最後の晩餐にはまだ早い


北千住「キッチンエッグス」

 北千住ランチレポート5回目は、「創作オムライスと昔ながらの洋食」を謳う「キッチンエッグス(Kitchen Eggs)」、此処は足立区の飲食店や地場産業を紹介するムック本で知った店だ。
 店の場所は千住仲町、国道4号線(旧日光街道)沿いで、ブログで紹介した「鶴亀飯店」や「ブラッスリー・ロノマトペ」からもそう離れていない。

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 オムライスブームが続いているが、私が子供の頃はこれ程普及していなかったと思う、デパート食堂などでは子供は「お子様ランチ」でなければハンバーグ、大人はカツレツとかエビフライが定番だったと記憶している、今の子供達には「お子様ランチ」はあまり好かれず、店側も原価率が高いのでメニューに載せなくなったとも聞く、オムライス人気はそれと関係ありそうだ、子供が美味しそうに食べるので大人も食べる、いや大人の嗜好が子供化しているのかも知れない(笑)。
 「キッチンエッグス」は2014年の開業、足立区の地域本紹介には、洋食店経験が長い料理人が独立したとあった、専門店と云う訳ではないが、オムライスが目当てでやって来る客が殆どみたいだ。
 開店時間に店前に行ったら、若い女子が二人立っていたので「行列?」と一瞬怯んだが、開店を待っていた客だった、地元客ではなさそうで、私と同じくマスコミで知ったのかも知れない。
 店前には「本日の日替わりオムライス」を書いた黒板が置かれている。

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 店内に入ると中年店主と奥様(たぶん)の二人、テーブル席に座るがカウンター席もあり合計で20席位か、開業2年なので店内は新しく洋食店の中では割ときれいだ(笑)。

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 メニューを見ると、やはりオムライスがメインで記されている、ノーマルなケチャップ味のものを含め各種盛り沢山、「イカスミソースオムライス」みたいな変わり種もある、サイズ(S.M,L.LL)で値段が違ってくる。
 「ケチャップオムライス」(Mサイズ税込950円)と迷ったが、日替わりの「チキンとほうれん草の照焼きクリームオムライス」にも興味を惹かれ結局これに決めた、サイズはMに抑えたが(笑)、男性でも注文可能との事で、サラダ、デザート、ドリンクが付くレディースセット(910+250円)にしてもらった。

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・ランチタイム限定でセルフのスープバー?があり、ポタージュとコンソメの2種類が用意されている、これは温かいジャガイモのポタージュ、見かけそのままで普通に美味しい。

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・シンプルなミモザサラダ、これも普通でした。

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・鶏肉がゴロゴロと入ったソースがかかる、「チキンとほうれん草の照焼きクリームオムライス」

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・その断面、炊いたバターライスだと思う。

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・レアチーズケーキ

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・コーヒー

 漫画「包丁人味平」の原作版に、洋食屋のランチタイムにチキンライスやオムライス等の「イタメメシ(イタメシではない(笑))」の注文が立て続けに入いり、主人公が悪戦苦闘する場面があった、オムライスを短時間で続けて調理するのは結構大変だ、私が居た間は3組の客だったが、満席になると大汗だろうなと思う。
 料理人経験が長いみたいなので、あとは経験で補っていると思う、日替わりオムライスの中身は炊いたバターライスを使い、炒めたとしても短時間、あとは周りのオムレツ部分だが、さすが出来上がりに乱れが無い、「経験は第二の天性なり」か(笑)。
 照焼きクリームソースは、ホワイトソースに醤油を落としたみたいな不思議な味がするが、大きく切った鶏モモ肉も美味しく、何処か癖になる味だ(笑)。
 小さ目ながらレアチーズケーキもしっかり作った物だし、コーヒーも丁寧に淹れてある、これで支払い合計1,160円なら満足感が大きいランチだと思う、同じ北千住でも駅直結ビル内と、少し歩くこの場所では、お得感が1割は違う気がする(笑)。

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 代金支払い時に、この店が載った足立区のムック本が置いてあったので、奥さんに「これを見て来ました」と云ったら、厨房に居るご主人をわざわざ呼んでくれて、二人して丁寧にお礼を言われ恐縮してしまった(笑)。
 千円ランチでここまで対応してくれるのが日本の「おもてなし」文化か、せいぜい‘merci’一言で終わるフランスと、どちらがいいとは言えないが、これから東京五輪へ向けインバウンドを増やし観光立国化を図るなら、中途半端でなくこの線で行くのもありだと思う(笑)。
 お二人の温かさも含めて、とても美味しいオムライスでした、駅から少し歩くけれど、北千住へ行く機会あればお勧め出来る店です(笑)。

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新富町「メゾン ミッシェル」

 パリ北駅近くに「サン・ヴァンサン・ドゥ・ポール」と云う、いたって地味な外観の教会があるが、その前の建物に入っているビストロ「シェ・ミッシェルChez Michel」は、ブルターニュ地方出身の料理長が経営する人気店だ。
 私は1999年と2001年の2回利用し、特に初回の舌平目料理は、過去フランスでの魚料理ベスト3に入れたい程秀逸だった。「パリでこんな旨い魚料理が食べられるとは驚き」と認識を変える程だったが、どうやら日本人料理人が料理したのではないかと思っている(笑)。
 シェ・ミッシェルは日本人料理人を受け入れてくれる店だった、現在は当局の取締りが厳しくなったが、以前は料理人達が「パピエ」と呼ぶ労働許可証が無い状態、つまり「モグリ」でも働かせてくれた時期があったみたいだ、東京の某三ツ星店の料理長も居たと聞く。
 そのシェ・ミッシェルで働いていた料理人達が日本に帰って来て、オーナーシェフとなり自店を開業している、京都「コム シェ ミッシェル」、東京銀座「シンバ」がそうだが、今年4月に中央区入船の「メゾン ミッシェル」が加わった、昼営業もしているので「これは行かないといけない」と思い、平日ランチタイムに伺う事にした。

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 店の場所は地下鉄なら有楽町線の新富町駅が一番近い、日比谷線では八丁堀と築地の中間程、私は八丁堀から歩いたが5分位だった。事前情報で見ていたが新しいビルの2階で、階下には蕎麦店、それも立ち蕎麦チェーンと云う珍しいロケーションだ(笑)。

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 2階に上ってドアを開くとそう広くはない店内、サービス担当の女性に名前を告げてカウンター席に座らせてもらう、テーブル席と合わせても16~18席位、前日すんなり予約出来たので、空いているのかな?と思っていたが既に満席、平日昼なのもあるが、女性それもかなり高年齢の方が多かった。

 ランチメニューは1,500、2,500、3,500円(税込)の三種で、予約する時は2,500円以上が必須、折角遠くから?来たので、魚・肉両方含む3,500円の方に決める。

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 前菜とメインは手元の印刷メニューと季節の黒板メニューから選ぶ、「伊勢海老の一尾丸ごとロースト」(+3,600円)には惹かれたが、諸般の事情で割愛し(笑)、選んだのは以下の料理。

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・アミューズ(豚のリエット、白バイ貝)

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・ドメーヌは忘れたがソーヴィヨンブラン種の白ワイン(750円)

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・スープ・ド・ポワソン(帆立、イカ、ソバの実が入った鮮魚のスープ)

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・アナゴの蒸し煮と茄子、枝豆、バルサミコソース

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・ハーブ豚肩肉のロースト、季節野菜

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・濃厚なチョコレートのクネルとプラムのソルベ

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・エスプレッソ

 アミューズのリエット&貝は「シェ・ミッシェル」と同じだが、貝はもっと小粒だった、スープ・ド・ポワソンもメニューにあったと思う、この店のスープは魚のエグ味を削がず、油脂もあまり感じさせずに、レストラン料理として洗練され過ぎていなくて好みだ。
 アナゴ料理は魚を知り尽くした日本人料理人ならでは、相性がいい茄子との組合せも良好。黒板メニューにあった仔羊を食べてみたかったのだが、残念ながら品切れだったので、選んだ豚ロティは安定の美味しさ、野菜の質と扱いも良好。
 デセールはフランス的に味の濃いチョコレートクネルが印象的だった。

 料理長は小山道順氏、和食出身だがフランス料理に転身し、フランスでは「シェ・ミッシェル」以外にも各地で働いている、帰国後「ロアラブッシュ」副料理長、「モザイク」料理長を経て独立した。
 フランスとは食材も客層も違うので、「パリと較べて料理はこうだ」みたいな言い方はしない方がいいと思うが、日本での料理長経験があるので、日本人の好みを知っている。「俺は客に媚びない料理を出す」と気負っても、客が来ない事には不戦敗だ(笑)、客層に合わせ料理も変えていると感じた、それが間違っていない事は満員の客席が証明している。
 後から予約なしで入店して来たリピーターと見える中年女性、カウンターに座ってシャンパーニュを飲み、私がスルーした「伊勢海老の一尾丸ごとロースト」を注文、平然と一人で完食し、見ているだけで「凄え!」と圧倒された(笑)、こうした客がさりげなく潜んでいるのが、東京の銀座や月島にも近いこの界隈の怖い処だと思う。

 厨房はもう一人男性が手伝い、店内は若い女性が一人で担当する、この人がとてもキュートで感じが良く、接客に一生懸命さが伝わって来る、私を含めたオジサン達のファンが付きそうだが、客側も含めて今日本のレストランを救うのは女性達だと思う(笑)。
 最後はこの女性と料理長の丁寧な見送りを受けて退店、どちらがいい悪いではなく、料理よりもこうした対応がパリと東京の一番の違いかも知れない(笑)。
 画像を見ながら記事を書いていても、「また行きたいな」と思えるいい店でした。


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野地秩嘉著「イベリコ豚を買いに」

 食レポは1回休みにして、最近読んでとても面白かった本を紹介したいと思う。
鮮やかな赤と黒の装丁が印象的な「イベリコ豚を買いに」で、小学館から2014年4月に刊行された。著者は野地秩嘉氏で、過去「キャンティ物語」「食の達人たち」等、飲食関連の興味深いノンフィクションを書いている。

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 書名のとおり、この本の主役はイベリコ豚だ、原産地のスペインでは‘Cerdo Ibérico’と呼ぶ、Ibéricoとはイベリア半島の事。最高品質の養豚で値段も飛び抜けて高い、特に腿部分を塩漬け乾燥した生ハムは「ハモン・イベリコ‘Jamón Ibérico’」と呼ばれ、スペインのレストランやバルでは別格の値段が付いている。
 またハム以外の精肉もレストランで好まれ使われている、以前より輸入量が増えたみたいで、今年になって都内のレストラン数店で食べる機会があった、ロース部分をローストした料理や「とんかつ」もあった。日本産の豚肉に比べると味が濃く、脂身の旨さに特徴がある。
 でもこれだけ出回ると、以前から思っていた疑問がまた沸いてきた、それは「イベリコ豚の個体数はそんなに沢山居るの?」だった。三元豚みたいに人為的に作られた養豚なら生産数も多いが、もし純血種を保っているなら、日本を始め世界中のレストランへ供給出来る程の頭数が実際に存在するのか、そもそも「イベリコ豚」とは一体何を指してそう呼ぶのか?こんな思いを抱えている時に出会ったのがこの本だった。

 著者は偶然イベリコ豚肉を使ったメンチカツを食べた事から、この豚に興味を抱く、そしてジャーナリストの習性から、本物のイベリコ豚を見たいとの思いに動かされて、スペインへ行こうとアポイントメントを確保するのだが、ここで問題が発生する、2010年宮崎県で発生した口蹄疫によるものだ、日本からの見学はキャンセルとなってしまう。それでも著者はあきらめず解決法を思い付く、それは「見るのが無理なら、買うならOKではないか?」と、無謀にもイベリコ豚そのものを購入する事を思い付く(笑)。

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 そしてイベリコ豚について学ぶのだが、この部分を読んでいて長年の疑問が氷解した(笑)、過去イベリコ豚については「ドングリだけを食べさせて飼育した、スペイン固有の黒豚」だと思い込んでいた、たしか開高健の著書にもそうあったと思う、これは正しくないとは云えないが、正解にするのはあまりに乱暴な定義だった(笑)。
 過去には生産詐称的な事例も多く、信用を失った時期もあり、現在は現地の生産者協会によって、以下の通りイベリコ豚の定義が決められている。
・母が純イベリコ種の豚に限られる。
・種豚(父)は純イベリコ種またはデュロック種に限られる。
・母がイベリコ種で父がデュロック種の交配豚(イベリコ種50%)はイベリコ豚と呼べるが、このイベリコ50とイベリコ種以外の豚との交配豚(イベリコ種25%)はイベリコ豚とは呼べない。
 つまり父母共に純イベリコ種である純血種及び交配一代限りの種を総称して、「イベリコ豚」と表記出来る事になる。
 次に、同じイベリコ豚でも飼育の方法によって呼び方が変わって来る、
・ベジョータ
 屠畜時の月齢は14ヶ月以上、出荷前に放牧地でドングリまたは自生植物で穀物飼料を与えずに60日以上放牧肥育するが、純イベリコ種とそれ以外では表示を変えて出荷する。各養豚場の中で血統も生育状態も良いペジョータになる豚を選別する、エリート豚であり言わばイベリコキャリア組だ(笑)。
・セボ・デ・カンポ
 ベジョータ同様の方法で放牧肥育したものだが、穀物飼料も与える、屠畜時の月齢は12ヶ月以上。
・セボ
 穀物飼料だけで肥育されたもの、屠畜時月齢は10ヶ月以上。

 精肉として市場に出回るのは殆どがセボ(スペイン語で「補充」の意味)だ、またペジョータに食べさせるドングリも、日本で一般的な椎の実ではなく、現地では樫の木の実、実が成っているのは11~4月なので「ドングリだけを食べさせ飼育した、スペイン固有の黒豚」と云う表現では、あまりにアバウト過ぎるのだ(笑)。「黒毛和牛」にもランクがある様に、イベリコ豚にも階級が存在する、また同じペジョータでも生産者や、同じ飼育場中でも母親豚の違いによって品質が違って来る。

 著者は口蹄疫騒動が納まった後、スペインの生産地に何度も足を運び、遂に純血種のベジョータを購入する、そしてこれを使ってある商品を製作して販売する事になるのだが、詳しくは本書を読んでいただきたいと思う(笑)、でも思わせぶりもいけないので、参考画像を一枚だけ載せておく。

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 イベリコ豚を扱う飲食店、そしてイベリコ豚を食べる客側も是非読んで欲しい本、今年読んだ食関係の本では、ベテラン有名シェフの自慢話より断然に面白かった。
(イベリコ豚の画像は書中から、最後の画像はネット上から引用しました。)


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北千住「ブラッスリー ロノマトペ」

 今回紹介するのは、北千住在住の人から教えてもらったブラッスリーで、今年4月末に開業したばかり。場所は千住警察署の近く、足立区役所の移転跡地に「東京芸術センター」と云う名の22階建てのビルが出来たが、その道を挟んで向かい側、ブログで紹介した「鶴亀飯店」の並びだ。
 店の名前は「ブラッスリー ロノマトペ‘brasserie l'onomatopee’」、‘onomatopee’とはフランス語で「擬声語」の事、動物の鳴き声表現等がそれで、フランスでは犬の鳴き声がwouaf wouaf (ワフワフ)、猫だとmiaou miaou( ミャオミャオ)、蛙がkoua koua( クァクァ)になり、これらがオノマトペだ。

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 店から近い某庁に4月から通っているので場所は確認していたが、昼食時間と合わずなかなか利用する機会がなかった、この日は運よく時間調節が可能で、開店時の11時半に入店出来た、あとで知ったのだがランチタイムは予約を取らないため、先に行ったもの勝ちだった(笑)。

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 外装もエントランスの雰囲気も結構本格派、これだけ見たら、とても北千住にあるフランス料理店とは思えない。
 入口傍には「本日のランチメニュー」を書いた黒板が置かれている。

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 入店後、「お好きな席へどうぞ」と云われたので、厨房に近い2人席に座らせてもらった、奥にベンチシートの席があり合計18席位、カウンター席も3席ある、この日のランチメニューを改めて見るが、
A. poulet confit 「骨付き大山地鶏のコンフィ スペルト小麦と野菜のリゾット添え」(1,280円)
B. couscous d’agneau 「仔羊のクスクス」(1,330円)
C. poisson de jour 「凾館産エゾメバルの蒸し焼き」(1,330円)
 クスクス好きなので迷わずBにしたが、間違いのない仏語表記がしてあって、どれも値段の割には魅力的なメニュー、これにサラダ、パン、コーヒーまたは紅茶が付く。

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 店内は古いフランス映画のポスター等が掲げられ、ヴィンテージ調の家具も含めて1960~70年代フランスのイメージ、好き嫌いはあるかも知れないが私は好きだ(笑)、ブラッスリーと云うより旧くからあるビストロ的な印象、メニューにも料理の皿にも‘cuisine règionale’「(フランスの)地方料理」を表記している。高価なペルスヴァルのナイフがさりげなく並べてあり、これ見ても店主は只者ではないと思った(笑)。厨房は料理長と手伝いの若い男性が一人、サービスは若い女性が担当するが、二人はアルバイトかも知れない。

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 まずはサラダからで、これは普通のリーフサラダだった(笑)。

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 専用のパン袋に入れてあるパン、自家製ではなく冷凍種のパンではないかと思うが、温め直して熱々な事もあり美味しかった。

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 そしてクスクス、フランス的な大盛りではなく日本人向けの量。羊は柔らかく煮込まれながら羊本来の旨味を残している、野菜やガルバンソの扱いもいい、時にスープカレーみたいな薄いクスクスに出会う事もあるが、これは味の積層が感じられ結構本格派、スムールの炊き具合も的確、パリで食べるクスクスに近いと思った。「もっと食べたいな」と思ったが、パンを食べると丁度いい量だった(笑)。

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 おでんに辛子、ラーメンに胡椒なら、クスクスにはアリッサ(Harissa)、マグレブ(北アフリカ)生れの唐辛子ペーストで、これを加える事によりクスクスの味に深さと奥行きが出る。

 失礼ながら、北千住でこれだけ正調なクスクスが食べられるとは予想外、それも本を見て作ったのではなく、現地で何回も食べていないと出せない味だと思った。
 機嫌が良くなって、追加でデザートまで頼んでしまった。

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・洋梨のタルト(+300円)
 クレーム・アングレーズを添え、カシスジャム?の飾りまで付いている、フランス的に大きなタルト型で焼きカットしたもので、何処か懐かしく美味でした(笑)。

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・コーヒー
 カップもシュクレも洒落ている、味も悪くない。

 店主は40代半ば位か?風貌が少し富士宮「Bio-s」のオーナーに似ている(笑)。満席で忙しそうだったので話しは出来なかったが、おそらくフランスで何年か働いていると思う。
 此処は一回で気に入り、ランチなら毎月でも来たいと思った位(笑)、もし北千住に来る事あれば、並びにある「鶴亀飯店」と共にお勧めしたい店、ただ前述のとおりランチは予約を取らないので、早目に行く必要ありです(笑)。


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神田須田町「雲林坊 秋葉原店」(2016年7月)

 TVの影響か、サラリーマンの昼飯を略して「サラメシ」と呼ぶのがブームみたいだが、以前から食業界関係では、フレンチ、イタリアン、スパニッシュ、最近はノルディックも加え?これらを総称して俗に「ヨコメシ」と呼んでいた、これはメニューを横書きするのでそう呼ぶと聞いた、和食や中国料理は縦書きなので「タテメシ」になる。
 これは私だけではないと思うが、夏、特に8月前半の酷暑時期はヨコメシ指数がどうしても落ちる、外へ行く事自体も億劫になるが、もし外食となってもヨコメシ以外を選びがちだ、私の場合食べたくなるのが刺激味系(笑)、インド・ネパール系や中国四川系の料理で、日本、特に都市部の夏は、インドベンガル地方や四川省級の過酷な暑さなのかも知れない(笑)。

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 この日、ヨドバシアキバに用があり、ついでに何処かで簡単にランチを食べようと思ったが、秋葉原はマニア系とラーメンとカレーの聖地(笑)、店が多過ぎてかえって選ぶのに迷ってしまう。
 結局決めたのは、既訪問店である須田町の担担麺専門店「雲林坊」、此処も一年以上ご無沙汰していた。神田「やぶそば」の向かいにある四川料理「雲林」の支店で、九段、秋葉原に加え、昨年日本橋室町にも同名の系列店を開業した。

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 須田町界隈ではランチの人気店、昼休み前に入るつもりで開店直後に行ったのだが、既に先客が3名、私の後も次々と来客があり満席に、食べ終わる頃には席待ち客まで並んでいた、皆私同様に「酷暑を乗り切るには何より辛味」と考えているのかも?(笑)。
 食券方式なので先に食べる物を決めるが、この日は汁あり担担麺に、今迄食べていなかった麻婆豆腐丼(小)が付いたセット(1,150円)に決めた、刺激+炭水化物のダブル攻めだ(笑)、カウンター奥に座り食券を出して暫し待つ事に。

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 卓上には共有の洗い箸を納めた抽斗と上にレンゲを入れた同サイズの小籠、亀有の「炎真」も同じスタイルだが、省スペース仕様でいいやり方だと思う。

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 「スープへのこだわり」、こうした蘊蓄表示はやり過ぎると客が白けるが、頭上の目立たない場所なので、あまり気にならない(笑)。

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 そして登場したのが汁あり担担麺、スープを一口飲むと「そうそう、この味」と記憶が蘇る(笑)、唐辛子の辛味がキリッと効いた刺激系、スープのベースがしっかりしているので辛さだけが尖っていない、麺は中太のストレート系、全粒粉が入っているのか歯応えと香りが良く、唐辛子スープの強さに負けていない。他店でも刺激味系の担担麺を食べて来たが、スープに麺が負けている場合が多かった、この担担麺はいいバランスだ。

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 続いて小麻婆豆腐丼、店では「陳麻婆豆腐」を名乗っているが、陳健民の四川飯店系なのか、四川成都にある「陳麻婆豆腐店」の名から取ったのかは不明。

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 丼に付く和え物

 麻婆豆腐を食べると山椒の香りが鼻腔に抜け痺れ感が舌を刺激する、日本的に柔らかくしていない、片栗粉のトロミは殆ど付けずスープカレーみたいな緩さ、ご飯に対し汁が多い「つゆだく」状態で、もう少しご飯が欲しくなる(笑)。
 麻婆豆腐丼としては刺激があって美味しいが、担担麺と同時に食べると、辛さと痺れ感の質が違うので、味が打ち消し合う感じもした。あくまでも個人的感想だが、麻婆豆腐が食べたいなら単体で、担担麺にご飯が欲しかったら通常の白ご飯の方が合うと思った。
 辛さと痺れのダブルパンチは結構効いたが(笑)、暑く高湿度な夏に弱りがちな胃腸を鼓舞するには向いていると思う、気候と食べ物には関連性がある。

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 帰りはこの界隈に僅かに残る「看板建築」を見る事に、関東大震災後に建てられた、建物前面を銅板やモルタルで洋風に装飾し、中身は木造日本家屋の建築様式の事で、この「海老原商店」は1928年(昭和3年)の建築、戦時中も空襲被害に遭わなかったのでそのまま残った。昭和・平成を生きた建物は見るだけならとても味があるが、この古さではやがて消えゆく運命だろう、見ておくなら今のうちかも知れない。

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 暑い中歩いていたら辛味効果が効き冷たい物が欲しくなり、セブンイレブンに入って「まるでマンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」(140円)を買ってしまった、これを舐めながら隣の御徒町まで歩いたが、すれ違った人にはきっと「変な親父だ」と思われた事だろう(笑)。


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竹ノ塚「アトリエ・エデュー」

 足立ネタが続くが、素晴らしいパティスリーに出会ったので、ブログ記事にしたいと思う。
 「竹ノ塚に秀逸なパティスリーがある」との噂は以前から聞いていた、WEB情報ではとにかく小さい店で、営業は木~日曜日の週4日だけ、営業時間も短く数もあまり作らないので、夕方には売切れになってしまうとの事、でも味は抜群との評価を見た。これは行ってみたいと思いながらも、電車に乗ると2社乗換で結構運賃がかかるし(笑)、自転車で行くにはかなり距離があるので見送っていた。4月以降は時間に余裕が出来た事もあり、やっと重い腰を上げ、天気の良い日に遠路訪れてみる事にした。
 我家からは、つくばEXの六町駅方面へ出て北上、南花畑4丁目の交差点を左折したら直進、国道4号(日光街道)へ出る手前に店はある、近い駅は竹ノ塚だが歩くと10~15分はかかる。

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 我家から30分近く自転車に乗りようやく辿り着いた、遠くからでも目立つ朱色の外装は、一見美容院に見えてしまう(笑)、店の左手が販売スペースで右が工房になる。

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 店の名前は「アトリエ・エデュー‘èdu’」2006年に開業、案内のとおり週4日営業で10時から19時までの開店時間。
 扉を開けて店内に入るが、本当に狭い売場で客は2名位しか入れない、客が集中すると店外で待つ事になる。店主一人で客対応する情報もあったが、この日はコックコート姿の若い女性が販売を担当していた。
 ケーキは5種類程で少ない、あとはシュークリームと、別棚に焼き菓子とオリジナルの米粉で作ったドーナツが並べてある位。何を買おうか迷うが、店内に「自転車でケーキを持ち帰る時は、カゴに入れないで下さい」旨の注意書があった、これは私も気を付ける事だが、自転車走行は結構上下動がありケーキ類が壊れやすいので、極力手にぶら下げる様にしている、それもあって持ち帰りに支障なさそうな品を選んだ。
 不便な場所にありながらも客がやって来る、私が店を出た時も若いカップルが自転車で現れて、店内が狭い事を知っているからか、女性が男性に「そこ(外)でポケモンやって待っていて」と指示?していた(笑)。

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 買ったのはこの3品、見かけは最近オープンした、お洒落なパティスリーのケーキとは違って地味そのもの(笑)、感想は以下のとおり。

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・マンゴープリン(税込450円)
 この店のスペシャリテの一つ、タイ製の小さなグラスに入っている、底にマンゴープリン、その上にマンゴー果肉をマンゴー味のジュレで固めてある。マンゴーを使ったスイーツは昨今流行だが、旨いと唸る位な物には出会えなかった、これは頭一つ抜けている出来と思う、プリンもジュレも上質、食感の違いがミックスされる事で新しい別の味になっている、夏場だけかも知れないが、この店へ来てこれがあったら買うべきアイテム(笑)。

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・タルトフロマージュ(380円)
 外観は本当に地味(笑)、子供には受けないだろう、でも一口食べるとチーズの香り、柔らかさと下のタルト生地が相性抜群、おそらく数種のチーズのミックスで、それも試作を繰り返したのだと思う、見かけに拘るならお勧めしないが、実質的な美味しさを求める人だったら、この完成度が判る筈。

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・ガトーショコラ(320円)
 足立区内のパティスリー数店でガトーショコラを買ったが、これは1オクターブ上の出来、素材重視でチョコレートの香り、味、焼き具合が良好なバランス。店売りのガトーショコラでは上にホイップクリームを載せたりするが、あれを見る度に「どうしてこんな余計な事をする、自分の作ったものに自信が無いの?」と疑問に思っていた、やっと納得出来る物に出会った気がする(笑)、京橋にあったフランス料理店「カストール」が、昔銀座ナイン館にパティスリーを出していた時期があるが、あそこで買った秀逸なガトーショコラを思い出した。

 全体的な印象は、とにかく素材を吟味して余計な物は加えず、見かけより味を重視したケーキ類だと思った。まるで三田「コートドール」斉須料理長の料理みたいで、此処へ辿り着く迄には色々と削ぎ落して来たものがあると思う。
 「作られた物は、それを作った人を物語る」なら、店主はおそらく頑固で安易に妥協する事が嫌い、繁盛して儲け店を大きくして支店を出すより、ミニマムな店でも自分の納得出来る物を作りたい、こう考える人ではないかと想像した。
 足立区内では過去一番気に入ったパティスリー、自転車30分は結構遠距離だが、酷暑が終わった頃にまた買いに行きたいと思っている(笑)。


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五反野「かみの屋」

 豚骨背脂系は苦手なので、事前情報でこの手の店と判ればパスするが、我家から自転車で行ける範囲のラーメン店なら一度は訪れる様にしている、ラーメンとスイーツは地元の店を応援したいと思っているからだ(笑)。
 今回初訪問の「かみの屋」もWEB情報でオープンを知った店、住所は足立区西綾瀬で、交通機関で一番近いのは東武スカイツリーラインの五反野駅になる、駅からは高架に沿って南へ進み、国道に出たら左折、足立コミュニティバスの「西綾瀬二丁目」停留所の目の前に店はある。我家から自転車で20分位だが、この辺りは飲食店も少なく、あまり来た事はなかった。
 事前情報では以前日本蕎麦の店舗で、居抜きで7月にオープンしたとの事。提供するのは「長岡生姜醤油中華そば」で、新潟県長岡出身の店主が始めた店らしい。長岡生姜醤油味は初体験だが、既にWEB上にUPされていたラーメン画像を見ると、私好みなビジュアル?なので(笑)、平日昼に訪れてみた。

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 得意の開店口開け客、引戸を開けるとカウンターはなくテーブル席だけの店内、4人席に座らせてもらったが、店の雰囲気はたしかにラーメン屋と云うより蕎麦屋だ。

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 壁上に掲げてある「お品書き」も蕎麦屋でよく使われる木製の物で、居抜きで入った時に引き継いだと思う。
 メニューは「長岡中華そば」(税込700円)、「味玉中華そば」(750円)、チャーシュー中華そば(800円)の三種類、あとは大盛りとトッピング増があるだけ、開業早々と云う事もあるが、冷たい麺もご飯類も置かない潔さはかえって好感が持てる、この中から「味玉中華そば」を普通盛りでお願いした。

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 厨房内は店主と思われる男性が一人、店内を女性一人で担当するが奥様だろうか?

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 テーブル上には共有の洗い箸、GABANの胡椒に楊枝と紙ナプキン、ラーメン屋にありがちな蘊蓄を書いた貼り紙等は無い(笑)。

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 やがて運ばれてきた中華そば、見た目はすごく懐かしい感じ、醬油ベースのスープにメンマとほうれん草、薄切りだがチャーシューも4枚入っている、昔のラーメンには必須だったナルト巻に海苔、海苔の上には刻み生姜、味玉は+50円だから安いと思う。
 まずはスープからで、事前情報では長岡は豚骨ベースとあったが、清湯タイプで豚臭さはあまり感じない、おそらく昆布か鰹節みたいな和出汁も入っていると思う、生姜はそう目立たず控え目、醤油風味が効いていて、なかなか好みのスープだ(笑)。
 続いて麺、これは縮れがないストレートな中太麺、自家製麺ではないが歯応えは感じられる、美味しいが個人的な好みでは少し縮れが欲しい気もした。
 全体的には何処か懐かしく、子供の頃食べた東京下町ラーメンを思い出す、各パーツも丁寧な作りで、私のストライクゾーンに入った(笑)。
 或る飲食店関連のサイトによると、ラーメン、中華、そば・うどん業態では、開業後4割以上の店舗が営業1年以内に、7割以上の店舗が営業3年以内に閉店したと云う統計があるそうだ、たしかに地元でも現れては消えるのがラーメン店だ、此処も開業したばかりだが、内容に対して価格は良心的、出来るだけ長続きして欲しいなと願ってしまう、そのためにもまた来ないといけない(笑)。

 WEB上地図で店の場所を調べている時に、あまり離れていない場所に、或る史跡が存在する事を知ったので、食後に訪れてみる事にした。
 東武鉄道の高架に沿って南へ向かうと公園があり、それを右手に見て直進すると、JR常磐線、東京地下鉄千代田線、つくばエクスプレスの3線が通る鉄道高架がある、そこを抜けるとすぐ右手にあるのが「下山国鉄総裁追憶碑」だ。

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 昭和24年7月6日早朝、国鉄(当時)常磐線北千住~綾瀬間の線路上で轢死体が発見され、やがて身元が前日から行方不明だった、当時の国鉄総裁下山定則と判明した事から、新聞紙上では自殺・他殺両説が紙面を賑わした、その後の警視庁捜査でも結論は出ず、結果を発表する事なく捜査打切りとなる、この謎は「下山事件」として後世に語り継がれる事になる。
 「日本の黒い霧」の松本清張を始め多くの作家、ジャーナリストがこの事件について取材をして記録を残している、私も何冊か読んだが、ジャーナリズムでは謀略他殺説を採るケースが多い、私も以前は他殺だと確信していたが、最近は少し違う見方もしている。ただ仮に自殺だったとしても、現在なら「パワハラによる過労からの自殺」として労災(公務員は公務災害)認定される筈だ、当時日本は連合国占領下、ドッジ・ラインに基づく国鉄人員整理を迫るGHQと、労働組合との板挟みになっていた事だけは間違いない。
 「追悼碑」ではなく「追憶碑」になっているのは、自殺か他殺か不明だからだろう、実際の轢死現場は碑のある地より少し西側になり、現場近くにあった元の記念碑は昭和45年に石碑に建て替えられ、その後高架橋の増設により現在地に移設された。
 事件から67年が経過し、関係者も殆ど彼岸へ行き、現場も当時を思わせるものは何も無いが、戦後の混乱期に巨大組織を率いて真剣に仕事をしていた一職業人として尊敬したい、私は近親者に旧国鉄関係者が居た事もあり、謹んで合掌をさせてもらった。


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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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