最後の晩餐にはまだ早い


赤坂「古屋オーガストロノム」(2017年3月)

 あえて名前は書くのは控えるが(笑)、2月の関西食旅行で訪れた人気店の料理長が東京に乗り込み、一夜限りの料理フェアを開催した。諸事情により私は参加出来なかったが、盛況と聞いて「当然でしょう」と納得、その翌日昼に「お疲れ会」も兼ねて有志が集まる事になった。場所は私が去年1月を初回に計5回訪れた、赤坂のフランス料理「古屋オーガストロノム」、古屋料理長にはspecialゲストである事を伝えて、通常のランチメニューではなく、夜のメニューをアレンジして出してもらう旨のお願いをした。
 呼びかけに応じて、平日昼ながら集まったのが総勢5名、かなり濃いメンバーでの濃い午餐を開催する事になった(笑)。店側もゲストに合わせ、非常勤メートル?の大ベテラン秋葉氏を招集してくれて、石橋支配人と共にサービス陣は盤石、企画と云う程大げさでないが、「この店で集まろう」と云い出した私も嬉しくなる。
 前置きは短くし、取りあえず当日の料理を紹介したい、

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・「お疲れ様」の乾杯シャンパーニュは、ジャック・ラセーニュ「Les Vignes de Montgueux Blanc de Blancs」

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・アミューズ・ブーシュ(プティポワの温製スープ フォワグラとブリオッシュ、赤玉葱のコンフィチュール、棗椰子ヴィネガー)

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・北海道産ホタテのグリエ、コールラビのソース、シュークルートのエマルジョン

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・ロワール産ホワイトアスパラガス、富山県産ホタルイカ、モリーユ茸のフリカッセ

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・大分産地鶏玉子“蘭王”フランス産黒トリュフ“ウッフ・アン・ムーレット”

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・山口県萩から届いたシマガツオ、香草シャンパーニュソース

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・豚足のファルシ(リ・ド・ヴォーブレゼ、トランペット茸、ムース・ド・ヴォライユ)のグリエ、シャルキティエールソース

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・いちごのマセレとレタスのグラニテ

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・熊本県産デコポンのヴァリエンテ、ドモーリ72%有機カカオのグラスショコラ
・エスプレッソ

 ゲスト料理人はアミューズのスープで、「今時の料理人なら、もっとクリアな色で作る」と云ったが、油脂類を控えた抹茶みたいなスープではない(笑)、「プティポワのスープ」か「プティポワを素材にした旨いスープ」の違いだと思う、フォアグラはハンガリー産を使ったテリーヌで、赤玉葱のコンフィチュールがアクセントになっている。
 上質なホタテ料理に使ったコールラビが面白い、北ヨーロッパではよく食べられ、キャベツに似た風味がある。続く白アスパラは最近の流行よりしっかり火を通し、ソースで味わう脱日本的な料理になっている。
 古屋スペシャリテのウッフ・アン・ムーレットは以前と変わらず完成度高い。魚料理のシマガツオは別名「エチオピア」とも呼ばれ、マナガツオと似ている平べったい魚、日本では主に西日本に分布する、味もマナガツオに近いと思った、繊細で旨味ある白身を軽めのシャンパンソースが生かしている。
 「ジビエが終わり季節的に難しく、今日の肉料理は何出すのだろう?」と思っていたら、石橋氏が「古屋がベルギーから持ち帰った料理です」と説明したのが、伝統料理をアレンジしたピエ・ド・コションのファルシ。豚足を茹で骨抜きし、そこへリー・ド・ヴォー、鶏、トランペット茸をアッシュして詰め、おせち料理の「信太巻」みたいにする、それをグリルして酸味のあるソースと合わせると云う、面倒な手順を踏む、その割には見栄えは地味なので、1980年代生れの若い料理人は、まず作らないだろうと思う(笑)。これを人数分仕込み、当日他卓の料理と同時進行で仕上げるのは、一人厨房なら普通はやりたくない、それでも持って来たのは、自信がある料理だったからと思う、味にも手間をかけただけのものが感じ取れた。
 デセール2品も勿論古屋氏が作るが、手を抜かず丁寧なものだ、特にレタスのグラニテとショコラのグラスが印象的だった。

 古屋氏の料理はビジュアル受けする現代風ではないが、そうかと云って古臭くはない、古典料理を現代の嗜好に合わせて、食べると「フランス料理って、やはり美味しい」と改めて納得させる。
http://www.eatpia.com/restaurant/furuya-augastronome-akasaka-french
 このサイトで、『ソースを「食べて」もらう為に料理をつくっている』と、古屋氏は云っているが、その考えが理解出来る料理だった、まずは「料理とソースありき」で、素材はあくまでも構成する要素、この辺りが昨今のモダンフレンチとは違う処だと感じる。
 我々の料理を作るのに加えて、他にも2卓埋まっていたので、古屋氏は疲労困憊かなと思っていたが、後で挨拶に出て来たら冗談も云って笑っていた、非凡な料理人は一般人とは違う体力&精神力を持っている(笑)。
  
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 結構際どい業界の裏話もあり、此処には書けない話題も多かったが(笑)、とても楽しい午後になりました、参加された皆様ありがとうございました。料理は幾ら語っても尽きる事のない奥深い世界、だから面白いのだと思う。
 最後は店前で記念撮影を、また皆で集まれる日がある事を願っています。
 

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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