最後の晩餐にはまだ早い


外苑前「フロリレージュ」(2017年6月)  

 殆どが平日のランチ訪問だが、今回は諸事情、簡単に云えば同行者の都合で日曜日、場所はお馴染みの外苑前「フロリレージュ」へ。
 川手料理長は海外の有名料理人とも親交厚く、フェア等を開催するので、現在は特にランチ営業する日が減っている。自分が不在時は二番手に任せてしまう料理人も居るが、彼は店を閉めてしまうか、あるいはスーシェフに任せる時は別名「ウラリレージュ」で営業する(笑)、これは潔い姿勢だと思うが、営業日が少ないと客は更に予約が難しくなる、ましてや日曜昼となるとプラチナシート的だ、それを何とか強運?で入手する事が出来た。
 東京メトロ外苑前駅を出ると、神宮球場へ向かう野球観戦客で混雑していた、それを掻き分け熊野神社前に到着、地下へ続く階段を降りると、いつものレセプション担当女性が迎えてくれる、担当者が一人増え二人になっていた、海外からの予約電話も多いと聞くので、体制強化したみたいだ。

 案内されたのはキッチン正面の席、調理スタッフも女性が一人加わっている、今迄パティシェールを除いては男性ばかりだったので、体育会系的雰囲気があったが、女性が入ると全体が柔らかくなり文化祭的?になる(笑)、いい事だと思う。
 川手料理長に挨拶し、始まったのが以下のメニュー、まずは料理を紹介したい、

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・「投影、とうきび」

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・中はコーンクリームポタージュを固めたみたいなもの(笑)。

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・「雅鮎のフリット」

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・「鳩のワンタン」

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・「鮑 米」(上に重湯、牡蠣のムース)

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・「サスティナビリティー、牛」(宮崎産経産牛のカルパッチョ)

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・「分かち合う」(三河産ウズラにフォアグラを入れたバロティーヌ)

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・ドレッセ後、ガルニには空豆と空豆のクロケット

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・「ブランマンジェ(ココナツ)、マンゴー」

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・「贈り物、アマゾンカカオ」(チョコレートのオムレツ)

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・さくらんぼのパートフィロ
・エスプレッソ

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・この日のドリンクペアリング(一部)

 まずはトウモロコシ売り娘(笑)が、トウモロコシが数本入った籠を持って登場、そこから各自1本ずつ取るのだが、中身はコーンクリームグラタン、何処か懐かしい味で記憶を呼び覚ます。
 香ばしい雅鮎の後は、中国料理みたいな鳩肉を使ったワンタンスープ、鳩のコンソメと冬瓜を合わせて食べると何故かフランス料理になっている(笑)。
 次の鮑料理はフロリレージュでは夏の定番、今回は柔らかくした鮑身に、重湯と牡蠣のムースを合わせた発想が大胆、見かけは地味だが今回この料理が最も印象に残った。新店舗ではスペシャリテになった経産牛のカルパッチョも安定の美味しさ、下に敷いたポムピュレとコンソメが半乾燥の肉と絶妙にマッチしている。
 「分かち合う」肉料理はウズラ、中にフォアグラを入れローストすると云う、フランス料理では古典的な手法だが、少し酸味と苦みのある鶉の肉味(それを更に強くしたのが雷鳥)を矯めるのではなく生かす方向で調理している、材料各自の特徴を殺さず、上手くマッチングさせ新しい味を創出するのが川手料理の特徴だと思う、ガルニの空豆の扱いもいい。
 パティシェールも経験を重ねたからか、デセールに硬さが取れてこなれて来た、特にチョコレートのオムレツは旧店舗からのスペシャリテだが、南米ペルーから直送されるカカオを使う事によって、味わいが深くなっている。
 廣田氏が考案するドリンクも毎回面白く楽しみ、今回は「夏」をイメージさせるものが多かった。

 今回の料理印象は、少し「古典回帰」しているのかなと感じた、旧店舗時代の料理を想起させるものがあり、今迄「前衛」を走っていた川手氏、一時は「このままだと、日本料理になってしまうのでは?」と思う時もあったが、此処で一度立ち止まり原点を見つめ直しているのかもと勝手に想像した。
 デビュー時は容姿で売った役者や歌手が、経験を積み実力を身に着けてからは、見かけより中身(技術)で勝負する、以前よりモテなくなったかも知れないが(笑)、違いの分かる人(客)には訴える、川手料理は今其処へ来ているのかも知れない。インスタグラム映えするビジュアル性は減ったが、美味しいのか不味いのか判別不能でそれ以前では?と感じる料理ではなく、食べて本当に美味しい料理を志向していると思った。

 さすがは日曜日昼だけあって、カウンター&個室共に早い時間に満席になった、来客が集中しても料理が停滞しないのは、新店舗の形態で2年が経過した経験によるものだろう、若いスタッフ達の動きもスムーズに見える。
 薄い財布を持ちながらブログを続けるには、訪問が一店に集中しない様にはしているのだが、料理が少し変化した印象を持ったフロリレージュ、一過性なのかそうでないかを確かめるためにも、次の予約を入れてしまった(笑)。やはり此処は来る毎にあらたな刺激を貰える店だ。


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浅草「ブラカリ」

 このブログの記事カテゴリ別では、フランス料理が圧倒的に多い、筆者の好みと云うより「偏愛」を表しているのだが(笑)、たまには他ジャンルの店も書かないといけないと反省、今回は浅草のイタリア料理店を食仲間を誘いランチ訪問する事に。
 店は浅草馬道交差点近くにある「ブラカリ(BRACALI)」、この店は以前「イル・セレーノ」と云う名前のイタリアンだったが、昨年5月にスタッフ全員が替わり、店名と共にリニューアルしたと聞く。WEB上では「特に手打ちパスタが美味しい」との情報があり、行ってみたいと思っていた店だ。
 店が在る「馬道」の由来は諸説あるが、知られているのは、昔浅草寺境内に馬場があり、僧侶がそこへ行く際にこの道を通ったので、馬道と呼ぶ様になったとの事、今は車を運転する坊さまも、昔は馬に乗っていた(笑)。

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 料理人は斯波順一氏、国内では「アカーチェ」「ラ・コメータ」「ジャルディーノ」、「ラ・ヴィータエベッラ」(川奈)、その後イタリアに渡り、トスカーナ地方の二ツ星「BRACALI」でスーシェフに就任。日本へ帰って今回「BRACALI」を名乗る事を店から許された。

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 「イル・セレーノ」を利用したのは5年以上前だが、店前に立つと少し記憶が蘇った、大きな窓前にはメニューの黒板と鉢植えの緑を置き、店内を少し隠している。
 サービス担当女性に予約名を告げテーブル席に案内される、既に2組食事中で、この後にも2組来客があった。客の会話で「今日は空いているね」と聞こえたので、いつもランチタイムはもっと混むみたいだ、今浅草への観光客は国内外含めて、昔より信じられない位に多くなった。

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 ランチメニューは4種類だが、せっかくだからと「本日の季節のコース」(3,500円)をお願いする事にした、パスタを乾麺4種と手打ち4種の8種類から選べるのが悩める処だが、今回は「生は珍しい」とトマトソースのペンネを選ぶ。
 料理は以下のとおり、

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・アンティパストミスト
(よく見えないが一番上は帆立稚貝のグラタン、時計回りにセリモナのニョッキ、ヒラマサのカルパッチョ、プロシュート、プロシュートとバルサミコのサンドイッチ、真中にリーフサラダ)

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・自家製フォカッチャとパン(美味しい)

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・ミネストローネ

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・サルシッチャとトマトのペコライヤ風リコッタアルフォルノかけ“生ペンネ”で

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・アンガス牛のタリアータ、バルサミコ風味、ルッコラとパルミジャーノ、下に白隠元豆のトマト煮

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・ドルチェミスト
(右からアメリカンチェリーのタルト、バニラのジェラート、キャラメルのパンナコッタ)

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・エスプレッソ(美味しい)

 料理全体の印象は、見栄え重視の派手な処がなく、どれも伝統的な料理をベースにしたもの、インスタグラム映えはしないかも知れないが(笑)、何処か懐かしくて安らぎを感じる美味しさ。
 生ペンネを使った料理はアラビアータみたいな辛みあるトマト味がベース、毎日食べ続けられそうな家庭的な親しみ易さがあるが、これはプロでないと出せない皿だ。
 タリアータはイタリア料理店ではポピュラーな料理だが、下に白隠元豆のトマト煮込みを敷いているのが日本では珍しい、豆をよく使う料理人は大体本場欧州で働いていると思って間違いない。
 パンもドルチェも美味しかった、最近はフレンチでもイタリアンでも、この二つで各店の勝負が決まる感じがする(笑)。エスプレッソも外れない。

 サービスの女性がとてもいい接客で印象に残った、眼鏡をかけおっとりとした口調の話し方が、青山にあったフランス料理店「アテスエ」に居たサービスの女性を思い出す。
 彼女の話では、この店のオーナーは以前から浅草の靴問屋で、その関係で地場産業である製靴業の人達が訪れるそうだ、彼らが「この店の料理は、自分がイタリアで学んでいた頃の料理を思い出す」と話すとの事。たしかに青山、六本木辺りのミラノ系北イタリア料理とは一線を画すと思う。
 最後に斯波料理長が挨拶に出てきたが、「自分がやりたいのは(イタリアの)地方料理です」と話してくれた、リニューアルしてまだ1年なので、これから楽しみな料理人だと思った、特にランチタイムで自家製生パスタを出す店は少ないのでありがたい。
 また来たいと思える店だ、浅草に行く時あれば、寄ってみる事をお勧めしたい。
 

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湯島「ベッケライ テューリンガー ヴァルト」

 時間は前後するが、今回紹介するのは「ビストロ・ヌー」へ行く前に寄った店、家のパンが切れてしまったので、秋葉原・神田界隈で良さそうなパン屋はないか?とネット上で検索していて見つけた。
 WEB情報では「ドイツ人職人が作る、本場ドイツのパンを売る店」とある、PARISにあるブランジェリーの名を付けた店には、期待外れな思いばかりしていたので、「ドイツパン、それも個人店なら面白そう」と好奇心が沸き、店まで行ってみる事にした。
 店の名前は「ベッケライ テューリンガー ヴァルト(Bäckerei Thüringer Wald)」、独語のベッケライは英語のベーカリー、ヴァルトは森の事だから、直訳すれば「チューリンゲンの森のパン屋」、なかなかロマンチックな店名だ(笑)。開業は2015年10月で、店主は製パン技術指導のために来日し、そのまま日本に滞在を続け独立したそうだ、「ビゴ」や「ルコント」みたいなケース。

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 食べログの地図を印刷して行ったのだが、これが予想以上に凄い場所だった、地下鉄千代田線湯島駅の御茶ノ水寄りの出口を出て、神田明神下へ向かい三組坂下の交差点を右折、本郷三丁目方面へ向かうと左側にラブホテルが並んでいるがその裏手、近くには東都文京病院(旧:日立病院)がある。湯島天神と神田明神の中間地、ラブホと病院に囲まれ、少し先には霊雲寺と云う大きな寺社もある、まさに愛(エロス)と死(タナトス)が交錯している(笑)。

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 前の店舗は何だったのだろう?小さな店舗だ、店前には「ドイツパン マイスターの店」と店のサイズに合わない大きな看板が掲げてある(笑)。

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 ガラス戸を開けるとそこはすぐパンが並ぶ棚、欧州式の対面販売で、客側に近い列は「~クーヘン」(ドイツ語でケーキの事)と書かれた、デニッシュ系みたいなパンが並ぶ、「スマイリークーヘン」と云う人の笑顔を表したパンがちょっと笑える。個々の値段は場所柄を考えたら結構高めだ。
 その後ろにはプレッツェルみたいな甘くないパン、後方の棚には食事用のパンを並べてあった。このキチッとスキのない陳列の仕方はドイツ的だなと感じた。
 販売担当は若い日本人女性、奥が作業場になっていて、大柄でお腹の出た外国人男性が手作業でパン種を練っていた、この男性と目が合い「グーテンモルゲン」と挨拶される、何と返すべきか一瞬迷うが、「おはようございます」と無難?に日本語で(笑)。あとでショップカードを貰ったが、この人がマイスターのフランク・ウィンターベルク氏。あまり日本語が得意でないのか、それとも元々無口な職人タイプなのか、あと喋ったのは退店する時に「ダンケ」と云っただけだった(笑)。

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 壁には額装されたレストランメニューみたいなものがあったが、これがマイスターの称号なのか?ドイツ語は全然判らないが。
 同様にドイツパンはよく判らず、店の女性の説明を受けながら選んだ、初回なので無難に食事用のパンを2種買う事に、以下はその紹介と食べた感想を。なおパンの撮影場所は「ビストロ・ヌー」のカウンターを借りました(笑)。

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・ヴァイツェンミッシュブロート(税別650円)
 一辺約11.5cm、ライ麦約20%混入との事で、フランスなら「パン・ド・ミ」みたいなパンか。スタンダードな食事パンと云う印象、粉の美味しさが伝わって来る、薄く切ってトーストにすると特に美味しい、バター&ジャムでも、ハムやチーズ等と合わせてもいい、この店へ来たら最初に買うパンとしてお勧め出来る。

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・バウエンブロート(750円)
 直径約12.5cm、ライ麦比率はたしか50%だと思った、ズシリとした重量感がある。個性的な味わいなので一般向けではないが、個人的には好みのタイプ(笑)。これと野菜と肉を入れたスープがドイツの伝統的な家庭の食事なのだろう、噛むほどに旨味が増すパン。

 ドイツパンと聞くと、広尾の「東京フロインドリーブ」を連想するが、1970年創業のあちらのパンと比べると、伝統的な作りは同じだが、より現代的な味わいになっていると思った。

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 WEB上では「値段が高い」とも書かれていたが、今、街場のベーカリーの食パンが一斤250~300円位なので、確かに高いとは思う、でも厳選した材料を使い、機械に頼らずに伝統的な時間と手間をかけるパン作りをすると、こうした値段になってしまうのだろう、この辺りをどう考えるかによって、この店の評価は変わる。
 個人的にはリピートしたいと思った、それだけの魅力はある、地味だが本物を提供しようとする、この店が継続できるなら、東京も本当の「食の街」になったと云えるのでは?(笑)。


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御茶ノ水「ビストロ・ヌー」(2017年6月) 

 今年1月以来の御茶ノ水(末広町)「ビストロ・ヌー」、「近いうちに、また来ます」と云いながらもう5ヶ月経っていた、行きたい店を回るには東京は店の数が多過ぎる、財布の中身も体力も追い付かない(笑)。
 先日開店6周年を迎えたビストロ・ヌー、3月までサービス担当だった女性が退店、替わって磯貝料理長の奥様が店を手伝う事になった。前任者はバレリーナみたいな容姿だったが奥さんも細い、磯貝氏も痩せているので、皆フランス料理など食べていないのでは?と疑ってしまうが(笑)、太らない体質の人は居るみたいだ、生まれ変わったらそうなりたいものだ。

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 11時半の開店直後に入店、カウンター奥の席に座らせてもらい、黒板メニューを眺める。

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・この日の‘Menu du jour’
 アントレ(前菜)+プラ(メイン)のみだと1,250円だが、この他に「おまかせランチコース」が2種あるので、メイン1皿の方でお願いし、選べる料理は「豚バラとキャベツの煮込み」、デセールは「本日のデザート(ホワイトチョコレートのタルト)」に決めた。

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・グラス提供可能なワイン、選んだのはボルドー白の「デュック・ド・サン・マルタン」

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・自家製カンパーニュ系パン、以前より美味しくなったと思う。

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・レンズ豆のポタージュ(温製)

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・サーモンとアボガドのタルタル

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・鮎のコンフィ、内臓を使ったソース、アスペルジュソバージュ

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・豚バラとキャベツの煮込み(シュークルート)

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・ホワイトチョコレートのタルト、バニラアイス

 店内は何時の間にか満席に、前月に東京メトロの人気フリーペーパー「メトロミニッツ」で紹介されたのも影響ありか。ビジネス街のランチは1時までに帰らないといけないので大変だ、磯貝氏はパリの繁盛ビストロで、夜卓3回転と云う修羅場?も経験しているので、忙しくても動じない、あるいは動じない様にしている、テンパっていないのは立派(笑)。
 サーモン&アボガドのタルタルは高級店でも通用するアントレ、フレンチでは難しい鮎の扱いもいい、シュークルートはアルザス的コテコテな仕上がりと違い、磯貝風解釈でソーセージもジャガイモも使わず軽く仕上げている、殆どの日本人はこちらの方が美味しいと思う筈だ、デセールも良かった。
 
 現れては消える店の多い中で、よく6年続いたなと思う。料理には光るものがあったが、秋葉原の外れと云う特殊な立地と、喫茶店みたいな外観や内装は失礼ながらあまり高級感がないので、フランス料理に「ハレ」の場を期待しやすい日本人に、受け入れてもらえるかな?とも思っていた。
 日本もリーマンショックや東日本大震災を経て変わった、特に富裕層ではない平均的サラリーマンの意識が、消費より貯蓄、贅沢さより実質を求めるようになったと感じている、そうした潮流に此の店は合致したのではと思う。
 「コティディアン」「キエチュード」「ヌー」とランチタイムに利用し、何処も繁盛しているのを見て、やはり日本人が好む味はあると思った。先日NHK-BSでフランスとイタリアで活躍する日本人料理人の特集を観たが、彼等と3店の料理人は大体同世代で、フランスで働いている、欧州に残った彼等と日本に帰って来た3人、ガラパゴス島における陸イグアナと海イグアナみたいに「進化の枝分かれ」をしたと思う(笑)。日本でフランス料理をやるなら、日本人の好みに合わせないと続かず、環境に上手く対応する柔軟さがないと生き残れない。

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 私がこの店を初めて訪れたのは2013年、それから料理の基本線は変わっていないが、細部のクオリティは上がって来ていると感じる。この間に磯貝氏は結婚し子供が生まれ、そして今は奥様と二人で店を営業している、こうした環境の変化は料理人として良い方向へ向かっているのかな?と想像した。店内は昼夜完全禁煙になり、煙が一切NGな人でも、問題なく利用出来る店になった。
 「作家は処女作に向かって成熟しながら永遠に回帰する」は、文芸評論家亀井勝一郎の言葉だが、これ料理人にも当てはまる気がする。「有名になりたい」みたいな厭らしさを感じさせない、今の清新で作為のない料理でこれからも居て欲しいと、店の一ファンとして願ってしまう(笑)。
 私の「第二の故郷」(笑)秋葉原エリアに、良質で財布に優しいこの店がある事は嬉しい、人や店は代替わりしても、東京で一番刺激をもらえる街だから(笑)。



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稲荷町「小山生菓子店」

 今回記事にする和菓子店は、上野稲荷町「キエチュード」を前回利用した時に見つけ、何とも昭和チックな店構えに惹かれた、その時は外観を見ただけだが、今回キエチュードでのランチ後に寄ってみる事にした。
 店の名前は「小山生菓子店」、場所は下谷神社とキエチュードがある道から1本浅草寄りで、この界隈は結構古い建物が残っている。WEB上での情報では、太平洋戦争時の空襲を奇跡的に免れた一帯だそうで、レトロな建築が好きな人には、昼間の散歩をお勧めしたい場所だ。

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 店名の「生菓子」だが、私が子供の頃は単に「菓子」と呼ぶ時は煎餅やあられ等の干菓子を差し、もち米や小豆餡を使う日持ちしない物は「生菓子」で、売っている店も違った、その名残だと思う。ちなみに生ケーキ等は「洋菓子店」、子供専用は「駄菓子屋」だった。
 店の開口部は西向きなので、日除けで日差しを避けている、今はエアコン万能の時代だが、昔は食べ物を扱う店はこうした工夫をしていた。
 入口に近いガラスケースの中には饅頭や団子が並び、上にはいなり寿司やのり巻きを入れたパックを置いている、和菓子店でいなり寿司や赤飯等を売るのは、東京和菓子店のスタンダード。
 ケースを見ていたら、店奥から女性が出てきた。WEB情報では「おばあさんが一人で店番している」とあったが、この方をそう呼ぶのは失礼、私と年代は変わらないと思う、せめて「おばさん」でしょう(笑)。
 この方に「初めて来ました、古い店ですね、写真撮っていいですか?」と訊いたら、女性は「昭和3年(1928年)から続いている、(撮っていいけど)私は撮らないでね」との応えだった(笑)。

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 雑然とした店内、奥が作業場でその前には歴史博物館にありそうなレジスター(笑)、その手前の空間はおそらく食堂として使ったのだろう、昔の和菓子屋ではかき氷やあんみつ等を食べるスペースがあった、すぐ近くの下谷神社参拝者の休み処になっていたと思う。

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 何処かから譲り受けたのだろうか?「稲荷町 与志乃家」と書かれた木箱が積んであった。店内はお世辞にも奇麗とは云えないので、潔癖な人にはお勧めしないが、私はこうした雰囲気は懐かしく惹かれてしまう(笑)。
 店前に自転車が置いてあったので、店主の住まいは別にあり、朝に主人が作りに来て、昼間は奥さん(たぶん)が店番しているのではないかと思う。

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 買い物をして店を出たら、道の向かいにある内科医院の建物に気付いた、此処も相当な時代ものだ、私が幼少時代を過ごした墨田区の向島界隈にも、こんな感じの町中医院があった。

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 この日買ったもの全部、総額で税込950円だから安いと思う、それぞれの紹介を。

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・いなり寿司(1個100円)
 「正調東京下町いなり」と云う印象、中身は詰め過ぎだったが、私の母親が作っていた物に似ている(笑)。照りとツヤを出すために油揚げをザラメで煮る店もあるが、これは普通の砂糖を使っていると思う。

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・のり巻き(1本90円)
 下町伝統の具はかんぴょう煮で細巻きタイプ、釣りが「鮒で始まり、鮒で終わる」なら、のり巻きは「かんぴょうで始まり、かんぴょうで終わる」、私も年齢を重ねてこの美味しさが身に染みる(笑)、酢飯は伝統の甘口。

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・生姜
 この生姜の甘酢漬けが、また泣ける(笑)。

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・みたらし団子(1本120円)
 昼間買って夜に食べたのだが、団子部分は硬くなり始め翌朝には結構硬くなっていた、これは昔ながらの搗いた餅を使っている筈。最近は団子でも大福でも、餅粉を練って片栗粉やトレハロースを加え、長時間硬くならない様にしている物が多いが、硬くなる団子は本物感がある(笑)。

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・漉し餡団子(1本120円)
 東京伝統の漉し餡が美味しい、この餡だけ舐めていたい位(笑)、最近若い人達に小豆餡が好まれないとも聞くが、嫌う前にこうした本物を味わって欲しいと思う。

 東京下町育ちの私には、泣きたい位に懐かしい店構えと味、もっと早く来るべきだった(笑)、昼のみの営業だがキエチュードや下谷神社に来る時には寄ってみて下さい、昭和に戻れる店です(笑)。


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稲荷町「キエチュード」(2017年5月)

 東京は数年来変わらずにフレンチやイタリアンの新店開業が続いているが、オープンは話題になっても、閉店はまず話題にならない、皆は気が付かないフリをしている(笑)。東京全体でレストランの数は増えても、レストランへ行く客の総数は増えていないと感じている、つまり大きさの決まったパイを取り合いしているのだ、これから東京で出店を考えている人に「店を出すな」とは云わないが、開店したからには維持するには何をすべきかを、戦略として考えてないといけない、「開ければ客は来る」と考えるのは間違いだと思う。
 稲荷町のフランス料理「キエチュード」でランチを体験後、そんな事を考えてしまった。

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 此の店を利用するのは6回目でランチは3回目、ランチ時はいずれも平日ながら毎回満席、2回転する席もあった。客だけでなくスタッフ集めにも苦労する店が多い中で、この好調さは何が理由なのだろう?マスコミに頻繁に紹介されている訳でもなく、例の赤い本にもスルーされていながらである。
 理由は後で考える事にして、まずは当日のランチメニュー(3,000円)を紹介したい。

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・スペシャリテ パテ・ド・カンパーニュ

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・スペイン・リオハの白‘Ramon Bilbao’

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・バゲット(冷凍種のものだと思う)

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・小海老 マカロニ 鎌倉野菜

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・本日の鮮魚(甘鯛)フェンネル アメリケーヌ

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・チキンコルドンブルー デミグラソース

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・チョコレートタルト(ノエリー酒風味) ラズベリー チェリー カボス・カルダモン・ジンジャーのアイス

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・コーヒー

 パテはミニサイズだが練肉の旨味が伝わって来る、猪9:鶏1位の割合との事。小海老を使った前菜は簡単に云えば「マカロニサラダ」だが(笑)、上質な野菜との相性でレストラン料理になっている、鎌倉野菜を使う料理人は増えているが、良質さとブランド力は魅力だ。
 甘鯛は皮付きで調理する事が多いが、あえて皮を外しソースと合わせる事で「ブイヤベース」風味にした、これは印象に残る皿だった。
 本来仔牛で作る「コルドンブルー」は、食べ易さやコスト面から鶏胸肉を使う、この料理にレストランで出会う事が少なかっただけに、何処か懐かしく優しい味で笑顔になる。
 荒木料理長が「自信作です」と云って皿出ししたデセールは、言葉に違わず美味(笑)、ショコラのタルトもいいが、カルダモンを使ったアイスが面白くアクセントになっていた。

 キエチュードでは2年前の開店以来サービスに就いていた男性が退店したので、「どうなるかな?」と心配もあったが、スタッフ4人のうち荒木料理長が率先して店内に立ち、キッチンは主に別の2人が作業進行している。フルオープンキッチンなので連携に問題はなく、客は料理長から直に料理説明を受けるので、今迄とは違う新鮮さがある、荒木氏の柔らかな物腰もあってサービスに違和感はない(笑)。「夜は客入りにムラがあります」との事だが、それでも昼にこれだけ賑わえば、スタッフのモチベーションもUPする筈だ。

 前置きに戻るが、この店が人気店になった理由を考えると、
・上野でも浅草でもない、稲荷町と云うフレンチ空白地帯だった立地。
・プリフィクスではなく、昼は1,500、3,000円、夜は5,000円の固定メニューにした事。
・固定メニューにした事により食材ロスが減る、クロスも省略し維持費を削減、それを客に還元する事によりキャリテプリ感が高い。
・店内は外光を取り入れ昼は店前の下谷神社の緑が見られる、神社に来た時に此の店を見ると「入ってみようかな」と云う気にさせる。夜は人通りが少ないので、料理や会話に集中出来、昼と夜で雰囲気が変わる。
・料理は分かりやすく、フレンチ初心者や高齢者でも違和感なく味わえる。
・直前予約あるいは予約なしでも、席の空きさえあれば受け入れ可能なフレキシビリティ、特にカウンター席があるのは大きい。
・スタッフ全員がイケメン(笑)。
 最後は偶然かも知れないが、何よりこの客単価でスタッフ3人雇えるのが凄いと思う。荒木料理長は「料理界の東大」とも云われる名門調理師学校卒業、そこでは料理だけでなく、ビジネスとしてのレストラン経営まで教育する、1kg2,000円で仕入れた牛肉を使うなら、ガルニ(付合せ)も含め一皿幾らで提供すべきか迄教えると聞く、それを実践し成功している優秀な卒業生なのだと思う。
 「客が来ない、スタッフが集まらない」と嘆くレストラン経営者は、一度この店に来た方がいいかも知れない。

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 やがて私も年金生活者になるが、我家からのアクセスもいいし、自分の財布の中身を考えると、値段を上げるとか料理を変な方向に難しくしないでと勝手に願ってしまう(笑)、星は無くても下町の良心として輝いている店だ。


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青井「松月」

 私の友人にも一人居るが、飲食店の二代目は本当に大変だなと思う。昭和40~50年代位なら、これからも日本は右肩上がりで成長し、人口も増加していくと皆思っていた。ところが今は超少子高齢化社会、特に若年労働人口の減少は深刻だ、この状況で店を引き継いでも、従来と同じ事をしていたら先細りするのは目に見えている。町中で蕎麦店、鰻店、とんかつ店、和菓子店等、個人経営の飲食店が後継者不在により閉店しているのは、仕方のない事だと思う。
 それでも何とかしようとする二代目が居る、今回紹介するのはそうした店の一つで、「松月(しょうげつ)」という名の蕎麦店、店の場所は足立区弘道で、交通はつくばエクスプレス「青井」駅か東武スカイツリーライン「五反野」駅になり、どちらからでも10分は歩く、五反野駅前から続く商店街が終わった処で、目の前には都立江北高校がある。
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 WEB情報では先代時代は出前もあるごく普通の街場の蕎麦屋だったが、二代目になって方針転換、自家製粉による手打蕎麦を提供する店に変えたとの事だ、亀有にある人気蕎麦店「吟八亭 やざ和」も同じケースだったと思う。
 自転車で店の前は通った事があり存在は知っていたが、店構えからかあまり入ろうと云う気にならず、今回WEB上でこの店の蕎麦を褒めている記事を見たので、興味を持ち行ってみる事に、我家からは自転車で行ける距離だ。
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 11時半の開店直後に店へ着いたら、店内から鯉口を着た若い男性が出て来た、この人が二代目みたいだ、鯉口とは昔から男性が着ていた和装用下着で、七分袖で入れ墨みたいな絵柄が描かれたものは、江戸の粋として愛用された、名前の謂れは袖口が鯉の口に似ているためで、私が子供の頃の東京下町では男性のスタンダードな仕事着だった。今では着る人を殆ど見なくなったが、大谷田「蕎」の主人も着ていたので、愛用している人は居る。
 店前には各種のメッセージ?を書いた紙や黒板が置かれている。

 店内に入りテーブル席に座って昼の献立を眺める。
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・「店主一押しメニュー」

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・「選べるデザートセット」

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・「本日のミニ丼セット」

 結構種類が豊富、あらかじめWEB上で調べていたので、初回なのもあり「店主一押しメニュー」から一番先に書いてある「鴨汁そば」(税込900円)をお願いする事にした。ミニサラダか白米or五穀米のライスがサービスされるので、炭水化物過剰摂取にならない様(笑)、サラダにしてもらった。店内は中年女性が一人で担当している。

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 店前にも色々な注釈があったが、店内の壁一面にも同様に「お品書き」や「注意書き」が所狭しに貼ってある、「大丈夫かな?」と心配にもなるが、この店主はたぶん言語で相手に意思を伝えるより文字にする方が得意なのだろう、私も同類なので理解は出来る(笑)。だいぶ前だが上野に意味の分からない貼り紙を書く飲食店主が居て、ネット上では「電波系」と揶揄されていたが(笑)、此処の店主が書いたものを読んでいたら、中身はとても真面目だった。

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 運ばれてきた鴨汁そば、第一印象は「量が多い」(笑)、大盛ではなく普通盛だが、他店なら大盛以上の量がある。その理由についても壁面に注釈があり、「(量が多いのは)家族経営のため、お待たせしてしまう場合があります、少しでも満足して頂きたい為、頑張っています」と書いている。

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 まずは蕎麦を一口、おそらく二八割だと思う、色は白っぽく加水多め?で少し柔らかいが、十分蕎麦の味がする、山盛りにするのではなくこうして横に並べるのは水切りが良くなるし、食べ易くていい。
 鴨汁は蕎麦つゆに合鴨切身と長葱を入れたものだが、辛過ぎず甘過ぎず味のバランス良好、蕎麦の風味が強くないので、これに浸ける事で相性が良くなる。薬味は山葵でなく柚子胡椒、これも鴨の脂分と合うと思った。

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 サービスで出た揚げ蕎麦、香ばしく美味でした。

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 最後は蕎麦湯で締め、濃いのでおそらく後から蕎麦粉を足していると思う。

 予想以上に美味しかった(笑)、これで900円は安いと思う、インテリアに凝った有名蕎麦店の風味の強い蕎麦とは違い、親しみ易く肩肘張らずに食べられる。
 考えてみればラーメン店の「つけ麺」が一杯800~900円、それと競合する訳だから、幅広い年齢層客を呼ぶには何をすべきかと、この若い店主は考えたと思う。
 別のメニューを食べにまた来てみたい、地元にも私の知らない良店はまだありそうだ(笑)。

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表参道「グラッシェル」(2017年5月)

 私が「表参道のスイーツパラダイス」と呼んでいる、アントルメグラッセ&生アイス専門店「グラッシェル」で、5月末に開催された夏の新作発表会に、ブロガーとして招待をいただいた。招待されたからにはレポートを書くのは当然の義務と思い、今回記事をUPさせてもらう事に。

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 まさに新緑の季節だが、店前の植込みの緑も鮮やかで、此処で「目に青葉 山ホトトギス 夏アイス」(笑)。
 発表会場は2階のカフェスペース、平日の夕方だが満席で参加者の殆どが女性だった、シェフも女性なので、女性の感性で作った物を女性が評価紹介し、女性達が買い求めにやって来る、これが「女性達の世紀」と思う21世紀を象徴している(笑)。

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 各席上には紙資料が置かれている、1枚目からして向日葵のイメージで、夏だなと思わせる。

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 時間になり、本間シェフパティシェールの挨拶と説明が始まる。まずは新作のアントルメグラッセホール3種の紹介から。

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 手前から奥へ「パルファン ダンファンス‘Parfume d'enfance’」「フェットエスティバル‘Fête estival’」「バルーンデテ‘Ballon d'ete’」

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 試食用にそれぞれをカットしたもの、以下資料説明の概略と私個人の食べた感想を。

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・フェットエスティバル(婦人画報コラボ商品)、ホール価格:4,500円(税抜)、販売期間:6月24日~8月31日
 商品名は仏語で「夏祭り」、向日葵の花の周りを飛ぶテントウムシとミツバチをあしらっている。タルト生地の中にアプリコットのコンポートをからめたバニラアイスとアプリコットソース、その上にミルクチョコレートのアイスを乗せ周りにはマンゴーアイス。長野「やまさ農園」のアプリコットを使用しているとの事。
 マンゴーとチョコレートの組み合せが意外で大胆、好き嫌いあるかも知れないが、私はいいと思った、インパクトある外観、見栄えがいいのでプレゼントに喜ばれると思う。

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・バルーンデテ 4,000円、6月10日~8月31日
 従来の「バルーンデテ」はグラッシェルで一番人気だそうだが、それを夏用にバージョンUPしたもの。桃の風味のバニラアイスにフランボワーズを合わせたベリーソース、ライチ風味のアイスを重ね、ベリー、ライチ、桃のシャーベットを乗せた。
 これは桃とライチが主役、定番の美味しさに加え夏らしい爽やかさがある、色も形も女性に好まれそう、今年の夏は「花よりアントルメグラッセ」を贈るのがいいかも知れない(笑)。

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・パルファン ダンファンス 3,600円、6月24日~8月31日
 チーズケーキをアントルメグラッセにしたいと考えたそうだ、レモン風味のバニラアイスの中にパイナップルのコンポート、レモンソースを流し、上にはクリームチーズとマスカルポーネのアイスを絞る。愛媛「山崎農園」のレモン、沖縄「玉城忠雄農園」のパイナップルを使用。
 個人的には今回これが一番気に入った(笑)、クリーム味とレモン&パイナップルの酸味が絶妙にマッチしている、爽やかでいながらコクがあり、このままレストランデセールにも使えそうだ。

 資料だけだが、「アンディヴィヴィエル グラッセ‘Individuels glac'es’」の商品名で、ミニサイズのアントルメグラッセがリニューアルされた事が紹介された。
 最後にカフェスペースで提供される季節の新商品「メロンパフェ」の紹介と試食があった。

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・提供する状態の試作品(税別1,500円で販売予定)

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・試食用サイズ

 本間シェフの説明によると、メロンは茨城「方波見農園」の「イバラキング」を使用。クープは下から ポルト酒のグラニテ、 レモン&ミントのジュレ、 マスカルポーネのアイス、メロンシャーベット、仕上げに生クリームを絞りメロン、メープルのパウンドケーキ、ポルトのジュレ、ミント&レモンで仕上げたとの事。
 まずはルビーポルトの香りが鼻に抜ける、続いてメロンの豊潤な香りと味、これらを上質なクレームシャンティが柔らかく包む。メロンとポルトは相性抜群だそうで、たしかジャン&ピエール兄弟が健在だった頃の「トロワグロ」のデセールに、メロンをくり抜きポルトと果肉を入れるスペシャリテがあったと思う。
 これは贅沢なパフェ、私が子供の頃メロンは高価で食べられず、「死ぬ間際なら食べられる」と信じていた(笑)、そのメロンを材料にした豪華版パフェが、今では1,500円で誰でも食べられる時代になった。ただアルコール分が高いので、子供やお酒に弱い人、これから運転をする人は控えた方がいいと思う、これぞ「大人のパフェ」だ。

 本間シェフ、招待ありがとうございました、長く生きていると良い事あります(笑)。またスーシェフで9月に水戸でパティスリー「le sucrier」を独立開業すると聞く小薗君、健闘をお祈りします。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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