最後の晩餐にはまだ早い


2015年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いて、デザート&スイーツ編の「今年印象に残った店」を紹介、料理編と重なる店もあります。
 まずは、六本木「ル・スプートニク」の高橋料理長が、代官山「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」時代の、
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・苺とハイビスカス ヨーグルト
 味だけでなくビジュアルも美しいデセール、新店でのデセールはまだ大人しく感じたが、これからに期待したいと思う。

 続いて外苑前「フロリレージュ」の、
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・旬 チョコレート
 これは旧店舗時代の名作「青山の土」の新バージョン、この店も移転当初デセールは地味目だったが、ようやく旧店舗時代に近付いてきた印象を持った。

 料理もデザートも両方いい店は意外と少ないものだが、その一つ麻布十番の「ビストロ・コティディアン」から、定番ながら王道の、
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・チョコレートのテリーヌ

 チョコレート系が続くが、ドルチェも作る若い料理長のセンスが光る、同じく麻布十番「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」の、
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・生チョコレートのタルトとビーツのヴァリエーション
 このビーツの使い方は、見た目も味も鮮烈だった。

 同じく1980年代生れの若手料理長がいる、新橋「スブリム」の、
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・ショコラ ヨーグルト ベリー
 独特な質感のプレートも含めて、A・タピエスの抽象画を思わせる様なビジュアルが印象的だった。

 東京以外では、新パティシェールに交替した和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の、
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・四角いプラリネ、トンカフェのアイスクリーム

 薪による熾火調理の本流本家、神戸・元町「bb9」の、
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・薫香のアイスクリーム

 札幌ススキノ繁華街真中にある雑居ビル内ながら、本格的フランス料理を提供する「サヴール」の、
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・バトン・ド・ショコラ“フランボワーズ”

 行ったばかりで、まだブログにはUPしていないが、御茶ノ水(秋葉原)「ビストロ・ヌー」の、
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・ミックスベリーのタルトとバニラアイス
 間違えて発注してしまったらしい、タヒチ産の高級ヴァニラを使ったアイスは、今年一番の出来だった(笑)。

 レストランデザートは以上だが、今年は街場のパティスリーにも収穫があった、まず私の地元下町足立区に、これ程本格的なパティスリーが出来たのは驚きと思えたのが、梅島「ラヴィアン・レーヴ」の、
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・和栗のモンブラン

 勤め先近くに9月にオープンしたのは、春日「アヴランシュ・ゲネー」の、
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・モンドール
 この2店は共に秀逸だった、日本の材料でもこれだけ本格的なガトー類が作れる時代になったのかと、感慨深かった。
 そして最後になるが、このおかげでXmasが例年になく豪華になった(笑)、表参道「グラッシェル」のアントルメグラッセ、
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・「クープ・ドゥ・クール」

 今年一年間、このブログをお読みいただき、ありがとうございました。
 前記事でも触れたが、今年の東京はレストランの新規開店ラッシュだった、その一方で年内に閉店してしまった店も数多く、これを「世代交代」と云っていいのかどうか。
 レストランへ行く総人口は増えていない様に感じている、総数が一定の客を取り合うので、満席が続く店があったとしても、それは別の店から移って来た客でしかない。
 職場の若い人達と話しても、彼・彼女達は外食にお金を使わないなと感じている、「将来が不安だから貯金している」と答える彼等に、レストランの面白さ、こうした場所で大人の振る舞いが出来る楽しさを、もっと伝えるのが我々老境グルメ?の役割ではないかとも考えている(笑)。
 来年は飲食業種全体が、もっと元気になれる年であって欲しいものだ。
 皆様にとっても、来たる新年が希望の持てる一年である事を願っています、どうぞ良い年をお迎えください。

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2015年「今年印象に残った店」(料理編)

 今年も残りはあと一週間になった、ブログ更新も2回の予定なので、毎年恒例の「今年印象に残った店」を、自分の忘備録の意味でも残しておきたいと思う、昨年同様に「料理編」と「デザート・スイーツ編」の2回に分けたい。
 断っておきたいのは、あくまでも私の主観による「印象が強かった店」なので、今年行って選ばなかった店が「美味しくなかった」と云う訳ではありません、食ガイドのランキングや格付けとは全く意味が違うので、それを汲んで読んで欲しいと思う。
まずは料理編からで、

・外苑前「フロリレージュ」
 今年の東京フランス料理界で一番の事件は、フロリレージュの移転(3月)だったのではと思っている。ただ店が動いただけでなく、コンセプトが大幅に変わった、新店へ行っていない人には、「とにかく一度行ってみてください」としか言えないのだが、賛否両論ある事は承知の上で、これからの東京レストラン界を牽引する店である事は間違いないと思う。

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 料理は新店訪問一回目の「分かち合う 緑苺 (北海道産仔羊)」

・六本木「ル・スプートニク」
 今年、東京フレンチは新店ラッシュだったが、その中から一店選ぶとなると、やはりこの店だろう、前「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」料理長だった高橋雄二郎氏が、7月に開業した店。感性豊かな料理&デセールに定評ある料理長が提供する料理と、女性支配人田村さんの細やかなサービスが印象的、これから更に進化して行く店だと思う。

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 料理は3回目訪問時の「スコットランド産グルーズ(雷鳥)のロティとカイエット、内臓のソース」

・大阪上本町「コーイン」
 「私の大阪」ならこの店。誰にでも薦められる店ではない、ある意味「終末道場」みたいな、フランス料理を食べ尽くした人間が、最後に辿り着く店だと言える。高原価な食材と自ら作った野菜を、「これでどうだ」と料理に物量投入する孤高の料理人には、狂気と背中合わせの「醒めた理性」を感じて、毎回寒気を覚えてしまう(笑)。

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 料理は2月訪問時の「高知産雌鹿のロワイヤル、畑のジャガイモのピュレ」
「今年の一皿」は、これか前述の雷鳥かで甲乙付け難い。

・麻布十番「グリグリ」
 仏政府が提唱した「グー・ド・フランス」の日の特別メニューは、1990年代テイストでこの店へのイメージを変える料理だった、「フランスのフランス料理が、本当に美味しかった時代」を思い出させてくれた、この料理なら何度でも食べたい(笑)。そう云いながら、その後今年は行けなかったので、伊藤料理長すいません(笑)。

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 画像は「オランダ産リ・ド・ヴォーのフリカッセ、モリユとアスパラガス、焦がした粉のニョッキ、シャルトリューズ風味」

・札幌「プロヴァンサル・キムラ」
 今年もやはり札幌はキムラで決まりか(笑)。職人気質な料理長とそのまま「PARISのマダム」の絶妙コンビは健在でした、夫婦漫才同様に夫妻二人で営むフランス料理店は減少しているが、札幌では佳店がまだ幾つかある、「我家に招かれたみたいな」店へ行きたいのなら、迷わず札幌へ行くべき(笑)。

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 料理はこれが本場物の「ボーヤファーム産仔羊のキャレとタン、旭川野菜」

・池袋「シュヴァル・ド・ヒョータン」
・曙橋「ジュー・ドゥ・マルシェ」
 「女性活躍推進法」の意義はよく判らないが、女性料理人ならようやくこの業界に本格的な進出が始まったと思う、今年訪れた女性料理長の店は、共に非凡な才能を感じさせてくれた、来年は彼女達に続く人材が出現するのを期待したい。

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 前者からは「オーストラリア産仔羊芯のロースト、オッソイライティチーズ風味」

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 後者は「北海ホタテとシモタ農芸野菜のミルフィーユ、ハーブの香り」

 1980年代生れと云う、激若な料理人達が登場して来たのも今年の特徴、私が行った中で挙げておきたいのは、

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・稲荷町「キエチュード」の「アスパラガス サラダ フヌイユ」

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・麻布十番「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」の「アナゴの白焼、スモモと水ナスのサラダ、オレガノ、バルサミコ」

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・新橋「スブリム」の「発酵マッシュルーム 卵」

 行きたかったが叶わなかった、名古屋「レミニセンス」の料理長は何と1985年生れとか、恐ろしい時代になって来た(笑)。

 フレンチ、イタリアン以外で特に印象に残った店では、

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・東上野「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」の「柔らかラムビリアニ」

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・大阪・長居「又三郎」の「熟成肉のカツレツ」

 この2店を挙げておきたい、前者は驚異的なキャリテ・プリで、後者は熟成肉提供のパイオニアとして、遠回りしてでも訪れたい店だと思った。

 デザート&スイーツは次回に。



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南花畑「そば政」

 「路麺」と云う言葉がある、「路傍の麺」から付けられたと云うのが定説で、元々は立ち食い蕎麦店全般を指していた、東京の場合「蕎麦店」と云いながらも饂飩も提供する店が殆どだが、饂飩だけを提供する店は路麺と呼んでいない気がする。
 また最近は女性や高齢者への配慮から、椅子を備えた店も増えているので、厳密な定義は曖昧だが、大体以下の様な店が路麺の分類になるみたいだ、
・ワンコイン(500円)以下で蕎麦一杯が食べられる。
・原則食券か手渡しで料金前払い、飲料水はセルフサービス。
・丼等を運ぶのは客側が行う、店側の人間は厨房から離れない。
・注文から出来上がりまでが早い。
 要は「安い・早い・旨い」が原則で、サラリーマンには強い味方となる飲食店である事は間違いない(笑)。
 路麺には熱烈なファン達が居て、「ロメオタ(路麺オタ)」とか「ロメンダー」と呼ばれている(笑)、彼等(女性のロメオタ居るのかな?)が書いているブログやサイトも結構あり、私も時折見ているが、これが「ラオタク(ラーメンオタク)」と呼ばれるラーメンフリーク同様に、マニアックな人が多くて面白い(笑)。
 WEB記事を読んでいる内に、私の地元でこうした路麺ファンに賞賛されている店があるのを知った。それが今回紹介する足立区南花畑にある「そば政」だった、我家から自転車で何とか行けそうな距離なので、天気の良い平日休みに出かけてみる事に、店は土日が休みだ。

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 場所は足立車検場の近く、交通アクセスはよくない。一番近い駅はつくばEXの六町駅だが、歩くと30分近くかかる、あとはバスだが、客の殆どは地元民か車検場関係の人間みたいだ、営業時間は朝7時半から15時頃までで、その日分の蕎麦がなくなると早仕舞いするとの事だ。

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 店入口の看板には、蕎麦類の値段が掲げてあるが、これだけ見たら値段安めの街中の蕎麦店と云う感じだ。
 建付けのよくない引戸を開けると、入口直ぐの場所に券売機とセルフの冷水機。「天ぷらが美味しい」とWEB情報にあったので、「天ぷらそば」か「天もりそば」と迷うが、「天丼」の文字に惹かれて、結局「天丼セット」(720円)に決めた。食券を出すと「温かい蕎麦、冷たい蕎麦どちら?」と訊かれたので、もりそばでお願いした。

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 店は夫婦(たぶん)二人だけで営業している、建物は相当年季を積んでいるが、厨房器具等は手入れが綺麗にされている。
 カウンターのみの14席、10時の入店時は半分位の客入りだったが、その後次々と客がやって来て、ほぼ満席になった。車検場関係者だろう、つなぎの作業服を着た男性客も数人居るが、乳児を連れた若夫婦も入店して来て、ちょっと驚く。
 まず感心したのは、天ぷらを注文の毎に揚げている事で、これだけで街中の路麺店で見る、揚げ置きした天ぷらとは次元が違う。

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 短めの待ち時間で出て来たのが、天丼ともりそばのセット、第一印象は「量が多い」(笑)、こうした店ではセット物を頼むと、それぞれが半分の量である事が多いが、此処ではそれぞれが十分に一人前ずつある。

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 まずは蕎麦からで、厨房の奥に製麺機が見えるので、機械打ちながら自家製麺みたいだ、加水率が高めでわりと柔らかな麺、蕎麦の香りはあまりしないが喉ごしはいい。蕎麦粉と小麦粉6:4位の配合だろうか?ツユは辛めの江戸風、WEB情報ではご主人は藪系蕎麦店で働いていたとの事で、藪の流れを汲むものかも知れない。

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 蕎麦だけならそれ程驚かないが、天丼が凄かった。内容は海老(小さいが)2本、キス、イカ、さつま芋、揚げたてを江戸前の黒い丼タレに絡める、辛口の味付けで「江戸前天丼はこれだ!」と思わず膝を叩きたくなる、ご飯の質もいい、この天丼だけで東京都心なら800~1,200円は取れそうだ。

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土瓶に入った「そば湯」

 蕎麦も天丼も「かっ込む」と云う言葉を使いたい程、夢中になって食べてしまった。何処か懐かしい味で、子供の頃に出前でよく食べた、東京下町の蕎麦屋を思い出す。これは予想以上に実力のある店だ、「路麺」のカテゴリーには納めきれないし、そうかと云って、セイロ上に少量の蕎麦が乗った趣味系高級蕎麦店とも違う、でも「また行きたい店」である事だけは間違いない(笑)。

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 この記事を書くにあたり再訪問する事に、注文は同じ天丼セットだが、寒い日だったので「かけそば」にしてみた、麺が柔らか目なので、どちらかと云えば冷たい蕎麦の方が好みだが、でもこれもなかなか美味しかった。
 値段も含めて考えれば足立区が誇れる名店だと思う、ご主人はお年を召しているが、この先も続けて行って欲しい、そう願う店だ。


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表参道「グラッシェル」(2015年12月)

 「メディア向け新作レセプション」なるものに招待をいただいた、薄物を纏った長身女性が闊歩するあれではなく、このブログでも取り上げた事のある、表参道のパティスリー「グラッシェル‘GLACIEL’」での話だ(笑)。
 美人マヌカンも勿論いいが、スイーツも十分守備範囲なので、喜んで参加させていただく事にした、招待資格は零細ながら一応「ブロガー」と云う事で(笑)。

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 Xmasイルミネーションが光り乱れる表参道通り、「横断歩道では立ち止まらないでください」との、パンダ見物並の誘導が煩い表参道ヒルズ前だが、東京ユニオンチャーチの角を曲がって進むと、急に辺りが静かになる、そこに「グラッシェル」がある。
 入口でレセプション参加者である事を告げると、2階のカフェスペースへ案内される、此処に来るのは4回目だ。
 18時の開始時間に、今回の企画担当者と本間シェフ・パティシェールの挨拶があり、さっそくアイテムのお披露目となった。その後すぐに試食になったので、食べた感想と共に紹介したい。商品は全て此の店の代表商品であるアントルメグラッセ(アイスクリームケーキ)で、今回の新作はナマコみたいな楕円形、店では「オーバルグラッセ」と名付けている。

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・フレーズヴァニーユ(上の画像では右中、ピースの画像では真中)販売価格2,700円
 名前のとおり苺とバニラ、アーモンド生地に苺のアイスとマスカルポーネのソルベ、紹介のとおり一足早い「春」を感じさせる軽やかな味わい。個人的には何かもう一捻り欲しいが、これはアントルメグラッセ初心者向けのベーシックアイテムだと思う。

・フレーズピスターシュ(上では手前左、ピースでは手前右)3,300円
 ピスタチオの緑が鮮やか、構成はピスタチオソルベ、バニラアイスに木苺系のソースで上に苺スライスが乗る、これも全体的に軽やかな印象だが、苺と比べるとピスタチオの脂分がある違いか、濃厚感は増している。

・ラクテフランボワーズ(上では左奥、ピースでは手前左)3,400円
 タルト生地にフィアンティーヌとアーモンド、上にピスタチオとチョコレート、更にその上にはフランボワーズのソースとフランボワーズ入バニラとミルクチョコアイス、上にはフランボワーズ本体を乗せると云う、手の込んだもの、濃厚でミルクチョコの香りに包まれる印象。

・ティラミス(上では右手前、ピースでは左奥)2,500円
 おなじみのティラミスだが、これをアントルメグラッセで表現、コーヒーとマスカルポーネのアイスクリームが主体、見かけは他商品と比べると地味だが味は私好み(笑)、「食べた事のある味」は脳が安心するのかも知れない。

・キャラメルショコラ(上では右奥、ピースでも同じ)2,700円
 個人的にはこれが一番気に入った。サブレ・ブルトンヌにヴァローナのチョコレート、キャラメル&チョコレートアイスの中にはバニラアイスと云う、書いているだけで「美味しくない訳がない」。濃厚でいながら軽やかさもあり、幾らでも食べられそうで、ちょっと怖い(笑)。

 同店で既発売のアントルメグラッセに比べると、少し形を小さくし楕円形にしたのは、持ち運びとカットのしやすさ、更には求めやすい価格にする事で、若い女性のお小遣いでも買えるのを考慮したみたいだ。
 特に今回の商品発売は1月4日からとの事で、2月14日のバレンタインデーに狙いを絞ったのもあると思う、例えばフレーズヴァニーユやキャラメルショコラの2,700円は、見た目も洒落ているので、女性がこれで勝負を賭ける?には、いいアイテムになりそうだ(笑)。

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 アントルメグラッセ5ピース食いで、一気に血糖値上がったが(笑)、更に試食は続き、フルーツを使ったソルベが2種出てきた、一つはレインボーキウイ、もう一つはジャバラと云う名前の珍しい柑橘、どちらも美味しいソルベでこれから人気が出そう、本間シェフが愛媛で見つけた食材との事で、実物も見せてくれた。

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 アールグレーの紅茶も香り高く美味しかったし、シェフの提案で試したベルギー黒ビールとスイーツの意外な相性も面白かった。年末の慌ただしい中ながら、スイーツに囲まれて豊かな時間を過ごせました、ありがとうございました(笑)。

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 1階のブティックで販売されるアントルメグラッセ等も、本間シェフの時代になって雰囲気が少し変わった気がする、「女性らしい」と云うと、今の時代適当ではないかも知れないが、夢と遊び心が感じられるアイテムが多くなった。

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 女性スタッフ達の笑顔は素敵で居て楽しくなる店だ、カフェで過ごすのも、持ち帰りで楽しむのもいい、スイーツ好きなら一度訪れてみてください、きっと笑顔になれる筈(笑)。


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外苑前「フロリレージュ」(2015年11月)  

 今年の3月に、南青山から外苑前熊野神社隣の新築ビル内に移転した「フロリレージュ」、私は4月、6月、9月に続いてこれが新店4回目の訪問で、季節は少し早いかも知れないが、春夏秋冬の料理を全部体験出来る事になる。
 今回は以前からお付き合いさせてもらっている、尊敬するエピキュリアンなご夫妻と、やはりグルメで百科事典みたいな知的女性と同行したので、何時にも増して大人の会話と知力が試されるコンヴィヴィアリテな集まりになった、でもフロリレージュなら不足はない、今の東京で美味しいだけの店なら他にもあるが、此処みたいに席に座っているだけで、知能を刺激されるレストランはそう無いと思う(笑)。
 現地集合は19時、加齢に伴って最近夜遅いのはめっきり弱くなり、本音はランチでも訪れたいのだが、この店みたいに土日の予約が取り難いと、2ヶ月先の平日が休めるかどうかは怪しく、せっかく取れた予約をキャンセルにはしない様に、安全策でディネばかりになってしまった、でも店側が本気出すのは、やはり昼より夜だろうと思うが。

 シャンパーニュとノンアルコール白葡萄泡ジュース(笑)で乾杯、オペラ全曲にも匹敵する、滞在3時間半の料理全品をまず紹介したい、

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・投影  蕗の薹

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・落ち葉  烏賊

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・出逢い  牛 蛤

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・コントラスト  フォアグラ

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・想い  牡蠣 蕎麦

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・包む  海老

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・古来  甘鯛

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・分かち合う  塊肉(茨城産青首鴨)

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・リフレッシュ  蜜柑

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・テクスチャー  柿

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・旬  チョコレート

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・ホオズキのパートフリュイ
・奈良かぶせ茶

 この日はオペラの話題で盛り上がったので、それに因んで例えてみたいと思う。
 軽快な序曲は蕗の薹のフリット、真冬はこれからなのに、イメージは早くも春の息吹(笑)。烏賊はレモンソースで軽やかに、これはソプラノのアリア「私の名はミミ」だろうか。
 続く宮崎産経産牛のカルパッチョは、中にクルトンを忍ばせて、いいアクセントにしている、ソプラノに絡む色男テノールが歌う「ドン・ジョヴァンニ」の二重唱「手を取り合って」。
 第一幕を閉めるのはフォアグラ、重厚なバスがザラストロのアリアを詠唱する、季節の栗が絶妙なオブリガートになっている。
 第二幕冒頭は牡蠣、手打ち蕎麦との二重唱は大胆な展開で、「メリー・ウィドウ」から「唇は黙して」、これを箸で食べる。続く海老はその可憐な姿から、ケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら?」。
 魚は甘鯛、良く行われる鱗を付けたまま焼くのではなく、和食みたいに蒸したフィレ身にブールブランと云う古典的な手法、これは夜の女王のアリアかカルメンのハバネラか?(笑)。
 そして肉料理は茨城産の青首鴨(コルヴェール)、塊肉を客に見せて「分かち合う」儀式?の後、エマンセ(薄切り)して盛付けサルミソースで完成、「鴨が餌をついばむ」をイメージした松の実がいい相性を見せる、真打登場と云う感じで、これは「トスカ」から「星は光りぬ」では?
 終幕はあくまでも軽やかに、ミカンの酸味を効かせた冷菓は「私のお父さん」、続く柿とクレープは「こうもり」の「田舎娘を演じる時は」あたり、そして大団円のショコラデセールは「誰も寝てはならない」、もうこれしかないでしょう(笑)。

 つい悪乗りしてしまったが、フロリレージュの料理はどんな音楽にも合いそうな気がする(笑)、それだけの柔軟性があると思う。従来「絶対的」だったフランス料理の世界に、こうした和食的な相対性を持ち込んだのが、新店舗での川手料理だと云える、これには当然賛否あるが、私は21世紀になってからのフランス料理界は閉塞していたと感じていたので、こうした試みは賛成したい。見た目だけ和を導入したフランス料理店もあるが、それらとは一線を画している、何と云っても食べて美味しく見て楽しい(笑)。
 ドリンクペアリンは他のワイン組が羨ましがる程、前回にも増して面白かった (笑)、此処はある意味大人のアミューズメントパークだ。

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 スタッフに新しい人材が増えたので、サービス担当に尋ねたら、3月までの旧店スタッフは料理長以外では、もう2人しか残っていないそうだ、それでいてこのレベルを維持しているのは凄い。これはメンバーが入れ替わっても、グループのポテンシャルを維持する、「AKB48」みたいな21世紀型と云える。「コートドール」「ラ・ブランシュ」「ル・マンジュ・トゥー」みたいな、料理人とサービスによる不変コンビは、やがて消えゆく20世紀型なのかも知れない、本人達は元気で続ける気はあっても、突然親の介護で止めなければならない時が来るのが現代だ。
 レストランの楽しさは相客によって倍増するという、当たり前の事を再認識した、この店に相応しい、気の利いた会話と大人の振る舞いが出来る様、自分をもっと磨かないといけない、そう思った夜だった(笑)。


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新橋「スブリム」

 今年10月30日にオープンした新橋「スブリム‘Sublime’」は、若い感覚に溢れた新しいコンセプトのレストランだ。
 オーナーはサービスマン出身の山田栄一氏、過去「FEU」「エディション・コウジ・シモムラ」等、都内フランス料理の名店で経験を積み、今回満を持して自店を開業、新規オープンが続いた、今年の東京レストラン界の舞台上へ登場した。
 料理を担当するのは加藤順一氏で、名門調理師学校を卒業後、「タテル・ヨシノ」グループ〜PARIS「アストランス」〜デンマークのレストラン2店〜国内レストランを経て、今回新店の料理長に就任、1982年生まれと云う激若料理人だ。
 古典からモダンフレンチ、更にはモダンノルディック(北欧)まで、守備範囲の広い二人のコンビが、どんな料理を発信するのか、開店前から東京の一部グルメ達には話題になっていた店だ。
 私は山田氏とはFEU時代から面識があり、加藤料理長とも前店で会って話していて、オープニングレセプションにも参加し、新店へかける抱負を両人から聞いていたので、訪問を大変楽しみにしていた、開業後一ヶ月も経っていないが、この夜グルメ仲間を誘って早速訪問する事になった。

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 店の場所は新橋駅前から続く雑多な飲食店街を抜けて、通称「マッカーサー道路」と呼ばれる環状2号を渡って間もなく、店の向かいには塩釜神社がある、此処も「神社の近くには名フレンチあり」の法則狙い?(笑)。
 新しいビルの地下1階だが、ドライエリアに連なっているので閉塞感はない、ドアを開けると、北欧調のシンプルな空間が広がる。配管剥き出しの天井に木の床、クロスを省略したテーブル席は4卓だが、他に個室も備えている、オープンキッチンで厨房の様子は全て客席から見え、全体的にはカジュアルで堅苦しくない雰囲気だ。

 山田オーナーと加藤料理長に挨拶し、始まったディネ(10,000円税・サービス料別)全品をまず紹介、

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・モルト 馬肉

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・栗南瓜

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・菊芋 トリュフ

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・蟹 ブリッコリー ディル

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・発酵マッシュルーム 卵

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・厚岸産牡蠣 ハーブ

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・和歌山産サワラ 甲殻類のコンソメ

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・蝦夷鹿内腿 ソース・ポワヴラード

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・洋梨 キャラメル

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・ショコラ ヨーグルト ベリー

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・デンマーク風パンケーキ ローズヒップ

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・栗の糖蜜(右) ヴァニラアイスクリーム

 前菜は少量多皿仕立でモダンフレンチ+モダンノルディックの印象、ハーブや野菜を多用し、味わいはあくまでも軽め、味、見た目の色合い、食材の組合せは面白い。故辻静雄は料理を食べて料理人のおよその年齢を言い当てたと云われるが、辻でなくても「これは若い感覚の料理だ」と思う、液体窒素料理まで登場(笑)。
 中でも印象的だったのが、発酵マッシュルームと半熟玉子を使った一品で、加藤料理長が勤めていた前店でもスペシャリテだった料理だ、北欧は日本と比べると食材の種類が少なく、料理の構成要素も限られる、そこで生まれた知恵で、マッシュルールを一旦発酵させ、その発酵汁で新しいマッシュルームに味を加えると云う面白い技法だ。
 印象がガラリと変わったのが、魚料理の鰆と肉料理の鹿で、どちらもボリュームを持たせ、ソースもしっかりとした味付け、モダンからクラシックに急に舵を切ったみたいで、これは吉野建氏のエコールだなと感じた。
 デセールはまた北欧に戻ったみたい(笑)、少ない構成要素ながら、テクスチャの面白さと素材を生かした、なかなか印象に残る内容だった。

 料理一品一品の精度は高く、いい教育を受けてきた料理人なのは判った。少し気になったのは、前菜・主菜・デザートでそれぞれ色合いが違い、統一感が若干薄れた事で、例えて云えば、三楽章の交響曲を三つのオーケストラが一楽章ずつ演奏したみたいな感じも受けた。
 実はこの二日後に「フロリレージュ」を訪れたのだが、開店間もない店と比べるのはフェアでないのは承知の上で、各料理間の有機的な繋がり、ムニュ全体の中での起承転結の置き方等、やはりフロリレージュは流暢でこなれている。こうした点は経験を積んで改善していく事を期待したいし、十分それが出来るポテンシャルある料理人だと思う。
 サービス担当は山田氏一人だが、皿出し&片付けは料理人も行う、オープンキッチンの利点だ。それもあって、店全体は肩の凝らない柔らかさがあって寛げる。
 札幌でも大阪でも感じた事だが、店が「いい店」になるのには時間がかかる、一朝一夕では決して出来上がらない、それはオーナーも料理長も理解している筈だ。

 なお店名の‘Sublime’は仏語で「崇高な、高尚な」の意味で、デンマーク語でも同じだそうだ、店名に追い付く日もそう遠くないと思う(笑)。


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大阪・長居「又三郎」

 大阪最終日は16時に関空発のLCC搭乗のため、長時間のランチ滞在は難しい、時間のかかるフレンチやイタリアン以外を候補に、且つ空港からあまり遠くない場所で、月曜日に営業している店となると、これが難しい。こうした時は食仲間の「南大阪のドン」氏に聞くのが一番なので、相談をしてみると、名前が挙がったのが空港へのアクセスがいい、阪和線の長居にある「又三郎」だった。
 元々焼肉店からスタートした店だが、探究心旺盛な女性オーナーが、他店より美味しい肉を客に提供したいと考え、辿り着いたのが、当時米国で始まっていたドライエイジング(乾燥熟成)法による熟成させた牛肉だった。
 乾燥熟成肉について説明すると長くなるので簡単に留めるが、長所としては、熟成期間中に、酵素の働きにより肉の繊維が壊れ、旨味成分が増し肉質も柔らかくなっていく点。短所としては長期保管スペースの確保、水分蒸発や乾燥部分のカット(トリミング)に伴う重量ロス等によりコストアップに繋がり、業界用語で言う「歩留まりの悪い」やり方になる点等が挙げられる。
 長所短所を勘案して導入した熟成牛肉だが、瞬く間にブームとなり、特に関西圏ではパイオニアとしてマスコミにも取り上げられ、熟成肉提供の代表的な店になって現在地に移転し、近くには支店のステーキスタンドも開業した。

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 私はこの店の荒井オーナーとは共通の知人が居た事から面識があったが、実際に店で食事をするのは今回が初めて、在阪の友人を誘ってみたら、さすが「又三郎」の名は大阪では知れ渡っていて、「以前から行ってみたいと思っていました」と、賛同の返事を得られたため、現地集合で合流する事になった。
 店はJRと市営地下鉄の長居駅至近のホテル内に併設され、サッカー場、陸上競技場を備えた長居公園も近い。11時半の開店時間に着いたが、開店と同時に数組が入店、我々の後も次々と客がやって来て、殆ど満席の状態になった、平日のランチタイムでもフリの客は少なく予約客が殆どなのは、この店の近くには類似店が見当たらない事もあると思う。
 荒井オーナーと大森料理長の好意により、通常ランチタイムには使用しないキッチン前のカウンター席に座らせてもらった、これはスペシャルシートだ(笑)。また料理も通常のランチメニューとは違い、夜料理も加えた特別メニューを組んでくれたのも、オーナーと料理長の配慮からで、その内容は以下のとおり、

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・この日のメインになる炭焼ステーキ用熟成肉の紹介、岩手県産黒毛和牛のサーロインとウデ肉、どちらも30日熟成。

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・七輪(関西では「かんてき」と呼ぶ)に熾した炭火で、料理長が直に網焼きする、焼く→アルミホイルに包み休ませ、これを3回繰り返す。

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・熟成肉で作ったシャルキトリーと野菜の盛り合せ

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・熟成肉を挟んだハンバーガーとコンソメ

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・熟成牛肉のカツレツ

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・厚切ステーキ、カンボジアの生胡椒、岩塩、ビーツのマリネ、ポテチ(笑)

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・自家製ヌガーグラッセ
・コーヒー

 普段の私は決して肉食男子ではない、焼肉店は滅多に行かないし、家での食事に肉がなくても平気だ、そのため前菜からメインまで肉が続くと飽きるのでは?とも考えていたのだが、それは全く杞憂だった。この日提供された肉はどれも味の幅が広い、食べ始め、中間、最後と単調さがなく滋味があるので、食べ進められる。これが熟成肉の特徴なのかどうかは私の浅い経験では分からないが、ただ美味しいかどうかなら、間違いなく美味しい牛肉だ。
 特に印象に残ったのが、まずカツレツで、ディープフライではなく、フライパンでパネした牛肉を両面焼き、その後オーブンで火入れしたとの事だが、適度な火を加える事で熟成した肉の香りが一気に増す、人間でも運動後は体臭が増えるがあれに近い、もちろん若い雌牛なので加齢臭ではない(笑)。
 ステーキの火入れは文句なし、炭火による網焼きと云う、最もシンプルなやり方だが、だからこそ経験と判断力が必要となる、温度計を差してコンベクションで何分と云う調理法とは対極だ、焼き上がった肉は歯応えや肉味の濃さが絶妙、特に赤身のウデ肉に惹かれた、これならソースはいらない塩だけで楽しめる。
 今はファミレスのメニューにも「熟成肉」が載る時代だが、ただ肉を寝かせれば美味しくなる訳ではない、又三郎のオーナーも、現時点で最良と思ったから採用し、日々試行錯誤しているが、次なる手段があれば移行すると思う、あくまでも「美味しいものを食べてもらおう」との探求から採用した手段なので、客はそこを誤解してはいけないと思う。

 料理も良かったが、オーナー以下スタッフのモチベーションが高く、店全体に活気があって、それが客席に伝わって来る。「レストラン」の語源は古い仏語の「(元気を)回復させる」だと云われているが、此処は元気を貰える「いいレストラン」である事は間違いない。

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 最後は特別店員?のPepper君まで登場(笑)、これも客に楽しんでもらおうとのオーナーの発案らしい。例えば東京の「フロリレージュ」に行った後は、「美味しかった、楽しかった」と思うが、この店にも共通するものを感じた、いい店だ。
 荒井オーナー、大森料理長、お気遣いありがとうございました、私は打立ての饂飩をお土産に持って東京に帰ります(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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