最後の晩餐にはまだ早い


関西国際空港「551蓬莱関西空港店」(2017関西食べ続け①)

 最近の国内移動はLCC利用専門になってしまい、新幹線の乗り方は忘れてしまった(笑)、大阪往復は時期にもよるが倍以上の価格差があると、やはり安い方を選んでしまう、「そのお金あればレストラン1回行ける」と思ってしまうからだ、普段節約生活をしている私みたいな人間に「こうした時くらい贅沢しろ」と云われても、出来る訳がない(笑)。

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 そうした理由で、今年も遠路の成田第3ターミナルから出発、J社は機内持込み荷物一人7kgまで、全便ではないが計測もやっている、今回かなり荷物を減らしたつもりだが、それでも6.5kgあった、でも「重量制限のおかげで、お土産はありません」との言い訳も出来るので、利点もある事に気付いてしまったが(笑)。

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 今回の関西食べ続けは関空内から始める事にした、前回の札幌行で「成田第3ターミナルでの食事は避けるべき」を痛感したので、関空到着は13時過ぎだが昼食は未だだった、このまま電車に乗ってしまうと大阪市内まで1時間あるから、やはり何か食べておこうと思った。
 事前に関空のWEBサイトを調べ、大阪在住のグルメな人にも相談し、利用を予定していたのは「蓬莱」だった、そう「551豚まん」であまりにも有名な店だ。店舗の前まで行ったら行列が出来ているのであきらめかけたが、これは名物の豚まんを買う人達だった、店内で食べるなら案内可能みたいなので、入口で待っていたらカウンター席を勧められた。

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 そんなに広い店内ではないが賑わっている、ランチメニューは数種あるが、やはり此処へ来たら豚まんは食べてみたい、そこで「551蓬莱名物」と特筆された「海鮮焼そばセットメニュー」で、焼そば+豚まん∔スープの組合せAセット(税込1,140円)をお願いする事にした。

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 わりと短い時間で出て来たのがスペシャリテの豚まん、WEB情報によると各店舗では手包みの作り立て、駅等の売店ではセントラルキッチン製のチルド品、空港等の売店では別会社の冷凍品との事、この空港内レストランではおそらくチルドだと思ったのだが、実際はどうなのだろう?皮部分は厚め、中の肉餡も東京の同種の物に比べると薄味に感じる、面白いのは東京の定番「肉まん&ソース」ではなく、テーブルにソース類は無く、辛子醤油で食べるのが此処の「正調」らしい、隣の女性もそうして食べていたので倣ったが、途中でやはりソースを付けたくなった(笑)。味はまあ普通でした、これは「大阪のソウルフード」とも言えるので、批評対象にする物では無さそう(笑)。

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 これもスペシャリテらしい海鮮焼そば、見かけどおりの味と云ったら外れていないと思う(笑)、あんかけタイプだが味のエッジを際立たせるのではなく、塩味穏やかな関西風、蓬莱と違い、東京にも出店している「大阪王将」の料理味に通じるものがあると感じた。海老や野菜の質も悪くない、これだけ客が回転しているなら鮮度も問題ないと思う。

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 玉子スープも優しく柔らかな味だった、この「優しく柔らかい」が和洋中を問わず、関西の料理全体に共通するものではないかと思う、大阪的に云えば「おかんの味」なのかも知れない、関東味が男性名詞なら、関西味は女性名詞と云えそう(笑)。そして関西の飲食店は女性の活躍が目立つ。
 この3点セットで1,140円、空港内と云う特殊性を考えれば、まあ納得出来る内容だと思う、成田第3ターミナルのフードコートの食事は落胆と絶望しかないが、これなら感動はなくても意気消沈はしない、食旅行を続ける起点で躓きたくないから、これはありだと思った(笑)。

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 食後はJR空港快速で天王寺駅へ、「あべのハルカス」を横目に見ながらホテルへ向かう。あらためて見るとこのデザインは高層建築の割に威圧感が少なく、なかなかいい建物だと思う、去年まで高層建築内で働いていたので、「働きたくなるビル」と「働きたくなくなるビル」があるのを知っている(笑)、このビルは前者だと思った。

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 ホテル内で暫しの休憩後、向かったのは大阪市営地下鉄四つ橋線の玉出駅、パチンコ店にはピッタリの地名だが(笑)、初日夜に訪問するのはフランス料理店で、「おかん」ではなく「親父フレンチ」、詳しくは次回記事で書く事にしたい。
 

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北千住「ブラッスリー ロノマトペ」(2017年1月)

 この日は身内の用事で千住の病院に行った帰り、時計は12時を少し回った処で、昼飯を食べようと思い千住警察の前を通り、ブログ記事で取り上げた「鶴亀飯店」に行こうとしたのだが、直前に友人から「これから○○○(東京以外の高級フレンチで、あえて名前は秘す(笑))です」と、誇らしげなメールが来ていた事が気になり、「よし、それならこちらもフレンチへ」と、近くにある此処もブログ記事にした「ブラッスリー・ロノマトペ‘brasserie l'onomatopee’」まで行ってしまった(笑)。
 前回利用時は平日ながら満席だったので、今日も混んでいるかな?と窓から店内を覗くと空席が見えたので、そのままドアを開け入店する事に。

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 前回は居なかった多分料理人だと思う、サービス担当の若い男性に一人である事を告げ、奥のベンチシートに座らせてもらう、この日は何故か空いていて私の他に2組、「客入りは水物」と云うが、あらかじめ食材料を揃えないといけない飲食店は、これが難しい処だ。

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 店前の黒板にもあったが、紙に書かれた本日のメニューは3種類、
a. poulet rôti a la morocco モロッコ風ローストチキン(税込1,450円)
b. gratin endive クレープとハムで巻いたアンディーブのグラタン(1,350円)
c. poisson de jour(本日の魚料理) 北海道産真鱈のムニエル アサリとスペルト小麦のリゾット添え(1,450円)
 下町北千住でもメニューが仏語併記なのは、やはり嬉しくなる(笑)、「a」に決めて、追加で「金柑のタルト」(350円)もお願いした。

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 店内装飾はフランスの1950~60年代位をイメージし、壁面には古い映画のポスターやアナログレコードジャケットが随所に掲げられていて、前回より増えた気がする、あまりやり過ぎると野暮ったくなるが、天井が高く飾り方に工夫があるので雰囲気は悪くない。

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・トレビスとサニーレタスのサラダ

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・パン袋に入ったパン

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・モロッコ風ローストチキン

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・金柑のタルト

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・コーヒー

 何気ないサラダだが、ビネグレットの質も良く少量ながら新鮮で食欲が刺激される、パンは業務用販売の冷凍種ではないか?これも普通に美味しい。
 そしてメインのプーレロティだが半身で骨付き、鳥類は骨付調理するのが一番旨いと思うが、時間の限られるランチには難しいので、通常は骨なし肉のソテー等が多くなる、オーダー数も読めないので、これどうしているのだろう?考えられるのは8割位焼いておいて、仕上げだけするやり方だが、残った物を夜まで保管するのも面倒、それでもこうした出し方をするのは、「一番美味しいから」との考えからだろう、客側としては嬉しい事だ。「モロッコ風」とは各種スパイスで事前にマリネして焼き、マスタード代わりにマグレブの調味料アリッサを使うからだと思うが、全体にエキゾチックな味わいを感じさせて美味、骨まで愛して(しゃぶって)しまった(笑)。
 「本日の小さなデザート」とメニューにあった「金柑のタルト」だが、決して小さくはない(笑)、パン・ド・カンパーニュ等も同じだが、こうしたタルト類は小さいサイズで焼くより大きく焼いてから切った方が間違いなく美味しい、上に乗せたバニラアイスとのバランスも良く、これで税込350円は破格だと思う(笑)。

 料理∔サラダ+パン+コーヒーで税込1,450円、デザート加えても1,800円ポッキリ、約15ユーロだ、立ち食いステーキランチと変わらないので、どちらを選ぶかは人それぞれだと思うが、私なら店の雰囲気と手をかけた料理の出来で、断然この店を推したい(笑)。
 店スタッフが変わり、店内は前述の若い男性、厨房内も前回居た男性とは違うと思う、スーシェフなのかな?でも料理のレベルは変わっていないと感じた。
 「高級フレンチの1万円ランチにも負けない」そう思いたい充実した午後でした(笑)。

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 前回ブログ記事の画像で、壁に書かれた店名の最後の「E」が足りないのでは?と思っていたのだが、よく見たらちゃんと書いてあり下に落ちていた、洒落です(笑)。機会があれば夜にも来たいと思う、いい店でした。

※次回のブログ更新は2月26日(日)の予定です。

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表参道「パン・オ・スリール」

 地下鉄表参道駅を出て地上に上がると、国道246号と表参道通りの交差点があり、「東京有名な交差点」の一つだと思うが、その近くに「246コモン」(現在は「コミューン246」に改名)と云う名の不思議なマーケットがある。ビルの取り壊し後みたいな空き地に食スタンドが数店並び、軽食やパン等を売り客は露天の椅子に座って飲食が可能、ヨーロッパ的な常設オープンマーケットだ、その中にあったのが「パン・オ・スリール‘Pain au Sourire’」で、森小屋みたいな小さな建物内にパンを並べ対面販売、天然酵母使用の自然派田舎風パンで、パン・ド・カンパーニュを買い、なかなか美味しかった記憶がある。
 その店が渋谷寄りに本格的なブランジェリー&カフェを開業し移転したと聞き、一度勤め帰りに寄ってみたのだが、時間が遅く残念ながら殆どパンが売り切れていて、場所だけ確認して帰った、今回青山にあるレストランでのランチに行く前に、遠回りしてやっと買う事が出来た。

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 店の場所は、表参道駅から246号を渋谷方面に進み、閉鎖中の「こどもの城」、「青山ケンネル」を過ぎ、帽子店がある角を右折、2本目の道を左に曲がると目の前。間口が広く、広いガラスから店内のパンが見える、移転開業は2014年3月で3年近くになるそうだ。

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 営業時間は朝8時から夜の8時だが、前述のとおりパンを買う目的なら早い時間に行った方がいい、結構賑わうカフェスペースもある。

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 看板では「森の酵母 パン・オ・スリール」と謳っている、店のWEBページによると、店主は独学でパン作りを学び、東北白神山地の腐葉土から発見された「白神こだま酵母」と自家製天然酵母、国産小麦を使用、長時間熟成による無添加で美味しいパンを作る事を心がけているそうだ。
 店内も木材を多用し、カフェスペースで使用する食器も極力木製、この食器は販売もしている、パン作り同様にこだわりを感じさせる。
 パン購入はトレーと対面販売の折衷式(笑)、買ったパンとその印象を以下に記したい。

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・全粒粉100%カンパーニュ(税込1,040円)
 店に入って真っ先に目についたのがこれ、ナマコ型のカンパーニュだが、クープの付け方等綺麗な美人系(笑)。ズシリと重く家で測ったら約700gあった、粉の香り、旨味、焼き上がりの香ばしさ、微かに感じる酸味等バランスよく美味しかった、カンパーニュ系が好きな人にお勧め。

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・フィグ(280円)
 赤ワインでコンポートしたイチジクの入ったハード系パン、生地にはクルミとレーズンが含まれている、美味しいがサイズが小さいので外側と内側のバランスがもう一息、ハード系パンはある程度の大きさで焼かないと難しい気がする。

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・ブラックオリーブとハーブ(230円)
 ベーグルに見えるが、自家製ブドウ酵母生地を使ったライ麦粉を含んだパン、4種類のハーブを使用しているが、ハーブ臭さはあまり感じない、食事パンとしていいと思う。

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・パンオショコラ(220円)
 スイーツ系も食べてみたく買った、クロワッサン生地に刻んだチョコレートを入れた定番パンだが、焼きが強く他店の物とは見かけからして違う、上品ではないが食べ応えのある美味しさ。

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・「笑顔の入ったパン」を表現か、見ていて心和む袋(笑)。

 パン全体の印象は自然で余計なものを感じさせず、粉と酵母の旨味、長時間熟成としっかりした焼きで好感を持った。
 店造りも含めて、自然派で天然酵母使用のブランジェリーとなると、同じ渋谷区内で1984年創業の老舗、富ヶ谷の「ルヴァン」を連想してしまうが、あちらがより伝統的で重厚な味わいなら、「パン・オ・スリール」はもう少し現代的な感覚、軽さも取り入れている印象を受けた、どちらも今時珍しいくらいに時間をかけ、丁寧なパン造りに取り組んでいる店である事は間違いない。
 なおカフェにもランチプレート等の惹かれるメニューがある、この店の近くに住んで居る人が羨ましくなるが、また機会を作って寄ってみたい。店名の通りに「笑顔の入ったパン」をこれからも提供し続けて欲しいなと思う(笑)。
 便利さからコンビニでしかパンを買わない人も多いが、伝統的に手間をかけた本物のパンの味を知りたかったら、一度行かれる事をお勧めしたい店。

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麻布十番「グリグリ」(2017年2月) 

 「あなたの店選びは変わっている、何が基準なの?」こう云われる事があるが、私自身はそう深くは考えていない(笑)。訪問のメインにしているフランス料理店にしても、アクセスの良さや、料理マスコミ注目度の低さ(「高さ」ではない(笑))で選ぶ事が殆どだ、ただ年齢や経験を重ねて、以前と変わったなと思うのは、料理人一人で厨房を回している店を選ぶ事が多くなった、前記事の「MAMA」や、人に勧めることの多い「古屋オーガストロノム」「ビズ」「ビストロ・ヌー」や札幌の「プロヴァンサル・キムラ」「リアン」等、厨房一人サービス一人の最小布陣店、「理由は?」と訊かれたら、「料理人の考えがよく理解出来るから」と答えると思う。
 調理スタッフが増えればそれだけ仕事は精密になり、見栄えを含め料理一皿の完成度は高くなる、だがそれを味わった時に、何か料理全体の繋がりに不自然さを感じてしまう時があるのだ、極端な例えだが、4楽章の交響曲を1楽章ずつ違う指揮者とオーケストラが演奏した印象と云えば、音楽好きな人なら判ってもらえるかも知れない。
 まあこれは私が変わっているからで、多くの人はそんな事考えないだろう、厨房もサービスも人数が多ければ、より快適な時間を過ごせる筈、まずはそうした店を選んでください(笑)。
 在関西のフレンチ好きの食友人が東京に来る事になり、私が推薦したのは、やはり料理人一人の夫婦で営む店で、このブログでも数回取り上げた麻布十番の「グリグリ」、賛同してくれたので麻布十番の夜に合流する事になった。

 フレンチディナーは今年初だ、最後まで眠らないで居られるか不安だが(笑)、週末で賑わう麻布十番商店街を抜け、店が入ったビルに辿り着くが、階下のテナントが美容室に変わっていた、次来る時まで続くのかなと、余計な心配をしてしまう(笑)。
 テーブル席で始まったディナー、まずは全品をお見せしたい、

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・アミューズ(ブリオッシュの上に桜の葉のバターと桜の花の塩漬け、カマンベールと青リンゴのイカ墨タルト)

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・卵黄とブイヤベース、パルミジャーノとミガスパウダー

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・北海道産毛蟹、身と味噌、パパイヤ、アーモンドのソース

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・帆立のスープ仕立、百合根、レモングラスとバイマックルー風味

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・北海道産鱈、緑豆、イカ、ミントのソース

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・金目鯛のポワレ、牛蒡チップ、トリュフとトランペット茸のピュレ

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・ブレス産仔鳩、胸肉と春菊、しし唐

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・同 モモ肉をスパイス唐揚げに

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・同 内臓を使ったスープ

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・ピマンエスプレットのソルベ

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・ショコラと栗、上に金箔

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・ガレットブルトンヌ

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・ベトナム産チョコレートを使った自家製板チョコ
・アンフィージョン

 伊藤憲料理長の料理を一言で表現すると「抽斗の多さ」だろうか、同世代の「オテル・ド・ヨシノ」手島料理長が一つの料理を時間かけて精緻なものにするなら、伊藤氏は過去の料理に固執せず、新しいアプローチを常に試している印象。今回特に感じたのはスパイスの多用で、帆立スープに加えた「トムヤムクン」風な香り、あらかじめソミュールに浸けたと聞く鱈の味わい、金目鯛に添えられたピュレの複雑な味、鳩モモ唐揚げの多彩スパイス、プレデセールのピマンエスプレッド味等、積極的に攻めている印象を受けた。
 同行者が「フランス人料理人が『アジア』を取り入れた料理が一時流行したが、それを思わせる、日本人料理人がやると単なるフランスの『物真似』になりがちだが、そうではなくフランス的俯瞰からの料理になっていると感じた」と語っていたが、なかなか鋭い指摘だと思う(笑)。
 以前この店でディナーに鳩が出て栃木産だったが、食肉として飼育された歴史の長いブレス産はそれとは違う、優劣ではなく脂や肉味の存在として違っているので、当然調理法も変わって来る、その辺りはフランスで長く働いた伊藤氏は熟知していて、今回の3種調理は最近では出色の鳩料理だった。
 全体的には、フランス料理経験値の高い客向け構成だなと感じる、随所に刺激があるので眠くならなかった(笑)。あえて言うならメインデセールが、飾りの金箔は要らないと思うので、もう少しチョコレートの質を高めれば更に良くなると感じた事か。

 伊藤マダムとも話をしたのだが、今東京フレンチは質、量共に凄い事になっているが客の数が追い付いていない、全体数が決まっていて、新しい店が話題になると皆は其処へ向かうので、その分何処かの店から客が減ってしまう(笑)。業界全体が発展するにはインバウンド客招致も必要だが、国内需要、特に若い層の客を呼ぶのが課題になる、そのためには何が必要なのかを、これから店も客側も考えないといけないと思う。「グリグリ」みたいに、他店とは少し違う独自なコンセプトの料理方向は、個性表現としていいと思った、あとは客とどう折り合いを付けるかだ。
 食べる側としても考える事の多い、なかなか刺激をもらえる料理で楽しい夜になりました、伊藤夫妻ありがとうございました(笑)。


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西新井「香府山」

 足立区内の西新井大師近くに秀逸な中国料理店があるとの噂は、足立区特集のムック本やWEB情報で知っていた。何でも元々此の地で40年続いた街場の中華料理店を、銀座の有名中華店で修行した二代目がリニューアルし、本格的な中国料理を出す店として、2014年に店名も変え再スタートしたとの事だ。
 以前から行ってみたいと思っていたが、調べてみるとアクセスがよくない、一番近い駅は東武スカイツリーラインの「大師前」駅だが、そこからでも10分は歩く、我家から自転車だと30分以上はかかりそうなので、寒い日が続いていた事もあり見送っていた。
 この日、1月ながら春を思わせる暖かな陽気で自転車の大敵である強風もない、「よし、今日こそ行ってみよう」と店へ向かう事にした。

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 亀有方面から自転車で行く時は環七を西に向かい、4号線(日光街道)を過ぎ、西新井大師前の交差点を右折し、4つ目の信号を左折してすぐ、角に「十勝甘納豆本舗西新井大師店」の立派な建物があるので目印になる。
 店の名前は「香府山」で「シャン・フ・ザン」と読む、WEB情報では二代目が修行した2店から一字ずつ取ったとある、一つは「過門香」だが「府」はどの店だろう?
 外観は改装後2年なので新しい、「中華麺DINING」との表記があり、ランチタイムは麺が中心になるが、夜はコース料理も提供しているみたいだ。

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 11時半の開店直後に入店する、ドアを開けると店主の奥様だろうか女性が案内してくれて、カウンター席に座らせてもらう。

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 ランチタイムの麺、飯、点心類のメニュー、結構種類豊富だが、この他にも点心2種とプチデザートが付くお得なサービスランチが5種類あり、その中から一番先に目に入った「担々麺」(税込1,000円)をお願いする事にした、これ食べれば店の実力は大体判る筈(笑)。

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 目の前には厨房、店主はまだ若い40歳前ではないか?客から見えるオープンキッチンは整理整頓掃除が必須だが、問題なく行き届いている。平日の正午前ながら次々と客が入店して来た、見た感じでは地元客だと思う。

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 卓上の味変アイテム、醤油以外は自家製の薬膳酢、特製ラー油、オリジナル辣粉と説明があった。

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・担々麺(中国語では「々」は使わないが、店表記どおりに)サービスランチセット。

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・麺のアップ

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・点心(小籠包、焼売)、これにライスがサービスされる。

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・杏仁豆腐

 まずはいつもどおりにスープを一口、いきなり辛さを感じるのではなく、香辛料が混ざった香りの後に奥深い辛さ、最後に胡麻の甘味がやって来る、ベースのスープもしっかりしていて味が立体的、これは「おぬし出来るな」と云う味だ(笑)。続いて麺だが中細で縮れは殆ど無い、モチモチとした食感でいい小麦を使っているのは判った、上に乗せた挽肉も上質だ。他店の担担麺では唐辛子の辛さと胡麻の甘味しか感じない物に出会う事もあるが、これは一つの丼の中に複雑な滋味が重なって感じられ、最後まで飽きないで食べられる。
 小籠包&焼売も自家製だろう何より皮が違う、足立区内では北千住の「鶴亀飯店」に同種のランチセットがあるが、麺自体は別にしても、点心類はこちらに分がありそう。
 こうした店ではオマケ的に付いている杏仁豆腐だが、これも自家製だと思った、キチンと作っていて美味、甘味好きにはポイント高くなる(笑)。

 ネット上の噂はあてにならない時もあるが、この店に関しては評判以上の実力を感じさせる満足度の高いランチだった、隣席の女性が食べていた「五目あんかけ麺」も旨そうだったし、これは近い内に再訪したい店だと思った。夜のコース料理も体験したいが、電車だと大回りして行く事になるし、自転車は飲酒運転ご法度だ(笑)、当面はランチタイム訪問になるが、次何を食べるか考えるのも今から楽しみ、久々にいい中華を見つけた(笑)。

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 気分が良くなったので、帰りはすぐ近くにある「十勝甘納豆本舗西新井大師店」に入って甘納豆を見ていたら、作務衣を着た渋味あるオバサマが「こちらお得ですよ」と、賞味期限が迫り半額になった物を勧めるので買ってしまった(笑)、これも美味でした。
 地元には自分が知らない「いい店」がまだありそうだ、自転車での美味巡礼はこれからも続く(笑)。


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南青山「MAMA」(2017年1月)

 昨年5月のランチ訪問時に「また来ます」と云ったまま半年以上経っていた、南青山のレストラン「MAMA」、やっと3回目の訪問が出来た。サラリーマンリアイア後は遠出が億劫になって、上野や秋葉原以西はあまり行かなくなり、表参道は大阪へ行く位に遠く感じてしまう(笑)。
 高級フレンチ出身のオーナーと料理長のコンビにより、上質なワイン類の提供と箸で食べる「フランス料理の哲学、技術に基づき丁寧に仕上げられた料理」を掲げ、2015年5月に開業した「MAMA」だが、店へのアクセスは正直よくない、表参道、渋谷、六本木どの駅からでも15分は歩く、よくこの場所を選んだと思うが、繁華街の喧騒から離れた静かな場所で営業したいと云う、店側2人の意向によるものだろう。

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 寒かったこの日、店への到着は12時少し過ぎ、去年からランチ営業を始めた事もあり、店が周辺地域に馴染んで来た様にも見える。
 一応予約して行ったのだが、12時過ぎの入店時にはカウンター席に先客が1人、テーブル席にも2人、その後続々と来店し3つあるテーブルは埋まり2回転する席もあった、周りに飲食店が殆ど見当たらない事もあるが、ランチ処として認識されて来たみたいだ。

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 平垣内オーナーに挨拶し、彼の労作手書きメニューを拝見する、前回は「イベリコ豚の天使の羽根定食」から「とんかつ」をお願いしたが、今回は「カツカレー」にしようと決めていた、ただ「週替定食」(1,200円)の「そぼろ丼」にも惹かれ、これも食べたかったが(笑)。
 当日の料理は以下のとおり、このランチを注文しているのは私だけだが、おそらく標準仕様より品数が増えている筈だ(笑)。

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・人参のピュレとラペ、胡桃

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・イベリコ豚の豚汁

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・フォアグラとイチジク

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・Puy Redon Chardonnay 2015
 平垣内セレクション、仏南西部ベルジュラック産で、この地域には珍しいシャルドネ種を使用、AOC認定ではないが、ブルゴーニュの高級白を思わせる味と香り。グラスはリーデルの高級品「ブラック・タイ」。

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・左の近藤悠三作と聞く鉢中にはシーザーサラダの下にラタトゥイユ
 中の河村喜太郎作ぐい呑み中は、下から紫キャベツの酢漬け、蛸のマリネ、コリアンダー風味の棒々鶏、冬野菜のエチュベ
 右の永楽善五郎作の皿には鮪とビーツのユッケ風

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・イベリコ豚のカツカレー

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・一応皿に載せて、一般的な「カツカレー」にしてみた(笑)。皿はローゼンタール。

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・大納言あずき、ココナッツのアイスクリームに焙じ茶

 まずはアミューズとして出た人参の甘さと旨味に驚く、特別な人参ではなく甘味を出す加熱調理によるものとの事だが、雲丹等入れず人参そのものの味にしたのは賛成。前回もイベリコ豚汁は美味だったが、今回は「寒いので、スープ的に出します」と先に出た、地味な根菜達がイベリコ脂を纏って美女に変身している、漆椀もいいし家庭では出せない味だ。フォグラも小品ながら美味で、アルコールに弱い私でもワインが飲みたくなる。
 「サラダ」&「小鉢」の次の品々は、どう見ても通常バージョンではない(笑)、夜のメニューから出してくれたみたいだが、手をかけた品が上手の器に盛られている、ワインを飲む事を想定して酸味は抑え気味。
 そしてカツカレー、カツはイベリコ豚の「天使の羽根」と呼ばれる肩甲骨の肉を使用、一頭から約500g位しか取れない希少部位。カツは前回同様濃い旨味がストレートに来る、添えられた鹿児島産「デコーソース」も合っていた。市村料理長はカレー大好きだそうだが、夜にもカレーを出しているので、ワインの余韻を消さない様スパイスは控え目、ルーから「フォン・ド・ヴォー」を仕込む要領で作っているとの事。「カツカレー」と聞くと学食やカレーチェーンで食べる物を連想してしまうが、あれとは全くの別物でレベルが違う(笑)、福神漬も自家製。
 小豆炊きの達人から学んだという大納言餡とココナッツアイスも良かった、お茶も美味。

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 ある意味、高級レストランで1万円のランチを食べる以上に贅沢な時間に感じた、作る人1人、提供する人1人、ミニマムな体制での客1人のための料理、「これを食べて欲しい」とのメッセージが直に伝わって来る、インテリアや器等のセレクションもいい。
 店の本領発揮は夜の部だと思うが、ランチでもその片鱗が伺え本気度が伝わる、テーブル席の女子達の会話が聞こえたが、「素敵な店、すごく美味しい、今度夜にも来たい」の三題で、そう思ってくれるならランチ営業する面倒も報われる。
 近隣のオフィスや家庭へ向け、少数だが弁当宅配もやっていて結構需要があるとの事、「注文先まで運ぶの?」と訊いたら、今は弁当専門のバイク配送業者が存在し、依頼すればGPS探知によりすぐ来てくれ、支払いはネット決済で行うそうだ、凄い時代になった(笑)。

 いい空間といい料理で、つい長居してしまうが、市村料理長と平垣内オーナー、お気遣い感謝です。ランチばかりで迷惑でしょうが、次回は「イベリコステーキ」その次は「謎のイベリコ豚料理」を食べに来ます(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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