最後の晩餐にはまだ早い


乃木坂「タンモア」(2019年6月)

 先月に引き続いての乃木坂のフランス料理「タンモア」、私はこれが6回目の訪問になるが、他店の料理人から「其処ばかり行かずに、ウチにも来てよ」と思われているのでは?と恐れているが(笑)、そう思われても仕方ない位、今私が注目している店だ。
 今日は上方からの客人、それも此の店を指名して来たリピーターと同行する事に、私が料理人なら、初めて来てくれるのも嬉しいが、再訪問は自分のやっている仕事を認めてもらえた事でもあるので、更に嬉しいと思う筈だ。そして初回に此の店を勧めた私も、自分の評価が間違っていなかったと安堵する、意見を違えず食事の場を楽しめるなら、これに勝るものない(笑)。
 日曜日の昼、赤坂駅で集合して、平日よりはるかに人通りの少ない道を歩いて店まで向かう、店の入ったビルも人の気配が無い(笑)。
 地下の店のドアを開けると、サービスの坪内氏と田中いずみ料理長が迎えてくれる。テーブル席に座り、6月の料理の説明を受けるが、本来は昼ムニュだった筈が、色々とあって結局夜のグランムニュの内容になった、詳しくは以下のとおり。

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アミューズ:ホタテ、メロン

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前菜1:鮎のテリーヌ、アーティチョークのピュレ

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パン2種

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前菜2:新タマネギ、白ツブ貝

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魚料理:鱧、ズッキーニ、サフラン

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肉料理:ブルターニュ産仔牛-リードヴォー、フォアドヴォー、モモ肉のタルタル-、人参、グリーンピース

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チーズ:フロマージュブラン、大根

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デザート:とうもろこしのデクリネゾン、リカール

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ミニャルディーズ(焙じ茶のサブレ)

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金木犀のアンフィ―ジョン

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今月のドリンクペアリング
(右上から時計回りで)シュライブ-ライムとジュニパー-、バラとローズマリー、ピニャコラーダ、ポップコーン

 夏らしいアミューズから始まり、続く鮎のテリーヌで最初の頂点が来る、鮎の身を85%使ったと聞くテリーヌ、変な云い方だがもっと鮎臭いのでは?と思ったが、そこはフランス料理なので、形を整えるための周りのベーコン、ガルニの酸味とアーティショーの微かな苦味を合わせる事により、上手く調和させている。
 2皿目の前菜は旬の淡路産新玉葱の甘味と香りが立っている、3皿目の鱧はセリモナ粉をまぶしてフリット、イタリア料理みたいだが、フランス的なのがクールジェット(ズッキーニ)の花中に鱧の摺身を入れるやり方、かつてロジェ・ヴェルジェやジャック・マキシマン達南仏の料理人が、鶏肉等で使った技法を応用している、ソースの扱いも南仏的だ。今これだけ大胆にソースを「置ける」料理人は珍しい、それも人真似でなくオリジナリティがあると同行者が指摘していたが、同感したい。
 肉料理は料理長が「肉をたっぷり召し上がってもらいたい」との意図あったそうで大盛(笑)、中でもフォア(肝臓)が秀逸だった、特有の血の香りと味があるが、それが存在を際立たせている、フランスではなく日本で、このレベルの物が食べられる時代になったのだと、古い人間は感慨にふけってしまう。ソースもいいが前の魚料理と色合いが被ってしまったので、その点では更に一工夫欲しい処。
 チーズと紹介されたプレデセールは、大根の歯触りが新鮮でいい口直しになる、メインのデセールも見た目、味共によく考えられていて、此の店で過去一番の出来だと思った、デクリネゾン‘declinaison’とは一つの食材を異なる方法で調理し、盛り合わせたものを云う。
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 細部の詰めにまだ少し改善の余地あるが、料理は回を重ねる毎に良くなっていると思う、それは私だけでなく、2回目訪問の同行者も思った筈。流行りの北欧調やインスタ映え狙いのモダン料理とは一線を画しているが、そうかと云って古い料理書そのままの料理とは違い、其処に何とか自分を表現しようとしている、それは味わって感じる事だ。
 食後、我々の席に挨拶に来た田中料理長を交え、色々と話をする、「(順調に経営するには)お客が足りません、一日あと2組は欲しい」と、正直に話すが、夜空の星数ほど増えた東京のフランス料理店の中で生き残るのは、今本当にシビアだ。
 もっと現代的な少量多皿料理にして話題性を持たせ、料理マスコミに持ち上げてもらって有名になるのも、商売としては賢いやり方かも知れない、やって来る客側の「話題の店、予約の取れない店へ行って来た」と自慢したい気持ちも分かる、私もかつてはそうした客の一人だった、批判する訳ではない。
 ただ自分が老境に入った今、食べたいと思うのは、そうした料理ではなくなった。先人たちが築いたものを継承しようとしている料理人、この「タンモア」の料理人もその一人だと思いたいが、例え少数派でもこうした店を応援する客で居たいものだ。
 田中料理長、サービスの坪内さん、お気遣いありがとうございました(笑)。


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お花茶屋「タルトレット ドウゼン(Tartelette Dozen)」

 地元のブログ仲間に教えてもらったのが、今回紹介する「タルトレット ドウゼン(Tartelette Dozen)」で、JR亀有駅と京成お花茶屋駅の中程に、昨年11月にオープンしたパティスリー。食べログでは亀有、Rettyではお花茶屋エリアに入れているが、駅は後者の方が近いので、ブログ表記もお花茶屋にした。
 住所は葛飾区白鳥、足立区内の大谷田~東和の「葛西用水親水水路」が、道を南下し葛飾区に入ると「曳舟川親水公園」になる、此の途中にあるプラネタリウムが特徴的な「葛飾区郷土と天文の博物館」の近く。その博物館の前に銅像と説明板があるが、江戸時代はこの辺り将軍家の鷹狩り場だったそうだ。もう少し南の現在は江戸川区の地で、将軍徳川吉宗が鷹狩りの途中寄った神社で出た青菜汁に感心し、小松川村の地名に因んで「小松菜」と命名したと云うのは、割と知られた伝承だが真偽は不明(笑)。
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 白地にオレンジ色の線を引き、店名をロゴタイプした目立つ外観、店自体はそう大きくない、パティスリーにしては少し変わった造りで、後で知ったのだが、元々は現店主の祖父がやっていた理髪店兼住居を改装した物件との事。店主は道善康平氏で、都内パティスリーで働いていたが独立開業するにあたり、祖父の店舗を譲り受けたそうだ。
 店名のTarteletteの~letteは「小さなもの」を表す、つまり「小さなタルト」だが、「小さな店」の意味も持たせているのではと思う。
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 店前の装飾に店主の若いセンスが感じられる(笑)。
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 入店すると、すぐそこはパティスリーの顔である陳列ケース(店内撮影の承諾は受けています)、上には焼き菓子等を置いている。
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 土日だけパンも焼いているそうだ、クロワッサン150円は安いと思う。店内は若い男性2人で、髭を生やした人が店主の道善氏、販売も担当している。
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 来店者にはレモネードの提供サービスがある、何気ないが嬉しいものだ。
 初回なので素直にお勧めに従い、買ったのは以下のとおり、

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・フルーツタルト(苺)(税別450円)
 下はタルト生地、上にクレームパティシェールとクレームシャンティ、質のいい苺を載せている、全体の味バランス良好で、見た目もいいし「映える」出来だ(笑)。

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・レモンタルト(400円)
 店の看板商品みたいだ、パイ生地の上にレモンカード、その上にメレンゲで微かに焦げ目を付けている。夏向けの爽やかな味わいだが、個人的には何かもう一捻り欲しい気もした、セルフィユは要らないのでは?

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・焼きレアチーズタルト(400円)
 「当店一番人気商品」との事で、たしかに納得の美味しさ、チーズ3種とクレームパティシェールを合わせてあるそうだ、個人的に最も気に入った一品。

 全体的に作りは小さめ、これは店名のとおりだが、此の店を教えてくれた人も指摘していたが、原材料が値上がる中で販売価格を抑えたいと云う意向もあるのでは?と思う、下町地区なので値段は結構重要な要素だ。
 一回目で気に入ったので、二週間後に再訪問する事に、店主は私の事を覚えていて、何処に住んで居て、どんな話をしたか等忘れてなかった、料理人&パティシェの方は仕事柄か、概ね皆さん記憶力いいが、さすがだ。
 二回目購入は以下のとおり、スポンジケーキも売っているが、ついタルトを選んでしまう。

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・ショコラタルト(390円)
 箱から出した際に上のクリームが欠けてしまった、クーベルチュールを2種類使っていて、コクがありながらも分かり易い味。

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・アマンディーヌタルト(400円)
 タルト生地の上にベリーのコンフィチュールとマシュマロ、全体は甘酸っぱい初恋の味?(笑)、今回はこれが一番か。

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・リンゴタルト(390円)
 練りパイ生地にシナモンとナツメグ、アーモンドクリームとキャラメリゼしたリンゴを加えたと説明あり、クラシックでどっしりとした味わい、伝統的な作り方だが好みのタイプ。

 全体的に使っている素材も仕上がりもいいと思う、電車に乗って遠くから買いに来る店ではなく、地域共存型の店だと思うので、あとは知名度を上げてどう周りに受け入れられて行くかだろう。
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 店へ行く時の目印になるプラネタリウムの丸い屋根。
 急激な少子高齢化の影響か、街場のパティスリーは減少傾向にあり、地元でも此処数年内に2店閉めてしまった、知人のパティシェは業界の先輩から「今はパティスリーやるより、コインランドリーの方が儲かるよ」と云われたそうだが(笑)、真理を突いているのかも知れない。個人店は長続きしてもらいたい、そう思うのでこれから応援したい店だ。


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小川町「ZeCT(ゼクト)byLm(バイエルム)」(2019年6月)

 或る朝、FBのニュースフィールドを見ていたら、小川町のカウンターイタリアン「ZeCT ByLm(ゼクト・バイエルム)」のページに、「6月10日(月)〜20日(木)まで イタリア研修・買出しの為休ませていただきます」との案内があった。
 今年1月に訪れて以来で、「背徳?のパスタランチにそろそろ行きたい」と思っていただけに、休み前の今日行こうと急に決行する事に。何故「背徳」なのかは、平日限定のパスタランチが値段を考えると内容が破壊的で、味わっていると「今、この時間に働いている人達に申し訳ない」との罪悪感にかられるからだが、それでも行く(笑)。
 今年3月から地下鉄千代田線のダイヤが変わり、始発から座って新御茶ノ水駅まで直通で行けるのはありがたい、店は淡路町駅に近く駅構内は少し歩くが、この位なら許せる距離。
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 11時の開店時間直後に一番乗り客で入店、藤枝料理長に挨拶しカウンター席に着く。
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 一応ランチメニューを見るが、此処へ来たらパスタ5種&サラダ・ドルチェ・ドリンクが含まれる、税込2,000円のCランチを注文しないでどうする?(笑)。
 此の日の内容は以下のとおり、

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・生姜風味のグリーンサラダ

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・ホロホロ豚肉と青菜のカレー風味(スパゲッティーニ)

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・水で通そうと思ったが一杯位は飲みたくなる、適当に頼んだ白の‘Baron de L’Enclos2016’は、イタリアでなくフランス・ガスコーニュ産だった(グラス550円)。

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・温玉とソーセージの冷製バジルソース(スパゲッティーニ)

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・手打ちレジネッタのグリーンカレーソース

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・明太子と葱のソース(カッペリーニ?)

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・定番のベーコンとトマトソース(スパゲッティーニ)

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・台湾味噌をつかった「台湾光麺」

 一皿目の「ホロホロ豚肉と青菜のカレー風味」からメイン料理みたいで、「来たな」と思わせるもの、これが「本日のパスタ」で、単品だと80~150gまで選べてドリンクが付いて1,000円、サラダと小さいドルチェを加えても1,300円だから安いと思う。それでも藤枝氏は「この辺り(小川町周辺)のランチ事情は甘くない」と云っていた、振り返れば私も現役時代、日常勤務時の昼飯はまず千円以内だった、此の店の並びには380円の持ち帰り丼を売る店もある(笑)。
 二皿目からは食べるのが早い私に合わせ、「わんこそば」みたいに次々と出て来る、夏向けの冷製バジルは爽やかな一品、三皿目の手打ち麺は此の店のスペシャリテみたいで、パスタ向けに味を濃くした、オリジナルのグリーンカレーソースが後を引く、「レジネッタ」は平打ちパスタで両側にヒラヒラがある、言葉の意味は「(若い)女王様」だそうで、ドレスのフリル飾りから連想した命名らしい、「女王様」に変な反応しない事(笑)。
 四皿目は和風な明太子パスタ、これ自分でも作るのだが、もっと味がしつこくなってしまう、つい藤枝氏に「ブロードを使っていますか?」と訊いたら、出汁系は使わず代わりにある物を加えているそうだ、成程私も真似してみようと思った、気になる人は店へ行って尋ねてみてください。
 五皿目は定番のトマトソースで、これも家庭で作るのとは段違いに味が深い、トマトソースは焼き鳥のタレみたいに、開店以来継ぎ足しで作っているとの事で、藤枝氏によるとソースが金色になって行くそうだ、プロのテクニック。
 一応此処までがCランチのデフォルトで、食べ終わったら藤枝氏が「まだいけますか?」と聞くので、「もう一皿なら」と応えたら、出てきたのが、ガラリと趣向を変えた六皿(杯)目の「台湾光麺」、台湾味噌だけを使ったペペロンチーノみたいな一品、麺も特注品らしく秀逸な締めの一品、イタリア人はどう思うか分からないが、日本人でこの味が嫌いな人は居ないと思う。藤枝氏はラーメン店で働いていたので、こうした発想が出る。
 サービスの女性が「七皿目はいいですか?」と聞くが、さすがにこの時点でギブアップ(笑)、全6皿でおそらく300g位だと思う、麺はお腹に貯まる。でも店の最強記録は500g超だそうで、どの世界にも上には上が存在するものだ。

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・抹茶のパンナコッタ

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・エスプレッソ

 此処迄で1時間と少し、早食いはいけないと常々思っているが、どうもこの店へ来ると普段より更にスピードが上がってしまう(笑)、気が付けば店内は満席に、食後ゆっくり時間を過ごす店ではないのでこの辺りで退出、今日も背徳感に溢れていた。何時か夜メニューも体験したいし、毎週土曜昼に開催している特別営業で提供している特製ラーメンも食べてみたい。
 明日からは本気出して糖質制限しようと思った(笑)、藤枝料理長気をつけて行って来てください、フィレンツェの土産話が楽しみです。


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東綾瀬「割烹・饂飩 あかつき」

 以前にも書いた事だが、ブログでの地元店紹介はアクセス数が上がらない傾向がある、東京でも周辺区なので、「此の店へ行ってみよう」とは、なかなか思わないだろう、私が大田区や世田谷区の店へ滅多に行かないのと同じだ(笑)。
 それでも地元の店を紹介するのは、何と云っても応援する意味が大きい、個人経営の飲食店は減少傾向にあり、気が付いたら街中は大手格安チェーンと外国人経営の店ばかり増えている。そんな中で頑張っている個人店は、何とか続いて欲しいと願ってしまう、今回紹介するのも、そうした店だ。
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 店の名前は「割烹・饂飩 あかつき」、住所は足立区東綾瀬2丁目、記事最後に貰った店案内の地図画像を載せておくが、判り難い場所に在る、千代田線綾瀬駅から10分は歩くし、店の周りには公園と団地位しかない。近くにはブログで紹介した「コシジ洋菓子店」が在る位で、昔はそれなりに賑わっていたみたいだが、今は営業している店も減り寂しい商店街中の一店。
 2015年12月に開業、饂飩をメインにする和食店で以前から気になっていた、店内の様子が外から分からず、入り難い雰囲気もあったが、平日の或る日思い切って行ってみる事に。
 白木を多く使った店内は新しい、カウンター、テーブル、畳敷きの小上がりに分かれていて18席位か、中年男性店主と女性の二人で店を回している。この女性が独特の日本語を話すので、外国人従業員?と思ったらフィリピンの人で、店主の奥様みたいだ、そう云われて見ればルビー・モレノさんに似ていなくもない(笑)。
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 カウンター席に座る、ランチメニューは数種あるが、初回なので無難に「日替りランチ」(税別900円)を注文。
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 内容はチキンステーキトマトソースに、小饂飩、小鉢、ご飯、漬物。味は予想以上に良かった、特に手打ちの饂飩と出汁は結構本格派。讃岐系とは違うと思う京都・大阪に近い少し柔らか目の手打饂飩、つゆは薄口醤油ベースの関西風で味に奥行きがある。
 此の日はスマホしかなかったので、次はカメラを持ってブログの取材?に来ようと思った、その後ネットで調べたら、店を紹介するyoutube動画を見つけた。
 なかなかクールな動画だが、これ見ると店主は蓮見暁さんと云う方で、店名は名前から取ったらしく、麺職人ではなく和食出身者では?と思う、「二代目和の鉄人」に雰囲気が少し似ている(笑)。

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 2週間後にカメラを持ってランチ再訪問、日替りは「若鶏と豆腐のオイスターソース炒め」で、どうやら曜日ごとに使う食材を決め、水曜は鶏肉みたいだ。
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 豆腐は片栗粉をまぶし揚げてから炒めてある、オイスターソースがベースで出汁も加えてあり、優しく和食的な味だ。
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 これが主役の「かけうどん」、出汁のベースは昆布、あとはイリコか黴付けしていない鰹節か?上品な中にしっかりした味わいある。
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 ランチは食後にコーヒーが付く。
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 夜の一品料理には「番外編」として、フィリピン料理の「チキンアドボー」が載っていた、たぶん奥様が作るのだろう。
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 メイン営業は飲み物の出る夜だと思うが、昼でも結構客が来ている、周りには飲食店が殆ど無いので、地域のオアシス的存在か。

 さらに2週間後に再々訪問、此の日は予約客も居て満席、たぶん主人の母親ではと思う年配女性が手伝っていた、日替りは「若鶏の磯辺揚げ 香味野菜サラダのせ」。
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 主人一人で饂飩を茹で料理を作るので、混んで来ると大変そうだ、青海苔を使った衣で鶏肉を揚げ生野菜と合わせ、醤油味のドレッシングで和えてある。
 相当実績ある料理人だろう、忙しくても料理が雑にならない、奥様も「お待たせしてすいません」と謝っていたが、美味しければ無問題です(笑)。
 地元でこれだけレベルの高い饂飩を食べられるとは思わなかった、今迄行かなかった事を後悔する(笑)。夜は「うどん会席」が(税別3,780円)で、「うどん鋤鍋コース」(4,320円)もある、また昼でも事前予約でランチコース(3,780円)注文も可能だそうだ。
 最近、「今日の昼なに食べよう?」と思う時は、以前より麺類が多くなっている、加齢による嚥下力低下かも知れないが、此の店は続いてくれたら、老後の楽しみの一つになりそうだ、たとえ2000万円持たなくても、月一位なら何とか通えると思う(笑)。
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 店の地図、東綾瀬公園、東綾瀬小学校の近くに在る。

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御茶ノ水「ビストロ・ヌー」(2019年5月)

 御茶ノ水「ビストロ・ヌー」の磯貝料理長が、神田明神祭りで神輿を担ぐ勇壮?な姿をFB動画で見て、祭りは終わってしまったが、「そうだランチへ行こう」と思いついた。東京は二年に一度の神田明神祭と、毎年開催の浅草三社祭が終わると梅雨入り、その後一気に夏の気配になる。祭り好きの磯貝氏、本来営業日の日曜には、店を休んで一家総出で神輿担ぎに参加したそうだ(笑)。
 我家からは気楽に行ける場所と値段の店なので、季節毎の年4回位は訪れたいが、諸事情?により去年12月以来になってしまった。
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 初夏の日差しの中、開店時間直後に入店するが、私の前には先客の二人組が着席。この後も予約客を含め次々と来客があり、13時頃には満席に近くなる。5月の連休以降客入りは好調みたいだ、場所柄からか男性客が多いのも特徴、ただ昼休み中に来たという感じで、アルコールが出ている席は見なかったが。
 磯貝氏とサービス担当の奥様に挨拶し、いつものカウンター端席に座らせてもらう。
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 ランチメニューは、前菜+メインのプリフィクス1,250円(税別、+料金の品あり)の他に、2,500円(Menu du jour)と3,500円(Menu du saison)2種のメニューがあり、2,500円の方をお願いする事にした。内容は全て料理人のおまかせ。

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・アルザス‘Veilleur de Nuit’リースリング2014(グラス:税別880円)

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・自家製パン

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・ヴィシソワーズ(冷製)

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・鰹のマリネ、アスペルジュソヴァージュ

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・表面を炙った鮎のコンフィ、ラタトゥイユ、肝のソース

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・仏ヴァンデ産マグレ鴨のロースト

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・赤い果物のスープ、ヴァニラアイス、マカロン

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・コーヒー

 やはり夏を意識した内容だった、まず今年初のヴィシソワーズは嬉しい、粗目に濾してあり野菜の繊維を感じるが、それが旨味になっている、これは洗練され過ぎては美味しくないと思う。旬の下り鰹は「タタキ」の要領で表面だけ加熱、アスペルジュソヴァージュと合わせたが、面白い相性を感じた。
 続く肝の苦味を生かした鮎コンフィは、此の日最も印象に残る皿、鮎のフィレ身を耐熱フィルムパックの中で油と共に加熱、仕上げにバーナーで皮目を炙ったものだが、下に敷いたラタトゥイユと、鮎肝を使ったソースが絡んで新鮮な味わい。日本のフレンチで鮎を使うのは珍しくなくなったが、正直云って感心する料理は少ない、これは上手くまとめているなと思った。
 マグレ鴨(フォアグラを取り出した鴨)ロティは流行りの低温調理ではなく、皮目を強く焼き余熱で身を火入れする伝統のやり方で、個人的には好みの味わい、ソースのベースはフォン・ドヴォー、野菜の扱いもいい。
 デセールには磯貝夫妻の長女が大好きな自家製マカロンが乗っていた、サービスみたいで嬉しい(笑)。

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 トイレに飾ってあった、製菓出身の奥様が作ったマジパン製の新郎新婦?磯貝夫妻か(笑)。
 2011年東日本大震災の年に、母親が営業していた喫茶店を改装して始まった此の店、私が初めて訪れたのは2013年1月、それから6年が過ぎて、店の外観や内装は殆ど変わっていないが、当時独身だった磯貝氏は結婚し、続いて長女・長男が誕生、立派なお父さんになった(笑)。
 最近客入りは好調みたいで、以前から磯貝料理を支持していた私は嬉しくもなるが、人気店になると改装や移転で高級感を出し値段を上げ、対象にする客まで代えようとする店もありがちだ、その辺りが気になって、磯貝氏に「店はこのまま続けていくつもりですか?」と訊いてみたら、「今の価格帯は変えたくないし、ミシュランに載ると祭りの日に休んだら、何云われるか分からないから」との応えで(笑)、その点は安心してよさそうだ。
 店名の‘nous’は英語なら‘we us’「私たちの(ビストロ)」なので、このまま店名のとおり、小遣いの少ない私達の店で居て欲しい、そう願ってしまう(笑)。
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 お子さんが二人共就学前なので、奥様が店に出るのは昼中心みたいだが、二人揃うととても似合う美形のいい夫妻だなと思う。従業員不足、原材料高騰、大手格安チェーンや外国人経営店との競争等々、個人経営店には厳しい現状が続いている、独立しようとする若者も減っているが、こうした素敵な家族が営む店がある事も知って欲しい。 
 この店に加えて「ビストロ ルミエル」「ビストロ コティディアン」「グリグリ」、大阪「パパノエル」、札幌「プロヴァンサル・キムラ」等、私の好きなフランス料理店には素敵な夫妻が居る、結局「料理は人」なのだなと、あらためて思ってしまう。いい料理を提供するのが全ていい人間だとは云い切れないが、いい人間が提供するのは概ねいい料理だと、経験上そう思う(笑)


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東京都美術館「クリムト展」~仲御徒町「L'ambiance douce」

 今から30年前の1989年、池袋にあったセゾン美術館の開館記念展「ウィーン世紀末 クリムト、シーレとその時代」は、今でも記憶に残る名品を揃えた展覧会だった。広くはない館内を有効に使ったキューレーターのセンスも優れていたが、何より展示品が凄かった、クリムト、シーレの代表作を中心に、建築&デザインのオットー・ワグナー、ヨーゼフ・ホフマン等、それ迄フランス美術重視の日本ではあまり知られていなかった、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンで活躍した傑出した才能達の作品が一堂に会し、当時飛ぶ鳥を落とす勢いのセゾングループの威光、此処に極まると云う印象だった(笑)。
 この後日本は「失われた20年」に突入、セゾングル-プも停滞後解体し、美術館は1999年に閉館、同地は現在「無印良品」になっている。
 今年、おそらくこの時以来になる、大規模なウィーン世紀末の企画展が二箇所で開催されている、新国立美術館の「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道展」と、東京都美術館における「クリムト展 ウィーンと日本1900」で、出来れば両方観たいが、此の日はまず後者に出かける事にした。
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 平日の開館時間直後だから空いているのでは?と思ったが、見込み甘かった(笑)。年配者(自分もそうだが)が次々とやって来る、館内の作品前には大体2重の人列、全部をしっかり観ていたら疲れそうなので、早足で一周して重要作品だけ集中して観る事に。1989年にも来ていた代表作の「ユディト1」はやはりいい、ダ・ヴィンチが描く女性像が中性的で神々しく手の届かない存在なら、こちらは15センチ前で息をしている生身の女性、匂いや体温まで感じられそう、この絵だけでも来る価値あると思った。

 観覧後、何処かで昼を食べようと思ったが、上野駅界隈では惹かれる店がない、少し歩くが、仲御徒町駅へ向かって昭和通り東側のビストロ「L'ambiance douce(ランビアンス ドゥース)」の、予約を取らないランチを狙い行ってみる事にした。
 11時半開店なので途中のアメ横で買い物し、時間を潰しながらゆっくり歩く、店前に着いたらちょうど開店時間だった。
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 口開け一番乗りで入店、此の店では初めてテーブル席に座った。以前は料理人の他に若いイケメンのサービス担当が居たが、半年位前から料理人一人でやっているとの事、今ワンオペは珍しくないが、此の店はテーブル席が多いので大変だろうと思う。
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 2017年11月の開業、店内は新店のピカピカした処がなくなり、ビストロらしい雰囲気になって来た。
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 ランチメニューは5種類、全て税込1,000円と云う思い切った値段。一人でやっているので、一部割増料金にして釣り銭渡す手間も惜しいのだろう、こうした店では客は千円札を用意すべきだ(笑)。
 過去2回ランチ利用し、「豚肩ロース」「ステックアッシュ」と続いたので、今回は一つ飛ぶが「豚舌のソテー マスタードソース」に決めた。

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 まずはサラダ、葉先の傷んだ部分は省き手で丁寧に切ってあり、ヴィネグレットの味わいもいい、何気ないものだが手を抜いていない。

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 自家製パン、店主が働いていたと聞く、本郷「ビストロ・アバ」譲りのもの。

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 やって来ました「豚舌のソテー マスタードソース」、まず量が多いのは嬉しい(笑)。下煮した豚舌をソテーしたものだと思うが、中の柔らかさと表面のカリッとした食感がいい、下に敷いたポム・ド・ピュレも雑でなく、粒マスタードの酸味が全体を締めていて食べ飽きない。

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 同行者の注文は「サーモンとほうれん草のキッシュ」、これも量が多いし旨そうだった(笑)。

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 WEB情報によると、オーナー料理人は脱サラしてこの世界に入り、都内のビストロ数店で学んだ後に独立開業したと聞く、そうした経歴の持ち主だと何処かに素人臭さが出る事もあるが、少なくともランチメニューに関しては全く感じない。フランス人に食べさせても、きっと「これはフランスのビストロ料理だ」と思う筈、そして「信じられない位に安い」とも云うだろう、フランスで1,000円なら8.3ユーロ、中級ホテルの朝食も難しい値段だ(笑)。
 人手不足対策と客回転を早めるため、平日はコーヒーやデザートの提供はないが、それも納得できる内容、食べ終わってコーヒー飲みたければ場所変えた方がいい(笑)。

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 そう云う訳で、食後は昭和通りを渡った先にあるドトールへ、前回、前々回利用時と行動が全く同じだ(笑)。「ブレンドコーヒーS」(税込220円)と「キャラメルタルト」(420円)を購入、このタルトなかなか美味しかった(笑)。自社製造ではないだろうが、こうしたコーヒーショップのスイーツ類のレベルも上がって来ている、個人商店には脅威だ。
 食事とデザートで場所は変わったが、合計1,660円で充実したランチになった(笑)。都内でも指折りの質量備わった格安フレンチランチ、現在原材料が値上がりしているので厳しい現状と思うが、このまま続いて欲しい、いい店だ。

※「クリムト展」は、7月10日(水)まで東京都美術館で開催中、その後7月23日(火)から10月14日(月)まで、愛知県豊田市美術館で開催されます。


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竹ノ塚「羊記」

 今回紹介する店を知ったのは、ケーブルテレビ地域番組内での飲食店レポで、何より面白いと思ったのは、羊肉料理に特化した中国料理店だったからだ、我家から自転車では結構距離はあるが、往復すれば摂取したカロリーの消費にもなると思い(笑)、天気のいい日に訪れる事に。
 店の名前は「羊記(ようき)」、場所は東武スカイツリーライン竹ノ塚駅東口至近。国道4号線(旧:日光街道)から竹ノ塚駅へ向かう「けやき大通り」を直進、駅のすぐ手前の交差点を左折すると駐車場がありその前に店は在る。
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 貸金業、ダーツバー、焼肉店等入った少し怪しげな雑居ビルの1階で、WEB情報では以前定食500円台からの格安大陸系中華だったが、今年3月にリニューアルして羊肉料理店になったそうだ。
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 昼開店時間の11時直後に入店する、入口の黒板にはランチメニューが列記してある、日本で使う漢字やカナに間違いは無く、経営には日本人が関わっているかも知れない。昼は羊肉料理だけでなく、麻婆茄子やエビチリ等一般的な中華メニューも提供している。
 入店したらTVにも出ていた、若い頃の葉月里緒奈さんに少し似た店内担当の女性が、2人掛けの椅子に案内してくれた、話し方から中国の人だろう。
 料理を選ぶが、麺が食べたい気分だったので、「ラム肉担々麺+ラム肉とキャベツ入り餃子」(税別880円)かな?と思ったが、その上に書いてある「魚羊麺」の文字が気になった、この女性に「この魚羊麺はどういうものですか?」と訊いたら、「魚と羊で取ったスープの麺です」と字そのままの答えで、これは質問が抽象的過ぎた(笑)、まあ此処はチャレンジしてみようとお願いする事に。
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 一品料理の菜単だが、一応料理ジャンルは「四川」みたいで、ラム肉料理は種類豊富、昼でも注文可能みたいだ。
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 これにも惹かれた。

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 やって来た「魚羊麺」、清湯系で具は香辛料で煮た羊肉と茹で卵、青菜、香菜にモヤシ。スープを一口啜ると微かに羊と魚介の香りが来る、味は意外と上品で、無理に分類するなら日本のタンメンに近いか?淡く優しいが最後に中国的パンチ(香料)がやって来る、冬なら身体が温まりそうだ。麺は私の好みからすると柔らか目、大陸系中華は概ね麺を柔らかく茹でるが、彼・彼女達の好みなのかも。

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 ランチ定食に付くザーサイとサラダ、これは普通でした。

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 少し遅れて来たラム肉とキャベツ入り餃子3個、皮は厚めでサイズはそれ程大きくない、そのままで食べてみるが、中から羊肉の香りと味、出来は良好、黒酢と醤油を少量付けるとさらに味わいが増す。
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 厨房内が見えるが、料理人は2人で1人は女性、どちらかが点心専門の厨師だろう。
 支払いは950円、他の大陸系中華と比べると高めだが、羊肉料理は珍しいし内容も満足、また来てみたいと思った。
 そして2週間後に再訪問をする事に、年中無休店なので交替制勤務らしく、此の日は葉月里緒奈さんが居なくて、割と体格のいい中国人女性が店内を担当していた。

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 此の日の注文は、「ラム肉小籠包(5個)+ラムスープ+半五目チャーハン」(税別780円)にしてみた、前回餃子が良かったので、今回は小籠包狙いだった。
 小籠包の造りは丁寧で蒸しも問題ない、包んだ皮の端を破ると、中から羊の香りの肉汁が滲み出してくる、私自身は中国料理の経験値が深い訳ではないが、それでも過去食べた小籠包中では上位に置きたい出来だった。大陸系中華では炊飯器チャーハンに出会う事あるが、これは鍋で炒めてあり油の香りが回っている、シンプルだが美味しかった。
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 続けて2回行った印象では、此の店では麺類より点心系を選んだ方が良さそうと思った、その点心の菜単を見ていたら、「ラム肉入りフライパン(2個380円)」なる不思議な名前の点心あり(笑)、「羊肉餡餅」を和訳したみたいだが、ちょっと興味を惹かれた。「ラム肉焼売(3個450円)も食べてみたいし、また来たい店だ。
 従業員や後継者不足により日本人の飲食店経営者が撤退した後に、こうした大陸系中国料理やインド・ネパール料理が増えて行くのは、もう時代の必然なのだろう、寂しい事でもあるが、競争原理が働いて安くて旨い物が食べられるのなら、一消費者としては嬉しいと云う、複雑な気持ちにもなってしまう。


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乃木坂「タンモア」(2019年5月)

 長くブログを続けていると記事にする店も限られてくる、外すのが嫌で冒険をしなくなったと思う、最近は料理画像だけ見て「此の店は駄目だな」と行く前に判断してしまう、期待して行って外れた店は記事を書くのが難しいからで、自分が美味しくないと思った店は載せたくない。文章もマンネリ気味で己の限界も感じているが、それでも続けていて良かったなと思えるのは、拙文を読んだ方から励ましの言葉を貰ったり、実際にお会い出来たりする事で、此の日は偶然にもその嬉しい出来事が重なる日になった(笑)。
 まずはブログとFBを通じて知り合った地元の方に、「乃木坂のタンモアに行きませんか?」と誘ったのが始まり、私と同じく古典料理好きと睨んだからで、応援している若い女性料理人の料理をどう思うか、意見を聞きたかったからだ。
 千代田線赤坂駅近くで集合し歩いて店まで向かう、平日の昼時はOL&サラリーマンがランチ行脚しているが、土日は歩いている人達が違い、青山や広尾・六本木辺りと比べると年齢層は高めに感じる。
 予約時間の12時に到着、サービス担当の坪内氏が扉を開け迎えてくれる。入居しているビルが暗い印象なので、此の店の白く明るい店内はオアシスに到着したような感覚、また昔話になるが、1980~90年代のフランス料理店は昼でもやたら暗かった(笑)。
 座っていると入店して来た女性客に挨拶された、此の店に初めて来た時に隣席に居た方、田中料理長の関係者で此の店の応援団長的存在、そうなると私は副団長か?(笑)。
 月替わり5月のランチメニューは以下のとおり、

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・ジビエのアミューズ(エゾ鹿の燻製とビスキュイサンド)

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・鰹とソッカのミルクレープ(酸味のあるレモンバターソース)

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・カサゴのバリグール風

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・仏産カエルのムニエル、エスカルゴのラビオリ、土の香のガルニチュール

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・同行者が選んだ、ピレネー産乳飲み仔羊、パプリカ、豆鼓

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・この日のドリンクペアリング(時計回りに)
1バジル、ジンジャーエール 2ジャスミンティー、ライチ 
3パプリカ、オレンジ、グレナデン 4甘酒ミルクセーキ

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・パン2種

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・シェーブル、蜂蜜、奈良漬け(ランチメニューには含まれない)

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・日本の酒の共演
 九重桜みりんのジュレ、甘酒のエスプーマ、梅酒のソルベ

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・ミニャルディーズ(ショコラヌガー?)

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・エスプレッソ

 選べる肉料理が乳飲み仔羊かグルヌイユ(蛙)、アミューズにいきなり鹿の燻製が出て来るあたりが、この料理人のリスクを恐れないアグレッシブな処だと思う。
 前菜のソッカとはひよこ豆(ガルバンゾ)で作る南仏版のガレットで、これを生の鰹身と層にして酸味のあるソースで食べる凝った皿、作りは良かったが若干ソースの酸味が強過ぎる気もした、反面課題?のパンチある料理にもなっていたが(笑)。
 魚料理の「バリグール」も南仏発祥の料理、ア-ティチョークを入れるのが基本で、田中料理長はこれをソースに使い、主菜のカサゴは皮目をかなり強く火入れしている、低温調理が流行る中、あえて反旗を翻したみたいな料理(笑)、個人的には好きな火入れだ。
 そして期待していたのがグルヌイユ、スープの浮き身等は別にすると、完結した一皿としては、2000年に訪れた仏ソーリューの「ラ・コート・ドール」(現:ベルナール・ロワゾー)以来だと思う。使ったのはラングドック産だそうで、皿上に「沼地で遊ぶ蛙達」をイメージしたとの説明。最上の食材を使える三ツ星店と比べては酷だし、値段を考慮すればいい構成だったと思う、味もデザインも良好、ただこうして画像を見ると黒い皿ではない方が、ビジュアル的狙いが明確になったのでは?とも思った。
 シェーブル&奈良漬は本来のランチメニューにはないが、何故か出て来た(笑)、メニューの中にチーズやチーズを使ったデセールを入れるのはフランス的だ、奈良漬との組合せは面白い。
 料理長は個人的にスイーツが得意でないそうだが、それを逆手に取ったみたいな酒類を使ったデセールも印象的、オリジナリティがあって、成程こうしたやり方もあったのかと感心する。
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 昨年9月にオープン、私は11月に初訪問し、以降これが5回目と云う早いペースだが、料理は回を追う毎に良くなっていると思う、客として料理人が上昇している途中、その尻尾に掴まっている時期が一番面白い(笑)、ベテラン料理人が十年二十年と同じ料理を出し続ける店の良さは否定しないが、今の私は自分が老化した分、若い世代の成長を後押ししたいと思ってしまう。
 食後、そろそろ引き上げようかなと思っていた頃、隣卓の妙齢女性に挨拶された、この方有名なブロガーさんで、私達の話が耳に入いり「この人、あのブロガーだ」と思ったそうだ(笑)、だいぶ前からお互いを知っているが会うのは初めてと云う、ブログ仲間ならではの邂逅、本日二人目の出会いになった(笑)。
 レストランは人と人が出会える場所、デリバリーもいいが、こうして足を運ぶと思わぬ出会いが待っている事がある、「フランス料理は難しい」と思っている人も、一度出かけてみては如何?特にこの店は怖そうでマッチョな男性シェフも居ないから(笑)、場慣れしていない初心者でも寛げる筈だ。
 怖そうでマッチョな料理人の方、失礼しました。


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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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