最後の晩餐にはまだ早い


新富町「メゾン ミッシェル」(2018年4月)

 2016年8月に初訪問をしてから、「もう一度行きたい」と思いながら、行く機会がながった新富町(築地)のフランス料理「メゾン ミッシェル」、ようやく昼に再訪する事が出来た。最近都内での行動範囲は狭くなる一方で、上野・秋葉原以西はやたら遠く感じてしまう(笑)。
 前日に電話し予約してから行ったのだが正解だった、公表はテーブル12、カウンター4の16席だが、実際にはそれぞれ10と3の13席しか使っていないので、すぐに埋まってしまう、この日も昼休みに数組予約していない客を断っていた。
 そう云えば小山料理長が働いていた、PARIS10区の人気ビストロ「Chez Michel」へ初めて行った時予約なしで、昼の店開け一番を狙って行き利用出来たのを覚えている、人気レストランは予約が必須だが、もし予約していなかったら、開店一番か昼なら13時以降が狙い目だ。
 その「Chez Michel」も、ブルターニュ地方出身のオーナーが日本人料理人に経営を譲ったと聞く、これも時代だなと思う。

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 初回訪問時も意外感あったが、昼時混雑する路麺店の2階と云う珍しい場所に店はある。

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 2階へ上る階段前に掲げてあったメニュー、予約時は2,500円(税別)のランチメニューが必須。
 12時少し前に入店、まずは小山料理長にご無沙汰をお詫びする(笑)、既に2組着席していてこの後も続々と入店し満席になった、私はカウンター席に座らせてもらう。
 厨房は前回二人体制だったが小山氏一人になり、店内サービスの男性と二人で店を回している、そのためかランチメニューの構成が変わり、基本はメニュー2種類だが、事前予約で税別3,500円&5,000円「おまかせ」対応可と予約時に聞いたので、前者をお願いしていた。
 料理は以下のとおり、

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・フォアグラのフラン、新玉葱ソース

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・シャトー名失念、ボルドー産ソーヴィニヨンブラン種のスッキリした白(税別970円)

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・メジマグロとポワロー葱のタルタル

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・バゲットはスタイルブレッドか?

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・筍と帆立貝のムニエル、レモンバターソース

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・仔牛の柑橘煮込み、季節の野菜添え

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・苺のコンポート

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・エスプレッソ

 まずはアミューズのフォアグラフランで胃と心を掴まれる、私みたいな古い人間はフィンガーフード的アミューズにはどうも不感症だ(笑)。
 次のタルタルはこの日一番惹かれた料理で、「築地フレンチ」を標榜する同店ならではのクオリティの高いもの、続く帆立貝の質も良好、バターソースは最近出会わなくなったが王道で美味しい。
 仔牛はたぶんフォンドヴォー&白ワインを使った煮込みで、柑橘を加える事によって、爽やかさが出ている、添えられた野菜の質と扱いは文句なし。
 ホームセンターで売っている保存容器に入ったデザートを見て、「この料理人はフランスで働き、フランス人の感性を学んで来たな」と思った。2002年にフランス南西地方ピュイミロールにある「ローベルガード」(現:ミッシェル・トラマ)に行った時、この容器にフォアグラが入っていて、セルブーズが「スプーンで掬って食べて下さい」と云った時、「このセンス凄いな」と感心したのを思い出した。決して食べ易い訳ではないが、全体の流れの中で意外性を演出して、いいアクセントになっている。
 これからフランスで働こうとする若い料理人は、技術だけでなくこうしたセンスを学んで欲しいと思う、日本での最近の傾向として、少量の料理を和製食器の端に非対称に盛るスタイルが多いが、フランス料理はそれだけではない、フランス人の思考やライフスタイル、仏語で云う「アール・ド・ヴィーヴル (Art de Vivre)」に触れて来て欲しい。

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 カウンターに置いてある自家製リキュール

 昼休みが終わって帰る客の後にも予約していない客が現れ、2回転する席もあった、料理人一人で全て捌くのは大変そうだが、小山氏は表情やテンションを変えずに料理を次々と出している、こうした処はPARISの人気ビストロで鍛えられた仕事力だと思った。
 久し振りの「メゾン・ミッシェル」の料理は美味しかった、もっと早く再訪するべきだったと反省する(笑)。小山氏は最近お子さんが生まれたと聞く、過去他の料理人を見て来た経験で云うと、家族が増えると料理人も一皮剥けると云うか覚悟も生まれ、それが料理に反映するケースが多かったと思う、決して悪い方向にはならない筈だ。
 いい素材を変にいじり過ぎず、真っすぐに作った料理が味わえる、財布にも優しい良店。次はこんなに間を開けずに来たいと思う(笑)。


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亀有「欧風食堂 ペパン」

 今回紹介する「欧風食堂 ペパン」は亀有在住の人に教えてもらった店で、2017年10月の開業。店のジャンルは一応洋食に入れたが、料理人はフランス料理出身と聞く。
 実家がある亀有は私が20年以上を過ごした街で、当時は赤提灯系の飲み屋が多く、まともな飲食店は希少、期待出来そうな店が出来ると数年で潰れると云うパターンが多かった。少し変わったのは2006年の複合商業施設「アリオ」開業からで、その後は昔の亀有では想像も出来なかった洒落た店がオープンしている。
 「ペパン」がある場所は、人通りの多い亀有駅の南側ではなく、再開発に取り残された感がある北口側にある。
 駅から続くバス通りを直進して5分程、右側にコッペパンの人気店「吉田パン」がある角を右に曲がり、そのまま進むと正面突き当りが美容室だが、隣がペパンで以前は洋品やアクセサリー等を売る店だったと思う。

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 失礼ながら亀有には似合わない(笑)、都心のプチレストランみたいな外観。

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 店外に黒板があり、本日のランチメニューが3種類書いてある、物価の安い亀有ランチとしては少し高めの部類に感じる。

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 扉を開けて店内に入る、テーブル席が12でカウンターが4の計16席。開店してまだ半年のため店内は綺麗で、内外装共に結構お金をかけている。店は男性2人で、あとで聞いたが兄弟だそうだ、弟が料理担当で兄がサービスにあたる。
 テーブル席に座り、メニューをもう一度みるが、黒板を見た段階で「牛スジとマッシュポテトのパイ包み焼き」にしようと決めていた、「パイを焼くので少し時間かかりますが宜しいですか?」と聞かれたが、暇人なので無問題な旨を伝える(笑)。

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 ワイン等は結構揃えている、これも後で知ったのだが、兄弟は秋田県出身で、食材等は出来るだけ秋田産の物を使うそうだ、秋田銘酒も置いてある。

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 ポタージュスープ(サラダかスープの選択)
 じゃがいもベースだと思う、普通に美味しい。

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 パンかご飯(あきたこまち)の選択だが、牛スジ料理にはパンが合いますとの事でパンをお願いする、何処かの店売りパンだろう。

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 「牛スジとマッシュポテトのパイ包み焼き」
 仕上がりは綺麗でフランス料理出身なのは見て分かった。パイ皮の中は牛スジ肉の煮込みとジャガイモで、フランス料理の「アッシュ・パルマンティエ」をパイに包んで焼いたみたいな印象、ソースは赤ワインベース?付合せの野菜もちゃんと火入れしている。味は驚く程ではないが作りは真面目で丁寧、好感が持てる。

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 ミニデザートは苺のムース、これは兄の奥様が作るそうだ。

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 コーヒー、マシンだが濃い目に淹れてあり私好み(笑)。

 各料理は皆丁寧に作ってあり味も悪くないが、亀有と云う地盤を考えると、値段からしてもう一つ何か訴えるものが欲しい気もした、サラダorスープではなく両方出すとか、あと肉料理の皿が小さくて見映えがよくなかったか。
 食後に兄と話しをしたが、特に亀有に縁があった訳ではなく、兄弟で何処かで店を始めようと色々と物件をあたったが、これからは下町だろうと此処に決めたそうだ。フランス料理の店にする事も考えたが、亀有の客層から畏まって食事するより、気軽に料理と酒を楽しめる場にしたかったとの事。

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 黒板に秋田県の食材名産地が書いてある、今迄は秋田と云うと「あきたこまち」のイメージしかなかったが、鴨や鶏、羊や馬肉等、結構豊富に揃っている、こうした地産の食材と生産者をこれから紹介したいみたいだ。
 店のWEBページで店紹介をしているので此処に転載したい、
『秋田県三種町出身の兄弟とその家族が、小さなお店を開きました。お店の名前はペパン。フランス語で「種」の事です。2017年10月11日に、葛飾の亀有に、その美味しい「種」が一つ蒔かれました。ふるさとを想いその地名から、そして皆様に喜んで頂ける様な料理を作り続ける事によって、地元の方々に育んで頂けるように・・・という願いを込めて名付けさせて頂きました。下町の気取らない「我が家」の様な、素敵な時間をお過ごし下さい。皆様のご来店を、心よりお待ちしております。』
 こうした店は亀有ではまだ少なく、長く続いて欲しいと願ってしまう、また訪れたいと思う。


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三ノ輪「ジョイフル三の輪商店街」

 地下鉄日比谷線から地上に出ると広い交差点があり、この場所を「大関横丁交差点」と呼ぶ、江戸時代下野黒羽藩を治めた大関家の下屋敷があった事に因むが、この辺りから「千住宿」の範疇になり、旧日光街道の起点とされる。
 交差点から北へ歩くと荒川区になり、JR常磐線の高架下を潜り左側にあるのが、東京に唯一残された路面電車、都電荒川線の始点・終点である三ノ輪橋停留所、この荒川線に沿う形で500m程の屋根付きアーケード型商店街があり、此処が「ジョイフル三の輪」だ。

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 発祥は大正時代に遡る歴史ある商店街で、以前は「三ノ輪銀座商店街」と云う名前だったそうだ、「ジョイフル」の名前から連想する近代的なモールではなく、何処か懐かしくレトロで昭和的な雰囲気が漂う(笑)。
 私の地元ではシャッター通りに化した商店街があるが、此処は屋根も補修していて十分現役なのは歩いて分かった。閉めている店はあるが、この日は水曜で定休日だった店舗もあったみたいだ。
 目に付いた店舗を幾つか紹介する、以前台東区の佐竹商店街を記事にしたが、あちらは洋品店が多かった、それに較べるとこの商店街は惣菜店と青果店が多いと感じる。

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 此処は280円弁当で知られる店、総菜108円、コロッケ38円と格安なのが嬉しい、客はお年寄りが殆どで、店内で食事が出来るカウンターもある。

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 果物に花、漬物と何でも売っている青果店、ジョイフル三の輪を紹介する記事にはよく登場する、高齢店主と客との会話が聞こえ、「今日は牛蒡を頂戴、おじさん休んでいたでしょう?心配していたのよ」と女性客が話している、こうしたフェイス・トゥ・フェイスの買物風景は昔に比べて本当に減ってしまった。

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 その店で売っている自家製漬物、実に昭和的風景(笑)。

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 砂場総本店、大阪発祥の蕎麦店「砂場」は江戸時代に江戸(東京)に進出したとされ、江戸末期には市中に6軒の砂場蕎麦が存在した記録があるそうだ、その中の糀町(麹町)にあった店が三ノ輪に移転し存続している。現在の木造建物は1954年(昭和29年)の建築で荒川区文化財に指定、この商店街が出来る前から現在地にあったそうだ。WEB上の記事では、味は「普通の街中蕎麦屋」と云う書き込み多いが、店内は一度見たいと思う。

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 「荒川でいちばん安い店!」、こうしたものは先に云ったもの勝ちか(笑)。

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 「ぱぱ・のえる」つまり「サンタのおじさん」と云う名前の1984年創業の珈琲店、商店街にはこの店名が似合う?(笑)。

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 さつま揚げ専門店、此処は改築したのか比較的新しい店舗だった。

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 商店街に繋がる路地で、奥に見えるのは都電荒川線の線路、永井荷風や木村伊兵衛が歩いた昭和の風景が残る。
 散歩途中で買った物を以下に紹介したい。

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 「業務スーパー三ノ輪店」で買ったデコポン(税別398円)
 結構大きいデコポンが5個入り、味も良く1個も傷んだ物がなかった、「物凄く安い」と云う程ではないが、値段・質とも満足。この店ではないが或る青果店の女性店員、「三ノ輪の北川景子」とでも呼びたい位に美人だった(笑)。

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 「マルイシ増英」で買った煮物(税別240円)
 さつま揚げ専門店で売っていた惣菜、さつま揚げ、大根、人参、コンニャクを煮たもので、昔風の濃い味ではなく意外と上品な味付けで美味しかった、また買いに行きたいと思う。

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 同じ店で買った「千住揚げ」(3枚200円)
 中身は長葱、浅利、一味唐辛子、千住は昔から白葱の名産地で、現在でも葱の取引所がある事から、「千住」と名の付く食べ物は長葱が使われる事が多い。これもスーパーで売っている袋入りの物とはレベルの違う味だった。

 ジョイフル三の輪は、私が子供時代を過ごした墨田区向島の商店街を思い出す雰囲気がある、当時と違うのは客も店側の人間も殆どが高齢になった事、昔の商店街は平日でも子供から大人まで入り乱れて賑わい活気があった。
 昭和39年(1964年)に東京オリンピックが開催されたが、その頃が東京商店街の最盛期だったか、その後スーパーやコンビニが進出、核家族化や少子高齢化により衰退が加速した。それでもこうして現役で残っている商店街を見ると、昭和人間の私は嬉しくなってしまう(笑)。
 1960年代後半に「タイムトンネル」と云う、近未来SFの米TV映画があったが、商店街は過去に戻る事の出来るタイムトンネルかも知れない、昭和を懐かしむ人は一度訪れてみて下さい、店舗は月曜と水曜日に休みが多いみたいです。
※地名は「三ノ輪」だが、商店街としては「三の輪」と表示している。


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三ノ輪「ビストロ ルミエル(LUMIERE)」

 地下鉄日比谷線の三ノ輪駅近くに、フランス料理店がオープンしたのを知ったのは、友人のFBウォールからで、三ノ輪なら我家からのアクセスもいい、最近都内でも遠出しなくなったので、中目黒や代官山等はとても遠方に感じてしまう(笑)。
 まずはランチに行ってみようと、当日に電話してみたら予約可だったので、北千住で千代田線から乗り換え、4月とは思えない初夏みたいな日差しの中を店へ向かった。

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 店の名前は「ビストロ ルミエル(LUMIERE)」で2017年6月の開業。場所は三ノ輪駅で地上に出て、昭和通り沿いを入谷方面へ向かって歩き5分位、通り沿いの右手にある。
 この三ノ輪と云う場所は、従来フランス料理とは縁遠かった、東京の下町地区で江戸城から見て鬼門(北東)の方角にあたるため昔から寺社が多く、また昭和通り向かい側を進むと江戸時代遊郭として隆盛を誇り、現在は特殊浴場(ソープ)街として存続する吉原(現在の地名にはないが)がある。東京を知らない人がイメージする東京とは、少し違う街だと思う。

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 12時前に到着、店内はカウンターとテーブルで16席、夫妻二人で店を営んでいる様子で、これは小さい店好きな私のストライクゾーンだ(笑)。奥様は「カウンターでもテーブルでもお好きな方を」と云ってくれたが、一人だったのでキッチン前のカウンター席に座る。店内は明るい外光が差し込み、店名のとおりに「Lumiere(光)」だ。

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 奥様からメニューの説明がある、ランチタイムは1,200円(税込)のワンプレートか、2,300円のランチセット何れかになるとの事、せっかく地下鉄乗って来たのだからと、後者でお願いする事にして、まずメインは+600円ながら「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」に決めた、そうすると前菜はホタテかな?と考えていたら、書いていないが「シマアジのカルパッチョも可能です」との事、その一言で方針変更(笑)。
 初めて行く店で料理を選べる時は、肉料理なら仔羊ローストか赤ワインを使った煮込み、前菜ならパテ・ド・カンパーニュ、このどれかを食べれば料理人の実力は大体判ると思っている。

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・さつま芋のスープと自家製パン

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・銘柄は聞かなかったが一杯400円(安い!)の白ワイン

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・大分産シマアジのカルパッチョ、魚醤風味のビネグレット

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・牛ホホ肉の赤ワイン煮込み

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・柔らかプリン、苺のソース、桜のヴァシュラン

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・コーヒー

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・砂糖とミルク(ちょっと安っぽいが)

 スープはちゃんと熱いし美味しい、先日行った某店では中途半端にぬるくて気持ち悪かった(笑)、上に乗せたクルトンがいい、自家製パンも好印象。
 カルパッチョは魚醤を使ったとの事だが、なかなか特徴ある味、野菜の質も良く盛付デザインも洒落ている。
 頬肉煮込みは赤ワインの香りと酸味を残し、煮込み過ぎず肉の歯応えを感じさせ量もしっかりある、付合せの野菜の扱いもいい、これは相当経験を積んで来た料理人だなと思った。
 デザートも量は少な目ながら上質なものだった、コーヒーも美味しい。

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・「覆面料理人」を名乗っている(笑)
 料理人は岩手出身の加藤裕隆氏で、四谷「オテル・ド・ミクニ」から日本橋「オー・グー・ドゥ・ジュール・メルヴュイユ」、三田「ミノビ」を経て独立した、三ノ輪に出店したのは奥様の実家が近かったからだそうだ。年齢は40歳前後か?風貌がちょっとミッシェル・トロワグロやベルナール・パコーの若い頃に似ている(笑)、筋肉質で相当旨い物を食って来たと思わせる体型、交換した名刺に「覆面料理人」と書いているのは、客に貰った覆面を時折被る事があるらしい(笑)。たしか神保町に覆面の店主が作るラーメン店があったが、加藤氏も覆面で調理する姿が何時か見られるかも?普段は東北人らしい寡黙なタイプと見受けたが、覆面を被ると別人格へトリップ出来るのかも知れない(笑)。
 加藤氏は作った料理を自らテーブルへ運ぶ、客の反応を見たいのだと思うが、過去こうした料理人は他店でも見て来た。誤解を恐れず書くなら、レストランはこの時期が一番面白く、来る毎に店も料理も進化する。店が有名になるとそれが止って細部に拘り過ぎ、値段も上がってしまう事になりがちだ。

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・いいアイディアだと思う、布袋を使った荷物入れ
 一番乗りの客だったが、その後続々と客が来店、私が食べ終る頃にはテーブル席は殆ど埋まった、昼なので女性客中心だが、彼女達はサラリーマンよりランチにお金を使えるし、美味しい店は見逃さない(笑)。
 我家から行き易い場所にいい店が出来た、これは通わないといけない。御茶ノ水「ビストロ・ヌー」、稲荷町「キエチュード」と共に、アクセス良く通いたいフレンチランチ御三家になりそうだ(笑)。
 加藤夫妻に見送られ、いい気分で店を出た後、昭和レトロな商店街「ジョイフル三ノ輪」へ行ったのだが、それは別記事にしたい。


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三郷「林や」(2018年3月)

 現在、お金はなくても時間だけはある身なので(笑)、桜の季節は花見ぐらいしておこうと思った、ただ「桜の名所」なる場所は、桜より人の方が多い処が多く、特に地面に敷いたブルーシートは見ると不愉快なのでパスしたい、人の少ない処で桜を見たいなと考え、思いついたのが葛飾の水元公園だった。
 「そうだ、あそこなら『林や』のとんかつが食べられる」と気持ちも浮き立った、こうなると花見が目的なのか、とんかつが目的なのか不明になる(笑)。そう云えば去年「林や」を初訪問したのが4月初旬で、桜が咲いていた時期だった、今年は桜の開花が早いが約一年経っている、月日の進行は悲しい位に早過ぎる(笑)。

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 我家から自転車で約30分、水元公園の西側出入口を過ぎるとすぐの場所にあるのが、明治42年建造の「閘門橋」で、その下を流れるのが大場川、此処が東京都と埼玉県の都県境になる、この川辺に咲いている桜が良かった、千鳥ヶ淵もそうだが、桜の木はこうして少し離れた位置から水辺に映る姿を見るのが一番いいと思う。

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 幅の狭い川を渡ると右手にあるのが人気の鰻店で、この日も開店前から行列が出来ていた、その隣が「とんかつ 林や」になる、とんかつ屋なのに羊の絵が描いてある暖簾が不思議だ(笑)。
 開店直後に入店、店奥の座卓席に座りメニューを見る。前回好印象だった「特上ロースカツ(240g)定食」(1,320円)が第一候補だったが、「数量限定 エビ(有頭)&ロース(120g)」(1,610円)も気になった、さらに提供期間が間もなく終わる「広島産 カキフライ(5ヶ)定食」(980円)も目に入って悩む、結局「とんかつ定食(120g)」(890円)に加え、カキフライ5個を単品(900円)でお願いしてしまう、明らかに食べ過ぎだ(笑)。

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 最初に運ばれて来たのが胡麻摺り一式、この店のレシートには「ごますりとんかつ林や」と書いてある、香の物は奈良漬、沢庵と梅干という珍しい組合せ、空の茶碗はこの店では炊飯ジャーが別置され、ご飯食べ放題だからだ。

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 調味料類一式、箸は割箸使用、ソースは一種類だけ。

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 暫く経って料理が運ばれて来た、まずは大粒のカキフライ、広島産との事だが身が丸々としている、10月頃に食べた牡蠣はまだ痩せていたが、シーズン終わり頃になって一番美味しくなるようだ。一口食べると口中に牡蠣のエキスと香りが広がる、的確な揚げの技術によって旨味が増している、この店ではタルタルソースは別注文(140円)だが、これだけ中身の味があれば必要ない気がする。

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 続いてロースカツ、120gと云う事だがもっと大きく感じた、確認はしていないがおそらく輸入ではなく国産豚だと思う。

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 断面、最近ロース肉でも中心をピンク色の火入れで止める店あるが、この店では昔風にしっかり火を通している、あくまでも個人的嗜好だが、私はこちらの方が好みだ。
 まずは塩だけで食べてみる、カラっと揚がった衣と厚みのある肉のバランス良好、脂身の香りも立っている、肉味で食べさせるより味のバランスを重視している感じだ。続いてソースを付けて食べてみる、これはもう子供の頃から親しんだご馳走「東京とんかつの味」だ、あえて云えばこのソースがもう少し美味しいものなら文句なしだが。添えられたマカロニサラダがまた昔風で泣ける(笑)。 前回は240gの特上ロースだったので、120gでは食べ応えがないかな?と心配したが、これでも十分とんかつの旨味を堪能できる、定食で890円は都心に比べたら格安と思う。

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 味噌汁は白味噌で具はワカメと豚挽肉を使っている、何処か家庭的で親しみが持てる味。

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 ジャーから盛るご飯は美味しい、粒の大きさと粘りからおそらく関東産のコシヒカリ系ではないかと思う、家庭で少量炊くのとは炊き上がり感が違い、ふっくらしていて幾らでも食べられそうで怖くなり(笑)、2杯で止めておいた。
 約一年ぶりの「林や」だったが美味しかった、ロースかつ+カキフライ一人前は多いかと思ったが問題なく完食、昼一番の客だったので、揚げ油も新鮮で疲れておらず後を引かない。
 都内のとんかつ有名店では行列必至の処もあるが、私には自転車で行けるこの店があれば、わざわざ其処迄行かなくていいなと思ってしまう(笑)。

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 帰りは運動も兼ねて水元公園を自転車で一周、満開の桜もいいが、この公園の名物であるメタセコイアの森が良かった、一番の見頃は10月頃らしいので、またとんかつ食べた後に来たいと思っている(笑)。


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稲荷町「らーめん 稲荷屋」

 都営地下鉄大江戸線の牛込柳町駅近くにあった、フランス料理「ル・デッサン」は大好きな店だった。料理人夫妻二人で営む小体な佳店ながら、プリフィクスで選べる料理は量が多くどれも丁寧な作り、料理が出るのに時間はかかったが、それが欠点と思えない内容と値段の安さで、職場が近かった事もあり同僚と連れ立って何回か訪れた。
 人気がありながら閉店してしまったのはとても残念だった、お子さんが生まれる事になり、奥様が手伝えなくなるのが理由と聞いたが、「彼女の代わりは居ない」と潔く店を閉めた店主の姿勢は立派と思った。その後店主の故郷である静岡県島田でラーメン店として復活、「ラーメン ル・デッサン」を名乗って営業している。
 この話を書いたのは、今回紹介するラーメン店主もフランス料理出身と聞いたからで、ネット上での評判も良く、以前から行ってみようと思っていた店で、今回ようやく初訪問する事に。
 店の名前は「らーめん 稲荷屋」で、場所は地下鉄銀座線稲荷町駅近く、稲荷町で稲荷屋は何とも直球なネーミングだ(笑)、2015年3月のオープン。

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 駅から地上に出て、仏壇仏具店が並ぶ浅草通りを浅草方面へ向かって右側、黄色に赤字で目立つ店名表示の看板が見える。雰囲気は何処となく昭和調でレトロなラーメン店と云う印象。
 「創業手帳Web」と云うサイトで、店主が自身の経歴と起業、何故フレンチではなくラーメン店にしたのか等を語っているので、興味ある人は読んでみて下さい。
https://sogyotecho.jp/interview-takahashi/
 今更ながら東京で飲食店が独立開業するのは、多額の資金が必要なのだなと思う。

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 店前に置かれたメニュー看板、右下が話題の「限定メニュー?」で、フレンチの技法を取り入れたラーメンの事、2か月ごとに内容変更するらしい。

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 入口近くの券売機、2~3月の限定メニューは「ホタテのミ・キュイとヴァン・ブランのスープ」、これどう考えてもフランス料理だ(笑)。迷ったのだが、今日は初訪問だからと思い、店一番推しのメニューだと思われる「ワンタンメン」(900円)に決め食券を購入、ライス類の追加は止めておいた(笑)。

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 食券を出してカウンターに着席、横に一列8席の他にテーブル席が3卓?ある、外見で想像したより広い店舗だった、水はセルフ、箸はエコ仕様の洗い箸、味変アイテムは粉胡椒だけ、花粉症人間にはティッシュ箱が嬉しい(笑)。

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 開店時間11時から14時迄のランチタイムのみ禁煙。店は男性二人で営んでいる。

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 いかつい身体の店主が作り、出来上がった「ワンタンメン」、大判チャーシュー2枚が目を惹く、他にワンタン、メンマ、カイワレ、海苔。
 まずはスープを一口、鶏ガラ出汁ベースで最初はあっさり味、嚥下していくと味のコクと深さを感じる、これは好みのスープだ(笑)、醤油の香りも立っている。
 チャーシューは柔らか過ぎず歯応えを残している、豚特有の臭みはない。ワンタンがまた良かった、中身がしっかり詰まっていて皮もスープの中でダレていない、最近食べたワンタンでは「大喜」と双璧だった。

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 麺は中細で縮れは殆どないが、昔ながらのかん水の香りは感じた、歯応えあって喉越しも良好、これも好みの麺だ。
 全体の印象を云うと、昔風の東京下町ラーメンの面影を残しながらも、現代的にリファインされ旨味を増しているラーメンと云う感じだ。フレンチのフォンを摂るテクニックは、スープに生かされていると思う。
 私は東京下町育ちなので、鶏出汁の澄んだスープ、醤油味、細麺のラーメンで育った人間、今回みたいな一杯は、考える前に「自分が旨いと思うのは、この味」と脳が反応してしまう(笑)。
 此処はまた来てみたい、上野~秋葉原間のラーメン店は「粋な一生」「大喜」に続きこの「稲荷屋」とブログで紹介したが、何処も個性を感じさせるいい店だと思う、何故か3店共に昭和通りの東側なのが不思議だが(笑)。

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 帰りにデザート?が欲しくなり、寄ってしまったのが近くのベローチェで、「バナナナッツケーキ」(税込350円)と「ブレンドコーヒーM」(200円)を注文、これ体重が減らない原因(笑)。でもケーキもコーヒーも昔より美味しくなっていると感じた、こうしたコーヒーチェーン業界も競争が激しく、生き残りに必死なのだろうと思う。
 話は戻るが、フレンチ料理人からラーメン店主への変身、そして成功してフランス料理店を出す事を考える、料理人もフレキシブルな行き方が求められる時代になった。日本人は元来「この道一筋何十年」みたいな職人が好きだが、もう時代は変わったと云う事かも知れない。
 私の友人にはラーメン店主でフランス料理フリークと云う人物も居る、フレンチとラーメンの関連性、もう少し研究したいと思う(笑)。


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綾瀬「昔のベトナム」

 昨年末に千代田線綾瀬駅高架下に忽然とベトナム料理店が出現した、その名も「昔のベトナム(VietNamXua)」。ベトナム料理の経験値は殆どないが、不思議な店名と外観に興味を覚え、「一度ランチに行ってみよう」と思っていて、今回近くの整体治療院へ行くついでに寄ってみる事に。

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 店の場所は綾瀬駅東口を出て南側へ向かい、高架に沿って亀有方面へ歩くとすぐ、並びにはブログで紹介した「パティスリーコワン」があり、この店の反対つまり高架下北側にはこれもブログ記事にした「タイレストラン」がある、タイに続いてベトナムと、この一角は何時の間にかアジアになってしまった(笑)。「タイレストラン」の前店舗は靴店、「昔のベトナム」は洋品店だったと思う、日本人経営者が撤退した後に、外国人特にアジア系の人達が営む飲食店になる、これが現在の東京の現実。。

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 店前のディスプレー、どうやら「ベトナムの屋台」をイメージしたみたいだ。
 開店時間の11時過ぎに入店したが、奥では既に女性一人客が、客席は1階がカウンター含め15席位、見ていないが2階にも50席との事、結構キャパシティがある。1階のテーブル席に座った、厨房にはベトナム人らしき男性が2人、店内は女性1人で対応している。

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 ランチメニュー、セットメニューは7種類ある。
「生春巻き」(税別910円)、「チャーハン(910円)」、「パイン・ミー」(925円)、
「チキンカレー」(925円)、「ベトナムの朝」(700円)、「ポークチョップ」(890円)、
「揚げ春巻きビーフン」(790円)。
 ベトナム風キャスクルートとでも云うべきパイン・ミーと迷ったが、初回なので無難そうな「チャーハンセット」を注文する事に。

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 水ではなくジャスミンティー

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 味変の調味料類、タイ料理の「4種の神器」はナンプラー(魚醤)、プリックボン(唐辛子)、ナムソム(酢)、ナムターン(砂糖)だが、この店ではナンプラー、酢、サテ(辛)、チリソース、塩、胡椒で、ベトナム魚醤のニョクマムは置いていなかった。

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 チャーハンセット、内訳は牛肉フォー、チャーハン、揚げ春巻き+サラダ、デザート、フォーは6種類から選べ、今回は牛肉フォーにした。
 フォー(phở)はベトナムが発祥の米粉を使った麺、元は具に水牛肉を使ったらしいが、現在はベトナムでも牛が一般的、さすがは本家の味と云うべきか、まずスープが繊細で美味しい、おそらく牛骨ベースで具の牛肉味も効いているのでは?と感じる、米粉麺は以前好まなかったが、慣れるとこれはこれでいいと思う(笑)。最近の豚骨中心で脂の強い和式ラーメンスープに慣れてしまうと、全体にあっさり味に感じるので、途中で味変アイテムを加えると、変化が出て食べ飽きない。

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 チャーハン、中国料理店のものとは違う、ジャポニカ米使用で具はミックスベジタブルか?ナンプラーかニョクマムを加えていると感じたが、それが味を複雑にしている、上に乗せたのはベトナム風焼き豚みたいだ、全体に原価はかかっていないが結構食べられる(笑)、料理人の腕は確かだと思った。

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 サラダ、揚げ春巻きは「ちくわ」みたいな外観、米粉の皮なのでモチっとした食感。

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 ミニデザート、タピオカミルクにカボチャを加えている。

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 ランチサービスのベトナムコーヒーはセルフで。

 ベトナムランチなかなか美味しかった(笑)、物価の安い足立とは云え、これで千円以内なら納得できる、次はパイン・ミーを試してみたい。
 隣席にはべトナム人と思われる若い男女、意味は判らないながら会話を聴いていると、ベトナム語は中国語に似ているが、もっと語調が柔らかい、大阪と京都言葉の違いみたいな感じだ、そして中国人は相手の話が終わらない内に自分が喋り始めるが、ベトナム人は相手が話し終えてから喋る(笑)、関西で中国系の人と沢山出会ったので余計そう感じた。味は日本人向けにしているだろうが、彼等がやって来るのは故郷の味とそう違っていないのだと思う。
 店内サービスを担当している女性、最初トレーナー姿だったが、何時の間にかベトナムの民族衣装アオザイに着替えていた、これ着るとどんな女性でも(失礼)ベトナム女性に変身する(笑)。かなり前だが、黒柳徹子さんが「外国でのパーティー等に着物姿で出ると、私でもイチコロよ」とたしか話していた、それだけ注目を集め人気になったと云う事だが、民族衣装にはそうした魅力(魔力?)があるようだ(笑)。
 「千円で体験出来るベトナム」、店はそんな印象だった、なかなか面白かったのでまた来てみたいと思う。


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六本木「トレフ・ミヤモト」(2018年3月)

 関西食べ続けから帰り、暫くの間は食べ疲れと膨満感が続いていた、今回フレンチは3店だったが、何処も特濃(笑)だったので蓄積感が大きい、自分の年齢を考えると、もう無理は出来なくなった。それでも東京は訪れたい店がまだまだあるので、引退を宣言するのはもう少し先になりそうだ(笑)。
 3月になり訪れたのは、久し振りになってしまった、六本木の「トレフミヤモト」。前回訪問が2016年12月だから一年以上経っていた、東京は店が多過ぎる、今より頻繁に通うには体力も資力も大幅に足りない(笑)。
 今回は「クラブニュクス時代の宮本氏の料理は知っているが、この店へ行った事がない」と云う、食友人を誘ってのランチだった。
 日曜日の正午、出雲大社東京分祠の対面にある店に着いたら、既に友人も到着していた、店前にあるテラス席の話をしていたら、中からマダムが出て来る、初訪問時と変わらない若々しい笑顔、テーブルコーディネートスクールも開設していて、人あたりの柔らかい方だ。

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 店入口にある鶏のオブジェ、宮本料理長はブレス鶏の名産地近くにある三ツ星店「ジョルジュ・ブラン」で働いていたので、それに因んだ物だと思う。
 入店時は既に2組着席、現在店は宮本夫妻だけで回しているため4卓にしているみたいで、我々の後にも1組入店して全卓が埋まった。
 3種あるランチメニューのうち、中間のものをあらかじめお願いしていた、内容は以下のとおり、

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・アミューズ(左:寒ブリのマリネ、右:レバーパテ・リンゴのコンポート添え)

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・鳥取産猪とフォアグラのテリーヌ、ロワール産白アスパラ、縮緬キャベツ、トマト、赤蕪のピュレ

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・フォアグラのクロメスキ

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・平戸漁港直送 活けじめ天然真鯛のロティ・ソースクリュスタセ、スコットランド産ムール貝、ホタルイカ、モリーユ、

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・千葉県産豚フィレ肉のポワレ グリーンペッパーソース、パースニップのピュレ、小野菜

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・料理に合わせて出た4種のパン、全て自家製

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・マダムセレクションのフランスワイン、プイィ・フィメとル・マルキ・ド・カロン・セギュール

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・ババオーラム、あまおうのソルベ、金柑のコンポート

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・コーヒー

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・ミニャルディーズ

 料理全体の印象から云うと、一皿一皿全て手をかけていて構成要素が多い、何気ないガルニ(付合せ)までキチンと仕事をしている、パンも全種類自家製。これは仕込みに相当時間をかける筈だ、現在ランチ営業は土日祝日のみだが、一人厨房な事を考えるとそれでも負担が大きいと思う。
 フォアグラクロメスキは水戸黄門の印籠的(笑)なスペシャリテ、仕込みから一週間かけるとマダムから説明あったが、この店へ来たら味わいたい一品。
 鯛は長崎平戸から直送の7.5キロの巨大なもの、少し熟成してから調理されたが、鯛と云うよりクエやハタみたいな大型魚の味を感じ、余韻には鯛の風味が残る、これは滅多に出会えない逸品だった。
 同じく熟成してから提供された豚肉は「これ仔牛?」と思うような味わい、グリーンペッパーを使ったソースは最近あまり見なくなったが、一時は大ブームだった。
 デセールやミニャルディーズも手をかけたもの、そして長い時間をかけて集めたと思われる食器やカトラリー、古いタペスリーが架かった店内の雰囲気も何処か懐かしく、フランス料理オールドファンの琴線に触れる(笑)。
 宮本氏の料理には「あの時代」の残照がある、のちにバブルと呼ばれる事になる、1990年前後の日本全体がまるで躁状態に入っていた頃、東京の外食業界が最も華やかで賑わっていた時代を思い出す。フランス料理店は若造が立ち寄れる場所ではなかった、高級店は何処も暗くて秘密クラブめいていた、インテリア等には惜しみなく金を使い、「空間プロデューサー」なる怪しげな職業もあった(笑)。今から思うと日本が一番輝いていた時代、右肩上がりは何時までも続くと、皆がそう思っていた。
 浮き沈みの激しい業界で生き残った宮本氏の料理には、修羅場を潜り抜けて来た静かな凄みを感じる。

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 最後に客席に出て来た宮本氏、前回からの約束だった、「勝どきにあった、お化け屋敷的内装のフランス料理店『クラブニュクス』で、本当に出た霊の話」をしてくれた(笑)、これ詳しく書くと関係者に差し障りがありそうなので、興味のある人は店へ行って直接訊いてください、真面目に怖いので夜は止めた方がいいかも知れませんが(笑)。
 時間が経つのも忘れる、美味しくて楽しい午後になりました、宮本夫妻ありがとうございました。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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