最後の晩餐にはまだ早い


代々木公園「365日」

 地下鉄千代田線の代々木公園駅近くにあるブランジェリー「365日」は、店名のとおり年中無休で営業している、ただし閏年は366日になるので、2月29日は「定休日」にするそうだ、なかなか洒落を効かせている(笑)。
 2013年12月にオープン、すぐに人気店になった。店主は杉窪さんと云う人で、やはり人気ブランジェリーの「デュヌ・ラルテ」で働いていたと聞く。
 代々木公園駅から少し歩く富ヶ谷には、1984年創業の老舗で自然派のブランジェリー「ルヴァン」があり、私も以前何度か買いに行っていた、その場所へ新世代店として参入したので、ブランジェリー新旧世代が揃った事になる。
 私がこの店を知ったのは、あまり離れていない場所にある、カウンダー席でモダンスパニッシュ料理を提供する「アルドアック」で提供するパンが365日の物だったからで、その時の印象では「個性を感じさせながらも、料理の邪魔をしない」と思った。
 一度パンを買いに行きたいと思っていたが、我家から代々木公園は、地下鉄千代田線の始発から終点の一つ前の駅までの大旅行?になるので、なかなか機会がなかった。特に今は現役時代と違い通勤定期を持たないので、千円のパンを買いに行くのに往復500円以上かけるのは、なかなか思い切った支出になってしまう(笑)。
 この日は近くに用事があったので、ようやく店まで行く事が出来た、「特に土日は混んでいる」と事前に聞いていたが、幾ら何でも「若冲展」みたいな事はないだろうと思い(笑)、地図で位置確認をしながら店の前へ。

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 ブランジェリーと云うより和食店みたいな店構え、引戸を開けると目の前にパンが並び、右手はイートインスペースのカウンター席、左手が販売スペースになっている。

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 パンは一応目の前に並べてあるが、トレイ式ではなく対面販売、自分の順番になれば買いたいパンを選んで店員に指示し、トレイに乗せてもらいレジへ、これならトレイ式でもいいと思うのだが、店の拘りなのかも知れない、そう云えば「デュヌ・ラルテ」も同系列の新丸ビル「ポワン・エ・リーニュ」も似たシステムだったと思う。
 客が次々とやって来る、年齢層が若く男女カップルが多いのが特徴、若い子達はパンを買う時も二人で決めたいのかな?
 後ろに人が並んでいるので、あまり迷ってもいられず、取りあえず3種類を購入した。値段は場所を考えれば良心的ではないかと思う。

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 面白いと思ったのはパン以外にもバターやチーズ、醤油や納豆、味噌など食料品を置いてある事で、更に近くには「15℃」と云うベーカリーカフェまでオープンさせている、パン販売だけに留まらず、総合的な「食」の提供を目指している様だ。 

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 以下買ったパンを食べた感想を、

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・まずは包装がいい、よく使われるビニール袋は使用せず全て紙袋に入れている、ビニールはパン自体が発す湿気で「フニャ」とした食感になりやすい、「ルヴァン」も同じだが、紙袋を見ると「この店主はパンの事を知っている」と嬉しくなる(笑)。

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・バゲット(税別 240円)
 「アルドアック」で使っているのがこれだと思う、全体的に小さめのバゲット。「もっちり」した食感で粉の味が感じられ美味しい。

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・セイグル70(420円)
 ルーチョ・フォンタナのアートみたいなクープが印象的、「ルヴァン」の重厚なセイグルと較べると軽く現代的な印象。

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・ヴィーニュ(170円)
 「レザン」ではなく「ヴィーニュ」とした処が店の拘りか?(笑)、割合不明だがセイグル生地だと思う、干し葡萄・粉共に良質。

 長時間発酵によるものか、全体的に「もっちり」系、どのパンも個性が強過ぎないので料理に合わせやすい、レストランで提供するパンに向いていると思う。
 どれも美味しかったが、「近くのルヴァンとどちらが好きか?」と訊かれると答えに困る(笑)、あそこは伝統的な製法によるもので、今ではある意味特殊なパンの部類に入って好き嫌いは別れると思う。その点「365日」のパンは現代的で万人向けだ。
 ここまでクオリティは高くないが、私の地元にもそれなりに納得出来るパン店が開業しているので、電車賃払ってまで来るとなると、やはり「ルヴァン」の方に先に行きそうな気がする(笑)。
 でも美味しいパンでした、近所の住人が羨ましくなった、「いいパン店がある街は、いい街だ」と言って、決して間違いではないと思う(笑)。


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映画「二ツ星の料理人」

 6月11日に全国公開される、料理人とレストランをテーマにした映画「二ツ星の料理人」、ありがたい事に試写会に参加する事が出来、先日飯田橋にある配給先の(株)KADOKAWAの会場で公開前に観させてもらった、なかなか面白い内容だったので、このブログで紹介したい。
 ただ「映画を観る」と決めている人には若干「ネタバレ」になるので、読まない方がいいかも知れない(笑)、「観ようかどうか迷っている」人にはご参考までに。
 まずは簡単なあらすじからで、

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 パリで外国人ながらミシュラン二ツ星を獲得していた凄腕料理人が、酒・女・薬で身を持ち崩した末に忽然と姿を消した。死んだとも思われていたこの男が、3年経って現れたのがロンドンだった、その間ずっとアメリカ地方都市のレストランで牡蠣の殻剥きをしていたのだ。
 パリ時代のレストランオーナーの息子が開いたフランス料理店を訪れ、「自分を雇えば、この店をミシュラン三ツ星にする」と云い張って、半ば強引にシェフの座に就く。
 パリ時代の同僚、街場で見つけた女性料理人達を集め、いざ三ツ星店へなるため邁進するのだが、3年間には料理界のトレンドも調理技術も変わっていたので、なかなか思い通りに仕事が進まない、彼に付いて行けないスタッフに苛立ち、調理場で怒鳴り散らし皿を投げる等、散々なスタートになってしまった。
 その後何とか体制を整えマスコミの評価も上がるが、パリ時代から引きずっていた私的トラブルに見舞われる、そんな時店に現れたのがミシュラン調査員らしき男性二人客、料理長は大慌てで彼等に料理を出すのだが、果たしてその評価はどうだったか、三ツ星は取れるのか?
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 以下は個人的感想で、
 「ミシュラン評価は絶対」「三ツ星になれるためなら何でもする」みたいな価値観は、もう十年前に終わったと思うが、それでも「三ツ星」をメインテーマにしないとこの映画は成立しなかった、その点では上手く筋立てをしている。
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 主役の料理人アダム・ジョーンズ役を演じるのが米国人俳優ブラッドリー・クーパー、デビット・ベッカムにアンディ・ガルシアを混ぜたみたいなイケメンなのが、ちょっと現実離れしているが(笑)、この役に必要なダーティでキレやすい料理人らしさは出ていた。
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 共演者では、シングルマザーの料理人エレーヌ役のシエナ・ミラーがとても良かった。料理する演技は本気度が漂っている。
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 厨房の臨場感を出すためのセットや調理道具等は本物、TVと映画を較べてはいけないが、「天皇の料理番」のセットとはだいぶ違う(笑)。主要配役以外の調理スタッフは全て料理人を使い、キャスト全員がこの映画のために、実際に長時間厨房トレーニングを重ねたそうで、この辺りはプロの料理人が見れば私以上に感心する筈だ。
 主人公は、実在の英国人料理人ゴードン・ラムゼイをモデルにしたとの事、彼の下で働いたマーカス・ウェアリングが映画のチーフコンサルトなので、この本物感が可能だったと思う。
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 これもし日本映画なら、主人公のパリ時代のエピソードや、アダムとエレーヌの関係について、もっと時間を取りウェットな感情を入れようとするのだが(笑)、それは必要最小限にして、判り易いエンターテインメントにしたのが成功したと思う、一言で云えば「フィクションの面白さ」だ。
 あまり詳しく書けないが、映画の結末が、日本的な「和を以て貴しとなす」みたいになるのがちょっと意外な感もあったが、今世界中に欠けているものがこれなので、かえって受けるのかも知れない。
 あえて言えば、原題の‘ADAM JONES AT THE RESTARANT’を「二ツ星の料理人」にしたのが、映画の内容から考えると、もう一捻り欲しかった気もする(笑)。
 特に料理人、レストラン関係者、レストラン愛好家には観て欲しい、お勧めしたい映画だと思う。

・「二ツ星の料理人」
6/11(土)より全国ロードショー
配給:KADOKAWA
公式サイト:http://futatsuboshi-chef.jp/ ・ここで予告編が見られます。
Artwork © 2015 The Weinstein Company LLC. All Rights Reserved.

※なお今回のブログに掲載した映画のスチール画像は、㈱KADOKAWA映像営業部から提供を受け、ブログへの掲載許可を得ています、画像等の無断転載はおやめください。

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稲荷町「キエチュード」(2016年5月)

 この日、台東区に住む身内と会う事になり、上野近辺でランチ場所を捜したが、どうも適当な店がない、上野は前記事のとんかつ店みたいに長居が不向きな処が多いからで、浅草まで行けば色々あるが、利用するのが三社祭の始まる日にあたり、人混みに巻き込まれるのはご免だなと考えていたら、上野から少し歩くが稲荷町のフランス料理「キエチュード」を思い出した。電話をしてみたら予約可との事で、去年8月以来久しぶりの利用になった、3月までは私も同じ水曜休みだったので、ランチ利用は初めてになる。

 店の眼の前にある下谷神社の例大祭も先週終わり、この日の天気も快晴で暑かった、どうやら東京下町に早い夏がやって来た(笑)。
 12時丁度に入店したら既に店内は7割の入り、この後も客が現れて満席になる、13時過ぎには予約なしの2回転目客の席も出来た、噂どおり繁盛している。
 「キエチュード」の開業は昨年5月17日なので今月1周年を迎えた、私は7月に初訪問し、その時に「この店はきっと流行る」と確信したが、果たしてそのとおりになった(笑)。やはり他店と似た様な地域と料理内容、例えば中目黒や恵比寿あたりで、夜5,000円ムニュ一本で勝負しても、客が来ないと云う事はなくても大勝ちは望めない、それだけあの界隈は過当競争状態だ。食糧のある地を求めてアフリカから南米まで大移動した人類の祖先と同じで、客の潜在需要のある地域を探す事が、これから独立を考えている人には必要だと思う。

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 荒木料理長とサービス担当の清水氏に挨拶して店奥に着席、ランチメニューは税別1,500円と3,000円の2種類で、予約の段階で後者をお願いしていた。

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・ウリ坊(仔猪)のパテ・ド・カンパーニュ

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・100%甲州種の「蕾」

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・ズワイ蟹 春野菜 リーフサラダ

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・石鯛 ホタルイカ オリーブ

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・仔牛 パルメザン レモン

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・ナッツのクレームブリュレ ラズベリー(特別プレート)

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・コーヒー

 ランチでも初回に訪れた印象とそう変わらない、全体的にライトで爽やかさがあり、大きな窓から光が差し込むこの店の雰囲気に合った料理だ。
 パテは少量だが仔猪の滋味が感じられた、続くガルグイユ風野菜はこの店のスペシャリテ、初夏の野菜は活力があって美味だ。石鯛は繊細な肉質を生かした火入れで、タプナードソースとの相性が生きている。
 仔牛料理は「ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)です」と説明があったが、私は一口食べて「これ、ハムカツだ」と思った(笑)、ハムカツは子供時代の大好物、でも食べているとハムと仔牛は勿論違うし、レモンソースによって十分ガストロ料理になっている。
 デセールは頼んだ訳でもないのに、私の退職を慰労して?の特別バージョンで出してくれた、これは感激してしまう。なお荒木氏は一部で話題の「アシェットデセール2皿4,000円」氏から前店で直接指導を受けていて、そのデセールが3,000円で前菜・魚・肉の後で食べられるのだから、これはお得だ(笑)。
 ランチだった事もあると思うが、前回より全体的にスパイス等の使用は控え目に感じた、この辺りは地域の常連客に合わせて来たのかも知れない。

 荒木料理長は先月第一子が誕生し父親になった、これは料理にも影響していると思う、過去にも料理人が子供を持った事で料理が変わった例を見てきたが、大体において尖った部分が抑えられ大らかになる印象がある。言い方を変えれば「料理が大人になる」(笑)、この日の料理もそんな印象を少し受けた。
 逆に何時までも尖った料理人で居たかったら結婚も子供も必要ない?次回のブログ記事にする予定の、6月公開の映画「二ツ星の料理人」の主人公がそのタイプだ(笑)。

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 近所の人だろうか、かなり高齢の女性が介助する女性と二人で来店しカウンター席に座る、馴染み客みたいで嬉しそうに料理を食べている、私もあれ位まで元気で食べ続けていたいものだが、これまでの不摂生が祟りきっと無理だろうな(笑)。でも今から20年前に、上野駅近くでこんな光景が見られる時代が来るとは夢にも思わなかった、東京は住む人間の予想以上に日々変わって来ている。
 この日初訪問の同行者も云っていたが、此処は女性が来たくなる店だとの事、まず店内が明るくトイレも含め綺麗で清潔、料理は彩りが良く変に重くないが、全部食べると量も丁度いい、そして何よりも料理長以下の男性スタッフの表情が明るく、嫌味がないフレンドリーさで居心地がいいとの意見だ、女性の冷静な視点は怖いが、後半は特にオープンキッチン店では必須な筈なのに、出来ていない店は多い(笑)。
 これから地域に根付き、長く続く店を開業したいと考えている料理人は、参考にするため一度この店へ食事に来たらいいと思う(笑)。
 荒木料理長とサービス担当の清水さん、素敵な午後の時間になりました、お心遣いに感謝です。


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御徒町「山家 御徒町店」

 ここ十年位の傾向だと思うが、街中から単一品提供の専門店が次々と姿を消したと感じている、蕎麦屋、鰻屋、天麩羅屋、とんかつ屋等だが、昔なら町内には必ずそれぞれ一軒はあったものだ。ずっと下町住まいだった我家は、こうした店へ食べに行くだけでなく、出前を頼む事が多かった、今では見る事もなくなった「おかもち」を下げた店のお兄さんがやって来るのを、子供の私は今か今かと待っていたものだ(笑)。
 店が消えていく理由は、店主の高齢化、後継者や従業員不足、ファミレスやコンビニの台頭等が考えられるが、単身世帯が増えてライフスタイルや好みが多様化しているのも大きい、コンビニへ行けば自分の好きな弁当とデザート、飲料を買っても千円前後だ、それが24時間何時でも可能となると、個人飲食店がまともに対抗するのは難しい、ラーメン専門店だけは昔より増えているが、これは一人でも利用しやすいのが大きいと思う。

 上野に「御三家」と呼ばれるとんかつ専門店があったが、そのうち「双葉」が2012年に閉店してしまった、それと入れ替わる様に出来たのが、これから紹介する「山家(やまべ)」だ。
 上野近辺には2店「山家」があり、先に出来たのが御徒町店で、翌年上野・御徒町駅間に上野店が開業している、更に言うと先行して両国に「いちかつ」が開業していて、この3店が姉妹店との事だ。
 この店がすぐ人気店になったのは価格で、ロースかつ定食が700円(税込)と云う「価格破壊的」な品書で有名になった。因みに前述の「御三家」ではとんかつ一人前が2,000~4,000円、「山家」グループはフランス料理なら「俺のフレンチ」的存在かも知れない(笑)。

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 私は勤め帰りに御徒町店の前を何度も通っていたが、いつも満席で席待ちの客が並んでいた事もあり、利用を見送っていた。
 この日近くのアメ横にコーヒーを買いに行き、何処かでランチを食べようと思った時に思い付いたのが山家だった、時間は開店時刻の11時少し前、店の前まで行ったら既に数人が並んで開店を待っている、でも今なら一回転目なので席待ちしないと、彼等の後ろに並ぶ事に、店前の看板には「ロースかつ定食 七五〇円」と書かれてあり、開店時より50円上がったが、それでも安い。
(画像は食事後に撮ったもので、店内には席待ち客が居る)
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 11時になり店のシャッターが開き入店、客は奥の席から詰めて座るよう指示される、カウンターだけの18席だが、次々と来客があり11時15分には全席埋まり、その後に来た客はカウンター後ろの椅子で待つ事になる。

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 メニューは木札に書かれた6種類、通常のロースか上ロースにするかで迷うが、次は何時来られるか判らないので、「上ロースかつ定食」(税込1,200円)をお願いした。

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 まずは冷たいお茶とお新香、揚げ手は中年男性が1人で担当、あとは女性2人と後から加わった若い男性が1人、計4人で対応する。
 とんかつは大体3~4人前ずつ揚げている、油から上げても油切れが終わるまでは包丁を入れないのはさすがだ。

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 箸は共有の洗い箸、これは個人的に賛成(笑)。

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 入店後20分位で私のとんかつが出来上がって来た、まずはご飯からだが量が多い(笑)、他店なら十分「大盛り」になる筈。

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 具が見えないが、これは「しじみ汁」。

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 そしてお待ちかねの上ロースかつ、皿に載るのは山盛りのキャベツと辛子だけ。

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 断面、微かにピンク色で見ただけで「これは旨いだろう」と脳が反応し、唾液が湧いてくる(笑)。
 
 まずは何も付けずに味わってみる、上ロースは国産豚使用とWEB情報にあったが、肉汁が逃げずジューシーさがある、歯応えも堅過ぎず柔らか過ぎずで、肉の質も良いが揚げの技術が絶妙、揚げ油も新しいからか酸化臭を一切感じさせない。
 続いてソースをかけて味わう、あえて言えばこのソースが少々濃すぎで私好みではなかったか、でもご飯と食べる時はソース必須だと思う、そのご飯やしじみ汁も文句なく上質だった。
 あっと言う間に完食しました(笑)、美味しいし何よりこのクオリティで税込1,200円は安い、他店なら1,600~2,500円は黙って取るだろう。
 後ろに席待ちの客がいるので、食後は代金払ってすぐ出て行く雰囲気なのは仕方のない処、これを忙しないと感じる客は別の店へ行った方がいい。
 此処はまた来たいが、行列に並ぶのは苦手なので、この日みたいに開店直後が狙い目、次もその時間に合わせて来るつもりだ(笑)。



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北千住「鶴亀飯店」(2016年4月) 

 北千住ランチレポートの第2弾は、このブログでは3回目の登場になる中国料理の「鶴亀飯店」を。
 現在鶴亀飯店の道路を挟んだ向かい側が昔は足立区役所だった、1996年に庁舎が梅島へ移転した跡地に建ったのが22階建てのビルで、この中に劇場、ハローワーク、フィットネスクラブ、フランス料理店等が入居した、更にすぐ近くには東京芸術大学の千住キャンパスが誕生、昔とは周辺の雰囲気が大きく変わった。
 若い人達が増えた事で、彼・彼女達を対象にした飲食店が増えた、夜営業の澱が溜まったみたいな居酒屋だった店舗が、今風の小洒落たカフェになっていたりして、「北千住も変わった」と思わずにはいられない(笑)。2009年開業の「鶴亀飯店」の周辺にも、ここ数年で本格的な手打ち蕎麦、インド・ネパール料理、ブラッセリー等が続々と出現、ちょっとしたグルメスポットになりつつある、北千住には秋まで通うと思うので、これから探訪が楽しみだ(笑)。

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 さてその鶴亀飯店だが、過去2回共に担担麺を注文していたので、今度は違うものを食べてみたい、いや待てよ、この店の担担麺は気に入っているので、これを逃すと次はいつ食べられるか判らないと、カウンター席に座りメニューを見ながら暫し悩んだ。

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 そうしたらメニューの端に、「定食メニューに+200円で半量の麺が追加出来る」旨が書いてある、つまり定食に付くスープが麺に替わり、醤油&塩ラーメン、担担麺の三種から選べる、「そうだ、この手がある」と嬉しくなった(笑)。注文は日替SETの「豚肉とニラの黒こしょう炒め」(税込980円)にして、当然の如くに担担麺をお願いした。

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 セットにはドリンクバーが付いていて、オレンジジュースや冷ウーロン茶等飲み放題だが、食事前にそう飲めるものではない。

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 暫し待って運ばれて来たのが、「豚肉とニラの黒こしょう炒め」セット、中華鍋を縮小したみたいな容器に炒め物、その右には焼売2個、手前にはご飯とヒジキの煮物、そしてお待ちかねの担担麺、これで総額1,180円(税込)だから、現在失業中の私には豪華ランチだ(笑)。

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 まずは主食の豚肉炒めで、丁寧に下味を付けた豚肉は、柔らかいが柔らか過ぎずにいい食感、ニラ、玉葱、シメジの野菜もいい火入れ、黒胡椒のアクセントが効いていて美味、これはプロの火力と技術によるものだ、容器は見た目面白いが、底が丸いので少々食べ難い。

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 定番の担担麺はハーフサイズの筈だが、明らかにもっと入っている(笑)、刺激を抑えた穏やか系の味だが、個人的には過去東京で食べた担担麺では三指に入れたい位に好み。胡麻の甘味と唐辛子の辛味のバランスは少し胡麻寄りだが、万人に受け入れられる味だと思う、麺もスープに負けていないしっかりしたもので相性良し。

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 副菜の焼売が何処か懐かしい味、皮がフニャっとした昔の下町肉屋で売っていた、お惣菜風焼売みたい、これはこれで美味しかった(笑)。中国料理店ならここに搾菜漬物の薄切りでも付く筈だが、もう一つの副菜は何故か「ヒジキの煮物」(笑)、この存在が謎だったが、でもちゃんとした煮物でした。
 どの料理もキチンと作ってあり美味しかった、3月までよく利用していた春日の格安四川料理「川国志」に較べると値段は高めだが、あちらはスタッフ全員が中国系(だと思う)、日本人資本で店舗を借り、日本人を複数雇用して飲食店を展開しようとすると、この位の価格設定になってしまうのは、人件費が高騰する今の東京では致し方のない処か。

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 店内はまだ新しいため綺麗でトイレも広い、この洒落たメッセージが入った額はトイレ内にあったものだ。
 駅から少し歩くが、11時から深夜2時まで中休みなし、年中無休営業をしているので利用しやすい。北千住に行く事あればお勧め出来る店だと思う、まずはスペシャリテの担担麺から試してみて下さい(笑)。



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綾瀬「nicomico」&「アヤセベーカリー」

 ローカルな話題なので、ブログ記事にすべきか迷ったのだが、地元の個人店は極力応援したく、また例の「食べログ」にも掲載されたので、「超マイナー」と云う訳ではないだろうと、2店まとめて紹介したいと思う。
 私の地元足立区それも生活圏内に、今春続けて2軒のパン店が開業した、これはパン好きの私にはとても嬉しい事で、WEB情報を参考に早速訪ねてみた。

・「nicomico(ニコミコ)」
 住所は足立区谷中、駅は千代田線の最終駅である北綾瀬が近い、そこから歩いて5分位で綾瀬循環器病院のすぐ近く。店の前は自転車で何度も通っていたが、以前は学習塾だった、そこを全面的に改装し、下町にはあまり似合わない雰囲気(笑)の洒落たブランジェリーが出来た。私もパン屋だとは気付かなかったが、WEB情報で開店を知り「そんな店あったかな?」と疑りながら行ってみたら、本当にパン屋だった(笑)。

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 青山辺りのブティックみたいなドアを開けると、すぐの低い場所にパンを並べた棚がある、こうした売り方は他店でも見たので、最近流行りかも知れない。

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 下町のパン屋にありがちな、アンパンやコッペパン、サンドイッチにアニメキャラを模したパン等は無い(笑)、パンだけ見ると結構本格派路線で、店主の本気度が伝わる。
 奥は作業場でかなり広くスペースを取っていて、当然オーブン等は真新しい機械が並び若い男性が作業していた、またレジには若い女性と、その母親だろうか乳児を抱いた年配女性も居た、どうやら若夫婦とその家族で営業されているみたいだ、店名は夫妻の名前の合体かも知れない。
 以下買ったパンを紹介したい、

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・バゲット(税抜250円)
 「ポンパドール」のバゲットと似た印象、悪くはないが普通でした。

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・食パンハーフ(135円)
 見かけはごく普通の食パンだが、粉の旨味が感じられて美味しかった。

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・ペピット(180円)
 まあ普通に美味しいです(笑)。

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・ベーコンフロマージュ(250円)
 フランスパン生地にベーコンとチーズの定番、これも普通に美味しい。

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・自家製カレーパン(200円)
 他店と違い揚げないカレーパン、中身がパン生地の上に載り、その上の福神漬が面白い(笑)、これは個性としてありだと思う。

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・エスカルゴ(170円)
生地の良さが感じられて美味しかった。

 中には作りの詰めが甘いパンもあるが、全体的な味の傾向は悪くないので、これからもっと良くなりそう、値段は周辺の他店と比べると少々高目か。以前別のパン職人から、オーブン等が新しい時は温度管理に苦労すると聞いた事がある、もう少し時間が経てば、パンの出来はもっと安定して来ると思う。
 この店の近くには以前個人経営のパン屋があったが閉店してしまった、近くには24時間パンを売っているコンビニもあり、厳しい地盤かも知れないが、続いて欲しいものだ。

・「アヤセベーカリー」
 続いてもう一店は、千代田線綾瀬駅東口から東京武道館へ向かう途中に出来た「アヤセベーカリー」で、「nicomico」が4月開店ならこちらは3月のオープン。この店からそう離れていない場所に、ブログで紹介したブランジェリーの「ラパンラパン」がある。

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 少し変わった店造りで、道路から見て左側にパン製造部門を設け、右側の小さなスペースでパンを販売する、パンはガラスケースに入り対面販売、そのため「工場併設のパン売場」みたいな雰囲気がある。

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 私が子供の頃のパン屋は皆こうしたスタイルだったので、妙に懐かしくなった、よくコッペパン一個買って、ピーナツバターや小豆餡を塗ってもらったものだ(笑)。
 この店で買ったのは以下のパン、

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・バタール(税込260円)
 こちらのバゲット生地は「ドンク」に似ている(笑)、余計な物を入れないシンプルさで好印象。

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・クロワッサン(170円)
 これもシンプルで自然派な印象、高級ブランジェリーの高額クロワッサンと比較すればバターの香り等は当然落ちるが、普通に美味しい。

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・アップルパイ(350円)
 アメリカ式の皮がしっかりしたパイ、フィリングのリンゴの味はいい、これも自然派で好感が持てる。

 味とは直接関係ないが、子供も買いに来るので、パンはこの店みたいに税込表示にして欲しいなと思う。
 個人的には「アヤセベーカリー」の方が、職人歴が長いのでは?と感じ、味がこなれていて好みだが、どちらの店も始まったばかりなので、これから客が付いて、年月を重ねる毎に店もパンも変わって行くと思う。
 今は冷凍種を使わない本物の自家製パンを作る個人店が減っているので、両店共に長く続いて欲しいと願わずにいられない、勿論私も買いに行こうと思っている(笑)。


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表参道「グラッシェル」(2016年4月)

 昨年12月に続いて、表参道のパティスリー「グラッシェル」のメディア向け新作レセプションへの招待をいただいた。
 今回は「2016年夏の限定商品」の紹介で、テーマは「Fraîcheur d’été(フレシュール・デテ:夏の爽やかさ)」、‘Fraîcheur’は英語の‘Freshness’にあたる。
 前回は夜だったが、今回は陽光降り注ぐ午後、特にこの日は気温が上がり初夏を思わせる陽気で、まさに「夏の爽やかさ」のテーマにピッタリの発表会になった(笑)。

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 時間になったので2階のカフェスペースに集合、殆どが女性で某有名菓子研究家も来ていた。
 今回は店の主力商品であるアントルメグラッセ(アイスクリームケーキ)4種の紹介で、このうち三つが夏季限定商品、もう一つは直前になった母の日向けプレゼント企画商品との説明だった。
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 まずは本間シェフパティシェールから4種類のホールのお披露目と説明、画像左上が「タルトシトロンベルガモット」、左下が「ペタル・ド・ルージュ」、その右上が「フォレノワピスターシュ」、右端が「オーバルグラッセ・マンゴーココ」。
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 カットしたものは、左からタルトシトロン、マンゴーココ、ペタル・ド・ルージュ、フォレノワピシターシュになる。
 そして試食だが、資料からの説明要約と私の食べた印象を記したい。

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・タルトシトロンベルガモット(販売価格はホールで税抜3,800円)
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 主催者側から各ホール画像の提供があったので貼っておく。
 ベルガモットとレモンを使用したタルト生地のアントルメグラッセで、上にフロマージュブランのソルベのクネル、周りにはマスカルポーネのソルベを絞ったもの。
 レモンの香りが鮮烈な印象、ベルガモットの風味も感じる、焼肉の後みたいに脂を切るデザートに最適だと思う(笑)、爽やかさならこれが一番。

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・マンゴーココ(3,000円)
 マンゴー、ココナッツ、パッションフルーツ、バナナの4種類のトロピカルフルーツを使用した南国らしい爽やかなオーバルグラッセ、上はパッションフルーツを模したチョコレートを載せている。
 果物を使うスイーツは難しいのだが、この店では以前からマンゴーを頻繁に使用している事から手慣れた出来になっている。甘味と果物の酸味がマッチしていて美味しい、今回これだけがナマコ型のオーバルグラッセ。

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・ペタル・ド・ルージュ(4,075円)
 母の日向け企画商品、タイベリーとアールグレイ、ホワイトチョコレートの組合せが、バラの香りを彷彿とさせるフローラルな印象のアントルメグラッセ。
 まず叶姉妹みたいなゴージャスなビジュアルに圧倒される(笑)、母親だけでなく彼女の家へ行く時の手土産にも最適だと思う。見た目だけでなく味もいい、木苺の一種タイベリーが効いていた。

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・フォレノワピスターシュ(4,500円)
 ピスタチオの鮮やかなグリーンと周囲を縁取るグリオットの赤いソルベのコントラストが美しいアントルメグラッセ。
 4種の中で価格は一番高いが、味は個人的には一番好み(笑)、ピスタチオを使うのがスイーツ界では流行りみたいだが、冷菓にする事によりピスタチオの脂肪分が気にならず、グリオットとチョコレートアイスと上手く繋がっていると感じた。

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・ベルギー「Hoegaarden」のロゼビール
 フランボワーズ果汁を加えたビール、アルコール分3%なのでジュース感覚で飲める、甘味のアントルメグラッセに、苦味のビールを合わせるのは本間シェフの提案だが、茶菓子の甘味を切る抹茶みたいな感覚だ。今回は珍しいロゼビールを使ったが、色も味も特に「ペタル・ド・ルージュ」と相性抜群、これはペアでプレゼントしたい(笑)。

 どのアントルメグラッセも見た目が綺麗でプレゼントには最適、要冷凍でドライアイスは入れてくれるが、2時間位の効きなので冷凍冷蔵庫のある家等へ持って行く時に向いている。
 味はあくまでも個人的な好みだが、
フォレノワピスターシュ>ペタル・ド・ルージュ>マンゴーココ>タルトシトロンベルガモットかな?
でもどれも特徴があって美味しかった、味に変化があるので最後まで飽きずに食べる事が出来た(笑)。
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 帰りには一階のブティックで新作アイスの試食までさせてもらう、以前はケーキ類も売っていたが、最近グラス(アイス)専門店へ特化させたそうだ。
 美味しくて楽しい午後になりました、お招きいただいた本間シェフとスタッフの皆さん、ありがとうございました(笑)。



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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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