最後の晩餐にはまだ早い


2016年「今年印象に残った店」(デザート・スイーツ編)

 料理編に続いて、デザート&スイーツ編を記したい。
 まずは今年最も印象深かった一品からで、東麻布の新店「ローブ」平瀬パティシェール作の、
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・バラ 桃
 今橋料理長の南の風を感じさせる料理も良かったが、このデセールの味構築とビジュアルには感嘆した、フルーツを使って感動するデセールになかなか巡り合えなかったが、20年前のパリ「ランブロワジー」での‘Compote de peche’以来の衝撃。
 秋冬の料理&デセールを体験したいのだが、このまま行けないと春になってしまう(笑)。

 以下は大体訪問順になるが、麻布十番「ビストロ・コティディアン」の定番、
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・ラム酒風味のクレームキャラメル
 「ローブ」とは対照的だが、ビストロデセールは見かけ武骨でも、旨ければそれでいいだろうと思わせる力がある。
 
 パティシェ経験のある料理人、六本木「ル・スプートニク」高橋料理長の、
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・バナナとチョコレートのグラスの中にラムレーズン、ヘーゼルナッツ、キャラメリゼしたバナナ、上からラム酒入りの熱いチョコレート。ベジタブルゼラチンで包んだマンゴーとパッションフルーツ。
 名前が長いが(笑)、ガストロノミーレストランのデセールはこれであって欲しい見本みたいな一品、手をかけその場でなければ味わえず、消えるのが惜しく儚くも美しい。

 チョコレート系ならこれも挙げておきたいのが、外苑前「フロリレージュ」の、
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・贈り物、アマゾンカカオ
 ペルーの料理人から送られてくるアマゾンのカカオを使い、日本の赤紫蘇と合わせるセンスはこの店ならではの発想、地球の裏と表はこれで繋がった(笑)。

 もう一つチョコレート系では、稲荷町「キエチュード」の、
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・栗とホワイトチョコレートのフォンダン、バニラのグラス、ビスケットのクランブル
 モワルーショコラとグラスの組合せは定番だが、ホワイトチョコレートを使いクランブルを添えた組合せの妙が、また食べたい一皿になった。

 ショーフロワ(熱く冷たい)なら挙げたいのが、赤坂「古屋オーガストロノム」の、
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・パッションフルーツのスフレ、グラススペキュロース
 古屋料理長はパティスリー勤務経験もあるので、デセールが安定している、スフレを一人厨房で他の料理を進行しながら作るのは相当面倒だと思うが、そのハンデを感じさない見事な出来。

 これ迄挙げたデセールの乗ったテーブルを引っ繰り返す様な、反則技みたいなのが、大阪上本町「コーイン」の、
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・トリュフのブリュレとアイス
 黒く見えるのは全て黒トリュフで勿論仏産、これは真似したくても出来ない、普通の料理人なら理性が許さない(笑)、他の料理人は真似しない方がいいが、でもまた食べたいと思う「禁断のデセール」(笑)。

 以下はフランス料理店以外で、まず麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」の内野料理長が「ピッツェリア・ロマーナ・ジャニコロ」時代の、
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・苺のスープに溺れた水牛のモッツァレラ
 ビジュアル、味のバランスが抜群、漫画好きな料理長のセンスが溢れている(笑)。来春には新店でも登場すると思う。
 
 自分はやはり日本人だと自覚したのが、大坂高麗橋「桜花」の、
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・ぜんざい 蓮の実 揚げ餅 あんぽ柿団子 くこの実
 外国人に何と云われても甘い小豆餡は美味しい(笑)、これに添えられた一口珈琲のセンスも良かった、自分の最後の晩餐にはブラスの「チョコレートのクーラン」と思っていたが、これもありかも知れない(笑)。

 スイーツ専門店では、表参道「グラッシェル」での新作レセプションで提供された、
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・シャインマスカットのパフェ(試食用サイズ)
 店売りサイズではないが、それが「もっと食べたい」と思わせ、猶更印象深かった、来年の再登場時にはフルサイズに挑戦したい(笑)。

 地元にこんな優秀なパティスリーがあったのかと、今迄知らなかったのを悔やんだのが、竹ノ塚「アトリエ・エデュー」の、
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・マンゴープリン
 フルーツのスイーツは難しいのだが、これは見事に「マンゴーを超えたマンゴー」になっていると思った、これも来年のシーズンに買いに行きたい逸品。

 一年間ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 今年4月に長年勤めた職場を辞し、収入のない生活になったので、ブログの継続はもう無理かなと思っていましたが、何とか続けてこられたのも「読んでいる、面白いよ」との励ましの言葉があったからです。
 来年どうなるかの見通しもありませんが、例え近所の一杯650円のラーメンからでも美味しさを感じ取れる感性は保ちたいものです(笑)。
 老いを感じる身には、何かと生き難く棲み難い世の中になりつつあるのを感じますが、来年が皆さんにとって、より良い一年である事をお祈りします。


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2016年「今年印象に残った店」(料理編)

 今年も残り一週間を切り、ブログの更新もあと2回の予定、そのため毎年恒例の「今年印象に残った店」を挙げておきたいと思う、「料理編」と「デザート&スイーツ編」の2回に分けるが、誤解のない様ことわっておきたいのは、私が訪れて此処に挙げなかった店が、料理もデザートも駄目だったと言う訳ではありません、既にガイドブックなりベテラングルメなりに好評価され支持を受けているので、あえて挙げなかった店もあります。
 今年の自分にとって何かしらの強い印象を残し、来年どう変わって行くかの期待を持たせる、「発展途上である」事を感じさせる店とその料理が殆どです。

・赤坂「古屋オーガストロノム」
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 「今年の発見」はこの店に尽きる。「黄金の1990年代」を想起させる、古典料理へのリスペクトを感じさせながら、そこへ料理人の現代的感覚をプラスしている、しっかりとした技術と料理の構築と余韻、フランス料理好きな友人に勧めても概ね好評だった。これから有名店にありがちな国籍不明系な方向に進まず、このままで居て欲しいと願うのは勝手な思い込みか、今一番訪れるのが楽しみな店だ。
 料理はスペシャリテの「松坂産地卵を66度40分で"温度卵"に、現代版ウッフ・ア・ラムーレット、フランス産黒トリュフ添え」

・神楽坂「ビズ‘bisous’」
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 新規訪問でもう一店挙げておきたいのがこの店。一度会ったら忘れない濃い顔(笑)、モヒカン頭に大きな声の若い料理人は、見かけとは違い繊細で遊び心のある料理を作る、4,950円のディナーメニューは都内有数のキャリテプリではないか?国産ワイン提供に力を入れ、あまり教えたくないが、来年は更に人気が出そうな店。
 料理は「スペイン産イベリコ豚肩ロースの低温ロースト」

・外苑前「フロリレージュ」
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 今更私が何か云うべきレベルの店ではないが(笑)、川手料理長の視線は今世界へ向いている、追い付けない差で先頭を独走するマラソンランナーみたいだが、誰かに「今、東京で行くべき店は?」と訊かれたら、迷わず即答でこの店の名前を挙げるだろう。
 料理は6月訪問時の「花ズッキーニと仔猪」

・六本木「ル・スプートニク」
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 昨年開業して瞬く間に人気集中、今回一年ぶりの訪問だったが、ムニュ構成が開店当時から進化し、見事な展開を感じさせてくれた、外国人客も多く来店し、高橋料理長と田村支配人の見事な操縦で、魔界六本木を周回する輝く衛星になった(笑)。
 料理は「北海道白糠町酒井さんが育てた仔羊のロティ、そのジュ、ロックフォールソース、35年物のローズマリー風味、ローズマリーの枝」

・西麻布「ル・セヴェロ・ジャポン」
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 レストランでは同席するメンバーによって、楽しさが2倍3倍になると云う実例を体験した(笑)。勿論料理も良かった、ステーキ以上に感心したのが、パリ本店の作り方で作ったと云うパテ・ド・カンパーニュ、フランス人が日本のフランス料理を食べ、おそらく「足りない」と思う部分を再現している、俗な例えだが「美女の腋臭」みたいな、日本なら削いでしまうもの(笑)。
 料理はその「パテ・ド・カンパーニュ パリ本店のレシピ 厚切りお肉のテリーヌ」

・大阪上本町「コーイン」
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 私のブログを読んだ東京の或る料理人が、「この店だけは行ってみたい」と唸っていた(笑)。フェルナン・ポワンは「美味しさはスピードだ」と云ったそうだが、この店の料理には「美味しさは物量だ」と感じる(笑)、これだけ物量を投入してもバランスの取れた料理にするのが、料理人の特異な才能。
 料理は「ブッフブルギニョン」(こんなブッフブルギニョン、他であり得ない(笑))

・和歌山「オテル・ド・ヨシノ」
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 料理長は今年、農水省料理人顕彰制度「料理マスターズ」ブロンズ賞を受賞、今国内でも最も「来ている」料理人だと思う。彼のスペシャリテであるこの料理が出て来たら、水戸黄門が葵紋の印籠を出すみたいなもので、平民はただ平伏すしかない(笑)。
 料理はその「ジビエのトゥルト」

・札幌「プロヴァンサル・キムラ」
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 東京以外でもう一店挙げておきたいのは、この店のこの一品。太宰治の「斜陽」は「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、『あ』と幽かすかな叫び声をお挙げになった。」で始まるが、私はこれを吸って「あ~」と唸りたくなった(笑)。これを食べる(「飲む」ではない)ためだけに、往復の飛行機代払って惜しくない、そう思わせる一品料理に最近あまり出会えなくなったが、久しぶりにそう思った。
 料理は「スープ・ド・ポワソン、ルイユとグリュエールチーズ」

 フランス料理ばかりになったので、イタリア料理を2店挙げておきたい、
・中野新橋「タクティー」
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 新鮮鎌倉野菜と鎌倉沖で採れた魚介が味わえる、意外な場所と云っては失礼だが、庶民的な街にある地域密着型のイタリア料理店、残念ながら来年4月で閉店予定との事だが、もっと客が来て盛り上がれば、もしかしたら延期があるかも知れない?
 料理は「8月・鎌倉野菜のサラダ」

・麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」
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 今年8月にオープンしたばかり、来年への期待を含めて選んだ。独学派の若い料理人の発想はユニーク、前店のピッツェリア時代に比べると料理にはまだ固さも感じたが、これから良くなって行く事は間違いないと思う。
 料理は「氷室豚の炭火焼きとほうれん草」

 料理に関しては、今年はモダン系より古典、料理人も1980年代生れの若い才能より、その前世代の料理に惹かれる事が多かった、私自身古典回帰しているのかも知れない(笑)。
 次回は「デザート&スイーツ編」を記事にします。


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新富町「ビストロ・シンバ」

 「忘年会をやりましょう、美女も呼びます」、この言葉に乗ってしまった(笑)、場所は銀座1丁目の「ビストロ・シンバ」、去年9月にオープンして以来、瞬く間に人気店になり、今では「予約の取れない店クラブ」に仲間入り、以前から行きたいと思っていたのだが、ランチ営業をしていない事もあり、なかなか訪れる機会がなかった、今回友人からの誘いがあり、念願の初訪問を果たした。
 店は有楽町線の新富町駅が一番近いが、私は日比谷線の八丁堀駅から歩き、夜だった事もあり、予想どおり道に迷ってしまった(笑)、計3人に道を訊きようやく店に辿り着いた。

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 以前は有名イタリアンの居抜き店舗と聞いたが、最近この八丁堀~新富町~築地周辺にフレンチ、イタリアンの新店が続いてオープンしている、銀座にも近くこれから注目されるエリアになると思う。
 ドアを開け店内に入いるが、想像していたのより小体な店内、テーブルが16で、カウンター4の計20席、ここからそう離れていない「メゾン・ミッシェル」より少し広い位か、店名の「Simba」とはスワヒリ語で「ライオン」の意味だったと思う。
 料理長は菊地佑自氏、フランスで約十年働いた実績があり、札幌「プロヴァンサル・キムラ」の木村料理長と同職場だった事や、パリ北駅近くにあるブルターニュ料理の人気店「シェ・ミッシェル」の厨房にも居たと聞く。

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 料理はおまかせメニューもあるが、この日はカルトで行こうと、黒板から選んだのは以下のとおり、ただ結果から云うとこれで4人分は多かった(笑)。

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・セコガニのフラン、セロリと赤蕪のピュレ

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・石川真サバ、根菜サラダ仕立て、甘エビ

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・店から提案があった白ワイン4種、選んだのは右端のスペインリオハで、集まったメンバーに合わせて(笑)、なかなか個性的な味わい。

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・鹿、フォアグラ、洋なしのテリーヌ

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・スミイカ、オーストラリアグリーンアスパラガス

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・北海道白子、季節のキノコ、ゴボウ香草バター

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・山うずらのロースト

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・雷鳥、フォアグラ、ファルシ

 事前情報から「肉ビストロ」みたいなイメージを勝手に抱いていたが、魚介を使ったアミューズ、鯖と海老、スミイカ、白子の料理はどれも秀逸、日本人料理人がフランスで重宝がられるのも、魚介類の取り扱いに秀でているのが大きい、これは先祖から引き継いだ魚食いのDNAが身体にあるからだと思う(笑)。特にスミイカとアスパラ、白子とゴボウを合わせた料理は、火入れ、味付け共に抜群でもう一度食べたい料理。
 鹿肉テリーヌとパテ・ド・カンパーニュは優しい味わい、添えられた野菜のピクルスも美味。ペルドロー(山うずら)はおそらくルージュだと思うが、繊細な中にも力強さを感じる肉質で、この日最も印象に残った料理だった。
 最後の雷鳥の頃になるともうお腹一杯で、味の記憶が薄れてしまい、もう少し平常心で食べれば充分美味しいと思った筈だ(笑)。
 肉食美女が奮闘してくれたおかげで、最後まで辿り着いたが、4人ではもう少し注文を減らした方がいいかも知れない、甘党の私がデセールを食べたいと思わなかった位(笑)。
 これだけ食べて「支払いはこの位では?」と想定した金額より安かった、これなら人気出てしまうのはわかる(笑)。

 「メゾン・ミッシェル」の記事にも書いたが、パリ北駅近くにある「シェ・ミッシェル」で働いた日本人は何人もいる、ただ直系と云うか日本に帰って同傾向の料理を出しているのは、此処と「メゾン・ミッシェル」と京都の「コム・シェ・ミッシェル」の3店だと聞く、たしかに「メゾン・ミッシェル」とは料理に共通点を感じる。あちらはランチ訪問だったので、客層が年齢高目に感じ、料理も少し彼・彼女達に合わせているかなと思ったが、これから両店共に本家を超える店になって欲しいものだ、次は京都も体験しに行かないといけない(笑)。
 約一名体調万全でなかったが、美女達との忘年会は夜遅くまで続き、私も久しぶりに終電乗車になってしまった(笑)。心配していたが途中やはり寝落ちしたみたいで失礼しました、夜はすっかり弱くなりましたが、これに懲りずまたお付き合いください。
 
 年内の単独店記事はこれで終了し、次回・次々回は年末恒例の「今年印象に残った店」を料理編、デザート&スイーツ編に分けて記事にします。


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表参道「グラッシェル」(2016年12月)

 2013年7月にオープンした、表参道のアントルメグラッセと生グラスの専門店「グラッシェル(GLACIEL)」、シェフパティシェールとは以前より知り合いだったので、「ブロガー」として、時に新作レセプションに招待をいただいていた。いつもタダ飯いやタダアイス(笑)では申し訳ないので、久しぶりにプライベートでランチタイムに訪れる事にした。
 土日は結構混むと聞いていたので平日昼の利用、休日は人で賑わう表参道も平日午前中は落ち着いた街並に感じる、表参道ヒルズ前のユニオンチャーチ角を曲がり直進すれば、店はもうすぐだ。

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 店前に着いたら開店時間の11時少し前で、一応席の予約をして行ったのだが、年寄りは集合早いので、その心配はいらなかったかも知れない(笑)。
 2階のカフェスペースに案内されるが、店内はクリスマスモード真っ盛り、あまり目立たない様に、壁際奥の席に座らせてもらった。

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 ランチタイムに訪れるのは2回目で、前回は開店した年の9月だったが、その時とはランチの構成が少し変わっていた。
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 食事メニューは「タルティーヌ」「どろぶたソーセージ」「サラダリヨネーズ」の3種類、ドリンク付きで全て1,000円(税別)、単体注文も可能なアントルメグラッセが2種盛りで1,100円、パフェ類が1,500~1600円だ。
 グラス専門店へ来て食べ物だけではつまらないので、私はこの中から「タルティーヌ」と「熊本産和栗のパフェ」(1,500円)をお願いする事にした、こうした場所でのパフェ喰いは何年ぶりだろう(笑)。

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 まずはさつまいものポタージュ、少し冷めていたが味はよかった。

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 「タルティーヌ」、パン・ド・カンパーニュを横切りし、上にハムと野菜にカレー風味のペシャメルソースにチーズを乗せ焼いている、付け合せにはたっぷりの生野菜とキャロットラペ、なかなかボリュームある一品、前回とは随分違うと思った。味は優しく分かり易い、女性料理人が作ったのかも?勿論女性だから全てに優しいと決め付けてはいけないが(笑)。

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 同行者が選んだ「サラダリヨネーズ」、これもボリュームある皿、サニーレタス、ベーコン、ポーチドエッグ主体で結構美味しそうだった。

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 紅茶、アールグレイだと思う、いい香りだった。

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 本日のメインディッシュ(笑)「熊本産和栗のパフェ」、「逆モンブラン」の発想だそうで、クープの中には和栗クリーム、その中に栗のアイス、最上部にはモンブランの土台に使われる焼いたメレンゲとマロングラッセ、更には金箔まで乗っている、見た目でも圧倒する豪華なもの。和栗クリームは何処までも優しく穏やかな味、リキュール等は使わず栗本来の味で勝負している印象だ。マロングラッセは上質、焼きメレンゲは若干食べ難かったので、もう少し量を減らしてもいいかも知れない。
 晩秋を感じさせる美味しく贅沢なパフェでした、次はシェフパティシェールの自信作と聞く「プリンパフェ」を食べてみたい(笑)。 

 ランチとスイーツで合計税込2,700円、決して安くはないが、花の表参道のお洒落な店内で、ゆっくり上質なランチタイムに浸れる事を考えれば十分満足出来る。
 私と同じく開店早々に入店した一人客の若い女性は、パフェだけ食べて帰って行った、あれが昼食なのかな?(笑)。隣席にはスーツ&ネクタイにブリーフケースの、典型的なシニアサラリーマンが一人で来店、サービスの女性と相談しながら、大真面目な顔でアントルメグラッセ付きのランチを注文している、男子それもシニアクラスでも、こうした場所で一人スイーツを堂々と食べられる時代になった(笑)。
 この店はスイーツを中心に様々な楽しみ方が出来る、パリの「ラデュレ」や「ルノートル」みたいな店を目指すのかも知れない。

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 帰りは1階のブティックを見学するが、Xmas仕様の店内は明るい楽しさと夢に溢れている、私の子供時代に比べて、今は色々な意味で豊かになったとあらためて思う。
 師走の仕事に煮詰まったら、この店を訪れてみたら如何だろう、きっと笑顔が取り戻せる筈だ(笑)。
 本間シェフ、素敵なスタッフの皆さん、優しくて美味しく楽しい時間でした、年末までは超多忙な毎日でしょうが、倒れない様健闘を祈っています。


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六本木「トレフ・ミヤモト」(2016年12月)

 一度訪れてブログ記事にした後、「また行ってみたい」と思いながら、それが果たせない店が幾つかある。仕事を辞めてからは、レストラン行は平日ランチが増えたので、平日ランチ営業をしていない店や一人では訪れ難い店等は、どうしても後回しになってしまう。
 約2年半前に訪れた六本木「トレフ・ミヤモト」もその一店で、宮本料理長の王道直球フレンチと、バブル景気以降の東京で生き抜いた?貴重な体験談にも得る処あったので、もう一度行きたいと思いながら叶わないで居た、今回友人からの誘いがあったので、ようやく再訪問する事が出来た。

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 前回は夜だったが今回は昼利用の土曜日、店前にある出雲大社東京分祠をお参りしようと思ったが、階段がキツそうなので、その下で良縁をお願いする事で省略(笑)。
 店はテラス席があるので、フランス式に夏場は此処で食事するのもいいと思う、以前11月に訪れたフランス・リヨンで、ストーブ出したテラス席で、厚いコートを着てステーキ食っているフランス人を見たが、あれ日本人になかなか真似出来ない(笑)。
 ドアを開けると迎えてくれるのはマダム、若々しく2年半前と見かけ全然変わっていない、私もそして後から客席に出て来た料理長もそれなりに年齢を重ねたが、歳を取らないマダムはフランス人に多く、この店はフランスそのままなのかも知れない(笑)。

 友人も到着し、始まった料理は以下のとおり、
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・アミューズ三種(ラタトィユのタルトレット、紅芯大根のマリネ&鶏胸肉の燻製、パテ・ド・カンパーニュ)

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・トウモロコシのクーリ、じゃがいものクレープ、キャビアルージュ、本海老

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・炙った氷見の寒ブリ、青海苔のソース、金沢野菜

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・スペシャリテのクロメスキ(フォアグラとトリュフのソースコロッケ)

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・スズキと白海老のポーピエット、ソースアルモリケーヌ 金時草、かぼちゃのフラン

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・京都産エトフェ鴨のロティ、パースニップ、トランペット茸、マコモダケ、アピオス

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・栗とチョコレートのクレームスフレ

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・ミニャルディーズ(塩キャラメルのマカロン、安納芋のプティガトー、ヌガーブラン、夏みかんの皮のコンフィ)

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・料理合わせて5種類出た、全て自家製(!)のパン

 まずは「手をかけた」アミューズで客の心を掴む。次のじゃがいもクレープの料理はモダンな料理デザインと野菜の旨さが際立つ。旬の寒ブリは青海苔を使い和的な皿だが、食べてみるとやはりこれはフレンチだと納得する。フォアグラとトリュフのコロッケは追加料金だが、この店へ来たらやはりこれを食べないと(笑)。
 続く魚料理も単純に切り身をポワレしたのではなく、相当手をかけていて、蠱惑的なソースが「これがフランス料理だ」と、思わず呟きたくなる(笑)。
 京都の鴨は最近他店でも使い始めているが、鳥インフルエンザにより輸入鳥類が制限される中で貴重な国産二本足、肉の旨味も感じるし、これから楽しみな食材だと思う、この料理もソースが魅力だ。
 そしてデセールはビストロではない、ガストロノミーレストランならでのア・ラ・ミニッツなスフレ、特に冬場はこうした熱いデセールは嬉しい。

 久しぶりに宮本氏の料理を味わってみて、以前に比べ味も盛付も、古典を底に敷きながらも、より現代的な感覚を加えていると感じた。後で本人が語ってくれたが、若い世代の料理人達とも積極的に交流し、お互いに刺激を得ているとの事で、これが料理に表れているのではないかと推測した。
 フランスでも古くから営業している名店では、時に若い料理長を抜擢する事で料理を新しくする工夫をするが、オーナーシェフで料理長を変えられない場合は、自分が変わるしかない(笑)、これは難しい事だが、宮本氏は過去の実績がありながらも、同じやり方を続けるのではなく、時代に合わせて「変容」している様に見えた。
 C・ダーウィンの名言「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない、唯一生き残るのは変化できる者である。」を思い出してしまった。

 店内は宮本夫妻が集めたアンティーク類が随所に飾ってあり、カトラリーやプレートも長く使われて来た物が多く、「今集めたばかりです」みたいな薄手な処がない。「日本料理は空間を買う、フランス料理は時間を買う」との言葉を聞いた事があるが、この店で流れるゆったりした時間はお金を払う価値がある。
 最後に仕事を終えた宮本氏と話したが、同行者のリクエストにより「マサイ族にフランス料理を食べさせて、殺されそうになった話」を、再度聞いてしまった、本人は思い出したくなくても、これ何度聞いても面白い(笑)。
 次回は「勝どきにあった、お化け屋敷的内装のフランス料理店『クラブ・ニュクス』で、本当に出た?幽霊の話」をしてくれるそうで、興味のある方はお知らせ下さい(笑)。
 宮本料理長、マダム、遅い時間まで美味しい料理と楽しい話をありがとうございました、次回はこんなに間をあけずに来たいと思います。


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赤坂「古屋オーガストロノム」(2016年12月)

 赤坂のフランス料理「古屋オーガストロノム」を初めて訪れたのは今年1月だが、12月初めに早くも5回目の訪問をする事になった。この頻度は何事にも飽き易く持続しない私にしては極めて異例(笑)、過去短くはなかった外食人生でもたぶん2店目だと思う。
 「どうしてそんなに通う、綺麗なマダムでも居るの?」と訊かれても(笑)、「古屋料理長の料理と自分の嗜好が合うから」としか答えようがない。不遜な言い方かも知れないが、私が今美味いと思う料理を知りたいのなら、まずはこの店へ行ってみてください(笑)。
 この日は身内の誕生日祝いをやろうとの話になり、ランチ場所を数店考えたのだが、結局この店に行き着いた、古屋氏には幾つか注文を出してしまったが、お手数かけました。
 平日ランチの席の取り易さや、値段のお得さに慣れてしまうと、サラリーマン時代の土日利用客にはもう戻れない(笑)。現在厨房が古屋氏一人、店内が石橋支配人一人の体制なので、席は全部埋めていないみたいだが、年末恒例の出版物「東京最高のレストラン」で「フレンチ注目店」に選ばれたばかりなので、これからが更に楽しみな店だ。

 まずは当日の料理を紹介したい。
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・モン=サンミッシェル産ムール貝を使った前菜三種(マリネ、ポワレ、スープ)

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・かるく火を入れた鳥取県産白イカと根菜のサラダ仕立て、徳島県産すだちのソース、イカスミのアクセント

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・白はスイス産CHÂTEAU LA BÂTIE2014

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・75度で 13分火入れした大分県産地鶏玉子“蘭王” のウッフアンムーレット、マルケ産トリュフ

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・石川産スズキのポワレ、香草のブールブラン、若布風味の手打ヌイユ

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・蝦夷鹿のロティ、レザンとソーテルヌのソース、 シヴェのシューファルシ

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・プレデセール(柿の黒ビールとアニスのコンポート、ペルノーのソルベ添え)

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・パッションフルーツのスフレ、グラススペキュロース

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・それの‘Joyeux anniversaire’バージョン
・エスプレッソ

 アミューズはこれから始まる料理全体の前奏曲の筈だが、どうにも「やっつけ」としか思えない物を出す店もある中、この店のアミューズは毎回本幕への期待を持たせる出来、特にスープが良かった。
 次の白イカ料理は和食的なセンスも感じるが、食べてみると和食ではない(笑)、イカの食感に合わせた酸味あるソースが印象的だ。続く古屋スペシャリテのウッフアンムーレットは鉄板の美味しさ。
 過去この店で魚料理は黄色いソースが多かったが、今回は初めての緑色ソース、スズキは大型の肉食魚で捕食活動も獰猛と聞く、その身は草食系の柔なソースでは合わない、個性ある香草系が冴えている、イタリア的な「パスタ」ではない「ヌイユ」もいい出来だった。
 肉は年末定番の蝦夷鹿、個体としては少し若かったか?端肉や内臓を使ったシューファルシが特徴的、俗な例えだが日本の中濃ソースみたいな(笑)、甘味あるソースは贅沢で深いが重くない、このソースこそ古屋料理の真骨頂だと思った。
 一人厨房の場合、「あらかじめ焼いたものを切って皿に載せる」的なデセールになりがちなのは仕方ないが、あえてスフレを出した処に、この料理人の「仕事力」みたいなものを感じた、焼上がり時間を逆算して材料を撹拌し焼きをセットする、当然他の料理を作りながらだから、一人厨房だと最もやりたくない作業(笑)、それでも文句なしの出来上がりだった。なお「スペキュロース」とは古屋氏が働いていたベルギー名産のクッキーで、仏ブルゴーニュ地方での名産菓子「パン・デピス」を入れたアイスみたいな面白い印象になる。メインデセール後のミニャルディーズ的な物をあえて出さないのも古屋式だ。

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・古屋料理長の「原点」、ベルギー・パリウにあったレストラン‘Au Gastronome’の写真等が置かれている。

 おそらく今年最後の訪問になると思うが、全5回どれも安定して破綻を感じさせない古典王道料理だった、それも昔ながらの油脂でもっさり重くするのではなく(笑)、極力現代に合わせ減らせるものは減らす工夫を感じる。
 今迄こうした料理は関西、それも和歌山か大阪上本町でないと味わえないと思っていただけに、この店を知ったのは今年一番の収穫だった。来年も続けて訪れたいが、今以上に人気が出て、一見客に喜ばれる様な、流行や見た目の新しさだけ追う料理に変わらない事を祈っている、古屋氏の性格ならそれはないと思いたいのだが。
 古屋料理長、前支配人で現在非常勤勤務?の秋葉氏、石橋支配人、一年間ありがとうございました、少々早いですが、良いXmasと実り多い新年を迎えられる事を願っています(笑)。


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梅島「パティスリー・ラヴィアンレーヴ」(2016年11月)

 2014年9月にオープンした、足立区梅島のパティスリー「ラヴィアンレーヴ(LA VIE UN REVE)」、開業後まだ2年だが、現在では既に区内を代表するパティスリーになりつつある。
 初訪問は2015年1月だったが、足立区とは思えない洒落たフランス的な店舗デザインに驚き、都心の高級店にも遜色ない高額なケーキ類に、失礼ながら「足立区でこの形態で続けられるのかな?」と、正直心配にもなったが、こうして人気店になったのを見ると、「足立区民も変わったな」と思ってしまう(笑)。

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 この日、急に「甘い物が食べたい」状態になり、地元のパティスリーが何店か頭に浮んだが、結局選んだのはこの店だった、過去2回購入してこれが3回目、我家からだと自転車でも片道30分近くかかってしまうが、「遠回りしてでも行ってよかったと云える」店だと思う(笑)。

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 店到着はちょうど正午位、早い時間のためガラスケースには多くのガトー類が並んでいる、個人経営のパティスリーやブランジェリーは「いかにロス(売れ残り)をなくすか」が大事だが、これ全部営業終了時間までに売り切るつもりだから、客数と販売数は相当なものだと思う。

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 店内にはカフェスペースがあり、子連れ客対応だろう、ベビーベッドまで置いてあるのはちょっと驚き。「テイクアウトメニュー Les boisson(飲み物)」とあるが、これらは持ち帰り可みたいで、なんと「かき氷」まである(笑)。
 過去2回で買った物以外から選ぼうと思い、買ったのは以下の3種類、食べた感想と共に紹介したい。

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・洋梨ミルフィーユ(税別540円)
 自転車で持って帰り、注意しながら運んだつもりだが、他のケーキの加重があって少し形が崩れてしまった、画像を撮った後に飾りのレッドカラントが後ろに落ちているのに気付く(笑)。
 前々回の「苺のミルフィーユ」、前回の「栗のミルフィーユ」がいい出来だったので、今回も買ってしまったのだが、ミルフィーユ部分は厚めの生地で好み、カスタードクリームも美味しい、ただ洋梨の食感はあまりこれらと合わない気もした(笑)、今迄の中なら栗バージョンが一番良かったと思う。

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・ガレット・ベルエレーヌ(500円)
 今回はこれが一番好み、「ベルエレーヌ(美しきエレーヌ)」とは、作曲家オッフェンバックのオペレッタ名から取り、フランスでは洋梨のコンポートにバニラアイスを添え、熱々のチョコレートソースをかけたデザートの事を呼ぶ。このスイーツは焼いたクレープ生地の中に洋梨のコンポート、カスタード&ホイップクリーム、チョコレートクリームが入っていて、そのバランスが良好、次行ってもあればまた買いたいと思った(笑)。

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・かぼちゃプリン(420円)
 美味しくなかった訳ではいが、あまり個性を感じなく普通、上に乗せたホイップクリームとチョコレートも余計なものに感じてしまった、南瓜自体の味で勝負するべきだと思う。

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・ケーク・オランジュ(800円)
 知人のお土産用に買ったので私は実際には食べていない、その知人の話では「オレンジとバターの香り良く美味しかった、足立区にこんな本格的なパティスリーがあるとは驚き」との事、世間一般の足立区の認識はこんなものです(笑)。

 開業後2年が過ぎて、店もすっかり地域に馴染んで来た、この日も平日だったが、次々と客がやって来ている。「パリみたいに一つの地下鉄駅近くには、いいビストロがあり、加えてブランジェリーとパティスリーがあるのが理想だが、東京では自分が生きている間には無理な話だろう」とあきらめていた。だがここ数年来の街の変化で、もう夢物語ではなくなりつつある(笑)、あとは客が近隣店を支えていられるかどうかにかかっている。
 大型スーパーやコンビニとの過当競争で、個人店には厳しい時代が続くが、地元の店には頑張って存続して欲しいし、何とか応援をしたいものだ(笑)。


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稲荷町「キエチュード」(2016年11月)

 月一回位の間隔で御徒町~上野間にあるアメヤ横丁、通称「アメ横」へ出かける、主に珈琲豆を買いに行くためだが、ついでに近隣のランチ巡りをする事が多い、このブログで上野・御徒町のインド・ネパール料理や、とんかつ店が登場するのは、それが理由の一つだ(笑)。
 この日も豆を買いに行こうと思い、ランチは何処か?と考えたのだが、真っ先に頭に浮んだのは、ブログで何回か記事にした東上野の「ハリマ・ケバブ・ビリヤニ」、でもあそこではワンパターンなので(笑)、今回は違う店にしようと思い、其処から歩いてすぐのフランス料理「キエチュード」に決めた、一応事前に予約したのだが、結果ほぼ満席で正解だった。
 一人利用だったので、キッチン前のカウンター席に初めて座る、目の前には荒木料理長が居て作業が全て見える「かぶりつき」席だ(笑)。

 ランチメニューは税別1,500円と3,000円の2種類、事前にお願いすれば夜のメニュー(5,000円)も提供可との事だが、3,000円の方に決める、内容は以下のとおり、

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・猪肉のパテ・ド・カンパーニュ、黒ニンニクとマルムラード

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・白はブルゴーニュ、サン=ブリ

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・(たぶん)スタイルブレッドのバゲット

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・ハマチ、秋野菜、リーフサラダ、バーニャガウダ風

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・えびす鯛、ごぼう、ブロッコリー

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・赤はボルドー・メドックChateau Larose Trintaudon2012

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・オーストラリア産牛サガリのロティ、赤ワインソース、茸ソテー

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・栗とホワイトチョコレートのフォンダン、バニラのグラス、ビスケットのクランブル

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・コーヒー

 パテは一口サイズだが、猪練り肉の旨味が感じられる。サラダは上質な葉野菜にハマチの切り身を加え、ビネグレットにニンニクとアンショワのペーストで味わう、爽やかな一皿。
 七福神の恵比寿神が掲げている様な立派な赤い鯛だから、この名が付いたとされる「えびす鯛」の身の火通しも抜群、牛蒡のピュレと泡立てたバターソースが合っている。
 「サガリ肉」とは牛の横隔膜(ハラミ)からぶら下がっているのでこの名が付いた、米国では「ハンギング・テンダー」と呼ばれる部位、「柔らかい」「優しい」を意味する‘Tender’、噛み応えあるが堅すぎない赤身肉で旨味も感じる、赤ワインソースの酸味もいい。 デザートも良かった、フォンダン部分を割ると栗とチョコレートの香りが立つ、上質なバニラアイスと混ざると、定番の「あったか冷たい(ショーフロワ)」になる。
 ちなみに1,500円ランチの内容は、ハマチ&野菜と牛肉の皿、これにパンor炊込みバターライス、バニラアイス&コーヒーと、3,000円から引いた内容でかなりお得、それを知っているから、店内は年齢高めの女子会で盛り上がっている(笑)。
 4月以降、平日ランチ行脚が多くなったが、混んでいたのは1,000~2,000円のランチメニューの店で、それも「かつての乙女たち」の女子会が殆ど(笑)、店側とすれば利益は少ないが、店内が盛況ならスタッフの意気込みも高くなる、この辺りでどう折り合いをつけるかだろう。

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 「キエチュード」は昨年5月に開業したので、この地で一年半経過した事になる、東京でも本格的な横メシ系店が少ない地域なので、熊本出身の荒木氏は出店に不安もあっただろうと思う、でもこうして地域住人に支持されているのを見るのは嬉しい事だ。例え1,500円ランチでも、客の彼女達は次新しい客を連れて来てくれるかも知れない、そうやって客層が広がって行くのが一番大きいと思う、ガイドブックや口コミサイトを見て一回だけしか来ない客とは違う(笑)。
 現在は厨房にもう1人とサービスに1人の3人態勢みたいだが、見ていて能力高そうなスタッフなので、人材的には恵まれていると思う、今優秀な従業員は店にとって何にも代えがたい財産だ(笑)。
 
 人間は老いていく、体力も消化力もやがて落ちる、私自身で云えば最近夜に重い食事を摂ると、寝つきがあまりよくないし、翌朝にも響く気がする。今後外食は昼中心にと考えているのだが、「キエチュード」みたいに、昼間構えず普段着で訪れる事が出来、あまりマッチョではないライト感覚料理を提供してくれる店は、とてもありがたい。
 急激な少子高齢化が進む日本で、これからフランス料理店も高齢客への対応を本気で考える必要がありそうだ、それが店の生き残りにも繋がると思う。
 大きな窓から明るい陽光が差す店内での素敵なランチ、暫し老後への心配を忘れさせてくれる(笑)、気持ちのいい午後になった。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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