最後の晩餐にはまだ早い


北千住「ラ クリア(LA CULIYA)」

 この日北千住に用事があり予定より早く終わったので、ランチを食べようとブログ記事にも書いた、11時半開店の「ブラッセリー・ロノマトペ」へ向かったのだが、店の扉に「本日は食材配達の遅れにより12時開店になります」との貼り紙が、何処かで待って居ようか、あるいは近くで新規店を開拓してみようかと迷った。
 とりあえずロノマトペの前にある東京芸術センターでトイレを借りて考えていたら、「たしか、この近くでフランス料理店がオープンした筈だ」と、スマホで調べてみると近い、営業日みたいで一応店まで行ってみる事に。

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 店の名前は「ラ クリア(LA CULIYA)」、場所は千住仲町で「ロノマトペ」から東武線踏切へ向かって2本目の道を右折してすぐの小さな商店街中にある、外観の雰囲気は悪くない、店前に出ている看板のランチメニューも960円~1,700円と手ごろだし、店名の後に書かれていた「French California Cuisine」にも興味を覚えて、好奇心から入ってみる事にした。

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 2017年8月のオープンだから店は新しいが、店内装飾はレトロ調の雰囲気を出している、思っていたより広い店内でテーブルが18席、厨房の奥には個室みたいな部屋も見える、カウンター席はなかった。2人席に座ってランチメニューを眺める、厨房には料理人の中年男性と奥様らしき女性、もう一人若い女性が居て、店内サービスを担当する。

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 その若い女性が説明してくれたが、「ステーキボウル」(税別1,100円)と「牛ザブトンのステーキ」(1,700円)が「当店のおすすめ」との事、初回なのでお勧めに従い、ステーキボウルに決め、追加でコーヒー(200円)とデザート盛合わせ2種(500円)をお願いした。料理とは関係ないが、この女性色白で肌が綺麗(笑)、佐々木希さん風(「似」ではないが)な美人で、料理人の娘さんではないと思うが、看板娘(表現が古い?)になれそう(笑)。

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 これは夜のメニュー、置いてあった店の案内には、
「弊店は、足立区生まれ・足立区育ち・足立学園卒業のシェフが、フレンチの名店で腕を磨いた後、ロサンゼルスへ渡米し十数年…フレンチとカリフォルニアキュイジーヌを融合し、独創的でありながらも、食べやすい料理をご提供しているお店です。皆様の台所となり、愛されるレストランを目指しております。」と、店のコンセプトが書かれていた。成程それがFrench Californiaを名乗っている理由だった。

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 やって来たのが「ビーフボウル」
 30cm径位の大皿に乗って来た、メニューの説明では「U.Sブラックアンガス牛ハラミ肉の丼 揚げ野菜を彩りに 仔牛のダシのガーリック醤油ソースをかけて」とある。
 別にサラダを頼もうかなと思ったが、揚げ野菜が結構豊富なのでこれで十分だった。
 まずはアンガスの切身を食べてみるが、赤身の肉は不健康な柔らかさではなく、適度な噛み応えあり、このままだと水分が不足しそうだが、醤油ベースのソースが絡んで適度なバランスになる。周りの野菜の扱いもいいし、肝心のご飯の質も良好、さすがはスペシャリテと云うだけある。
 個人的にスーパーで安いアンガスが売っていると買って焼く事あるが、此処まで手の込んだものは作れない、お金を取れるプロの料理だなと思う。

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 料理以上に感心したのがこのガトーショコラとクレームブリュレのデザート、2品で500円(税別)だ、ガトーショコラは好きなので、レストランやパティスリーで注文する事多いが、これは使っているクーベルチュールも含めかなり本格派だと思う、クレームブリュレも、今高騰を続け「黒いダイヤ」的存在のバニラビーンズをちゃんと使っている、店売りならそれぞれ1品で500円付けてもいいかなと思った、味のバランスも良好。日によって内容は変わるみたいだが、この盛合わせは注文するべきだと思う(笑)。

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 コーヒーもマシンで淹れたものだが、美味しかった。
 支払額は1,944円、北千住ランチとしては高額な部類だが、内容は十分見合うものだった、サービスのお姉さんも美人だし、また来たい店だと思った(笑)。WEB情報によると店名の「LA CULIYA」とは、厨房の「厨」から取ったそうだ。

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 今から10年前、北千住にこうしたフレンチが続けて開店するとは夢にも思わなかった、日々変化している街で、駅へ向かう商店街には地上30階建ての住居兼商店の高層ビルも建築中、東京五輪開催の2020年に完成予定なので、街の新たなランドマークになりそうだ。

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 地下鉄に乗る前に、北千住が変わるきっかけの一つになった、2004年開業の北千住マルイ内の食品売場を眺めていたら、吉祥寺「リンデ」のドイツパンを売っていたので購入する事に。

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 これ詰め合せ3種で670円だから、同じドイツパンの広尾「東京フロインドリーブ」や、湯島の「ベッケライ・テューリンガー・ヴァルト」に比べたら安い(笑)、いい買い物だった。


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広尾「有栖川宮記念公園」と「東京フロインドリーブ」

 麻布十番「グリグリ」からの帰りに、広尾の「東京フロインドリーブ」でパンを買おうと思いMapを調べたら、有栖川宮記念公園まで行く近道がある事を知り、スマホを頼りに歩いてみた。
 現在の地名なら港区元麻布になるが、下町人間の私には未踏の地で、「ハイソな人達」が住む街としてイメージがある。実際に歩いてみたらそのとおりで、大臣級か最高裁判事の邸でもあるのか、警備の警察官を数人見かける、車は外国車ばかり目に付き、家自体はそう広くなく金ピカ成金趣味ではないが、お金をかけた普請なのは見て分かった、昔は直近の交通機関がなく、「陸の孤島」とも云われた麻布十番の商店街や飲食店を支えていたのは、此処の住人達だった。
 お屋敷街を抜けた場所に在るのが有栖川宮記念公園。江戸時代は陸奥盛岡藩の下屋敷で、明治29年に有栖川宮威仁親王の御用地になり、その後有栖川宮家が途絶えると、昭和天皇の弟である高松宮家の御用地に変わる、昭和9年に東京市に下賜があり、同年に記念公園として一般公開された、昭和50年に東京都から港区に移管され、現在は港区立の公園として運営されている。

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 広尾駅側からは入った事あるが、北側から入るのは初めて、「三軒家口」と云う変わった名前の門で、石積みは相当古いと思う、門跡の金具に時代を感じる。

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 公園内の案内図、今回は北側から入園し、水の流れに沿い傾斜地を下りながら、広尾駅方面へ出た事になる。

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 小さいが滝があり渓流もある、池へ向かって流れる小川には時代を感じさせる石造りの橋、これも相当時間が経っていそうだ。

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 公園内中間地にある四阿風な場所、昔は茶室があったのかも知れない、奥に見えるのが都立中央図書館。

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 都心とは思えない風景、野鳥もやって来ていて、カルガモの一家?

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 池にあった石灯篭、これも時代ものか。
 公園は今回みたいに、北側から入り下って行くのが正しい順路?な気がする、都心ながら豊かな自然が感じられ、深山幽谷な雰囲気が味わえる場所はそうないので、近くへ行く時は寄ってみて下さい。

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 広尾口を出たら、目の前にあるのが「ナショナル麻布スーパーマーケット」、1962年に当時珍しかった輸入食品を扱う店として開業、外国人が買物に来る店として知られる、2012年に新店舗になった、「サーティーワンアイスクリーム」の1号店は此処だった。

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 こんな店もあります、元麻布セレブの奥方達が「今日は下のフレンチでランチですの、何か?」と、きっと話していたのでしょうね(笑)。

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 東京フロインドリーブ、神戸にあるドイツ人創業の「フロインドリーブ」の姉妹店として、1970年からこの地で営業しているから48年目。見た目重そうな扉は実は自動ドア(笑)。

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 店内(撮影承諾)、15時過ぎていたので、残念ながらパンがあまり残っていなかった、クッキー等の焼き菓子はあったが。

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 旧店舗時代の記憶もあるが、現在は5階建て?の立派な建物に変わった。

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 この日買ったもので「ソフトバイエルン-クルミ入」、ハーフサイズで税込297円、ハードタイプでゴツゴツした素っ気なさだが、噛んでいると旨味が出て来る、フランスパンとは違うドイツパンならではの味わい。

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 シュトーレンのカットサイズが売っていたので買ってみた、9×6cm位の大きさで352円、「素朴」と云う言葉がピッタリの、地味な見かけと味わい、元々シュトーレンはドイツやオランダの新教国発祥なので、こうした物だったと思う、値段はあまり素朴ではないが(笑)。
 寒かったが、ちょっとした東京歴史散歩が出来た日だった、若い頃はあまり関心がなかったが、自身が年齢を重ねると場所や店や人の歴史に興味を覚える、特に歩く事は健康にはいいし、街観察は呆け防止にもなりそう、お金もかからないので老後の趣味にしたいと思う(笑)。


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麻布十番「グリグリ」(2018年1月) 

 前記事の「ル・スプートニク」は急な誘いに乗ったのだが、今回の麻布十番「グリグリ」は少し前から予定していた店で、日本列島に最強寒波がやって来た同じ週にランチタイム訪問する事に、ダウンコートを着込んで行ったが、それでも寒かった。
 麻布十番商店街の坂を上り、近くのダイエーでほうれん草が一袋198円で売っていたのを見て、帰りに買おうと思いながら忘れてしまった(笑)、今冬は本当に野菜が高い、レストランも急にメニュー価格を上げる訳にもいかず、やり繰りが難しいのではと思ってしまう。
 グリグリに来るのは去年2月以来だから、もう1年近く経っていた、東京は店が多過ぎる、行ってみたい店、もう一度行きたい店を真面目に廻っていたら、2年に1度位になりそう、お金を勿論必要だが、頻繁に行けるだけの体力と丈夫な胃袋が欲しい(笑)。

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 店前で待ち合せていた女性3人組の後を追うように2階店舗へ入店、カウンター前には見事な桜の枝木、外は寒かったが店内は早くも春の気分で、マダムに挨拶して奥のテーブルに座らせてもらう。
 ランチはおまかせの1種類なので、初めに苦手な物を聞かれるだけ、東京フレンチ特に高級店はこのスタイルが多くなった。昔のアラカルトスタイルはあれでまた良かったが、食材ロスカットの意味もあり、今後もこのやり方が主流になると思う。
 白ワインで乾杯して始まった料理は以下のとおり、

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・茸のアミューズ(焙じ茶で割った茸のコンソメ、茸のサブレと上に茸のパン)

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・Marc Brédif Vouvray Classic2016

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・蕗の薹のベニエ、青森産グラニースミス、アーモンド

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・烏賊とカリフラワー、烏賊スミと米のチップ

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・自家製パン(美味しい)

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・仔牛のブレゼ、コンソメ仕立、ディジョンマスタード風味

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・尾長鯛のポワレ、干し葡萄のピュレ、タマリンド、黒米、桧葉の香り

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・群馬せせらぎポークのロティ、白貝、スペルト小麦

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・チョコレートのフラン、シュクレフィレ、上に黒胡椒風味のチュイール

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・ミニャルディーズ

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・エスプレッソ

 まずは茸のコンソメの深い味で目が覚める(笑)、焙じ茶で割っているそうだが、この相性を見つけたのが料理人のセンス。続く蕗の薹は微かな苦味が記憶を刺激する、春の足音が近い。
 烏賊とカリフラワーは中国料理でも使う「相性もの」だが、今カリフラワーが高いので高級料理だ(笑)、烏賊スミチップが見た目も味もいいアクセントになっている。
 毎回感じる事だが自家製カンパーニュ系パンが美味しい、この店より客単価が高いながら、美味しいとは思えない冷凍種パンを使う店がある中で、毎日種から成型し焼くのは立派だ。
 仔牛が出て来た時は「もう肉料理?」と一瞬不安になったが(笑)、これはスープ的な意味で、上質なコンビーフスープと云う印象。魚料理の尾長鯛は淡白ながら旨味ある上身、黒米を敷いたのがユニークで、干し葡萄のピュレを合わせるのも面白い、アイディア倒れになっていないし、この店ならではの個性を感じた。
 肉料理は安定の美味しさ、おそらく昼席全員分を塊で低温により長時間焼いたのだと思うが、火入れが抜群でしっとりとした肉質がいい、白貝と合わせるのが面白く、淡白な豚肉の味に貝出汁が加わる必然性がある、単なる「珍しい組合せ」で終わっていない。
 デセールもデザイン、味共に良かった、今の処「今年(2018)印象に残ったデザート」の候補(笑)。

 土曜昼の事もあってカウンターも含め満席になる、客層は若いながらフレンチ初心者と云う感じではなく、結構場数を踏んで来た客達に見えた。2012年11月に名古屋から東京に移転して来た此の店だが、5年を経て料理人のやりたい事と、東京の客層との折り合いが付いて来たのかなと感じる。
 ランチメニューだから、そう高原価な食材は使えないが、全体の起承転結を考え何処に頂点を持って来るか、引く処は引いて強調するものは強調する、店から出た後に「今日はいい料理だった、あれは忘れられない美味しさ」と余韻を残す、そうしたムニュを構築するには時間、経験、反復、そして探求心が必要なのだと思う。
 伊藤料理長はフランスの「ピック」、スペイン・バスクの「マルティン・ベラサテギ」で働いているが、現在は伝統的なフランス料理をベースにしながらも、東京人に合わせて現代的な感覚も取り入れ、自分の料理を確立して来た、そんな風に感じた。マダムも本場フランスで働いていて、日本的にベタっと客に迎合しないサービススタイルで私は好きだ、料理長もマダムに全幅の信頼を置いているので、客前には殆ど出なくなった(笑)。
 レストランもあらゆる生き物と同じく、環境によって進化するもの、それが出来なければ取り残されるのが今の東京だ。
 私は元々夫婦二人だけでやっている小さな店が好きだが、東京フレンチではこのスタイルが少なくなっている、貴重な私好みの店としてこれからも健在で居て欲しいと願ってしまう、また行きたいと思ういい店だ。


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六本木「ル・スプートニク」(2018年1月)

 2015年7月にオープンした六本木のフランス料理「ル・スプートニク」、開業以来高橋料理長と両輪で店を盛り上げ、人気店にした田村支配人が退店するとの知らせを聞き、彼女が居る間に伺いたいと思っていた処、いいタイミングで「ランチの席が取れたけれど、参加しないか」との誘いがあり、喜んで参上する事にした。お金は無いが時間ならあるので、急な招集にも対応出来る、現役時代なら仮病を使うか親類を死んだ事にするしかなかった(笑)。
 私は六本木より千代田線の乃木坂駅からの方が便利なので、駅から歩いて行ったが、新美術館と東京ミッドタウンが出来てからは、乃木坂~六本木間は大幅に街並みが変わってしまった、昔はフレンチ「FEU」とステーキ店しかなかった通りにも、あらゆるジャンルの飲食店が増えた、あちこちで新改築が進行しているので、街は更に変身しそうだ。
 東京の東端で閉じ籠る私は、もう少し都心を散歩したいが今年の冬は寒い(笑)、時間が近付いてきたので店へ向かう事に。そう云えば私が此処へ来るのは7月から9月の夏場ばかりで、冬場は初めてだと思った。
 清掃と手入が行き届いたエントランス、扉を開けてレセプションでコートを預け、奥の丸テーブルに案内される、去年の8月以来なので5ヶ月ぶりだ。
 週末まで勤務の田村さんにも挨拶して始まったメニューは以下のとおり、

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・シャンパーニュ:Charles Heidsieck Brut Reserve

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・アミューズ(1週間熟成させた萩産甘鯛、梨)

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・フォアグラムース、上に根セロリのムース、蜂蜜と青林檎のジュレ

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・寒ブリ瞬間燻製、様々な大根のサラダ、山葵菜とフロマージュブランの液体窒素

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・鱈白子、長芋、ハーブの焦がしバター、ケッパー

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・セイコ蟹、卵、金柑、パスティス

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・ホウボウ、槍烏賊、紫人参、荏胡麻のエミュリション、マイクロセロリ

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・肉料理1:和歌山県産猪背肉ロースト、ジュとマスタード

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・肉料理2:鹿児島出水産サルセル(野生種小鴨)アンクルート、軽めに仕上げたソースサルミ

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・柚子のスフレ、ヴァローナマンジャリとクレーム柚子、柚子風味のメレンゲ、酒粕のグラス

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・ミニャルディーズ(和三盆のシューアラクレーム、焙じ茶のブランマンジェ)
・カモミールのアンフィージョン

 フォアグラのムースあたりから、以前より更に料理が洗練された印象を受けた。鰤は見た目「和」に感じるが、山葵菜のフリーズドライにより新しい感覚の料理に変身する。旬の白子料理は文句ない美味しさ、ケイパーの酸味が焦がしバターを中和するので、次の料理に余韻を残さない。
 蟹も和食的な一皿だが、食べ終わると「これは高橋料理だ」と納得する。次のホウボウは冬場が旬の魚で、皮目の旨味、白身の歯応え申し分ない。
 肉料理は何と2品も出た(笑)、高橋氏はどちらを出すか直前まで迷っていたそうだが、結局「あの客なら2皿でも喰うだろう」と両方出す事になり、周りは止めなかったらしい(笑)。たしかに甲乙付け難い、猪は脂身の旨さが抜群、身体の事を考えると脂肪は危険だが、これだけ旨かったら少し位早く死んでもいいと思わせる、どうせ「散る桜 残る桜も 散る桜」だと悟る事に(笑)。
 和歌山猪にアンクルートと続くと、どうしても紀伊の剛腕料理人を連想してしまうのだが、やはり高橋氏は今の東京料理だなと思う、パイ包みは見た目も味も軽やでいながら、軽さだけに逃げないしっかりした質量がある。
 デセールは季節の柚子を使ったもの、柚子独特の酸味と微かな苦味を生かして秀逸、酒粕アイスも面白く柚子との相性もよかった。

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 2年半前にオープンした此の店だが、開店直後は料理もスタッフも安定しない時期があり大変だったみたいだが、今ではすっかり「チーム髙橋」として、レベルの高い仕事をしている、そして他の高級店と比較して値段が安いと感じる。
 実力も実績もある料理人なので、ここまで持ち上げて来たのは当然と云えば当然だが、オープン後すぐに例の星が付いた事に加え、場所柄外国人客も多いので、スタッフは色々大変だったと思う。
 支配人の田村さんは、店が名前どおりに周回軌道に乗った事もあり、一旦休憩する事になるようだ、女性支配人として気疲れは多々あった事と思う、まずはお疲れ様でした。レストラン業界から去る訳ではないそうで、再充電が完了したらまた何処かで会えるのを期待しています。
 後任の支配人には千葉収之氏が就任、この日も引継ぎのため仕事に就いていた、他店で経験を積んで来た方なので心配ないと思うが、田村ファンは私も含めて多く居るので、当初は比較されて大変かも知れない(笑)。
 レストランは人と人とが出会いそして離れる場所、ゲストとキャストは変わっても店は其処に残る、これからも「ル・スプートニク」が今迄どおりの名店である事を願っている。


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正月のアメ横風景

 JR御徒町駅~上野駅間の高架下と、道を挟んだ西側に並ぶ商店街をアメヤ横丁、通称「アメ横」と呼ぶ、名前の由来は諸説あるが、戦後米国の進駐軍物資を売る店が多かった事から「アメリカ横丁」が訛ったと云う説と、飴を売る店つまりアメ屋が多かったからと云う説がウィキペディアでは紹介されている。
 上野駅に近かった事から、集団就職で上京した人達が、帰省時に此処で生鮮食品や乾物を買って帰る事が多くなり、高度経済成長期に発展した。現在でも年末になると正月用の食品を買い求める客で賑わい、マスコミで紹介される。近年は若者向けの洋品や雑貨を売る店、更に飲食が出来る店が増え、外国人観光客も多く訪れて一年中賑わっている。
 私は小学生の頃から父親に連れられ正月用品の買物に来ていた、社会人になってからは、勤め帰りに気晴らしのため界隈を歩く事が多くなり、現在は安い珈琲豆を買うために月一回位は訪れているから、およそ半世紀の間この街を見て来た事になる(笑)。
 前記事の「キエチュード」の帰りに、正月のアメ横を歩いてみて、興味深い店舗等を紹介したいと思う。

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・「大統領」
 アメ横と云えばまずはこの店(笑)、御徒町と上野の中間程の場所にあるガード下店舗、1950年創業で朝10時から営業している、この画像は午後2時位だが大盛況、もつ焼きがメインメニューで向かい側に支店もある。アメ横初心者は此処と隣の餃子店「昇龍」(現在改装中、近くで営業)、向かいの中華料理「珍々軒」の3店は「黄金のトライアングル」なので抑えておきたい、昼間からディープです(笑)。

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 アメ横はオープンスタイルの店が多いが、最近はこうしたクローズな店舗も増えている、この店は「養老乃瀧」グループだそうだが、何となく大阪心斎橋あたりの雰囲気がある(笑)。

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 「串あげ90円~」「生ビール360円」の店、若い女子2人が店前で入ろうか悩んでいた(笑)。

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 餃子専門店、昔は無かったので最近出来たと思う、チェーン店みたいだ。

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 女性客や外国人観光客が増えたせいか、立ち飲み専門は少なくなっているが、此処は昔風な立ち飲み店、生ビール410円で座る店より高い(笑)。

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 「大統領」から御徒町駅方面へ向かうと、以前は鮭や鱈子を売る生鮮食品店が多かったが、今は様変わりして外国人街化している(笑)。こちらはトルコのケバブ店に挟まれたフランス風?ローストチキンの店、働いているのはどう見ても東南アジア系の人達。

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 「タイ屋台料理」の店、ちょっと興味を惹かれる(笑)。

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 中国人街その1、今アメ横で一番賑わっているエリア、店の人は中国系、客も中国系観光客が殆どに見える。

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 中国人街その2、ガード下側だが、何故かこちらの方は客が少ない。

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 アメ横伝統の生鮮食料品店、昔に比べると店数は少なくなったが、今でも販売のオジサン達の、客に「安いよ」と呼びかける渋いダミ声は変わりない(笑)。

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 御徒町駅北口を出てすぐのガード下は、昔から貴金属、化粧品、洋品等輸入品を売る店が並んでいるが、そこに外貨両替所が出来ていた、時代を感じる。

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 アメ横の御徒町駅側の入口近くに居た、スライサー実演販売のオジサン、今デパートは客が少ないので、人の集まる場所に進出して来たのか?寒いのにご苦労様です(笑)。

 石川啄木は「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」と、明治後期の上野駅を詠んだが、今のアメ横は日本の地方言葉より、外国語が氾濫している、日本に居る外国人は此処へ来れば、たぶん自国語に出会えるのではと思う、店側だけでなく客も含めて、グローバルでカオスなスポットになっている(笑)。
 今の東京を知るには、隣の秋葉原と共に最適の場所だと思うので、上野のパンダ見物や美術館巡りに来た時は、一度足を延ばしてみてください。


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稲荷町「キエチュード」(2018年1月)

 年末年始で珈琲豆ストックがなくなり、安い専門店のあるアメ横に買いに行く事に。折角電車賃を払うからと、ついでに何処か近辺でランチと思ったのだが、この日は1月5日、築地を含め公設市場が年初開場する日なので、レストランは夜から営業開始する店が多かった。お馴染みのインド料理かラーメンかな?と思っていたら、「そうだ、たしかキエチュードが1月2日から開いていると、FBで周知していた」と閃いた、店のWEBページでもそう説明があったので、前日に予約をして向かった、2日から開いている理由は行って理解した。
 地下鉄の上野駅から歩いて行ったのだが、浅草通りを直進し下谷神社の大鳥居のある場所で右折すると、目の前が下谷神社で参拝客が並んでいる、「善男善女」と云うが、日本人は正月だけは信心深く、改まった気持ちになる(笑)。そして参拝後に至近距離のキエチュードへ来るのだ、あらかじめ予約している客、予約なしの飛び込みで来る人もいる。「神社の近くには(飲食の)名店がある」と聞いた事あるが、こんな理由もあった(笑)。

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 店の扉にはリースみたいな正月飾りが(笑)。

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 ランチ一番乗りになったが、参拝客から店内が見えないようカーテンが引かれていた、店内が明るいので画像の写り映えを気にするブロガーには嬉しい(笑)。荒木料理長に挨拶し、カウンター席に座らせてもらう。開店して2年半経つが、木部を多用した店内は清掃・手入れが行き届いて、華美ではないが落ち着いた空間になっている、この後満席になった。
 ランチメニューは1,500円と3,000円の2種(税別)、予約時に後者の方でお願いしていた。

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・Domaine Chêne – Mâcon-La Roche Vineuse Blanc 2016(グラス1,000円)

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・カリフラワーのポタージュ、アニスの香りと炒ったパン粉

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・バゲット(スタイルブレッドだと思う)

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・生ハムと鎌倉野菜のサラダ、下にビーツのピュレ

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・淡路産尾長鯛、黄人参のピュレ、浅利出汁のエミルジョン、柚子の香り

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・ハンガリー産鴨胸肉のロースト、ごぼうのトマト煮込み、ソースドゥミグラス、北アフリカのスパイス

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・チョコレートフォンダン(右 は割った後)、ラズベリーソース、ピスタチオのムース

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・コーヒー

 1月5日なので使える食材は限られるが、それでもこの値段で上手くまとめているなと感心する。今野菜の値段が高いので、多く使ってもコストダウンにはならないが(笑)、以前から仕入れている鎌倉野菜を多用し、印象残る料理にしている。
 寒い季節に温かいポタージュは嬉しい、サラダは何気ないものだが、素材の良さが伝わって来る。
 尾長鯛は別名浜鯛とも呼び、和食では高級食材だが、日本料理店では扱わない小さいサイズの物を使うみたいで、蒸し焼きにした上品な上身に、黄色人参の甘味と香りがいいマッチをしていた。
 鴨ローストは安定の美味しさ、コスト面で現在ハンガリー産を使っているそうだが、不健康な柔らかさでなく(笑)、適度な歯応えがあり肉の旨味もある、ソースに最近他店では殆ど使わなくなったドゥミグラスを使っているが、手間をかけたソースなのは分かった。
 荒木氏はお酒も好きだが甘味も大好きだそうで、デセールは安定して美味しい、この日のフォンダンも秀逸だった。

 2015年5月に昼1,500&3,000円、夜でも5,000円と云う、結構思い切った価格帯でオープンしたこの店だが、食材料が値上がりする中で、今迄一度も値上げしていないのは立派、これで利益を上げ従業員(現在4人と聞く)に賃金を払う訳だから、メニューを組むのは結構難しい筈だが、料理に「ギリギリでやっています」みたいな悲壮感は漂わない(笑)、荒木氏は満席になってもいつもどおり淡々と店を纏めて進行している。
 料理長は高級店の厨房にも居たので、今の東京フレンチ高級店のスタンダードである、昼6,000円、夜12,000円前後のメニューも問題なく作れる筈だが、上野稲荷町と云う地域性を考えこの値段で続けている、下町人間の私としては賛成したく嬉しい事でもある。此処とか御茶ノ水の「ビストロ・ヌー」(此処も神田明神近く)、神楽坂「ビズ」(八幡神社&赤城神社あり)のランチなら、年金生活になっても通えそうだ(笑)。
 前回は荒木氏が店内サービスも兼務していたが、スタッフが替わり荒木氏は厨房メインに戻った、若い女性がサービスを担当するようになって、店の雰囲気が柔らかくなったと感じた。男性のサービスが柔らかい雰囲気を出すのは難しく時間がかかるが、女性は多くの場合持って生まれたもので柔らかさが出せるから有利だ(笑)、人材不足に苦しむ東京の飲食業界だが、救いは女性達だと思う。
 ワインの酔いもあり気持ち良くなって、帰りに下谷神社を参拝する予定をすっかり忘れたが(笑)、新年早々でも、この値段でレベルの高い料理が味わえたのは、今年が良い年である吉兆だと思いたい。
 この後新年のアメ横へ向かったが、色々と面白かったので次回の記事にするつもりでいる。
 

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亀有「木楽」※閉店しました。

 年末になると蕎麦店が混み合うので、その前に蕎麦を食べておこうと向かったのは、実家のある亀有北口商店街中にある「木楽」、今の店になってからは初訪問だ。
 此処は元々街中の出前もやる普通の蕎麦屋だったが、代替わりしたのか自家製粉で手打蕎麦を出す店に変わった、数年間やっていて私も一度だけ利用した事がある、それが急に店名が変わってしまった、噂では経営者も交代したとの事だが詳しい事は不明。
 最近、出前もやっていた街中の蕎麦屋から、手打蕎麦に変身する店がある、同じ亀有の人気店「吟八亭 やざ和」やブログ記事にした五反野「松月」がそうだが、経営が代替わりすると、今迄のやり方では将来性はないと思って手打蕎麦を勉強するみたいだ。寿司職人は一人前になるのに時間はかかるが、蕎麦はやる気さえあれば、構成要素が少ないだけに、寿司やフレンチ程には技術習得時間はかからないのかも知れない、ただ転換が全て成功するとは限らないようだ。
 
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 「木楽」の場所はJR亀有駅北口を出て、バスローターリーから東部地域病院の方へ向かう途中に、小さな商店街がありその並び、近くには行列で知られる、つけ麺店「道」がある。
 昔風の間口の広い店舗、内装は変えているが外箱は相当年月が経っている、隣が人気の青果店で年末なので人で賑わい、客が自転車を蕎麦店側にも駐輪する、この辺りは下町なので揉めずに上手く共存しているのだろう(笑)。

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 外から見える蕎麦打ち場、この日の蕎麦産地は秋田との事。

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 店前にはランチの品書きが、「牡蠣蕎麦」や「にしん煮蕎麦」など、なかなか魅力あり(笑)。

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 入店して打ち場前の席に座らせてもらう、逆光で見えにくいが蕎麦を挽くための電動石臼を備えてある。

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 蕎麦茶ではなく普通の焙じ茶、店内は女性が一人、厨房は男性一人の二人体制、ご夫妻だろうか?

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 ランチメニュー以外の品書き、夜は蕎麦居酒屋的な感じになるみたいで、この他に酒のつまみ系も結構揃えている。値段は亀有の相場からすると少し高めな気もした。
 迷ったが、蕎麦だけだと少し寂しいかなと、「天丼定食(天丼+せいろ)」(税込1,150円)」をお願いする事にした。
 時間が早かったので、私の他には男性が一人、昼間の蕎麦店では男性一人客に遭遇する機会が多い気がする(笑)。

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 天丼定食、蕎麦は江戸伝統の二八割(小麦粉2:蕎麦粉8)だと思う、あまり蕎麦の香りはしないが喉越しはいい、少し水分が多めな感じがするが普通に美味しい蕎麦だ。ツユは甘目かな?とも思ったが、気になる程ではない。
 天丼は海老、ピーマン、さつま芋、舞茸だと思った、揚げもいいし天つゆが下町風な辛口で美味しい、ご飯もよかった。

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 蕎麦湯は後から蕎麦粉を足したものではなく、普通の茹で汁みたいだった。昔風の塗りの容れ物。

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 我家から自転車で行ける範囲の蕎麦店を回っていて、今の処は綾瀬の「重吉」が一番好みに合うが、この「木楽」も真面目に作った蕎麦で美味しい、店の雰囲気も何処かレトロで落ち着く空間だった。個人的には蕎麦は「遠くの名店より、近くの佳店」だと思うので、思いついてすぐ行ける場所に、こうしたいい店があるのはありがたい。
 今年(2018年)は今まで以上に蕎麦店巡りをしようかなと考えている、そのうち道具を揃えて蕎麦打ちを始めるかも知れない(笑)。

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 木楽の帰りに、同じ商店街にある和菓子店「梅むら」に寄ってみた、昔からこの場所で続けている店で、下町的雰囲気と下町値段が特徴、サービス品の「栗むし羊羹」(350円)を買ったら、親父さんが石油ストーブの上で焼いていた餅をサービスしてくれた(笑)、スーパー等で売っている餅菓子は餅粉を固めたものが殆どで、こうして搗いた餅を作る店は少なくなっている。後継者不足から街中から和菓子店が減って来ているが、これからも続いて欲しいと願ってしまう。


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富ヶ谷「ルヴァン」(2017年12月)

 皆様明けましておめでとうございます。
 このブログも丸6年を過ぎ7年目になりました、此処まで続けてこられたのは、時に励ましの言葉をいただく、皆さんのおかげと思っています。
 何かにつけて「老い」を感じる齢になり、文字どおりの「最後の晩餐」を意識しないといけなくなりましたが、今年も食と人について語る事が出来ればと思っています。現在、定収入の無い身なので、高級店訪問は少なく地元のランチが増えると思いますが、時間がある限りお付き合いください(笑)。
 年初は旧年中の店訪問記事になりますが、初回は年末に行った「アルドアック」の帰りに寄った老舗ブランジェリーから。

 「アルドアック」のある小さな商店街を抜けると、井の頭通りに出るが、昔に比べると道が広くなり歩き易く整備された、道の反対側は歩道がなかったので、歩くのが怖かった。現在、富ヶ谷交差点近くには巨大なマンションが建設中で、2020年頃には街は更に変貌している事だろう。
 道を渡ると目の前にあるのが、老舗のブランジェリー「ルヴァン」、1月以来になってしまった、その間色々なパン店を回ったが、「釣りは鮒に始まり鮒に終わる」みたいに、私のブランジェリー巡りは、「ルヴァンに始まりルヴァンの終わる」かも知れない(笑)。
 1984年に調布で開業、1989年に現在の店舗を開いている、この地で28年営業を続けている事になるが、アンパンやクリームパン等を売る街場のパン店ではない、ハードタイプの食事パン専門店としては、1970年開業の広尾「東京フロインドリーブ」に次ぐ店ではないかと思う。

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 この店で感心するのが、私が通い始めた頃からずっと店員が皆若い事、もちろん歳をとらないのではなく、それだけ人が入れ替わりしている。前回この店を取り上げた記事でも書いたが、此処でパン作りを学んだ若者達が各地へ旅立ち、ルヴァンのパンを継承している、そして自分はルヴァン出身者である事を誇らしげにアピールしている。最近は女性の姿が目立つ、小学女子の「将来なりたい仕事」ランキングで毎年トップ争いをするのは「パティシェ」だそうだが、パン職人も静かな人気みたいだ、ただ両業種共に外から見る程キレイな職場ではないし、拘束時間は長く就労もブラック的だ(笑)、本人に余程「やり遂げよう」とする意思がないと続かない事は同じ。今は女子の方がそうした気構えを持っている気がする(笑)。

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 毎回変わらない無装飾な茶色い紙袋のみ、手提げ袋はくれないので、何か入れる物を持って行った方がいい。

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 この日買ったパン、パン好きにはこの画像を見ているだけで嬉しくなる(笑)。

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・パン・コンプレ25(ハーフサイズで税別360円)
 本当はコンプレ50が好きなのだが、今は一週間に一回しか焼いていないとの事で、ベーシックなこのパンを買う、ルヴァン初心者向けで、まず此処へ来たら買うべきアイテム、粉の旨味と焼き上がりの香りがいい。

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・メランジェ(小)(420円)
 ルヴァンの代表的存在、中はレーズンと胡桃がギッシリ詰まっている、これを薄く切ってカマンベールやブリー等を乗せれば、素敵なオードブルやデザートになる(笑)。

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・パン・オ・ノア(360円)
 中は胡桃、メランジェより味はシンプルになり、食事中のパンに向いている。

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・前日の残り分をオマケに入れてくれたもの、パン・オ・ノアだと思った。

 近くの「アルドアック」酒井氏が、「ルヴァンのパンは美味しすぎて、レストランの料理に合わない」と云っていたが、それはよく分かる(笑)、野菜スープとか、それも無ければワインとパンだけでも食事になりそう、まさにキリスト教の教えだ。
 「アルドアック」~「ルヴァン」のランチ散歩、気に入ったのでまた来るつもりだ、代々木公園駅近くの「365日」もいいブランジェリーなので、各自好みで選んで下さい(笑)。
 ルヴァンからアルドアックのある商店街を抜け、代々木公園駅に向かう途中にある、環状線高架下の小さなトンネル、此処に不思議な壁画が描かれていて、通る毎に「これ何だ?」と思っていたが、今回真面目に調べてみた。

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 ネット上では「オジサンが渋谷でJK(女子高生)を連れて歩いている絵」とか、きわどい解説もあったが(笑)、そうではなかった。このトンネルは昔からサイケ調の落書きが多く、困った周辺住人が武蔵工業大学の学生と協力して、「春の小川」のテーマで描いたとの事。
 「春の小川は さらさら流る」の童謡「春の小川」は、「故郷」と同じく高野辰之の作詞、高野が生前代々木に住んでいて、近くにあった河骨川(現在は暗渠化)を詩にしたとされる事に因んだそうだ。よく見ればアンリ・ルソーみたいな味のある絵とも思える?ルヴァンやアルドアックに行った時には一度見て下さい(笑)。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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