最後の晩餐にはまだ早い


浅草「エヴ?‘Et vous?’」(2015年9月)

 この日台東区に住んでいる身内と会うため、ランチ場所を探す事になったのだが、稲荷町「キエチュード」は定休日、山谷「アルテ」はランチ営業やめてしまったし、支払いが高額な店だと文句言われそうだし(笑)と悩んでいたら、思い出したのが今年5月に初訪問し、料理も店の雰囲気も好印象だった、浅草のフランス料理「エヴ?‘Et vous?’」、そうだあそこへ行こうと、相手にお構いなしに決めてしまった。

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 12時に予約して少し早めに店へ着く、南国趣味?のエントランスを通って入店したが、既に2組の先客があり、若いママさん達のランチ会が盛り上がっていた、浅草の昼は大阪みたいに早い(笑)。

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 調理中の岡部料理長に挨拶して、サービス担当である奥様の案内で奥のテーブル席に座り、本日のランチメニューを見る、予約の時点で2,300円のものに決めていたが、メインを魚1、肉6種類の中から選ぶ、この価格帯のランチでこれだけ選択肢があるのは立派だと思う、前回は仔羊だったので、この日はプラス600円の仔牛料理に決めた。

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・オードブル(ジャガイモのニョッキ、人参の冷製ポタージュ、鰹のマリネ)

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・パスタ(ナスとベーコンのトマトソース、チーズと水菜)

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・メイン(仔牛のロースト、マデラソース)

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・特製デザート(ほうじ茶のムース、黒糖のアイス)
・コーヒー

 前回も感じた事だがこの店は野菜が美味しい、料理長は栃木出身で地元農家から直接仕入れているそうだが、鮮度も味も申し分ない、特に根菜の美味しさは特筆だが、勿論それを生かす技術があってこそだが。そして料理を盛るのが栃木益子焼の若手作家達の器で、これが料理のイメージと合い、パスタ以外は箸で食べる事もあって心が和んでくる、日本人はどうやってもフランス人にはなれないなと思う(笑)。
 前菜はどれも少量だが、印象深い品を並べている、特にニョッキと人参が秀逸だった。パスタはイタリア料理店みたいにニンニクや唐辛子を効かせるのではなく、穏やかで優しいトマトソース。メインの仔牛ローストが良かった、火入れも問題なく、フォンドヴォーとマデラ酒のソースは本格的だった。
 前回記事では、奥様は料理人出身か?と書いたが、どうやらパティシェールだったみたいで、このデザートも彼女が作ったとの事、とてもいい出来だ。
 岡部料理長は見かけ失礼ながら一見強面だが(笑)、前回話した印象では穏やかな喋り方で人間が尖っていない、それが料理にも現れていると思う、いつも怒る料理人からは怒ったキツイ料理しか生まれない(笑)。

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 気が付けば店内はほぼ満席になった、今、平日の昼席でこれだけ需要があれば立派なものだ、前回は水だけ1,200円ランチの客も多かったが、今回はどの席も1,800円以上、それもワインやビールを頼んでいる客が多く、皆レストランの楽しみ方を知っている(笑)。嬉しいなと思う反面「この店も、遂に知られて来てしまったか」と少しの悔しさ?もある、店のブログ記事を書いていながら、こんな事考えるのは実に自分勝手なのだが(笑)。
 カウンター席には予約なしで来たのか、小さな子連れの夫婦、常連客みたいで子供もおとなしく場馴れしている、帰りにはその子が料理長に笑顔で手を振っていた、とてもいい光景だなと思う。

 この「エヴ?」は、「浅草市夜」と称する、食とマーケットのコラボレーションイベントの参加店でもあり、「地域と共存する店」を目指しているみたいだ。何でも上を見がちな若い世代の料理人夫妻が、こうした活動をするのはいい事だと思う、地震や洪水、火事などの災害があったら、助けてくれるのは「遠くの馴染み客より近くの他人」の筈、地元民に支持されなかったら飲食店の寿命は短い。
 店内に爽やかな風が吹き抜けるような、素敵なご夫妻による素敵な若い店、内容に較べたら支払いは申し訳ない位に安く、店を出た後には「また行きたい」と思ってしまう、自宅の近くにこの店欲しい(笑)。


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春日「アヴランシュ・ゲネー」

 料理の世界では「次の動向」が注目される人達がいる、フランスから帰って来る、雇われシェフを辞める、有名店のスーシェフ(副料理長)が独立する等、実力があってこれまでの仕事が評価されている人ほど、マスコミやファンが話題にする、ブログ記事にしている「ル・スプートニク」の高橋料理長もその一人だろう。
 パティシェの世界でも同じ事が起きている、有名パティシェが独立するとなると、何処にどんな店を出すのかは皆が注目する、今回紹介する店もその一つだ。
 店の名前は「アヴランシュ・ゲネー」、シェフ・パティシェは上霜孝二氏で名門辻製菓学校のフランス校を卒業、その後仏ノルマンディー地方のパティスリー勤務、帰国後は「オテル・ド・ミクニ」グループ等で働き、神楽坂「ル・コワンヴェール」でシェフ・パティシェに就任、今回独立となった。

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 実はこの店は私の勤め先から近く、店舗の立ち上げ途中から見ていた、その後経歴が注目されるパティシェの独立店と知り、9月4日のオープンを楽しみにしていた店だ。 場所は都営地下鉄春日駅近くで、白山通りに面している。遠くから嫌でも目立つ真っ赤な外装ファサードで、周囲の地味な商店とは正直違和感ある(笑)。

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 店内へ入るとそれ程広くはないが、照明を落とし茶色を基調にした落ち着いた空間、外装の印象とはかなり違う。手前に焼き菓子等を置き、真ん中に生ケーキを並べたガラスケースと販売スペース、奥が作業場になっている、その間に小さいがカフェスペースがあるが、開店直後のためか現在は使用されていないようだ。

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 販売は若い女性が二人で対応している、初回なのでまずは生ケーキを買う事にするが、チョコレート系やキャラメル系に力を入れているみたいで、ケース内は茶色いケーキが多い、値段は税込500円前後、銀座や青山ほどは高くないが、文京区内としては安くない(笑)。結局、茶色、赤色、白色系ケーキの中から各1個を選び購入した。

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 私が入店時客は他に一人居ただけだが、その後次々と客がやって来て店内は一気に過密になった、それも近所の人が来たと云うより、遠くからこの店目指して来た感じに見える、何でも開店日には入店待ちの行列まで出来たそうだから、熱心なスイーツフリークは居るものだ(笑)。
 以下は今回購入したケーキの紹介と食べてみた印象、

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・シャルロットパンデピス(税抜470円)
 ブルゴーニュ名産のパンデピスを使ったシャルロット、シナモン、ナツメグ、クローブ等パンデピス特有のスパイス香があって独特の個性、ベースはチョコレート味なので、結構ボリューム感がある、あまり他店ではないタイプのケーキなので好き嫌いは別れるかも知れない。

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・アンペリール(460円)
 アーモンドクリームを焼いたタルト生地とベリー類のピュレを、ベリーのムースで包み、上にもベリー類を乗せたもの。とても丁寧な作りで見た目も綺麗、味もいいのだが、他店でも似た様な物はあるので、この店で買うべきケーキかと訊かれると、答えに詰まる(笑)

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・モンドール(450円)
 個人的にはこれが一番気に入った、一種のレアチーズケーキだが、アパレイユにはカマンベールとクリームチーズのブレンド、土台にはカルヴァドスを使っているそうで、修業した想い出の地であるノルマンディーへのリスペクトが感じられる、優しい味のケーキだった。

 全体的な印象は、特徴ある店の外観同様個性的で、リキュール等を積極的に使い、味のエッジを際立たせるタイプだと思った。私自身ケーキは単体で食べるより、食後のデザートにする事が多く、その目的だと少し個性を強調し過ぎるかなとも感じた、以前にブログで紹介した、同じ文京区内で白山通りにある「エリティエ」とは対照的なケーキだ。ただ「三度の飯よりケーキが好き」と云う人も知っている(笑)、こうした人達には「この店ならでは」の特徴もあり、魅力を持つケーキ類だと思った。
 ケーキ自体のクオリティはビジュアルを含めて秀逸、PARISに店を出しても十分やっていけるのではないか?日本人料理人の評価は、ここ数年フランスで急上昇したが、パティシェ界も同様だ、それだけ今の日本の調理師&製菓学校のメソッドは高いと云う事でもあるのだろう。
 今度は別の種類を買ってみたいと思う、帰りがけに行けるのはありがたい(笑)。

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 なお店名は店主が働いていた、フランス・ノルマンディー地方の都市アヴランシュ‘Avranches’にある、「パティスリー・ゲネー」に因んだもので、紙袋にはその店の地図まで載せてある、修業先へリスペクトする気持ちを忘れないのは、とてもいい事だ。


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明治神宮前「レフェクトワール」

 「メディア向け試食会」なるものに招待をいただき、勤め帰りに表参道駅近くへ行く事になった。会が始まるのは19時から、それまで時間があるので、何処かで時間を潰してから行こうと思い、ネット上で地図を見ていて閃いた場所があった。それが隣の明治神宮前駅近くにある、ブランジェリー&カフェの「レフェクトワール」だった。
 運営するのは、京都に本店があるブランジェリー「ル・プチメック」で、東京では新宿マルイ内に販売スペースがあるが、それに続いて2012年11月にオープンした。前から一度行ってみたいと思っていた店だ。
 店の場所は地下鉄明治神宮前駅を出て、明治通りを渋谷方面へ向かって右側、「タケオキクチ」ビルの3階にある。この界隈は何十年かぶりに歩いたのだが、街の変りようにビックリ、特に夜は照明に浮かぶブティックのウィンドーが妖しい磁力を放ち、街を歩く若者達を誘惑する。私の前を歩くのはモデルさんみたいな8頭身女性、後ろがV字に大きく開いた服を着て、思わず「きれいな背中だな」と見とれて、ストーカー親父ギリギリになっていた(笑)。

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 「タケオキクチ」の店内は意識して階段やエレベーターを目立たなくしてあり、「ドンキホーテ」とは正反対(笑)、ようやく見つけたエレベーターで3階へ上る。
 エレベーターを降りるとそこがカフェの入口だが、右側が販売スペースとキッチン、まっすぐ進むとセルフのカフェスペースがある。
 さて何を注文するか迷うのだが、夕方なのでパンの種類はそれ程多くない、この後が試食会なので軽く済まそうと「チキンとココナツのフォカッチャ」に決め、コーヒーと共に注文するが、女性店員から「プラス50円でサラダ付のプレートに出来ます」との説明があり、それでお願いする事にした、支払いは947円也。
 フォカッチャは温めてから提供するので、支払いを済ませコーヒーだけ受取り、カフェスペースで待つ事にする、行ってみると此処がまた格別にお洒落な内装、業界人なら思わず「シャレオツ」と叫びたくなりそう(古いかな)(笑)。

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 全体はモノトーンで照明を落とし、所々に配したフレームや小物類がまたキマっている。BGMは不思議なフレンチポップス?一見チープなプラスチック椅子も座ってみると結構座りやすい。地方から出て来た若い子達がこの店来たら、まず帰りたくなくなると思った、これは魔界だ、ラビリンスだ、人さらいだ(笑)。

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 窓際席に座ってそんな事を考えていたら、運んで来てくれたのが温めたフォカッチャ、見た目は良さそうだ、まずは端から食べてみる、肝心のフォカッチャ自体が粉の旨味が感じられてとても美味しい、中身は鶏モモ肉のロースト?を薄く切ってあり、ココナツ味はあまり感じなかったが、ココナツバターを使用しているのかも。
 感心したのがリーフサラダで、他のカフェ等ではこうした物は雑で干からびた野菜だったりするが、レストランで出しても通用する質と鮮度に丁寧な水切りだった。

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 コーヒーはアラビカ種か、濃く抽出していなくても、深さのある味と香りがする、私が好きなタイプのコーヒーだ。
 パンとサンドイッチで合計947円は、支払い時には正直「高いな」と思ったが、食べてみて納得できた、ブログにも書いた高級ハンバーガー店と同価格帯だが、「どちらが好きか?」と訊かれたら、店の雰囲気も含めて私なら断然「レフェクトワール」だ。甘いデニッシュ系のパンも食べてみたかったが、この後の試食会を考えて控えたのが、ちょっと心残りだった(笑)。

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 窓外には夜の帳が降りた明治通りを歩く若い男女、皆スタイルもファッションセンスも垢抜けている。「東京には何でもあるな」とつくづく思う、このカフェの母体は京都、これから行く試食会場の経営も北海道の製菓会社だ、皆東京に進出し認められて全国規模いや世界規模か、そうした知名度あるブランドになろうとする。少子高齢化が急速に進む日本では、地方企業特に飲食業が生き残るのは、このやり方しかないのかも知れないと、考え込んでしまった。
 我家からは遠いので、往復の交通費も結構使うのだが、またこの近くに用があった時は、「遠回りしても行ってみたい店」だと思った(笑)、帰りがけに入ったトイレの「スタッフ募集」の貼り方まで洒落ていた(笑)。

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 なお店名の「レフェクトワール‘Réfectoire’」は仏語で「食堂」の意味だが、クラウン仏和辞典では「食堂(学校、軍隊などの)」とある、フランスでもこんな小洒落た学校&軍隊食堂はあり得ないと思う(笑)。
 

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六本木「ル・スプートニク」(2015年9月)

 また今年も関西から最強台風、ではなく最強料理人がやって来る季節になった(笑)、彼とは年に一回は食事を同席するが、営業中の店ではなかなか聞けない業界話等、色々と面白い話題を知る事が出来て有益な時間になる、今回は更に関西出身で東京の激戦区で働く最強パティシェールも参加を表明してくれたので、史上最強のコンビになった(笑)。
 こうなると難しいのは店選びだが、今年は早い時点から決まっていて、それが今東京で注目されつつある、六本木に7月にオープンしたばかりの、高橋雄二郎料理長のフランス料理「ル・スプートニク」、この店なら最強コンピでも不足はないだろう(笑)、私は先月に続いて2回目の訪問。

 この日は朝から強い雨が降り続く生憎の天気、平日の昼席で客入りはどうか?と思ったが、席は7割方埋まっていた、やはり高橋料理長は前店「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」時代の客に支持されているのだろう、競争が激しく需要と供給のバランスなら、供給過多になっている今の東京では、既に客の取り合いが始まっていると感じているが、こうした中では「客を持っている」「客を掴まえている」料理人は強いと思う。
 支配人姿もすっかり板に付いて来た、田村支配人のサービスによるシャンパーニュで乾杯、まずは当日の料理を紹介するが、私は2回目で他は初訪問、同じテーブルでも料理は少し内容が違い(わざわざ変えてくれた)、画像は全て私に出たものだ、

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・シュセット、帆立と蕪の柑橘マリネ、蕪のヌーベ

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・枝豆のチュロス

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・赤貝のミジョテ、 オカヒジキ、ユッケスタイル

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・稚鮎の牛蒡フリット

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・鯖の燻製、ソースロックフォール

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・''薔薇''ビーツのチュイル、フォアグラ

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・国産キノコ (白麗茸、アワビ茸、タモギ茸、花びら茸) 、キノコのグラス、ポーチドエッグのクレープ

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・フォアグラのポワレ、ブリオッシュ、イチジク、セップ茸とセップのコンソメ

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・秋刀魚のシヴェ

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・和歌山産ウリ坊(仔猪)のロースト、ソーセージ、タマネギ、セップ茸

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・ピオーネ、シャインマスカット、巨峰のジュレ、紫蘇のグラニテ

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・ピーチメルバ・アラ・ピスターシュ

・アールグレイとレモンのシューアラクレーム(画像なし)
・コーヒー

 料理全体的には「総花的」と書くと適当ではないかも知れないが、とにかく今出来るものを全部出しましたと云う印象。これは同席したメンバーが無言のプレッシャーになったと思う(笑)。まだ完全には慣れていないスタッフとの連携や厨房機器と店内動線、その中でこれだけ細部に手をかけ、ドレッセにも気を配った料理を次々と出せるのはさすがだと思う、私の席からは厨房内は見えなかったが、料理長は相当キリキリしていた事は想像できる(笑)。
 最強料理人も言っていたが、高橋氏の料理は見かけモダン最前線だが、根っこにあるものは、しっかりした古典だと思うとの事、それは私も前店から感じていた事だった、鳩料理のソースサルミ等は現代的にリファインしているが、伝統的な部分を失っていない。今日の料理では特にポワレしたフォアグラと、マルカッサンのロティがそうしたものを感じさせる、いい料理だった。
 高橋氏は今から十年位前に、パリの「ルドワイヤン」や「シェ・ラミジャン」で働いているが、その頃のパリは現在の国籍不明的な料理とは違い、20世紀から続く黄金時代のフランス料理の、本当にいい部分がまだ残っていた、それを受け継いでいるなと感じる。
 彼のデセールは毎回秀逸なものが多いが、今回料理が「秋の入り」を感じさせたのに対し「夏の名残」を思わせるもの、ピスターシュのピュレを使ったペーシュメルバは、見かけも味も繊細だが印象深かった。

 最後厨房から出て来た高橋氏と最強コンビとの話になったが、まだまだ自分の理想とする店にはなっていない、新しい環境に皆が慣れてスムーズに料理が出せるのには、もう少し時間が必要との事だ。でも、未完成の作品が完成品になるのを見届けるのも、また面白い(笑)、私の予想ではあと半年位経てば、第一段階の完成になりそうな気がする。
 高橋氏は一見ジャニーズ系みたいな優男だが、九州男児だけあって芯には太くて強いものを秘めていると思う、今の志を忘れなければ大丈夫だろう。

 楽しい昼餉になりました、高橋料理長以下厨房スタッフと田村支配人以下サービス陣の皆さん、お気遣いありがとうございました、私は近日中にまた利用します(笑)。


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東上野「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」(3回目)

 ブログには書いていない店を含めて、今年の夏はインド料理店へよく行った、頻繁に行った理由は、夏前半の酷暑で身体が刺激物を欲したのと、インド料理店のコストパフォーマンスに感嘆したのが大きい。

 仏文学者でパリ在住経験もある鹿島茂が著した「パリのパッサージュ」(平凡社・コロナブックス)によると、パリ北東部にある「パッサージュ・ブラディ」は、現在インド・パキスタン系の人達がコロニーを形成、インド料理店が数軒あるが、パリ市内では5ユーロ以内で食事可能なのは此処だけではないかと書いている。家賃も光熱水費も同じなら、最後は人件費をいかに安くできるかで料理の値段が決まる。
 東京の場合は、牛丼やラーメンみたいに一杯で完結する料理があるので「一番安い」とは云えないが、テーブルに座って二品以上の料理が出てくる店としては、中国系の人が経営する中国料理店と、インド・パキスタン系の人達が経営するインド料理店が双璧だと思う。
 今年これまでに行ったインド料理店で、料理内容も価格破壊的な値段も、最も印象に残ったのは、東上野にある「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」で、この日今夏で3回目の訪問をしてしまった(笑)。

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 行った日は日曜日だが、開店時間の午前11時を少し回った時点で既に3席が埋まっていた、それも全員男性単身客、「インド料理店には、男子一人がよく似合う」のかも?(笑)。
 店側は厨房内には3人、店内サービスは2人の計5名体制、サービスの男性は前2回と違う人だった、この店は銀座、六本木、高輪、横須賀、藤沢と支店があるので、グループ内で人の移動があるのかも知れない。6店を年中無休で回せる程の人材確保が可能なのは、人口過多なインド&パキスタンならではだ、若年労働人口が減少する一方の日本では、これだけの人間を雇ったら人件費が大きな負担になる。
 メニューを一応見るが、この日は「パヤ」を頼もうと決めていた、パヤについてはメニューの説明を引用するが、
「インドやパキスタンで愛されている伝統料理です、特別なお客様を招いた時や、特別なパーティーなどでも、おもてなし料理として振る舞われます。子羊(原文のまま)の腿肉、玉ねぎ、トマト、ニンニク、複数のスパイスが、この美味しくヘルシーなインドの伝統料理の主な材料です」とある。以下は「パヤランチ」(1,030円)の内容、

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・サラダ(サウザン+辛味ドレッシング)

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・酸味を効かせたインドのスープ「ラッサム」

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・マンゴラッシー(これはサービス)

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・パヤ

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・ナン

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・ビリヤニ(これもサービス(笑))&ライタ

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・インド風リ・オ・レの「キール」にアイスクリームが乗る

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・ホットチャイ

 まさかビリヤニまで出て来るとは思わなかった(笑)、これで1,030円は東京のランチ価格帯の中では、どう考えても安過ぎると思う。
 仔羊のバラ肉を使う「ニハリ」に対して、パヤは骨付きモモ肉を使用、濃度も薄くなって北海道のスープカレーに似ている、これをナンに付けながら食べるのだが、量が多くて食べても、食べても減らない(笑)、味は羊の出汁がよく溶け込んでいて美味、「庶民のご馳走」的な印象だ。
 ようやく少し減ったなと思っていたら、「これサービスです」と男性が持って来たのが、この店の名前にもなっている「ビリヤニ」、通常の3分の1位の量だが、それでも多い(笑)、私は小食な方ではないと思うが完全に撃沈した(笑)。
 日本でも田舎に行くと、歓待として食べ切れない位の料理が出る事があるが、感覚としてはあれに近い、「ご馳走=量」の法則はインド&パキスタンではまだ生きている。
 残すのは罪悪だとの教育?を受けてきた世代人としては、苦しみながら食べたが、パヤは少し残してしまった。欲を言えばナンがもう少し美味しければいいのだが、この値段でこれ以上望むのは無理だろう、此処ではインド米のライスか、窯で焼かないパン「ロティ」を頼むべきだと思う。

 はち切れそうな位にお腹一杯になりました(笑)、最後支払いをしていると、サービスのパキスタン人?男性が握手を求めて、「また来てください」と流暢な日本語で話す、ランチ1,030円の支払いで此処まで感謝されるのはちょっと照れ臭いが、気持ちよく退店出来て「また来たい」と思ってしまう。
 「東京でランチに行く店に迷ったら、インド料理店へ行け」は間違いなく言えそう、店による当たり外れが少ないのも理由の一つだ(笑)。


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湯島「四川担担麺 阿吽」

 このブログでは、東京で美味しいと評判の担担麺を食べて、その中から「理想の一杯」を見つけようとしているが(笑)、以前からずっと「此処は一度行かないと」と思っていた店があった、それが今回紹介する文京区の湯島天神下にある「四川担担麺 阿吽」だ。
 2007年に開業した後、瞬く間に人気店になり行列の出来る店として知られる様になる、その後の担担麺ブームの先駆けとなった店でもある。
 私の自宅から職場間の活動エリアからそう離れていないので、過去にも行こうと思った事は何度もあったのだが、経営者の交替(経営者ではなく料理人が替わっただけと云う説もあり)に伴う休業期間があったり、行ってみたら行列が凄かったり、臨時休業日だったりと、今まで不思議と縁?に恵まれなかった。

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 平日休みのこの日、当初行くつもりだった店が夏休みだと知り、急遽行く事を思い付いた。食べたい物がヨコメシから急に担担麺に変わってしまった、でも「行列が長かったら止めて、イタリアンにしよう」と代替案も考えながら向かったが(笑)。
 店の場所は地下鉄千代田線湯島駅至近、湯島駅には南北に二つ出入口があるが、その中間で昌平橋通りに面している。開店時間の11時5分前に店前に着いたが、店前の行列は4人、「これはラッキー、セーフだ」と後ろに並ぶ事にした、念願の阿吽初体験が出来る(笑)。
 11時になると店内から女性店員が出てきて案内を始める、まずは自販機で食券を購入して順にカウンターに着席していく、担担麺は汁有か汁無のどちらかで、辛さも選べる。
 初回と云うこともあり、まずはベーシックな「担担麺」(830円)を3辛(普通?)で、ランチライス(50円)と共に注文する事にした。

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 カウンターは9席、他に「優先席」との表示を置いたテーブル席もあるが、バリアフリー対策なのか、通常は使われていないみたいだ。
 厨房内は体格のいい男性が一人、店内は男女各一名で客対応をしている、正面の席に座ったが、まずは厨房内の清掃が行き届いている事に感心する、今迄入った麺専門店中では文字どおり「ピカイチ」だと思った、これは飲食店では大事な点だ。BGMには軽快なジャズが流れていて、店内の雰囲気はなかなかいい。

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 カウンター席前には、割箸、紙ナプキン、楊枝、ピッチャー&コップ、ヘアゴムが整然と並べられている、味を変えて欲しくないからか調味料類は置いていない。
 麺は2~3人分ずつ作っていて、私は開店後2回目の組になった、注文は汁有と汁無が半々位だ。

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 やがて運ばれて来たのが待ちに待った担担麺、思えばこの店へ来ようと思ってから5年位経っていた(笑)。
 まずはスープを一口、担担麺が美味しい店は何処も同じで、まず胡麻の甘味とクリーミーな風味、その後に唐辛子の辛さがやってくる、そしてこの店の味を特徴づけているのは、他店より多目にかけられた挽いた花椒で、この痺れ感が強い。
 東京の担担麺を食べ続けるうち、店によって「刺激味系」と「穏やか味系」の二派に分かれると考えていた、前者が「雲林房」や「毛沢東麺店」なら、後者は「かつぎや」や「鶴亀飯店」だと思う、この店は前者だと云えそう、唐辛子の辛さだけではなく、花椒の香りと痺れ感が特徴だ。あくまでも個人的な感想だが、せっかくいいスープなのに、この痺れ過ぎはちょっとバランスを崩している様にも取れた。同様に感じる人は次回辛味を減らすべきだと思うが、そうするとこの担担麺の個性も半減しそう。
 続いて麺を食べるが、WEB情報によると三河屋製麺の麺だそうだ、縮れの少ない細麺で、私の好みからすると少し柔らか目に感じた。

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 ご飯は店のWEBページによると、京都の棚田米を取り寄せているとの事だが、質も炊き方も申し分なく美味しい、最後はスープに入れて「担担雑炊」に(笑)。

 気が付けば店内には順番待ちの列が出来ていて、間もなく外にはみ出しそう、席が空いてもすぐに待ち客を案内せず、料理人が指示を出したら店員が座らせる、こうして自分の作るペースを維持しているみたいだ。
 今の東京で、移り気な客にこれだけ支持されるのは、勿論提供するものが評価されたからだろう、それは食べてみて納得出来た、この店ならではの個性がある。
 ネット上では「東京一美味しい担担麺」と書かれてある記事もあるが、全体的に味のエッジが効き過ぎている様にも感じて、私の好みとは少し違った。ただ清潔な店内の印象を含めて、東京を代表する担担麺専門店だと云う事は理解できた。

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 担担麺好きなら一度は訪れてみるべき店だと思う、実際に自分で体験しないと判らない事はある、それは高級フレンチでも担担麺専門店でも同じだ、自分に合う、合わないはそれから判断すべきだと思う(笑)。


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本郷三丁目「二代目甚八」

 文京区本郷から御茶ノ水を経て、神田神保町と小川町へかけては、学校や予備校が多く存在するが、有名なうどん店も幾つかある。特に知られるのは「丸香」「こくわがた」「竹や」「野らぼー」「水道橋麺通団」等だが、「はなまる」「丸亀製麺」みたいなチェーン展開によるセルフ店もある。
 蕎麦文化圏である東京でこれだけうどん店があるのは、地方出身者が多いための多様性対応があるのではないかと思っている。
 今回紹介する本郷三丁目の「二代目甚八」は、三重県出自のうどん店で、鈴鹿市にある㈱エビスカンパニーが運営する東京店。店の場所は地下鉄本郷三丁目駅と湯島駅の中間位、日本サッカー協会前の道を「サッカー通り」と呼んでいるが、その近くだ。
 この店については、WEB上の情報から「伊勢うどん」の店と認識していたのだが、ウィキペディアによると「伊勢うどん」とは、「たまり醤油に鰹節やいりこ、昆布等の出汁を加えた、黒く濃厚なつゆ(タレ)を絡めてたべるものが主流」とあるため、数あるうどんの中の一種を指すみたいだ、二代目甚八ではメニューの中に「伊勢うどん」はあるが、その他のメニューもあるから、正確には「三重発祥で『伊勢うどん』も提供するが、讃岐系の要素も取り入れているうどん店」と思った方が良さそうだ。

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 通りに面した店舗は明るくて入り易い雰囲気、年末年始等の大型連休を除いた年中無休店で、且つ11時から21時まで昼夜間の中休みなしで営業している、これは食事時間が不規則になり易い外回りのサラリーマンや近隣の住人にも、ありがたく重宝する存在だ。この日も午後3時過ぎに入店したのだが、こんな時間でも数人が食事中だった。

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 店内は広く50席前後ある、カウンター席に座りメニューを見るが、問題の「伊勢うどん」(税込454円)にも惹かれたが、この日はとても暑い日だったので、冷たいうどんが食べたくなって、「野菜天のぶっかけうどん」(772円)をお願いする事にした、同時に野菜ビュッフェ(205円)も興味津々だったので注文する。

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 まず野菜ビュッフェは、キャベツ&醤油ドレッシング、蒸しさつま芋、モヤシのナムル、キュウリ漬物の4種にデザートの意味なのかゼリーが1種、食べ放題だが原価は安い物ばかりだし、何回も食べたいとは思わない(笑)、ただ外食が続くと野菜不足になり易いので、単身者などにはいい試みだと思う。

 私の後から入って来た客に先にうどんが出ているのを見ると、どうやら天ぷらを注文毎に揚げているようだ、これはセルフ系店とは違い好感が持てる、店内にはうどん用地粉の袋が積んであり、自店で打っているのは間違いないと思う。

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 暫くして運ばれて来たのが「野菜天のぶっかけうどん」、この赤色の丼はインパクトある、厚みのある野菜かき揚も綺麗に揚がっていて、見かけは美味しそうに見える(笑)。まずは冷たいツユを一口、おそらく讃岐と同じく昆布とイリコ主体の出汁?甘味に独特さを感じるのは、地元三重の醤油を使っているせいか。
 次いでうどんを食べる、歯応えは柔らか目だ、讃岐より大阪の「今井」とか「松葉」のうどんみたいで、コシは讃岐ほど感じないが喉越しはいい。
 薬味で上に乗せた大根おろしとツユ、うどんをかき揚げを崩しながら食べていくと、なかなかいい食感と味わいだ(笑)。

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 最後は野菜ビュッフェにあったゼリーで終了、柑橘系味だがゼリーと云うより名古屋名物の「ういろう」みたいな味(笑)、でもこれはこれで悪く無かった。

 此処のうどんが気に入ったので、翌週すぐに再訪した、つまり「裏を返した」(笑)。この時は温かいうどんを食べてみたくなり、

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・大判きつねうどん(605円)

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・ついでに味ごはん(313円)も

 値段は東京価格だが、どちらもなかなか美味しかった、出汁の香りや味わいは良い。大阪うどんと讃岐うどんの中間位の位置づけになりそう、東京在住の西日本出身者が「うどんが食べたい」と思い、この店へ行けばある程度満足するのではないか、そうした普遍的な味だと思う。
 「そのために出かける価値がある卓越した店」と云うより、「東京圏では美味しいうどん店」だと思う、職場の近くにあれば週一で通う(笑)。
 東京の讃岐うどんの有名店は行列になる事もあり、食べていても忙しない、この店はその点ゆっくり出来るし写真も撮れる(笑)、近くに行く事あれば、寄ってみる価値あると思う。なお正式な店名は「本気のうどん 二代目甚八」で、初代の「甚八」は三重県亀山市にあるとの事だ。


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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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