最後の晩餐にはまだ早い


東麻布「ローブ」(2017年8月)

 前記事に続いての「友、遠方より来たる」は、同じく関西からの客人を迎えての、東麻布のフランス料理「ローブ」でした。私は昨年7月にオープンした直後に初訪問、今年の5月に再訪問を果たし今回が3回目になった、遊郭用語ではこれで「馴染み客」になる(笑)。
 通常営業では夜中心で金曜と隔週土曜日だけのランチ営業だが、8月は特例で平日もランチタイム営業する事を知り、それに乗せてもらう事に。
 麻布十番駅から歩いて到着、隠れ家みたいな階段を上って2階へ、サービス担当の関氏に挨拶しオープンキッチンに近い席に案内される。旧盆中の月曜昼、空いているのでは?と思っていたら、次々と来客があり5卓埋まった、中には知っている顔も居たが(笑)、平日でこれだけ来れば、スタッフもランチ営業する意義があったと安心すると思う。
 平瀬パティシェールと今橋料理長にも挨拶し、始まった昼メニュー、基本だと肉料理は豚だったが、プラス料金で鶉料理に変更してもらい、さらにプラスしてデセールを2品にしてもらう事に、この店へ来てデセール1品だけで帰るのはあまりにも勿体ない(笑)。

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・ウェルカムジュース(葡萄)

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・フレッシュハーブのアイスクリーム

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・この日夏風邪のため体調イマイチで、味わいが好きな福島県奥会津金山の天然炭酸水を

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・塩味のフィナンシェ

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・スペルト小麦とトリッパのクロケット

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・マグロ、生ハムとフェンネル

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・長野産夏茸、ソースサヴァイヨン、上にイタリア産サマートリュフを削って

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・アオリイカ、ケールの葉、粉末とピュレ、ストックフィッシュ(干魚)のソース

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・ウズラのファルシ、無花果の葉の包み焼、無花果とコンフィチュール

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・ババ、ピニャコラーダ、パスティスのクレーム

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・桃のコンポート、バラ花のアイスクリーム

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・宝石箱をイメージした自家製ホワイトチョコ、中はアイスクリーム

 今回の今橋料理からイメージしたのは「夏」、それも湿気の多い日本の夏ではなく、抜けるような青空の南仏での夏、思わず「ああ、太陽がいっぱいだ」と呟きたくなる(笑)。
 ウェルカムジュースからコロッケまでのアミューズは、どれも一口サイズながら印象を残す、特にコロッケはお替りしたい位に好みのツボだった(笑)。
 前菜の鮪の皿は見た目も麗しい一品、オープンキッチンなので製作過程が見えるが、最後のドレッセ(仕上げ)を平瀬さんが担当、だから余計に美しく感じる(笑)。仏サン=ティティエンヌ近郊に在って、現在はリヨン市内に移転した「Le Neuvieme Art」の料理を思い出す、あの料理長もパティシェ出身だった。
 続く茸料理は素材の勝利と云う印象、もちろんそれを生かす技術があってこそだが、ブイヨン等は使わず、炒めただけの茸からこれだけ旨味を感じさせるのは、料理はまず素材ありだなと思う。
 アオリイカ料理も今橋氏らしいと思った皿、日本で烏賊をメイン食材にする料理人は少ない、私の記憶では三田「コートドール」のカルトにあった位で、なかなか難しい材料だと思うが、珍しいケールと干魚のソースと合わせる事により、十分ガストロ料理になっていた。ウズラも今橋氏が得意な、葉を使った包み焼きをする事により、肉の旨味を閉じ込め葉の香りを加えている。黒イチジクとコンフィチュールがいい相性だった。
 今橋氏の料理からはフランス料理の基本「素材の足し算」を感じる。Aと云う要素があって、其処へ別のBの要素を加える、計算結果はAでもBでもなく、Cと云う新たな味になる。彼と同じく「南」を感じさせる料理人に、札幌「プロヴァンサル・キムラ」の木村料理長が居るが、年齢が十歳以上離れている事もあり料理の構成は違う、日本で南仏を感じたい人は、出来れば両方の店へ行って確認して欲しいと思う(笑)。
 そして今回も楽しみにしていた平瀬パティシェールのデセール2品、毎回だが彼女の「作品」に余計な解説を加えるのは野暮な事と思ってしまう(笑)、未体験の人には「一度行ってみて、そして感じて下さい」としか云えない。今橋料理と同じく多くの要素を使っているのだが、根底にあるのは「調和(harmonie)」、マッチョな男性料理人がゴツゴツとした手で作るデセールとは根底から違う、リキュール類を使っても尖らずに他と融合し、マリー・ローランサンやいわさきちひろが描く絵みたいに、全体が母性的に優しく、いつまでも此処に留まっていたいと思わせる安心感と温かさがある、全ての男性にとっての憧れ、聖母子像みたいな印象(笑)。

 食後、席に挨拶に来た今橋料理長に、料理の感想と共に「フランス料理って、儲からないですね」と思わず話してしまった(笑)、まず設備投資にお金がかかるし、機械類が故障した時の予備費も用意しないといけない、「包丁一本、晒に巻いて」では通用しない(笑)。高原価な食材を使っても競合同業種の多さから、余程の有名店でもなければ突出した客単価は取れない。今橋氏も同意して「儲けを考えたら出来ないですね、一種の文化還元的活動と思わないと続かない。」との言葉だった、客側としては嬉しいが、作る側はある意味自虐的だ(笑)。
 3回目のローブだったが、来る毎に進化していると思った、作り手が2人居るからエンジンが2つある、スタートからの加速も早いと感じる(笑)、次回も楽しみだ。

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六本木「ル・スプートニク」(2017年8月)

 5月の連休時以来の「友、遠方より来たる」で、今回は六本木のフランス料理「ル・スプートニク」のランチへ同行する事になった。
  2020年の東京五輪を控え都内ではホテル建設ラッシュで、既に竣工し営業を始めたホテルもあり、国内外へ向け宿泊客を受け入れている、特に旧盆期間中は都内人口が減るので、そこへ客を呼び込もうと、旅行会社も各種パッケージ旅行を企画している。今回同行する友人夫妻も、六本木交差点近くに最近出来た高層ホテルに宿泊、そこへ迎えに行ったのだが、エレベーターを出入りするのは外国人特にアジア系の人が大半、昔から六本木は外国人が多かったが、今は街から「溢れ出している」感じだ(笑)。
 歩いて5分もかからず店に到着、綺麗でハイソ風なマダムのグループと重なったので、彼女達に先を譲って続けて入店、田村支配人に挨拶し入口近くの4人卓へ案内された。
 私は先月に同じくランチで利用しているので、料理が変わっているのかいないのか、その辺りも楽しみだった、まずは料理全品をお見せしたい。

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・一週間熟成の甘鯛、チェンマイレッド、青林檎とホワイトセロリ

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・枝豆のチュロス

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・鮎のヴルーテ、パン・ドミーで挟んで焼いた鮎、メロンと胡瓜

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・スパイスのチュイル、フォアグラ、マンゴーパッション、ビスキュイショコラの土

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・ハモのクネル とうもろこし“ミライ”のソース

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・オマールと埼玉県産鶉のバロティーヌ、自家製セミドライトマト 、合わせたジュ、シェリーヴィネガー

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・マハタのポワレ、キャベツ、ブラックオリーブのソース

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・エゾ鹿のシヴェ、自家製セミドライピオーネとロックフォール、ジェニパーベリー

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・桃のコンポート、紫バジルの液体窒素

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・今は貴重なダージリンファーストフラッシュ

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・抹茶と和三盆のシューアラクレーム、焙じ茶のブランマンジェ

 甘鯛は前回とほぼ同じで、これは自信があるのだろう、次の枝豆チュロスも夏のスペシャリテ、鮎は前回とは違いフィレ身をパン・ドミーで挟んで焼く手のかかったもの、ヴルーテが後を引く旨さ、これ以降の料理は先月とは全て違った。ファアグラ&マンゴーは特に惹かれた皿、フォアグラテリーヌをマンゴーと合わせチュイルで挟み、下にショコラのパウダーと手の込んだものだが、有機的繋がりがあって、この組合せの必然性が理解出来た、ビジュアルも抜群。
 鱧料理はミライコーンの甘さが印象に残る、次のウズラはオマールを加える事により味が立体的になった、魚料理のマハタは西日本でよく使われる高級魚、肉質を生かしシンプルに調理、イカスミか?と思わせる黒オリーブのソースが合っている。
 そしてこの日一番印象に残ったのが夏鹿のシヴェ、シヴェと云っても煮込んではいない。まるで出来立ての餅かと思うような、舌に絡みつく鹿肉の食感に驚く、この火入れは一世を風靡したロブション「仔羊のパストラル」の真空調理を彷彿させる。食後高橋氏に調理について質問したのだが、さすがに詳しくは教えてくれなかったが(笑)、「超アナログな調理法です、おそらく僕だけしかやっていないでしょう」との答えだった。
 デセール&ミニャルディーズは安定の美味しさ、これはビストロではないガストロノミーレストランの、お金を取れるデセールだ。

 さすがは高橋料理長、今回は事情があり時間的制約があったのだが、その中でもこれだけ起承転結があり、各料理に手間をかけ、時間を開けないで出せるのは実力だろう、そして料理を食べていて、彼の本質はやはりフランス料理だと理解出来た。
 モダンスパニッシュや北欧の料理流行後、フランス料理店でも国籍不明で不思議な料理に出会う機会も増えた、作ったご本人は「最先端の料理です」と云いたいのかも知れないが、「あなたのオリジンはフランス、スペイン、北欧、日本、どれなのですか?」と、思わず訊いてみたくなってしまう、「どれでもありません、『私の料理』です」との答えが返って来そうなので訊かないが(笑)。
 高橋氏の料理はそうした場当たりを狙ったものではない、まずは食べて美味しいし、デザインも洗練され、食べ終わった後に「今日はいいフランス料理だった」と思う。

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 前回は平日だったので男性客が多かったが、この日は土曜日のためか女性客が多かった、あくまでも一般論だが、男性は料理を量やインパクトのある味で評価し、女性はビジュアルの良さや繊細さを感じる味で評価する傾向があると考えている、どちらも満足させる料理は難しいのだが、この店は上手く両立していると思った。
 「今、東京フレンチでお勧めは?」と訊かれたら、ロケーション、料理、女性二人の柔らかなサービス、値段、比較的予約が取り易い事を含め、まず名前を挙げたい一店。
 高橋料理長、田村支配人、お気遣いありがとうございました、遠路?からの客人達も喜んで帰ったと思います(笑)。


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竹ノ塚「三桂 保木間店」

 先月、49歳の若さで惜しくも亡くなった、PARISホテルブリストルのシェフ・パティシェだったローラン・ジャナンは、来日する毎に日本のコンビニへ行き、タマゴサンドを買う事を一番の楽しみにしていたと、インタビューで語っていた。
 三ツ星レストランの天才パティシェが認める位に、日本のサンドイッチのレベルは高くなった(笑)。フランスではバケットを開いて具を挟んだ物が多いが、日本で一般的な三角形の物もスーパー等では売られている、ただ中身の種類は少なくパンもボソっとした食感なので、日本式の繊細なサンドイッチとは違う。
 去年あたりから日本でサンドイッチがブームになっていると感じている、コンビニサンドも人気だが、注目されているのが高級サンドイッチで、ローストビーフ等高価な中身を使い、専門店のメニューには一品千円以上する物もある。
 今回紹介するのは、ブームになる前から地元にあったサンドイッチ専門店、私は初利用だったが美味しかったので、ブログ記事にしておきたいと思った。
 店の名前は「三桂(さんけい)保木間店」、場所は説明し難い処に在り、近い駅は東武スカイツリーラインの竹ノ塚だが20分は歩く、あとはバスか車または自転車で行くしかない、近隣住民か勤め人が対象の店だと思う。道を挟んだ斜め前には「シャトレーゼ足立保木間店」がある。

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 道路に面した店舗で「Sankei」の文字が目立つ。

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 ガラスケース兼冷蔵庫の中に並ぶ種類豊富なサンドイッチ、三角形タイプだけでなくコッペパンに挟んだ物もある、店は三角を「サンド」、コッペ形を「ロール」と名付けている。(撮影は承諾を得ています)
 ケースを見ていたら、奥から店主らしい体格のいい男性が出て来た、調理場で作業しているので、店内で全て作っていると思われる。これだけ種類があると、何を買おうか迷うが、結局4種類を選んだ。
 男性に店の由来を聞いたのだが、元々「三桂」はフランチャイズ制のサンドイッチ販売店で都内にて数店舗展開、この店も系列だったが、その後グループから離脱し現在は独立店舗になったとの事。独立後も「三桂」を名乗っているのは、何らかの「大人の事情」があるみたいだが、それはさすがに聞けなかった。

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 買ったサンドイッチ全部、WEB情報では茹で玉子のサービスがあると聞いていたが、何と2個もおまけしてくれた(笑)、これ全部で1,030円は安いと思う。
 以下、各サンドイッチの紹介、画像は包装を取ってから撮るつもりでいたが、上手く自立しないので、そのままで断面を見せるにした。

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・タマゴサンド(税込250円)
 薄く柔らかいパンでマヨネーズを和えた刻み茹で玉子を挟んでいる、中身とパンのバランス良好、味のまとめ方もいい、他に玉子焼きみたいな厚焼きを挟んだ「オムレツサンド」もあるが、最初に買うのはこのタマゴサンドだろう、これローラン・ジャナンに食べさせたかった(笑)。

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・ゴボウサラダ(270円)
 何故かこれだけ名前に「サンド」が付かない。スーパーの総菜売場に置いてある、千切りゴボウとキュウリのサラダを挟んだもの、とても庶民的でホッとする日常の美味しさ、やはり野菜も食べないといけません(笑)。

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・ハムカツサンド(250円)
 肉系も食べたいと思い選んだ、コロッケはコッペパンが合うが、ハムカツは三角サンドだろう、東京下町育ちの私にはハムカツは何よりのご馳走(笑)。中身のハムと衣のバランスが良好、ソースがピリッとした辛口でいい、このソース何処製の物なのか今度訊いてみたい。

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・フルーツサンド(260円)
 デザートのつもりで買った(笑)。中身はミカンとパイナップルを生クリームで和えたシンプルなもの、パンとのバランス考えたら、この位がいいのでは?と思う。
 以前別の店で買ったフルーツサンドが以下の物だが、

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 見栄えは立派でSNS受けしそうだが、食べている途中で飽きて来て、半分位で「もういいや」と云う気分になる、パンとのバランスも良くない。

 全体的に出来不出来のない美味しいサンドイッチ、値段も下町価格で良心的だと思う。あえて言えば全粒粉や玄米を混入した、黒っぽいパンを使ったサンドイッチがあると、もっといいのだが。
 我家から自転車だと結構あるが、また買いに行きたいと思う(笑)。


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外苑前「フロリレージュ」(2017年8月)  

 台風一過のこの日、家を出た時は小雨だったが、外苑前駅を出たら真夏炎天下の日差しになっていた、時間があったので「Franc franc青山」で食器でも見ようと思って行ったら、何と改装のためCLOSE、仕方なく太陽に炙られながら熊野神社までトボトボと歩き、開店まで神社の木陰で涼む事に、そこへ3ナンバーの高級車に乗った若い男女数人が現れ、神道に沿った正しい礼拝をして、また車で去って行った、白日夢みたいな場面に遭遇する(笑)。
 その熊野神社横のSEIZAN外苑ビルの地下にあるのが「フロリレージュ」、6月以来のランチ訪問をする、今年はこれが4回目で今の処フレンチでは最多記録だ。
 ランチ一番乗りになってしまったが、若いスタッフ達が下準備に励んでいる、そこへ奥から現れたのが川手料理長、この登場の仕方は演奏会での指揮者にそっくり(笑)。相変わらず日本だけでなくアジアや欧州と飛び回っているが、疲れを感じさせない元気さがある、挨拶をして始まったのが全8品の料理、まずは全品を紹介する。

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・投影、茄子
 茄子のピュレを紫人参と合わせて、波型の器も食べられる。

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・牡蠣 赤紫蘇
 北海道産牡蠣とフロマージュブランと合わせ、上に赤紫蘇で作ったゼリーのフィルム、「コプチャン」と呼ばれる牛小腸揚げを添えて

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・マグロ ゴーヤ
 和歌山沖産鮪をごく軽く炙って、ゴーヤと青柚子を合わせて

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・黒トリュフ 卵
 ミニパンの中に豪州産黒トリュフを相性のいい卵と、フォアグラとトリュフのアイスクリーム

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・若鮎 生姜
 鮎のベニエの上には生姜の薄切り煮、山椒のクリーム、口直しのトマト水を添えて

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・分かち合う
 宮崎産黒毛和牛のロースト、その上に「お焦げ」、えごまピュレ、赤ワインソース

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・ブランマンジェ、マンゴー
 名前のとおりです(笑)。

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・贈り物、アマゾンカカオ
 伝家の宝刀?ショコラオムレット

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・奈良産烏龍茶

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・巨峰のパートフィロ

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・この日のドリンクペアリング(一部)

 アミューズの茄子の扱いがいい、これで「掴みはOK」(笑)。次の牡蠣は赤紫蘇のジュレと合わせたのは面白いと思うが、もう少し柔らかい方が良かったかも知れない。
 マグロは高級寿司店で使える位のレベルで原価高そうな品、夏野菜ゴーヤと合わせるのが普通でなく川手料理らしいが(笑)、納得させる美味しさだった。
 次のトリュフ+卵+フォアグラは盤石の一品、最強トリオだが美味しい料理にするのは意外と難しいものだ。鮎料理はフリットと云うよりベニエか、腸の苦みも残し鮎の個性を消していない、隣が外国人客で同じ料理が出ていて「食べられるのかな?」と心配したが、難なく食べていた。
 肉料理は宮崎の黒毛和牛、前々回利用時が同じ宮崎の経産牛だったので、その違いを感じて欲しいのかなと思った、まず脂の旨味が違う、舌に残る感覚は今回の方が強い、噛んだ旨味は経産牛の方がある、肉質は黒毛和牛のウェット感に対し、経産牛はドライな印象、そのためか経産牛には重湯を、今回はお焦げをソースに使い、それぞれの肉質に合わせているのはさすがだ、これは「どちらも美味しいです」と無難に答えるしかない(笑)。
 デセール2品は安定した美味しさ、廣田ソムリエが考案する「FLORILEGIUM(フロリレジウム=花譜)」と名付けたドリンクペアリングは秀逸、これからレストランで導入を考えている人は、此処へ勉強に来た方がいいと思う、お金を取れるパフォーマンスだ。

 料理もそうだが、フロリレージュで何より感心するのが、若いスタッフ達が生き生きと働いて居る事で、私も長く組織で働いていたから、同僚達が嫌々なのか、嬉々として働いて居るのかは、ある程度判るつもりだ、この店では全員のモチベーションが高い、これは大事だ。以前もこの店の記事で書いたが、「悪いオーケストラはない、悪い指揮者が居るだけだ」19世紀の大指揮者ハンス・フォン・ビューローが云ったとされる、有名な言葉を思い出してしまう。
 日本の蒸し暑い真夏は、正直云ってフランス料理には向かない季節だと思う、あとは夏でも問題なく楽しめる味の工夫、特に酸味と脂使用のバランスを考える必要がある、そうかと云って全部酸味料理になってもいけない(笑)、この日の料理は最適なバランスになっていると、あらためて感心した。
 退店時に挨拶に出て来た川手氏に、「あまり働き過ぎで、身体壊さないでくださいね」と話したら、「僕はボーとしているのが嫌いなのです、常に動いていないと駄目になる」との事で、「カツオやマグロみたいに、泳ぎ続けていないと死んでしまうタイプですね」と思わず云ってしまった(笑)。
 予約は取り難いかも知れないが、今最も東京で行くべき店の一つと云える。

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秋葉原「粋な一生」

 柴田書店が発行している料理人向けの月刊誌「専門料理」、8月号の特集が「独立開業のススメ」で、その中に「店名の由来、教えてください」と題した記事があり、書店で立ち読みしただけだが面白かった。特にフレンチやイタリアンは日本人には馴染みが薄い仏語や伊語を使うので、何処も苦労しているなと思った。フレンチでは一時料理人の名前を付けるのが流行ったが、最近では以前に戻って仏語の名詞を使う事が多くなったと思う。
 記事ではないが最近興味深いのがラーメン店の名前で、凝った文学的?な店名にするのが流行みたいだ、某ランク付サイトを見ても「一燈」「麦苗」「蔦」「吉左右」「饗 くろ喜」「金色不如帰」等々、地元には「陽はまたのぼる」と云う名前の店もある、そのうち「暗夜行路」とか「罪と罰」などと云う店も登場しそうだ(笑)。

 今回記事にするのが、その文学的店名を流行らせた一軒ではないかと思う、秋葉原の「粋な一生」。オープンは2005年12月で、現れては消える店の多いラーメン業界で、同じ場所で12年続くのは、もう老舗と呼んでいいと思う。「秋葉原、ラーメン」でWEB検索すると、ランキング上位に必ず名前が出て来る店だ。

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 店の場所は秋葉原駅を昭和通り側で出て、通りに沿って御徒町方面へ向かい、革鞄店がある角を右折し直進して左側、目立つノボリと看板がある、三井記念病院の近くで、この辺りは「裏秋葉原」とでも呼ぶべきなのか、昔から秋葉原電気街とは違う雰囲気だった、私は馴染みのオーディオショップが近くにあり、入り浸っていたので懐かしい界隈。昭和通りの向かい側は「UDX」や「ヨドバシアキバ」の開店以降再開発が進んでいるが、こちら側はまだ静かだ。住所は千代田区ではなく台東区になる。

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 今は朝型人間になったので、この店みたいに11時開店はありがたい(笑)、開店直後に入店したが、既にカウンターには先客が居た。食券方式なので何を食べるか迷う、塩、味噌、醤油と基本は三種類だが、「初訪問の店では食券機一段目の左端を選ぶのが無難」の鉄則?に従い、「塩ラーメン」(税込720円)に味玉子(100円)を購入しカウンター席に座った。

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 卓上には各ラーメンの説明書きがあるが、食券買った後では遅いと思う(笑)。東京のラーメン店では数年来塩味がブームと感じているが、この店は流行元になった一軒とも云われる。

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 厨房内は割と年齢高そうな男性が二人、店内は女性が一人で担当する、奥に麺が積んであるが、WEB情報ではラーメン好きならおそらく知らない人は居ないと思う、浅草開花楼の麺を使用しているとの事。開花楼は中華麺製造の技術を生かし、最近生パスタも作っていて、イタリア料理店で使っている処も増えている。

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 味変アイテム、容器も中身も奇麗に整えてあり、厨房や店内の清掃も行き届いている。

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 暫くしてやって来たのが塩ラーメン、塩味は透明タイプと白濁したスープ使用店に別れるが、ここは前者。具はバラ肉チャーシュー(煮豚)にメンマ、海苔に葱、水菜が入るのが珍しい。
 まずはスープを一口、鶏ベースで無化調だろう最初はあっさりしていて頼りなげだが、食べ進むうちに右肩上がりで頂点が来る、第一印象より後半戦勝負と云う感じだ、胡椒や粉唐辛子を入れると味が変化し「あなた好みになります」と云う印象(笑)。
 麺は中細で繊細系スープと合う、具はどれも良質、最後まで飽きないで食べられる。

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 ランチタイムサービスのご飯、炭水化物過剰摂取だが止められない、品のいいやり方ではないが、最後のスープに入れ雑炊的に食べてしまう(笑)。
 噂に違わず美味しかった、何処も尖ってはいないが、食べ終わるとまた食べたくなるタイプのラーメンだと思った。

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 そうした訳で、約一か月後に再訪問、この時は第2人気らしい「味噌ラーメン」(780円)にしてみた。
 容器の丼も塩とは変えている、赤・白・八丁の三種味噌をブレンド使用との事、麺も太麺を使っていた、注文の毎に鍋でモヤシを炒めスープを注いで味を調える、昔の作り方を踏襲している。スープは何処か懐かしい味、今から何十年前に初めて味噌ラーメンを食べた頃を思い出した、優しく温かく、これは真夏より冬に食べたい味と思った。

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 塩・味噌・醤油と三種類の味を用意している理由を店主が書いている、これ読むとラーメンへの愛が伝わる、まさに「ラーメン食堂」だなと思った。
 この店もっと早く来るべきだった、また訪れたいと思う温かく美味しい店、いや食堂だった(笑)。


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銀座「黒猫夜 銀座店」

 この日は暑い日だったが、私には場違いな銀座まで出かけた。銀座三越で開催されていた「夏を楽しむアート」展に、以前から面識がありFB友人にもなっている、栃木県益子市在住の陶芸作家、竹下鹿丸氏が出展していたからだ。
 せっかくなので、何処か近くでランチを食べてから行こうと店を探すが、やはり銀座は甘くない、調べても高額店ばかりだ、三越内もレストランは充実しているが、値段を見ても担担麺単体で2,000円とか、食べなくても汗が出そうなメニュー(笑)。
 もっと安く簡単に食べられる店は無いのかと、更にWEB上で探して引っかかったのが、銀座7丁目にある「黒猫夜 銀座店」、変わった名前だが中国料理店だ、「千円ランチの土鍋ご飯が美味しい」との情報を見て、「千円なら外しても後悔しない、此処へ行ってみよう」と決めた(笑)。

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 店の場所は銀座中央通りから一本西側の道、「とらや銀座店」の裏辺りで、第2新橋会館ビルの8階になる。「黒猫夜」は赤坂、六本木にも店があり銀座店は2013年11月のオープン、グループのWEBページでは、四川や広東等の地域ではなく「中国郷土の料理と専売地酒」を掲げている、メインは夜の営業だろうが、近隣のサラリーマン向けに千円ランチを提供している。
 エレベーターで8階に上がると、そこが店の入り口なので引き返せない(笑)。全体が薄暗くて開店前?と思ったが、近くにいた女性に「一人ですが、いいですか?」と訊いたら、「カウンター席へどうぞ、段差があるので気を付けて下さい」と云われた、話し方から中国の人みたいだ。
 「気を付けて」と云われたのに段差で躓いた、加齢で暗さに目が慣れるのに時間がかかる(笑)。客席は手前がカウンターで奥が全て円型のテーブル席、そのカウンターに座る、店内は昼でも夜みたいに暗く、お化け屋敷みたいな怪しい雰囲気、これが「黒猫夜」をイメージしている?目の前には幾つも中国酒の瓶が並び千手観音像が鎮座する。

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 ランチメニューは3種類で、
A夜市葱油鶏飯(台湾屋台風蒸し鶏の葱醤油かけご飯)
B砂鍋獅子頭(肉だんご土鍋ごはん)
C脆皮焼肉白鶏飯(パリパリポークと蒸し鶏の土鍋ごはん)
 やはり土鍋ご飯が食べたいと思い、BとCで悩んだが結局Bを選んだ。

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 店内が暗かったので画像の写りはよくない、スープはセルフサービス。

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 卵とワカメと葱のスープ、味はあっさりしたもの。

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 これもセルフの胡瓜漬物

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 黒酢と豆板醤、水ではなく冷茶なのがいい。

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 メニューにも「10分少々お時間いただきます」とあったが、暫し待って登場したのが「砂鍋獅子頭」。

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 下に炊いた細長い香り米、その上に高菜漬けとキャベツ、そして巨大な肉団子が2個乗っている。

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 カレー風味?のポテサラとレタス。

 WEB情報によると、夜は結構凝った料理を出すみたいだが、ランチは一般向けに食べ易くしていると思った。主役は肉団子だが、最初運ばれて来た時は「全体のバランスから大きすぎるのでは?」と思ったが、割と柔らかくフワッとした食感なので問題なく食べられる、醤油ダレも甘くなくスッキリとしている、私の世代には「タイ米」のイメージはよくないが、相性としてこの料理には向いていると思う。鍋に張り付いた「おこげ」までガリガリ削って食べてしまった(笑)。
 あえて言えば、副菜のポテサラがもう一工夫欲しいのと、スープの味が少々薄かった事か。

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 店員は中国系の人みたいだし、表通りではないビルの8階なので、千円でも続けられるのだろう、この日は見当たらなかったが、増加する一方の中国系インバウンド客も、この値段ならやって来ると思う。
 今の銀座で千円ポッキリの値段でまともなランチが食べられる場所は貴重、また何かの時には利用したいと思った、銀座ランチの穴場と云える(笑)。

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神楽坂「ビズ‘bisous’」(2017年7月)

 勤め先から近く、現役時代は訪れる事が多かった神楽坂だが、最近はすっかり足が遠くなっていた、サラリーマンの行動範囲はまず勤務先中心で次が自宅周辺、それぞれの半径1km位な気がする(笑)。
 前回訪問時から一年以上過ぎていた、神楽坂のフランス料理「ビズ‘bisous’」をランチタイムに訪れる事にした。「元気兄さん」と云う言葉がピッタリする村田料理長に会うと、こちらも元気がもらえそうな気がする。
 家を出た時は降っていなかったが神楽坂駅を出たら雨、鞄から折り畳み傘を出し歩くが、この週末は神楽坂の祭りがあり商店街は準備が進んでいた、坂上の交差点を飯田橋方向へ左折、交番前の細い道を坂下へ進むと、小さな公園の奥に「ROJI神楽坂」の建物が見える、その2階に店がある。
 階段を上るとガラス張りなので店内がよく見える、ドアを開けてサービス担当の若い男性と村田料理長に挨拶、予約時に「カウンターで構わない」と云ったが、窓際席に案内してくれた、外の公園緑が眺められるいい場所だ。
 ランチメニューを見るが、前菜5種、メイン9種類からと、プリフィクスの選択肢が増えていた、これはサービスの男性が料理人なので、仕込みに時間をかけられる様になったからとの事、客としては嬉しい反面、何を選ぶか暫し悩んでしまう。
 決めたのは前菜+メイン2皿のコースで、別料金のデザートもお願いした、平日ランチタイムでは時間がかかる事もあり、デザートは注文しない客が多いみたいだ。
 当日の料理は以下のとおり、
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・何故かテーブルに置かれる有田焼の三重膳(笑)

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・一の重は本来の注文である「鳥取県産大山ハーブ鶏のモンブラン仕立て」

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・二の重はローストビーフ、ビーツの和え物、湯葉巻みたいな冷菜

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・三の重は下に茄子の煮物、上には鱧の湯引きに蛸のカルパッチョ

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・奥尻ワイナリー、珍しいメルロー種を使った白ワイン

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・自家製パン(美味しい)、右に見えるのは洒落た金属製の水飲みグラス

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・山梨県産白桃の冷製スープ、茗荷風味

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・金目鯛のウロコ焼き、サフランソース

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・オーストラリア産仔羊とひよこ豆のスパイシー煮込み

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・ヌガーグラッセ・アラ・トラディショナル

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・静岡産緑茶、ブランマンジェの上に赤紫蘇のグラニテ

 いきなり磁器製の玉が登場、「何これ?」と驚いていたら、サービスの男性が「どうぞ中を開けてください」との事、そうしたら三段仕込みの前菜だった、一番上の「鶏のモンブラン仕立て」は予想以上に手の込んだ一品、真中のローストビーフとビーツもいい組合せ、和食みたいな蛸カルパッチョと鱧も、下に敷いたブイヨン炊きの茄子がいいアクセントになっている。ブログにUPするのはどうかと思ったが、一の重以外は料理長からの大盤振る舞いだった。この球形の器は料理長が見つけて来たそうだが面白い、色違いで数種あり金色の物もあった、そう「金の球」だ(笑)、カップル席で盛り上がる事間違いない。
 桃のスープは茗荷の風味が効いている、ブイヨン等は使わず桃だけとの事だが、この旨味を出すのは素材の良さとプロの技術だ。魚料理は三種から選べるが、一番手間がかかりそうな金目鯛を注文、高級店の厨房にも居た村田氏、さすがと云うべき火入れが抜群、ソースとの相性もいい。
 石焼き鍋に入れた肉料理は「カレー」をイメージしたそうで、下に羊挽肉を敷き、トマト&スパイスで煮込んで、上にロマネスコやコーン等の良質野菜を乗せる、食べて「ご飯欲しい」と云いたくなる位にカレー的(笑)、レストラン料理と云うより、美味しい賄いの料理みたいだと思った。三田「コートドール」の斉須料理長が、名著「十皿の料理」の中で、「世の中で本当に旨いものはなにかと問われたら」と述べ、「フランスでの賄料理」を挙げていたが、「旨いが一番」と云う印象。
 デセールは文字通り伝統的な物だが、ドレッセで見せてくれる、果物に載せた「目」は、過去厨房で睨まれたシェフ達の目付きをイメージしたのかも知れない(笑)。最後は村田料理長の父親が作ると聞く緑茶で締める。

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 2014年12月に開業したビズ、私は3回目だが料理が進化していると思った、随所に「和」を感じさせるが、オリジンはフランスなのが十分理解出来る、学んだものだけを出すのではなく個性も表現している。
 1982年生れの村田料理長、半年前に築地市場からの帰りに自転車で車と接触転倒、靱帯断裂の重傷を負いながら、それでもキッチンに立って居たと聞く、つくづく料理人は不死身でないと出来ないと思う(笑)。現在婚活中だそうで、若く優秀で元気があり、車に惹かれても壊れない?丈夫な料理人に興味ある女性は、まずはランチタイムにでも訪れてみてください(笑)。
 札幌出身の若いサービス担当の男性も料理人のため説明が的確、優秀な人材なので長く居て欲しいと思う。
 久し振りのビズだったが料理良かった、もっと頻繁に来るべきだったと反省、次はこんなに間を開けないで来たい(笑)。

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綾瀬「手打ち蕎麦重吉」(2017年7月)

 私の母親は信州長野の生れだが、名産とされる蕎麦はあまり食べなかった。母から聞いた話では、昔から蕎麦は山間地で農作物が少ない地域の食べ物で、他の県内では米や小麦加工品を食べるのが一般的だったそうだ。昭和のグルメブームで蕎麦が人気になり、今では長野でも蕎麦は高級作物扱いされているが、収穫量としては北海道や茨城県に比べたら少ない。反対に父親は東京下町育ちなので蕎麦好きだった、特に「名店巡り」みたいな事はしていなかったが、地元の蕎麦屋から出前を取る事が多かった。
 食べ物の好みは、その人が生育した場所や環境、親の嗜好等で決まるものなのだろう、私自身は東京圏に生まれ、幼い頃からの東京育ちなので蕎麦好きだ、勿論饂飩も食べるが、「どちらが好きか?」と訊かれたら、やはり蕎麦と答える。

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 私と同じ蕎麦好きの身内から、「綾瀬の重吉に行きたい」との話が出て付き合う事になった、「重吉」はこのブログでも取り上げているが、綾瀬が自慢出来る蕎麦の名店、ミュージシャン出身の店主が昼夜打つ蕎麦は本格派だ。
夫婦二人で始めた小さな店だが、蕎麦好きに知られて来て、最近土日は席待ち客が店外に並んで居るのを見る、真面目にやっている店が認められるのは嬉しいが、反面あまり有名になり過ぎないで欲しいなと、勝手な思いも持ってしまう(笑)。
 久しぶりの木扉を開いて、電動石臼がある側の椅子席に座る、まずは何を食べるかだが、品書きは、

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・冷たい蕎麦(「休止中」は田舎せいろだと思う)

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・温かい蕎麦

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・セット物(平日昼限定)
 やはり蕎麦だけでは寂しいかなと、「天丼セット」(税込1,200円)をお願いしてしまった(笑)、この店はご飯ものも美味しい。

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 開店時間の11時過ぎに入店したが既に2組先客が居て、この後も次々と来店し満席になった。客層は電車に乗って来たと云う感じではなく、おそらく地元周辺の人達だろうが、フリで入ったのではなく、この店を目当てに来た客だと思う。
 店内の配膳を担当するのが小柄な奥様、暖簾でよく見えないが、厨房には店主ともう一人居る様子で、息子さんが手伝っていると聞いた。

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 待つ事暫し、まず運ばれて来たのが蕎麦つゆと薬味、この店は高価な物ではないが、なかなかセンスのいい器を使っている。

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 先に天丼が来た、勿論待って居られず先に食べ始める(笑)。海老2本と茄子としし唐、江戸前の胡麻油を多く使い揚げた天ぷらとは違い、軽めの仕上がりで美味しい、ご飯の質もいい。以前に同じ天丼を食べた事あるが、仕上がりは良くなっている気がした、厨房が2人になり分業で余裕が出来たのかも知れないと思った。

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 そしてお待ちかねの「せいろ」、店奥に蕎麦産地を知らせる紙が貼ってあるが、この日は常陸(茨城)との事、東京の蕎麦店で使用する蕎麦は茨城産が多い。
 細く固さのある江戸前蕎麦、伝統の「二八」だと思う、喉越しは申し分ない。新蕎麦が出回る前の夏場は、国内産を使う手打蕎麦店には厳しい季節だったが、今は冷蔵技術が進んで、一年中味は安定していると思う。
 此の店は蕎麦つゆもいい、辛口で後に残る嫌な甘さがなくそれでいて辛過ぎない、「キレがいい」とは、こうした蕎麦つゆを指すと思う。

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 最後は蕎麦湯で締める、単なる茹で汁ではなく、後で蕎麦粉を加えるポタージュみたいな蕎麦湯、つゆを割ってもお互いに上質なので最後まで美味しく飲める。
 久し振りの「重吉」だったが美味でした、最近自転車で行ける範囲の蕎麦店を回ろうと未訪問店も訪れているが、やはりこの店は頭一つ抜けていると思った。蕎麦だけでなくご飯物も美味しいのが、非酒飲みの私には嬉しい(笑)。

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 すっかり気分が良くなり、甘味が欲しくなって入ってしまったのが、近くのスーパー内にあった「サーティワンアイスクリーム」(笑)、過去十年以上は利用していなかった、迷った末に選んだフレーバーはチョコレート(カップで税込350円)で、これが意外と云っては失礼だが美味しかった、甘いだけでなくビターな風味も感じさせる。
 コンビニが台頭し、何処も競争相手が多い中で何とか生き残ろうと、商品改良に努めているのだなと、妙に納得した(笑)。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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