最後の晩餐にはまだ早い


2016年「今年印象に残った店」(料理編)

 今年も残り一週間を切り、ブログの更新もあと2回の予定、そのため毎年恒例の「今年印象に残った店」を挙げておきたいと思う、「料理編」と「デザート&スイーツ編」の2回に分けるが、誤解のない様ことわっておきたいのは、私が訪れて此処に挙げなかった店が、料理もデザートも駄目だったと言う訳ではありません、既にガイドブックなりベテラングルメなりに好評価され支持を受けているので、あえて挙げなかった店もあります。
 今年の自分にとって何かしらの強い印象を残し、来年どう変わって行くかの期待を持たせる、「発展途上である」事を感じさせる店とその料理が殆どです。

・赤坂「古屋オーガストロノム」
        161226-1.jpg
 「今年の発見」はこの店に尽きる。「黄金の1990年代」を想起させる、古典料理へのリスペクトを感じさせながら、そこへ料理人の現代的感覚をプラスしている、しっかりとした技術と料理の構築と余韻、フランス料理好きな友人に勧めても概ね好評だった。これから有名店にありがちな国籍不明系な方向に進まず、このままで居て欲しいと願うのは勝手な思い込みか、今一番訪れるのが楽しみな店だ。
 料理はスペシャリテの「松坂産地卵を66度40分で"温度卵"に、現代版ウッフ・ア・ラムーレット、フランス産黒トリュフ添え」

・神楽坂「ビズ‘bisous’」
     161226-2.jpg
 新規訪問でもう一店挙げておきたいのがこの店。一度会ったら忘れない濃い顔(笑)、モヒカン頭に大きな声の若い料理人は、見かけとは違い繊細で遊び心のある料理を作る、4,950円のディナーメニューは都内有数のキャリテプリではないか?国産ワイン提供に力を入れ、あまり教えたくないが、来年は更に人気が出そうな店。
 料理は「スペイン産イベリコ豚肩ロースの低温ロースト」

・外苑前「フロリレージュ」
       161226-3.jpg
 今更私が何か云うべきレベルの店ではないが(笑)、川手料理長の視線は今世界へ向いている、追い付けない差で先頭を独走するマラソンランナーみたいだが、誰かに「今、東京で行くべき店は?」と訊かれたら、迷わず即答でこの店の名前を挙げるだろう。
 料理は6月訪問時の「花ズッキーニと仔猪」

・六本木「ル・スプートニク」
    161226-4.jpg
 昨年開業して瞬く間に人気集中、今回一年ぶりの訪問だったが、ムニュ構成が開店当時から進化し、見事な展開を感じさせてくれた、外国人客も多く来店し、高橋料理長と田村支配人の見事な操縦で、魔界六本木を周回する輝く衛星になった(笑)。
 料理は「北海道白糠町酒井さんが育てた仔羊のロティ、そのジュ、ロックフォールソース、35年物のローズマリー風味、ローズマリーの枝」

・西麻布「ル・セヴェロ・ジャポン」
     161226-5.jpg
 レストランでは同席するメンバーによって、楽しさが2倍3倍になると云う実例を体験した(笑)。勿論料理も良かった、ステーキ以上に感心したのが、パリ本店の作り方で作ったと云うパテ・ド・カンパーニュ、フランス人が日本のフランス料理を食べ、おそらく「足りない」と思う部分を再現している、俗な例えだが「美女の腋臭」みたいな、日本なら削いでしまうもの(笑)。
 料理はその「パテ・ド・カンパーニュ パリ本店のレシピ 厚切りお肉のテリーヌ」

・大阪上本町「コーイン」
     161226-6.jpg
 私のブログを読んだ東京の或る料理人が、「この店だけは行ってみたい」と唸っていた(笑)。フェルナン・ポワンは「美味しさはスピードだ」と云ったそうだが、この店の料理には「美味しさは物量だ」と感じる(笑)、これだけ物量を投入してもバランスの取れた料理にするのが、料理人の特異な才能。
 料理は「ブッフブルギニョン」(こんなブッフブルギニョン、他であり得ない(笑))

・和歌山「オテル・ド・ヨシノ」
     161226-7.jpg
 料理長は今年、農水省料理人顕彰制度「料理マスターズ」ブロンズ賞を受賞、今国内でも最も「来ている」料理人だと思う。彼のスペシャリテであるこの料理が出て来たら、水戸黄門が葵紋の印籠を出すみたいなもので、平民はただ平伏すしかない(笑)。
 料理はその「ジビエのトゥルト」

・札幌「プロヴァンサル・キムラ」
     161226-8.jpg
 東京以外でもう一店挙げておきたいのは、この店のこの一品。太宰治の「斜陽」は「朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、『あ』と幽かすかな叫び声をお挙げになった。」で始まるが、私はこれを吸って「あ~」と唸りたくなった(笑)。これを食べる(「飲む」ではない)ためだけに、往復の飛行機代払って惜しくない、そう思わせる一品料理に最近あまり出会えなくなったが、久しぶりにそう思った。
 料理は「スープ・ド・ポワソン、ルイユとグリュエールチーズ」

 フランス料理ばかりになったので、イタリア料理を2店挙げておきたい、
・中野新橋「タクティー」
     161226-9.jpg
 新鮮鎌倉野菜と鎌倉沖で採れた魚介が味わえる、意外な場所と云っては失礼だが、庶民的な街にある地域密着型のイタリア料理店、残念ながら来年4月で閉店予定との事だが、もっと客が来て盛り上がれば、もしかしたら延期があるかも知れない?
 料理は「8月・鎌倉野菜のサラダ」

・麻布十番「ジャニコロ・ジョウキ」
        161226-10.jpg
 今年8月にオープンしたばかり、来年への期待を含めて選んだ。独学派の若い料理人の発想はユニーク、前店のピッツェリア時代に比べると料理にはまだ固さも感じたが、これから良くなって行く事は間違いないと思う。
 料理は「氷室豚の炭火焼きとほうれん草」

 料理に関しては、今年はモダン系より古典、料理人も1980年代生れの若い才能より、その前世代の料理に惹かれる事が多かった、私自身古典回帰しているのかも知れない(笑)。
 次回は「デザート&スイーツ編」を記事にします。


スポンサーサイト
  1. [ edit ]
  2. レストランetc
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2016 12  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31