最後の晩餐にはまだ早い


押上「トリトン 東京ソラマチ店」

 食ジャンル中でも色々な愛好家が存在するが、回転寿司好きな人達が結構居る、ラーメンや牛丼等と同じく「一人飯」には向いていて、且つ家族連れにも対応可能、これから単身者が増え、家族形態が多様化する日本では成長産業に見込める。
 回転寿司好きな人のブログ等でも評価が高い寿司チェーンの一つが、北海道北見市本社の北一食品㈱が運営する「トリトン」、私も今秋の札幌行で訪問予定に入れていたのだが、店まで行って行列の多さに断念したので心残りだった。以来東京に2つある支店のどちらかへ行こうと思っていたが、今回墨田区内へ出かける用事があったので、東京ソラマチ内の店舗へ、やっと念願の初訪問を果たす事が出来た(笑)。
 我家からのアクセスが少々複雑で、スカイツリー本体へ行く場合は、北千住から東武鉄道で浅草行に乗り「とうきょうスカイツリー」駅が便利だが、商業施設「東京ソラマチ」はその手前になるので結構歩く、調べたら東武と相互乗り入れしている、地下鉄半蔵門線の押上駅の方が近く、北千住では半蔵門線に乗った。
 押上駅を降りたら、其処はもう東京ソラマチの地下3階と直結していた、エスカレーターで6階まで上がる。

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 レストラン街に着いたのは開店前の10時40分頃、「一番乗りか?」と思い店前に行ったら、既に座って待つ家族が居た(笑)、この日は平日だったが、土日祝等は開店時間前にも長い行列が出来るとの事だ。
 11時になり営業開始、店員の案内でカウンター席に座るが、続々と客がやって来て6割位席が埋まり、退店時間にはほぼ満席になっていた、さすがは人気店だ。

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 割り箸ではなく共有の洗い箸使用、収納はラーメン店等で見かける省スペース仕様。
 回るレーンに乗っている寿司もあるが、基本は注文でお願いした、以下にこの日食べたものを全部ではないが紹介する。

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・北の旨いもん三種盛り(税別530円)下から「活ほっき」「北海にしん」「たこの子」

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・生いか(150円)

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・活ほたて(530円)

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・でっかいぼたん海老一貫(630円)

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・浅利の味噌汁(290円?)

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・〆さば(190円)

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・シャキシャキサーモン(240円)

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・穴子(290円)

 この他にカリフォルニアロール(290円)、鉄火巻(190円)、よせばいいのに誰かが美味しいと云っていた、デザートのプリン(290円?)まで、寿司屋行って鮪食べずにプリン食べるべきではないと悟った(笑)。
 北海道からの直送と思う寿司種はやはり美味しい、特に烏賊、帆立、サーモンは秀逸、看板商品のぼたん海老も美味しいが値段も高いので、これはまあ一回経験しておけばと云う感じか、反面巻物類はごく普通だった。全体的にご飯(シャリ)の部分が大き目なので、予想以上にお腹が一杯になる(笑)、あと気付いたのは自分で淹れるお茶(粉茶)が美味しい、椀物は少し塩気が強かったか。
 店内は新しい事もあり明るく清潔、店員の活気も良く居心地もいい、混んで来ると注文した物は遅くなりがちだが、それは他店でも同じ事なので仕方ないか。
 初回なので「ぼたん海老」みたいな高額物も注文してしまったが、それがなければ他の回転寿司(一皿100円店を除く)と較べても、あまり違わない支払いだと思う、地元の同業種店と「どちらが好きか?」と訊かれたら、やはりこの店を選ぶと思う、ただ我家からだと往復交通費もそれなりにかかるので、何かのついでがあるなら、また来たいと思った。
 この店へ行くなら平日の開店時間(11時)に、店前に着く様にするのがお勧め、行列までして食べるかは、その人の価値観にもよるので何とも云えないが、私は食べるために列に並ぶのは苦手だ。
 従来なら個人店勤務していた寿司技術者を、社会保険や福利厚生完備の社員として雇用、サービスや洗い場等は扶養控除の範囲内で働きたい女性達のパート勤務、チェーン展開により一括仕入とロスカットが可能になり、低廉価格競争時代を生き残る。現在の食業界のビジネスモデルを反映しているのが回転寿司店ではないかと思う、「回転寿司なんて、美味しい訳ない」と思っている人は、一度行かれる事をお勧めしたい。ただし前述のとおり、開店一番を狙い回って来た物には手を付けず、注文したものだけ食べ早く切り上げる事、これに尽きる(笑)。

 食後は初訪問の「東京ソラマチ」内を見て回ったが、施設内は新しいので綺麗過ぎで下町らしくなく、かえって落ち着かない(笑)、これは東京以外の人のための東京だと思った。私は子供の頃、此処から歩いて15分程の処に住んで居たが、その辺りは昭和の東京が色濃く残る地域なので、未来都市みたいなスカイツリーと関連施設は、自分とはおよそ無縁の世界に感じてしまった(笑)。


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竹ノ塚「武藤製麺所」

 私の地元に昼時は行列が出来るラーメン店があるが、最近2ヶ月位休業している、聞く処によると店主が体調不良との事で、見かけはそんなに歳いっている人ではないので、悪質な疾病でなければいいのだが。
 飲食店主は何より身体が資本だ、企業・組織等に勤務するサラリーマンなら病欠期間の休業補償や、辞めれば雇用保険の失業給付もあるが、日銭が基本の飲食店では休んだ日から収入ゼロ、テナント家賃を払っていればその分マイナス負担になってしまう。自分の代わりに営業してくれる従業員が居ればいいが、人材不足の飲食業界の現状ではそれも困難となると、あとは病気にならない様に徹底して自己管理するしかない、禁酒禁煙でスポーツジムに行って体力を鍛える、事故防止のため運転もしない、こんなストイックな日常生活をしないといけなくなる(笑)。
 調理師学校を卒業しても個人経営店には勤めず、社会保障のしっかりした企業系に就職したがる人が増えているのも、こうした背景があるのだと思う。

 この日寒かったのもあり、急にラーメンが食べたくなった、漫画家の東海林さだお氏がエッセイで書かれていたと思うが、ラーメンは食べたくなると「今すぐ食べたい、待っていられない」となる(笑)、ラーメン店は大体昼の開店時間が11時と11時半に別れるが、この30分の差が大きい、最近訪れるのは早くオープンする店が増えた。
 我家から行ける11時開店の中から選んだのは、竹ノ塚の人気店「武藤製麺所」で、天気もいいし久しぶりに行ってみようと、愛車(自転車)に乗った(笑)。

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 店到着は11時の開店時直後で、いいタイミングだったが既に先客が居た。

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 店前には「先に食券をお買い求め下さい。」の案内看板が置かれている。

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 店一番人気で以前食べた事のある「わんたんとり塩めん」にするつもりだったが、食券機で目に入った「特濃らーめん」(700円)が気になり、ついボタンを押してしまった(^^;)。ランチタイムは+100円で小ライスと餃子3個が付くサービスがあるので、これもお願いする事に。

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 店内は清掃が行き届いて整理され、店員にも活気を感じる、昼前だったからか厨房一人店内一人の体制。

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 卓上の調味料類や水ポット、この店は割り箸派だ。

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 そして出来上がって来たのが「特濃らーめん」、名前のとおり見かけは濃度の高そうなスープ、まずは一口吸ってみるが、ベースは多分鶏、魚粉、野菜だと思う、ドロっとしているが意外に端麗、よく言われる「ベジポタ」とは少し違う。
 続いて麺だが自家製の細麺、この店は食券を渡す時に細麺か太麺か選べるが、私はスリム好きなため(笑)細麺を選んだ、この麺が濃い目のスープとも合っていいバランス、麺に絡んだスープで鼻腔に芳香が抜けていく。無化調なので最後まで飽きない味で楽しめた。今年2月の和歌山「オテル・ド・ヨシノ」での「ジビエのビスク」を何故か思い出してしまった(笑)。

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 ご飯には豚肉の佃煮みたいな物が乗っている、コシヒカリ系だろうか?少し柔らか目の炊き具合、美味しいがラーメンの相方としてはもう少し固い炊き方が好み。

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 餃子3個、これはまあ普通そのものでした(笑)。

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 席背後の壁には「スープ」と題して、スープ作りのポリシーが書いてあった、こうしたものは概して意気込みと材料自慢で、読んで白けるものが殆どだが(笑)、これは一応まともな事が書いてあった、ベースは鶏と煮干しとの事だ。
ラーメンスープはお金をかけようと思えば幾らでもかけられる、ただ一杯千円は取れない、原価率を考えたらどうバランスを取っていくのか、この辺りに経営者としてのセンスが問われると思う。
 久しぶりの武藤製麺所は美味しかった、勿論全部回った訳ではないが、過去訪れた足立区内の店では、今の処一番自分の好みに合っている。暫く来ていなかった事を後悔した、今は時間があるので、また寒くない平日11時を狙って行こうと思っている(笑)。
 帰りに店前を通ったのだが、以前訪れた洋食「かちゃくり」が閉店しているのを知って驚き、開店後まだ2年位の筈だが、此処も店主の体調等何か事情があったのだろうか?料理も店の雰囲気もなかなかいい店だったので残念な事だ。


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麻布十番「リストランテ・ジャニコロ・ジョウキ」(2016年11月)

 今年8月下旬に麻布十番にオープンした、イタリア料理「ジャニコロ・ジョウキ」、オープニングレセプションに参加して以来、「近いうちに行こう」と思いながら3ヶ月経ってしまった、会う人毎に「今度、麻布十番に出来たイタリアンはいいよ」と薦めながら、自分が行かないのは駄目だなと反省(笑)、ようやく重い腰を上げランチタイムに伺う事が出来た。
 土日なら人が頻繁に行き交う商店街も平日は静かだが、この日は某大国のトップを決める選挙経過で、スマホ歩きの人達が何処か落ち着かない印象の白昼だった。
 店は駅を出て商店街を上り、ダイエー近くにあるビルの9階、そのまま歩くとフランス料理の「グリグリ」が入ったビルがある。 
 エレベーターを出ると、其処はもう店内と云う珍しい造りは前回経験済みだが、人が多かったレセプション時と違い、いきなり異空間にワープする感覚で、このエレベーターの扉は「どこでもドア」みたいだ(笑)。

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 サービスの男性と内野料理長に挨拶し、窓際の絶景席に座らせてもらう、視線の先には六本木ヒルズ、まるで自分がセレブの一員になった錯覚を覚える、云わば「シンデレラになれる店」で「これが夢ならずっと醒めないで欲しい」(笑)。
 この日のランチメニューは以下のとおり、

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・薫製した生ハムと甘麹のエスプーマ

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・カツオのカルパッチョと青リンゴのピュレ

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・イノシシと山ぶどうの煮込みのリガトーニ、牡蠣のコンフィを添えて

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・氷室豚の炭火焼き(焼き上り)

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・カット後、上はドライほうれん草

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・パンチェッタと京芋の自家製タリオリーニ

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・洋梨のコンポートとワサビ

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・黒糖のパンナコッタと柿のキャラメリゼ、黒胡麻のチュイエル

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・さつま芋のソルベ(画像なし)とポテトチップ
・洋梨のハーブティー

 一品目は甘麹の甘味が特徴的、続く鰹は赤身に青リンゴ味を被せる意外感だが、これが不思議に合っている。
 続くパスタはコッテリとした印象だが葡萄の酸味で中和させる、肉料理の「氷室豚」とは群馬県で生産される「氷温熟成豚肉」の事で、今回はシンプルな炭火焼きだが、脂の旨味が独特、柚子胡椒に似たレモンハーブペーストを付け食べる、これは肉味も噛み応えも良く美味な豚だった。締め?のパスタはあっさり目で自家製麺の良さを感じさせた。
 料理長が得意とするドルチェも安定の美味しさだった、洋梨に本山葵を合わせるのは大胆技だと思う(笑)。
 一品一品丁寧な作りで、意外な食材組合せの美味しさは「フロリレージュ」にも通じる。少し気になった点を挙げると、猪ラグーのパスタ~氷室豚~パンチェッタのパスタと続いた構成が、食べている時はあまり気にならないが、食後感が少々重かった、この辺りは今後修正して行くだろうと思う。
 内野氏は7月まで近くにある姉妹店の、「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」で料理長だった、今迄は「ピッツェリアなのに、こんな本格的な料理が出る」と云うサプライズ感があったが、今度は本格的なリストランテだ、客の期待値もより高くなる、色々と試行錯誤しているのは感じ取れるので、より良い方向へ進む事を期待している。

 食器は料理長が選んだ和食器が中心、カトラリーは「イタリアのクルストフル」とも云われる「サンボネ」の使い込んだ品、閉店したイタリア料理店から譲り受けた物との事だが、上質な重量感で和食器とも意外にマッチする。
 店内は改装されたばかりで新しく綺麗、インパクトのあるゴールデンイエロー色の椅子やナプキン、オーナーのセンスで集めた抽象画が明るい空間に映えている。前述のとおり9階から眺める景色は抜群、ランチは1,800円からあるので、一階店舗で1,500円の高級ハンバーガー食べる事思えば、非日常感も含めお得だと思う(笑)。

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 退店時には「ガチャガチャ」まで登場した(笑)、これが何であるかは是非店へ行って体験して欲しい(一部ランチを除く)ので詳しく書かないが、店名の「Giochi/ジョウキ」=(伊語で)「遊び心」と「常軌」=「常に行うべき道」を上手く表現していると思う。
 これからが期待出来る素敵なリストランテ、今年のノエル(イタリアだから「ナターレ」か)に素敵な人と過ごす場所を探しているなら穴場だと思う、今ならまだ間に合うかも知れない(笑)。
 

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本郷「ビストロ・アバ」(2016年10月) 

 この日は千住の某庁への最終出勤日?だが、予想外に早く用件が終わってしまった、界隈でのランチタイムにはまだ時間がある、そこで月曜営業していてこれから予約なしでも大丈夫な店はあるか?と考え、思い付いたのが3月迄居た職場に近い、本郷のフランス料理「ビストロ・アバ」だった、予約を取らないランチは11時半開始なので間に合うと思い、急ぎ北千住の駅に向かった。
 新御茶ノ水駅で延々歩いて丸ノ内線淡路町駅に乗換える、このアクセスで約5年通っていたので鍛えられた(笑)。本郷三丁目駅に着いたら時間は11時過ぎ、少し早かったかなと思いながら店前に向かったら、既に女性二人組が開店を待っている、他に寄る処も無いからその後に並んだら、店から渡された本日のランチメニューが回って来た。
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 近所のママ友仲間らしい彼女達の話では、「もうじき開店するそうです」との事、あとで知ったのだが、開店は11時15分からに変わったみたいだ、早目に行って良かった(笑)、私の後にも4人客がやって来る。

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 店前の歩道には、席待ち客用なのかカウンター用の椅子が並べてあるが、此処に座って待つのは結構勇気要る(笑)。

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 11時15分になり、店内から女性が出て来て「お待たせしました」と入店を案内された、私は2組目で前回と同じカウンターの端席に座らせてもらった。
 目の前の冷蔵庫の上には、店のシンボルである豚のアイテム等置かれているが、以前に比べてスッキリした印象、店内全体も整理されたと感じた。

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 夜の黒板メニュー、この店を利用するのはランチタイムばかりなので、一度夜に来てみたいと思いながら、未だ果たせないでいる、なかなか魅力的なカルトが並んでいる。

 続々と客がやって来る、皆初めて来たのでなくリピーターみたいに見える、昼休み前なのでおそらく近隣住人か、私の地元にもこの店欲しい(笑)。少し離れた春日通りには姉妹店の「ギャテ」があり、今年2月には木場に「ビストロ・アバ木場店」が開店したが、WEB情報では11月現在休店中になっている、詳しい事情は不明だが従業員が足りないのかも。

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 料理がやって来た、まずはシンプルなグリーンサラダ、サラダはあまりゴテゴテ要素を入れるのは好まず、これがいい(笑)。

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 自家製パン、結構美味しい。

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 結局、悩みながら選んだ料理は「豚バラと豆、かぼちゃの煮込み」(パン・サラダ込1,250円)、実はこの日ハロウィン当日だったので、「かぼちゃ」の文字に反応してしまった(笑)。
 柔らかく煮込まれた豚バラは結構大きな塊、ナイフがスッと入って南瓜の香りが絡まり脂と甘味がいいバランス、緑豆が面白いアクセントになっている、手前は茹で玉子ではなく(笑)茹でジャガイモ、この料理人は北海道出身と聞くが、北の大地を連想させる料理だ。全体的な味のイメージは「豚の角煮」だが、食べ終わると「やはりこれはフランスの煮込料理だ」と納得する、なかなか美味でした。

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 フランス料理は食後甘味が欲しくなるもの、そこでランチデザートの「ココナッツのブランマンジェ」(200円安い!)とコーヒー(150円)をお願いした、ブランマンジェは水飲みグラスの容器に入っていたが、ちゃんとアーモンドの香りがする、某有名店では一皿千円以上するブランマンジェもあるが、私の凡俗な舌では値段程の差があるとは思えなかった(笑)。

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 食べ終わったら席待ち客も居たので早々に退出、これがこの店ではマナーの一種、支払いは総額で1,600円、内容を考えたらとても安い。店外のお知らせにはシャルキトリー類の販売も始めたみたいで、一度味わってみたいなと思った。

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 帰りは摂取カロリー消費のため(笑)、久しぶりにこの界隈を歩いてみようと東大方面へ向かう、気付いたのは本郷通りの閉店が急増していた事、本郷三丁目交差点近くの総合書店は、私が勤め始める前から営業していたが9月で閉店の貼り紙、そのまま歩くと医療書籍等を置く古書店があるが、幾つも閉店しているので驚く、店主が高齢化し後継者も居ないのだろう、何かとても寂しい事だ。新しく出来た店舗もあるが、殆どがラーメン店等客単価の低い飲食店、それも入れ替わりが激しい。
 「異次元緩和によってデフレ脱却を図り、景気回復へと導く道筋」は、かなり怪しくなっている、庶民の消費節約傾向は変わっていない。仕事をリタイアして以来、外食はランチ訪問が多くなったが、客入りがいいのは料理1,500円位までの店だ。
 キャリテプリな満腹ランチで嬉しかったが、色々考えさせる日だった、でも街は歩かないと発見がない、ネット上では知り得ない事はやはりある。


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八重洲地下街「エリックサウス」

 時間が前後するが、前々記事の「ノーマ東京-世界一のレストランが日本にやって来た」の試写会が京橋で、午後からの開演だった。そのため何処かでランチを食べて行こうと思い、WEB上で近くの店を探したが、この辺りはサラリーマン&OL向けの店が多過ぎで迷う(笑)。翌日はフランス料理店へ行くので、出来ればヨコメシ以外でと思って見ていたら、この界隈にインド料理店が多い事に気付く、東京では上野・御徒町界隈に次ぐかも知れない、この中から選ぼうと思い、試写会場にも近い八重洲地下街の「エリックサウス」に行く事にした。
 WEB情報によると2011年9月にオープンした南インド料理店、南は米食が中心なので、ナンと食べるカレーではなく、ミールスやビリヤニが中心メニューの店だ、Facebookでも「この店へ行った」記事をよく見るので、人気店みたいだ。

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 八重洲地下街はアルファベットの「T」を引っ繰り返した「凸」状の形になっているが、その北側先端部分で京橋に一番近い、隣は有名な「牛たん」の店だ。
 店のオープンは11時、混んで居るかな?と思ったが、まだ早い時間だったので空いていた、ただ時間が経つに連れ次々と客が来店しほぼ満席になった、店内はカウンター席中心で、上野のインド料理店と比べると女性客が多いと感じる。

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 ランチタイムは通常のカレーランチ(ナンではなく、ターメリックライス)の他に「チキンビリヤニ」と「ランチミールス」がある、今日はミールスを食べたいと思っていたので、後者(税込1,000円)を注文する事に。
 店はキッチンとサービスで5~6人、見た処では全員日本人だと思う、インド&ネパール系の店員が多いこの手の店には珍しい。

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 目の前には「ミールス大図鑑」を表紙にしたメニューがあり、これが昔の少年漫画調でちょっと笑える(笑)。

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 更に「楽しい(正しい、ではない)ミールスの食べ方」なる指南書?も貼り出してあり、店のミールス愛が伝わって来る。

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 卓上の薬味類、「ウールガイ」は南インドの漬物、「辛味」はアバウトだが(笑)唐辛子ペーストみたいなもの。

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 やがて運ばれて来たミールス、真ん中はパスマティライスの上にパパド、左下にターメリックライスもある、そこから時計回りでカトリの中は、選べるカレーのマトン、ココナツベースのチキンカレー、サンバル、ラッサム、ヨーグルトかサラダを選べるのだが、このサラダは少々寂しい(笑)。

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 指南書に沿って、まずはパパドを割ってパスマティライスの上に散らし、そこへカトリに入った各種カレーを加えて食べる、手で混ぜて食べると美味しいとの事だが、これはなかなか勇気が要る(笑)、周りを見渡しても皆はスプーンで食べているので、それに倣った。
 味は全体的に優しい味わいで、スパイス使いは控え目に感じた、カレーそれぞれの味はベースがしっかりしている、パスマティライスも美味しい、ただターメリックライスは必要ない気もするが、この辺りは日本人の好みを意識しているのかも知れない。
 創業者は日本人だと聞く、南インド料理に惚れ込んで店を始めたそうだが、これは「日本人が好む南インドの味」だなと思った。中国料理でも「中国人料理人が作る、日本人が食べて美味しいと思う料理」と「日本人料理人が作る、日本人が食べて美味しいと思う料理」は微妙に違うのでは?と以前から考えていた、インド料理でも同じなのかと思ったが、私自身それ程インド料理の経験値がないので、これは今後の研究課題にしたい(笑)。
  「どちらが好きか?」と訊かれたら、ミールスだけなら御徒町「アーンドラ・キッチン」の方が、全体の味のエッジが立っていて好みだが、あちらは少し値段が高い。エリックサウスのランチミールスは税込千円、カウンターなので一人でも入り易く年中無休で15時までランチタイム、夜も22時までやっているので、新幹線や成田空港行きのシャトルバスの待ち時間にも、気軽に利用出来るのは便利だ。
 店を出る時には席待ち客も居た、店頭では持ち帰りのカレー販売もあって、OLさんらしき数人が並んで買っていた。

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 日本人が経営する南インド料理店に、女性客が多くやって来ている、外国人客も数人居て英語が聴こえ、店の目前には外貨両替所がある、これは今の東京を表現しているなと感じた(笑)、場所的にも使い勝手のいい店だと思う。

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赤坂「古屋オーガストロノム」(2016年10月)

 先日の「食べ続け旅行」時にお世話になった札幌の友人が東京に来る事になり、何処かでランチをご一緒しましょうとの話になった。フランス料理が好きなので、店を選ぶのだが東京は数が多過ぎて絞れない(笑)、そこで過去彼が行った店を除き、平日ランチ営業している「私が今、東京でお勧めできるフランス料理店」を5つ選び、参考にブログ画像を見てもらい、その中から行きたい店を選んでもらう事にした、まるで東京五輪における競技施設見直しの複数案提示みたいだが、その5店が何処なのかは、色々と差し障りがありそうなので書かない事にする(笑)。
 結局彼が選んだのは、赤坂「古屋オーガストロノーム」だった、やはり画像だけでもこの店の料理は、本格古典フレンチ好きには訴えるものがあると思う、私は今年早くも4回目の訪問になった。

 朝食に駒沢公園でラーメンを食べて来たと云う(!)彼と、千代田線の赤坂駅で待ち合せ、「赤坂サカス」を少し案内した後に店へ向かう、天気は絶好のフレンチ日和だ(笑)。
 店に近付くとサービスの石橋氏が扉を開けてくれた、道側にスリットガラスがあるので店に来る客が見える、これはなかなかいいアイディアだ。平日昼ながら既に2組が着席し、我々の後にも1組来店したので、この店もフレンチ好きに知られて来たみたいだ。
 古屋料理長にも挨拶しシャンパーニュで乾杯、店にはクラシック料理好きな人物と行くと、あらかじめ伝えてあったのだが、当日の料理は以下のとおり、

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・アミューズ(牛蒡のスープに牛蒡のチップ、天草産マグロのグリエ・フヌイユのソース)

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・自家製パン3種

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・パンに添えてサンドゥー(イベリコ豚ラード&生ハム)、バター、岩塩

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・ハンガリー産フォアグラをテリーヌとポワレ2種の調理で、黒イチジクとイチジクのコンフィチュール、煮詰めたバルサミコ

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・大分県産地鶏玉子“蘭王” 75度で13分火入れしたウフアンムーレット、マルケ産秋トリュフ

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・宮城県産鰆のポワレ、香草風味のシャンパーニュクリーム、天然舞茸のリゾット

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・ブレス産仔鳩のロティとパネ、ジャガ芋と根セロリのピュレ、鳩の内臓を使ったソース

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・プレデセール(柿の黒ビールとアニスのコンポート、ペルノーのソルベ添え)

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・「ダム・ブランシュ」(ヴァニラのグラス、クレームシャンティ、伊ドモーリ72%のショコラショー)

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・エスプレッソ

 アミューズの鮪は質の高いもの、牛蒡のスープも何気ないが印象に残る。冷温2種のフォアグラは調理&アセゾネ(味付け)共に文句なし、店のスペシャリテのウフアンムーレットは、玉子の質でその都度温度と調理時間を変えるみたいだが、今回も抜群の完成度だった。
 魚料理はかなり古典的な皿だが、ソースの旨味が凝縮して、鰆やリゾットと素敵なハーモニーを奏でる。
 仔鳩は2つの調理法、古屋氏は素材を2種以上の調理で出すのが好きとの事だが、他卓の調理もこなしながら、ジャストなキュイッソン(火入れ)に仕上げるのはさすがだ、内臓を使ったソースも現代的に軽くしてあり、ピュレ2種も軽やかで美味。
 デセールも良かった、特にショコラデセールは最高品質のクーベルチュールを使う事により、次元の高いものになっている、なお「ダム・ブランシュ(白い貴婦人)」とは、バニラアイスに熱いココアをかけて食べる、ベルギーではポピュラーなデザート。

 20世紀前半を代表する料理人、フェルナン・ポワン(1897~1955)の決まり文句は「バターを!バターをよこせ!いつもバターを!」だったと伝えられるが、それに通じる話を食後に古屋料理長から聞いた。
 私が「ベルギーで料理長をやっていた時と、今では味付けを変えていますか?」と訊いたのだが、「少し変えている、特にバターの量は違う、向こうではバターは出汁みたいな感覚で量を使うが、日本人はそこまでバターへの耐性がないので抑えている」「特にジビエ料理ではバターを多く使った、自分が調理していると、隣にミシェル・リボット(総料理長)が立って、『ケン(古屋氏の愛称)、もっとバターを入れろ』と必ず云われた」との事。
 随分前の話だが、辻静雄が生前TVの対談番組で「現地そのままの味なんてやったら、客来ないよ」と語っていたのを覚えているが、そのとおりだろうと思う(笑)。
 古屋氏が働いていたのはベルギーでも「ワロン地域」と呼ばれる、公用語は仏語で仏文化の影響の強い地方、現地の人達が美味しいと思う料理を知り実際に作っていた、そして日本人が好きな味も知っている、これが彼の強みだと思う、あとは両方の交差点を何処に持っていくかだ。
 現在厨房一人、店内一人の体制なので、ランチ時に数組の客が重なると、皿出しが遅くなりがちだがこれは仕方ないと思う、丁寧な料理を待てない客は別の店を選んだ方がいい。個人的には店全体の何処かゆったりと緩い雰囲気は、フランスの地方のレストランに居るみたいな落ち着きを感じるので好きだ(笑)。
 友人も料理と店に喜んでくれたみたいで安心した、古屋料理長&石橋支配人ご配慮ありがとうございました。



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映画「ノーマ東京-世界一のレストランが日本にやって来た」

 出版社勤務の友人のご厚意により、封切前の映画試写会に参加する事が出来た、その映画は食に興味のある人なら観たくなると思う、12月10日公開予定の「ノーマ東京-世界一のレストランが日本にやって来た」だった。
 昨年、日本橋のマンダリンオリエンタルホテル東京にて開催された「NOMA東京」、デンマーク本店からスタッフ全員(77名とされる)が参加し、5週間と云うフェアにしては異例な長期間の「引っ越しレストラン」だったが、主にその準備段階を追ったドキュメンタリーが製作されていた。
 映画や小説の紹介記事の常として、以下は「ネタバレ」を伴うので、観ると決めている人は読まない方がいいかも知れない(笑)。さらに私自身はフェアに参加しておらず、またコペンハーゲンにある「NOMA」本店も訪れていないので、この店の料理については語る資格はなく、あくまでも映画自体の印象と思って欲しい。

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 映画はまず本店から数名のスタッフが「先乗り」として、マンダリンオリエンタル東京にやって来る処から始まる、フランス料理店ならスーシェフやシェフ・ド・パルティクラスだと思う、まず彼等は厨房の狭さや暗さ等環境がよくない事に驚き、本国との野菜の味の違いに困惑する。
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 日本で提供するメニューを考えるのだが、なかなか纏まらない。スタッフのモノローグ的な紹介があって、各自料理人になった動機や「NOMA」で働く事の意義を語るのだが、私はこの場面が一番好きだ(笑)。
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 そして料理長のレネ・レゼピが遅れて日本へやって来る、勿論その間にも電話では何回も連絡は取り合っているが、現場を知りスタッフ達と直接会って話すと、それまでとは違う空気が支配する。料理長は部下が考えた、本店とあまり変わらない料理に駄目出し(笑)、日本で行う意義を皆に強調し、食材を探すために出発する。
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 築地市場から始まり、北は青森白神山地から南は沖縄まで、雨の中で野生茸を探し、立ち木の枝を集める、苺農家では熟していない白い苺を求め、未熟だからと売りたがらない農家と揉める(笑)、さらには地方料理を味わい「日本」への理解を深めようとする。
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 探し集めた日本の食材からインスピレーションを得て、フェアメニューの試作を重ねながら構築する、この辺りは料理人の作業と云うより、映画等で見るルネッサンス時代の美術家工房みたいな印象だ。
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 開催日が迫って来る、ダイニングの内装もフェアに合わせた特別仕様、料理に関してはディティールに拘る料理長も、店内装飾等に関する日本人の細やかな作業に感嘆する。
 そして遂にフェアオープン当日、最初の客がやって来た、厨房前で迎えるのはレネ・レゼピ本人、これからの時間どんな信じられない料理が提供されるのか・・。
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 原題が「Ants on a Shrimp」なのが少々笑えるが、お約束どおりにちゃんと「蟻」も登場する、日本の蟻では長野産が最上だそうだ(笑)。
 勿論レネ・レゼピ料理長も登場しながらも、どちらかと云えば彼の下で働く若いスタッフ達が主役の、特別イベントを追ったメイキングムービーと云う印象を受けた。多国籍なキッチンスタッフを束ねるのは、マケドニア人の父とデンマーク人の母を持ち、スペインとアメリカで料理を学んだ料理長、彼・彼女達が日本で開催したフェアをオランダ人?の監督が撮ったドキュンメンタリーと云う、まさにグローバルな現代料理界を表わしていると思う(笑)。フィクションだが、ロンドンが舞台の「二ツ星の料理人」では、キッチンで仏語が聞こえていたが、このドキュメンタリーでは英語だけ、今やそうした時代になったのだ(笑)。

 なお映画の公式サイトは以下のリンクで、予告編も観る事が出来る。
http://noma-movie.com/
 個人的な希望を云えば、実際にフェアに参加した客の感想や運営側の話、また「NOMA」が日本に何を伝えたのか等、もう少し日本人の「声」が聞きたかった気もするが、特に日本向けに作った映画ではないので、それは仕方ない処か。
 映画としての完成度は別にしても、料理人やレストラン関係者、レストラン愛好家が観れば、客としては知る事出来ない舞台裏が見られるので、きっと「面白い」と思う筈だ(笑)。
監督:モーリス・デッカーズ、2016年オランダ映画

※今回のブログに掲載した映画のスチール画像は、配給元から提供を受け、ブログへの掲載許可を得ています、画像等の無断転載はおやめください。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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