが、今回は全て料理長に「おまかせ」のメニューで、出てきたのは以下の料理、

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・トマトのゼリー(ジェラティーナ)

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・自家製生ハムとトマト、モッツァレッラのインサラータ

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・北部ヴェネトの自然派Angiolino Mauleの「ラ・ビアンカーラ サッサイア」

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・馬肉のカルパッチョ、トレヴィスとパルミジャーノ

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・穴子のロートロ

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・自家製ボッタルガと季節の野菜のスタランゴッツィ

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・アイスランド産仔羊のパナダス

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・ドルチェ三種(ホエーと苺のジェラート、抹茶のティラミス)

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・小菓子

 料理の感想を先に述べると、料理長の印象と同じく骨太で男気のある料理、「こんな料理が食べたかった」と、思わず自分の膝を打ちたくなる(笑)。青山や銀座の高級店で、黒服のサービスが恭しく運んで来る、鳥の餌みたいな少量イタリアンとは対極的なもの、イタリアに行った事の無い私があえて言わせてもらえば、「これぞイタリア料理だ」と言いたくなった(笑)。 
 イタリア料理の表記はフランス料理とは違うので、料理長が説明してくれたが、「穴子のロートロ」とは本来は鰻の料理を応用したもので、リゾットを巻いた穴子を一度蒸してから、フォン・ド・ヴォーとバルサミコを詰めたソースを塗りバーナーで焼いたもの、簡単に云うと蒲焼だ(笑)。
 「スタランゴッツィ」はウンブリア地方の饂飩状のパスタ。肉調理の「パナダス」はフランス料理なら「アン・クルート」だが、これはサルデーニャ料理だそうで、ラード入りのセモリナ粉のパイ生地を使うのが特徴、勿論パイ生地も自家製。
 この日の料理中、生ハム、ボッタルガ、生パスタ、パイ生地(使うラードも)、勿論の事ドルチェ類も全て自家製だ。この料理人はまず自分で作ってみない事には気が済まないみたいで、その点では大阪・上本町のフランス料理「コーイン」の料理人と似ている(笑)。

 相越料理長は調理師学校を出ている訳でなく、特定の師を持たない独学派、料理は殆ど本によって修得したそうだ、それでこの料理が作れるのだから凄い、この点では八丁堀「シック・プッテートル」の料理人とも似ている。
 店内サービスは「谷間の百合」いや「山谷の百合」みたいな清楚で優しい奥様が担当するが、男性客(多分女性客も)ならハートを鷲掴みされる事間違いない(笑)。
 これだけ手間をかけた料理に、スプマンテ、白ワイン1本、赤のカラフワインを飲んで一人7千円台、都心では考えられない値段だ。
 日本には、あまり知られていないこうした凄い才能の料理人が、まだ何処かに潜んでいるのかも知れない。

 ディープな下町で食卓も濃い話になった(笑)、もう少し若くて財布が厚かったら近くの𠮷原にでも繰り出したい処だが、枯れた中年男組はトボトボと泪橋交差点を歩くのが一番似合うみたいだ(笑)。
 相越料理長ご夫妻、素敵な夜を提供いただきありがとうございました。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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