最後の晩餐にはまだ早い


大阪・本町「びすとろぽたじぇ」(2015関西食べ続け④)        

 関西食べ続け巡礼第三番札所は、私が「大阪の我が家」と勝手に思い込んでいる(笑)、地下鉄本町駅近くの「びすとろ・ぽたじぇ」を訪問する事にした、2011年の開店以来、年1回訪れているからこれが5回目になる。
 この店は肥田親子とそれぞれの奥様が4人で営む家庭的なビストロ、そう云っても提供されるものは、フランスの正統派直球料理、今までは専門書でしか見る機会がなかった、先人達が作りルセットを残した料理を、実際に見て食べる事が出来、それでいて支払いはビストロ価格と云う、私みたいなオールドファンには堪らない魅力を持った店だ(笑)。

 今回も関西在住の食仲間が参加を表明してくれた事もあり、この店では「グラン・シェフ(以下Gシェフと略す)」と呼ばれている父上に、「ジゴ・ダニョーが食べたい」と、また我儘な注文を出してしまった(笑)。ジゴ・ダニョー‘Gigot-d'agneau’とは仔羊の腿部分を指すが、料理名としては骨付きで1本丸焼きしたものを呼ぶ。フランスではビストロの定番料理の一つだが、日本では羊嫌いの人も居るし、1本焼いても注文が無いと無駄になってしまう、なかなかお目にかかれない料理の一つだ。
 18時半の開始時間にカウンター席に着いた所で、Gシェフから本日の料理について説明があった、
「今日のメインは注文のジゴ・ダニョー、そして1品目は鹿のパテ・アン・クルートを作ったので、これを皆さんに食べてもらいます、2品目の皿だけ選んでください。」と、もう有無を言わせない(笑)、もちろん当方も望む所だ。
 悩んだ末に、これも伝統料理の「鯛のじゃが芋ウロコ焼」をお願いした、出てきた料理は以下のとおり、

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・リエットとバゲット

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・マグロとアボガドの一口タルト

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・ポタージュ

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・鹿のパテ・アン・クルート

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・鯛のじゃが芋ウロコ焼

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・ジゴ・ダニョー

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・エマンセした一人前、ガルニはゴルゴンゾーラ風味のグラタン・ドーフィノワ

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・デセール全部(笑)、まずはミカンのソルベ、牛乳のアイスクリーム

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・(手前から)コーヒー風味のブランマンジュ、モンブラン、パングラタン、グレープフルーツのハーブと赤ワイン煮、皮部分のコンポート、プリン生地のタルト、パウンドケーキ、ガトーショコラ

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・ヴェルヴェーヌのアンフィージョン

 Gシェフが「知り合いがパリに行ったので、パテ・アン・クルート(容器の事)を頼み、ドルイアン(レ・アルにある厨房機器専門店)で買って来てくれたので、久しぶりに作ってみた」と云う「鹿肉のアン・クルート」、とても丁寧な作りで塩分を抑えた優しい味で、非酒飲みの私好み(笑)。でもこれは「明日はうるさい連中が来るので、普段食えない料理を作ってやろう」ではないかと睨んだのだが、そうハッキリ云わないのがGシェフ世代の含羞だと思う(笑)。過去「オテル・ド・ヨシノ」や「コーイン」でも秀逸なパテ・アン・クルートを体験したが、それぞれの料理人を反映して、違いがあってとても面白い、まさに「料理は人なり」だ(笑)。
 鯛の料理は、じゃが芋を薄くスライスし切り身に貼りポワレし、酸味の効いたブールブランソースを合わせる、今時こんな手間のかかる料理を何処もやらないが、食べると記憶を刺激する(笑)、フランス料理ってやっぱり美味しい、ソースあってこそだと、涙腺が緩んでしまう。
 
 そして登場したジゴ・ダニョー、このままこれを抱えて布団に入りたい位(笑)、8~10人分位あるそうだが、心配になって「残った分どうするの?」とGシェフに訊いたら、「明日、サンドイッチにすると旨い」との事、でもこの日は団体の利用があったので、綺麗になったみたいだ(笑)。
 味付けも調理も文句なし、ソースもガルニも的確美味。以前リヨンのブラッセリーで食べた物とは肉質は少し違うが、この日はニュージランド産との事で、その違いだと思う、肉も魚も骨付き調理に優るものはない、家庭ではまず無理なプロの料理人が作るプロの料理だ。
 シェフ(息子さん)の作るデセール類は、どれもホッとする美味しさで全種類制覇した、お腹に余裕があればもう一回りしたかった(笑)。

 お父さんが「どうだ、お前ら旨いだろう、腹一杯食べな」と並べた料理を子供達(我々)が頬張る、何かそんな場面を連想したこの日の料理、いや本気で満腹になりました(笑)。
 そして支払いは驚く位に安い、大阪に住んでいたら毎月いや毎週でも来たい店だ。肥田Gシェフ&シェフ、お気遣いありがとうございました、私はもっと勉強して、次なる特別注文料理を考える事にします(笑)。


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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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