最後の晩餐にはまだ早い


内幸町「かつ吉 日比谷国際ビル店」

 昨年9月に日本橋高島屋S.C内に移転オープンした「かつ吉日本橋」をブログ記事で取り上げたが、印象が良かったので同じグループ内の日比谷国際ビル店が気になった。グループのWEBページ内の文章を引用させてもらうが、
『戦後間もない昭和30年代内幸町に「かつ吉」の創業者故吉田吉之助が開いた洋食店「はとや」がございました。その後ビルの建て替えで移転となり、業態を替え『かつ吉』となりました。内幸町は弊社の出発地です。日比谷国際ビル(三菱地所)様より誘致のお話をいただき、平成26年4月、約60年の時を経て、再びこの地にお店を出店させていただく運びとなりました。』とある。
 日本橋店と一番違うのは営業時間で、あちらは高島屋の休館日以外は年中無休だが、ビジネス街にある日比谷店は土日祝が定休、料理や店内がどう違うのか知りたくなり、私には珍しく銀座へ出掛ける時に訪れる事にした。

     190929-1_20190925195755153.jpg
 店の場所は千代田区内幸町、日比谷公園・公会堂の並びで、1973年迄日本放送協会(NHK)が在った場所、NHKが渋谷へ移転後「日比谷シティ」として再開発され、その中の一つ日比谷国際ビルの地下1階に店舗がある。
 正午前だったので、店前で持ち帰り弁当を並べているのが、まず日本橋店と違う点、店の入口は気楽に入れそうな雰囲気ある。
 開店時間直後に入店、「椅子席、カウンターどちらでも」と女性店員に云われたが、一番奥で落ち着きそうなカウンター席に座る事に。
        190929-2_201909251957541fd.jpg
 ランチメニュー、内容は日本橋店と違い「ロースかつ」「ヒレかつ」が含まれていて、値段も少し安い。
     190929-3_20190925195752214.jpg
 ランチメニュー以外の通常とんかつのメニュー、こちらも日本橋店より1~2割安い。
 店へ向かう迄は「ロースかつ」を食べて、日本橋店と比較するつもりだったが、ビル内の雰囲気からサラリーマン時代を思い出して(笑)気が変わり、通常のランチメニューから「三味盛り(豚メンチカツ、海老かつ、かにクリームコロッケ)」(税込1,680円)を注文する事にした。
        190929-4_20190925195751f28.jpg
 卓上の調味料、日本橋店と違い、とんかつソースとドレッシングは磁器製の容器に入れている。
     190929-5_20190925195749ec1.jpg
 古陶磁や古民具を飾っているのは、かつ吉グループ共通、此の店は地下に在るので、天井が低いせいか、水道橋店と雰囲気が似ている。
        190929-6_20190925195748795.jpg
 これもかつ吉共通の山盛りサラダ、千切りキャベツ中心だが、お代わり可なので野菜不足の身には嬉しい。
     190929-7_20190925195706d28.jpg
 漬物、大根ともやしナムル、何気ないがいい味。
     190929-8_201909251957051a6.jpg
 明治期の印判皿に乗せた三味盛り、海老かつ用にタルタルソースが付いている。海老かつ⇒かにクリームコロッケ⇒豚メンチコロッケの順番で食べていく。どれも丁寧に作られていて、揚げの技術も問題ない。中では海老かつが一番良かったか、それなりの値段な事もあり材料の質はいい、ただ豚メンチだけは悪くはないが少々平凡かなと感じた。
        190929-9_20190925195703bc9.jpg
 これもかつ吉共通の青しそご飯、白飯も選べるが此処へきたらやはり頼みたくなる、開店直後なので勿論炊き立て、「旨い飯が食べたければ開店一番で行け」は鉄則(笑)、お代わりしてしまった。
        190929-10_20190925195702d0a.jpg
 赤だしも共通、出汁もいいし味噌も良質、青しそご飯とこれだけでも十分ご馳走と思えてくる(笑)。
     190929-11_20190925195700f60.jpg
 着席時はポットに入った冷茶、食事が終わった時に熱いジャスミン茶を出してくれるのは嬉しい。
 支払いは1,680円也、サラリーマン時代なら贅沢ランチだが、収入が少なくなった今、そう高くないと思うから不思議だ(笑)。日本橋や水道橋店と比べると、対象客はビジネスマン&ウーマンが中心なので、1時間で食べ終えるのが大事、「ゆっくり食べたい」が主目的なら、値段は高めだが日本橋店の方が向いていると思った。
     190929-12_20190925195659ba0.jpg
 数種並べた弁当、値段は700~800円でサラリーマンの財布には優しい、10月以降の軽減税率適用後は更なる需要増がありそう。此の店が入っているビルのエントランスには、ベンチや座るスペースが設けられていて、昼時は主に若い人達が、買った食べ物や自前の弁当を広げている。その姿を見ていると、自分が既に失ったものを見せつけられる気がしたが、これから貴方達の時代だ、やや傾きつつあるこの国を支えて行ってくださいと、口には出さないが年寄はつい願ってしまう(笑)。
 



  1. [ edit ]
  2. とんかつ・洋食
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

乃木坂「タンモア」(2019年9月)

 過去一年間で私が最も多く訪れたフランス料理店、乃木坂「タンモア」が9月で開店一周年を迎える事になった。その記念として例月は割増料金のジビエ料理を通常料金で提供、且つその料理が「ジビエのパイ包み」だと知り、これは行かない訳にはいかず、食友人を誘って訪問する事に。
 「ジビエのパイ包み(gibier en croute)」とは、秋から冬に入荷する狩猟肉をパイ生地に閉じ込め焼き上げる料理で、パートが介在するので間接熱により火入れされ、均等な焼き上がりになると共に、獣肉本来の香りが逃げずジビエ好きに好まれる古典的料理。私は過去関西方面でマッチョなベテラン料理人達の重量戦車級の料理を体験して来たが、彼等と比較して、齢若い田中いずみ料理長がどんな解決法を見せるのか、大きな興味と少しばかりの不安を抱えて店へ向かった(笑)。
        190925-1.jpg
 日曜昼だったので、平日でも静かな店周辺が更に人通りが少ない、同じ建物内の店舗も殆ど閉っていて、この店の灯りだけが砂漠のオアシスみたいに光っている。
 扉を開けると其処に一周年祝いの胡蝶蘭の鉢が置かれ、これとても高い筈だと、俗な人間は俗な事しか考えないが(笑)、「料理のファンより」との匿名のメッセージが、贈った人の人格を表している。
 サービス&ソムリエの坪内氏と田中料理長に挨拶、早速始まった9月のメニューは以下のとおり。

        190925-2.jpg
・アミューズ:ゴーヤチャンプルー

     190925-3.jpg
・自店製ブリオッシュ

     190925-4.jpg
・青魚(秋刀魚)、豚、シュークルート

        190925-5.jpg
・山北の野菜とイカ

     190925-6.jpg
・ジビエ(鹿)のパイ包み、赤ワインソース
        190925-7.jpg
・その断面

        190925-8.jpg
・ゲヴェルツラミネールのサバイヨン、桃、パンデピス(デセール好きの私達へ店からのサービスだった)

     190925-9.jpg
・枝豆とカマンベール

     190925-10.jpg
・いぶりがっこ、ショコラ、コーヒー
・コーヒー

        190925-11.jpg
・此の日のドリンクペアリング

 ゴーヤチャンプルーをイメージしたアミューズはスパムまで使っている(笑)、苦瓜はソルベにしてあり、味も面白くアイディア倒れになっていない。
 続く秋刀魚、豚、シュークルートの皿は異種格闘技みたいな組合せで、これは何かもう一捻り欲しい気がした。次の烏賊と野菜の皿は此の日最も感心した料理、烏賊出汁ベースの冷製スープは油脂を感じさせず、良質な野菜との相乗効果でa+b=abだけでない、新しい味の創出になっている。
 問題のパイ包み焼き登場、9月初めは猪が主材料だったが、訪問日は鹿との事。「ジビエ・アンクルートなぞ、十年早いわ」との声が、何処からか聞こえる気もしたが(笑)、結論から云うと十分評価できる料理だった。まず自店でパートから起こしたパイ皮がいい、焼きもドレッセも問題ない、中身の味のまとめ方も良かった。敢えて云えば、真中で切った時の断面が今一つ美しくないのと、赤ワインソースの深さと奥行が少し足りないかなと思った位、でもメニュー価格を考慮すれば立派な内容だと思う。関西の重鎮達が作る戦車級の皿と比べたら2000cc級のセダンと云う印象だが、その分コアなジビエ愛好家でない初心者にも受け入れ易いし、楽しめる料理になっていると思う。
 デセール不得意の料理長だった筈だが、来る毎にレベルが上がって来た、特に最後に出たいぶりがっことチョコレートは、懐かしのシベリアケーキみたいで、味も面白く「これ、また食べたい」と後を引く味だった。
     190925-12.jpg
 一周年記念として、今月の来店者(食事をした人に限る)には、自店製のブリオッシュがお土産に配られた。
 私達の後に入店した中年夫妻、ランチメニューではない夜のフルメニューを注文、更にメインの肉料理を2皿共食べていた、凄い。それでいて写真を撮る訳でなく、ワインと共に楽しそうに料理を味わっている、それを見ていてカメラを持ち時にメモを取り食事する自分が恥ずかしくなり、これは敗けたなと思った(笑)。 退店する時に田中氏にそっと訊いたら、開店前からの料理長の料理ファンで、毎月のように遠くから通って来てくれるそうだ。こうした良質な客が付いているのは、店の財産であり、料理人の実力でもあると思う。画像を沢山撮って、食べた印象を店評価サイトに上げ、また次の店に行く客とは根本的に違う。
 料理好きな常連が楽しめる料理は、反面インスタ映えせず、マスコミ受けしないかも知れない、でも年末に出る評価本など載らなくても、長く続いてくれる客を持つのが、これから店の重要な戦略になる筈。私も胡蝶蘭を贈るお金はなくても、そうした客の一人でありたいものだ(笑)。
 田中料理長は話していると、料理好きな少女がそのまま大人になったとしか思えないが、内に秘めたパッションとセンスは並の男料理人以上と感じる、このまま2周年、3周年と続いて行ってくれる事を願っている。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

亀有「ザ・フレンチトーストファクトリー亀有店」

 ウィキペディアによると、フレンチトーストの起源は、帝政ローマ時代にアピキウスの料理書に載った「アリテル・ドゥルキア」ではないかと推測している。これが中世ヨーロッパに広がり、フランスではパン・ペルデュ(Pain perdu、「失われたパン」の意)になり、やがて移民により米国に伝わり、故国を偲んで「フレンチトースト」と呼ぶようになったのではないか。要は焼いてから時間が経ち硬くなったパンの廃物利用と云える食べ物、レストランで食べるより家庭でお母さんがパン、牛乳、卵と、家にある材料で作る「マムの味」と云えそうだ。
 このフレンチトーストをメイン提供にする店があり、その名も「ザ フレンチトーストファクトリー」。運営はRYコーポレーションで秋葉原、亀有、都立大学、武蔵小杉に店舗がある。このうち亀有店は大型商業施設「アリオ」内で我家から近く、店前まで行った事あるが、いつも女子達で賑わっていて、親父一人で利用するのは躊躇う雰囲気だった(笑)。
 この日昼に食べたラーメンがハズレで、挽回を期して行ってみたら、ランチが終わった時間で空席が幾つかあり、意を決し?入店してみた。

        190921-1.jpg
 店の場所はアリオ亀有内3階の一角、吹抜けの通路を挟んだ向かい側には、シネマコンプレックス「MOVIX」がある、2014年2月の開業。
        190921-2.jpg
 メイン商品は前述のとおりフレンチトースト、「世界一幸福感が味わえるフレンチトースト」を謳っているが、まあ大きく出た(笑)。以前、誰が名付けたか「世界一の朝食」を体験した事もあるが、その時は「これ先に言ったもの勝ちだな」と思った(笑)。他にパンケーキやエッグベネディクトみたいな食事メニューもある。
 入口近くに居た若い女性店員に案内され、あまり目立たない奥の場所に座らせてもらう、75席あるそうだがこの時は半分程の入り、年齢は様々だが子供を除くと全員女性なので、間違って女性トイレに入ってしまったような錯覚になる(笑)。
     190921-3.jpg
 店のスペシャリテである「FTF クラシックトースト」(税別1,200円)は、1頁目に記載されている、食べ方のマニュアルあり。
     190921-4.jpg
 もう一つの看板商品であるパンケーキは数種類ある。
        190921-5.jpg
 ドリンクメニュー、同時注文だと250円。
 初回なのでやはりFTF クラシックトーストにブレンドコーヒーと云う、オーソドックスな注文にした。
     190921-6.jpg
 卓上のカトラリー類、コーヒー&紅茶用の砂糖、ミルクは自分で用意する半セルフサービス。
     190921-7.jpg
 「10分程お時間いただきます」と云われたが、10分は待たなかったと思う、これが「クラシックトースト」で、丸く焼いたパンを使うのが特徴、添えられているのは下からホイップバター、パンケーキシロップ、ハニーホイップ(蜂蜜と生クリーム)、レモン、バナナとイチゴがおまけみたいに付いている(笑)。
 マニュアルに沿って、まずは何も付けずに食べるが、柔らかいブリオッシュみたいな生地、これだけだと少し頼りない、バター、シロップ、ホイップ、レモンと続けて加えていく。
        190921-8.jpg
 始めは物足りなかったが、シロップを全部加えた頃から味が良くなった、各素材の質はいいので、全て使っても加え過ぎと云う事なく味わえる。
     190921-9.jpg
 コーヒーは大きめのマグカップにタップリ入っていて嬉しい(笑)、味はスタバの「本日のコーヒー」位のレベルか。
 初体験の印象だが、使っている素材はどれも良質で安心して食べられる。ただこれは個人的感想だが、一部フランス料理店での秀逸なデザートと比較してしまうと、素材をマニュアルに沿って並べてa+b+c=abcにしているだけで、異なった素材を組合せる事で、あらたな味(d)を構築する迄には至ってないかなと思った。やはりそれなりのお金を払うとなると、パーツが良いだけでないプロの仕事を知りたい、この辺りが企業運営ショップの限界かも知れないが。
        190921-10.jpg
 老若女子達の中に混じり、くたびれたオジサンが一人お洒落なフレンチトーストを食べるのは場違いそのもの、「どうだった、もう一度行きたい?」と訊かれたら、「う~ん」と唸ってしまうか(笑)。でも小さな子供を連れたお母さんが、ベビーカーも入店可で、良質なスイーツをゆっくり食べられ、暫しの間家事を忘れる事の出来る空間としては貴重な存在、ファミレススイーツよりは行く価値ありそうだ。
 コーヒーを含めた支払いは1,566円、これを高いと思うか否かはその人の価値観次第、都内に4店あるのでスイーツ好きなら一度行ってみるのはいいと思う、何でも実際に経験しないと分からない事はある(笑)。


  1. [ edit ]
  2. スイーツ・和菓子・パン
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

麻布十番「スブリム‘Sublime’」(2019年9月)

 新橋時代に2回訪れていた「スブリム(Sublime)」、フランスとデンマークで料理修行した加藤順一料理長の料理は、北欧モダンな前菜系とフレンチクラシックベースな肉料理が特徴だった。2017年7月に麻布十番に移転してから、一度行こうと思っていたが、麻布十番近辺は行きたい店が幾つもあり、つい後回しになってしまった。今回加藤氏から直々の参集呼びかけ?があり(笑)、金~日曜日に営業しているランチに、ようやく伺う事になった。
 店の場所は麻布十番駅から環状三号線の道路を赤羽橋方面へ向かい、中国料理「富麗華」の裏手辺りで、現在改装中だがフレンチの「ラ・リューン」も近い。
 店入口が変わった造りで、道路レベルから少し掘り下げたドライエリアに自動ドアがあり、其処を入ると更に店の大きな木扉、防犯上の意味だと思うが、文字どおり「戸惑う」(笑)。
     190917-1.jpg
 メインダイニングは4卓、他に個室(6名)にキッチン脇にカウンター席も備えている、4人卓に座らせてもらう、店奥にはドライエリアの植栽が見え自然光があるので、前店より明るくなった。厨房は3人、店内サービス1人の体制。
 加藤氏に挨拶するが、早速彼より提案があり通常のランチメニューではなく、アラカルトから選びませんかとの誘い。最近店のメニュー構成を変え、夜は従来の「おまかせメニュー」を止め、全てアラカルト対応にしたそうで、その実験者?として選んでくれたみたいだ、そう云われたら乗るしかない(笑)。
     190917-2.jpg
 カルトを持つのは、ライザップでシェイプアップ中と聞く加藤氏の肉厚な手、こうして料理長と相談しながら食べる料理を決めるのは、おまかせメニュー全盛の現在では新鮮な体験だ。
 冷前菜+温前菜+メイン+デザートの構成にした料理は以下のとおり、

        190917-3.jpg
・アミューズ:落花生のビシソワーズ

        190917-4.jpg
・川崎支配人が選んだ仏ロワールPouilly Fume2017 / Jonathan Didier Pabiot

     190917-5.jpg
・麻布十番「コメット」のカンパーニュ系パン

        190917-6.jpg
・長野 信州サーモンのグラブラックス(バターミルク 大葉)
     190917-7.jpg
・削ってサーモンにかける焦がしたニンニク

        190917-8.jpg
・山形 牛ハツのスモーク(ライ麦クルトン ケール コールラビ)

     190917-9.jpg
・京都 七谷鴨ロースト(焼き野菜 赤ワイン)

        190917-10.jpg
・阿蘇の薔薇(灰のメレンゲ)

        190917-11.jpg
・ミニャルディーズ:マンゴーのピュレを仕込んだホワイトチョコレート

     190917-12.jpg
・フレッシュハーブティー

 個人的にあまり好きでないスナックアミューズではなく、スープになったのは賛成。サーモンのグラブラックスとは北欧料理で、生鮭を香辛料や酒類でマリネするもの、加藤氏は大葉を大胆に使い、黒く焦がした大蒜を削りかける、中にマイクロメロンを使う等の工夫で印象深い料理にしている。
 温前菜の牛ハツはこの日最も記憶に残った料理、質のいいハツにケールとコールラビを使った必然が感じられた、量を増やせばメイン料理にもなると思う。
 七谷鴨は京都で飼育される合鴨で、魚の神経締めに倣い首の神経を切断する方法で屠畜する、まるで「仕掛人・藤枝梅安」だが(笑)、体内の血が外に流れず調理に適した食肉になる。加藤氏はフレンチの調理技法とソースを使っているので安心の味、アラカルトらしく量もあり食べ応えある料理だった。
 デセールは見た目も構成も面白い、味にもうあと一捻り奥行きがあれば、印象深いものになる筈、あと皿は同系色ではない方がいい。

 加藤料理を約3年ぶりに味わってみて、以前感じたフランスと北欧が同じ土俵で相撲しているみたいな違和感が薄れ、料理の精度が上がり成熟感が増したと思った。またアラカルト導入により、何を食べさせたいのかが明確になった。従来と構成を変えた理由を「おまかせムニュに疲れたと云うか、客の直の反応が感じられず、(今迄の)スタイルを続ける事に疑問を感じ出したから」と話す。個人的にはどの店も「おまかせメニュー+ワイン(ドリンク)ペアリング」になってしまうのは、客の主体性や学習機会が殆ど無くなると思っていただけに、あらたな動向として注目したい、また食事時間が割と早めに終わるのも、忙しい現代に合っていると思う。
 私は過去北欧系の料理との相性はどうもよくなかったが、今日の料理なら違和感なく楽しめた。フランスをスタートしたマラソンランナーが、北欧地域を走り抜け、現在は日本を走り始めた、何かそんな印象を受けた。あとは店内の雰囲気を含めて、洒脱さや遊び的要素、簡単に云うと「色気」「華」があれば、もっと良くなると思う。それとメインが豚・鶏・鴨・牛からの選択は少々不満、此の日のハツは十分主菜になるし、羊や鳩等の選択肢があれば尚いいと思った、ただアラカルトは食材ロスとの兼ね合いがあるので、何を用意するかは難しい判断だが。
 食後、加藤氏と色々話していたら、20年来の知己であるYオーナーが突然普段着で現れた、今日は休みだった筈だが、煩い客が来るので心配になったみたいだ(笑)。今では都心に2店を構える大レストラトゥールになった彼だが、話していると料理も自分も熱かった、あの頃に戻れる気がする(笑)。
 加藤料理長、川崎支配人、おかげで美味しく楽しい午後になりました。



  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

末広町「Curry&Cafe SAMA神田店」

 今は何でもネット通販で買えるが、時には実物を見て決めたいし、店まで行くとお買得品に見つける事もある。此の日はヨドバシAkibaへスピーカーケーブルを買いに出かけた、今は秋葉原でオーディオ製品を売る店は少なくなった、現在の主力商品はスマホ関連とフィギュア、ピュアオーディオは限られた老人の趣味になってしまったようだ(笑)。
 行く前に何処かで昼飯を食べようと思ったが、駅周辺は平日でも人が多くてパスしたい、時間も限られていたので、事前にネットで探した店に行ってみる事に。
 訪れたのは、千代田区外神田6丁目に今年5月オープンしたスープカレーの店「Curry&Cafe SAMA神田店」、住所は千代田区外神田だが、駅は銀座線末広町か千代田線湯島駅が近い。スープカレーの本場札幌上野幌に本店があり、此の店は国内13店舗目の出店、香港とシンガポールにも支店がある。
 場所は旧錬成中学校(現在は3331Arts Chiyoda)の東側で、作家池波正太郎が贔屓にしていた和食店「花ぶさ」と同じ並びに在る。
     190913-1.jpg
 開店時間の11時半に店前に着いたら、既に女性2人組が開店を待っていた。
        190913-2.jpg
 営業時間案内、店名の「SAMA」はインドネシア語で、英語の「together」みたいに「~と一緒に」と云う意味だそうだ。因みにザ・ピーナッツが歌った、怪獣モスラの歌もインドネシア語(笑)。
     190913-3.jpg
 カウンター席に案内されてメニューを見る。スープカレーは数種類あり、スープベースは5種類から選ぶ。
        190913-4.jpg
 辛さは0~30段階まで選べる、トッピングやライス選択の説明がある。一応悩んだが、結局一番無難そうな「チキン野菜カレー」(税別1,250円)をライス普通盛(250g)で、スープは店定番らしいトマト味、辛さは「市販カレーの中辛」だと云う、女性店員の説明により「3」でお願いした。
        190913-5.jpg
 ドリンク類、この中からプレーンラッシー(カレーとセットで250円)をお願いした。
     190913-6.jpg
 水は断熱ポットで来る、省人力化なのだろうこの方式を他業種でもよく見る、ちょっと味気ないと思ってしまうのは古い人間だからか(笑)。
     190913-7.jpg
 割と短時間で到着した「チキン野菜カレー」、メニューの説明ではチキンレッグ・にんじん・じゃがいも・ピーマン・なす・コーン・レンコン・オクラ・アスパラ・カリフラワー・ブリッコリー・ヤングコーン・うずらの卵とあるが盛沢山、全部ではなくても一部は北海道産だと思う。
        190913-8.jpg
 ライス、たぶん北海道米だと思う、少し固めに炊いてあり普通に美味しい。
        190913-9.jpg
 カレーにはお約束のラッシー、此の店は割と濃い目の作りだった。

 女性店員の助言で「3」にしたが、これは4か5でもよかった、トマトの酸味と野菜の甘味で辛さが中和される印象だった。
 札幌では何店かでスープカレーを体験している、「同じ味か?」と訊かれると、店によって味の構成は違うので難しいが、此の店の印象はカレーのスパイス感は抑えめで、中身の豊富さが売りなのかなと思った。
 特に何か飛び抜けている訳ではないが、普通に美味しいカレーだった。上野~秋葉原間はよく出かける地域なので、ランチ場所の選択肢の一つにしてもいいと思った。
 ただこれで支払いが税込1,620円なので、此処からそう離れていない「ビストロ ヌー」なら前菜+メイン+コーヒーのランチが味わえる値段、それ考えると日本のフランス料理は安過ぎるのかも知れない(笑)。
     190913-10.jpg
 開店を待っていた2人と、私の後に7人位続けて入店して来たが、驚いたのは全員女性だった事、「ラーメン、牛丼、カレー、=男飯」のイメージを持っていたが、考えを変えないといけなくなった(笑)。スープカレーは野菜が原形のまま多く摂れるので、女性受けするのかも知れない。カウンター席で女性一人客がスープカレーを食べていても違和感ない、そんな雰囲気の店作りにしているようだ。
 サラリーマン時代の経験でも、ランチに使えるお金は女性の方が多いと思っていた、特に一食千円越えとなると、男はなかなか思い切れないものだ(笑)。外食産業が生き残るには、女性顧客をいかに取り込むかが課題だ。


  1. [ edit ]
  2. カレー・エスニック料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

お花茶屋「パスタ&グリル マーレ・チェーロ」

 以前、ブログ記事で紹介した、葛飾お花茶屋のパティスリー「タルトレット ドウゼン」の店主、道善氏から「いい店です、一度行ってみてください」と教えてもらったのが、今回記事にするイタリア料理店。
 「食の事は食の専門家へ聞け」は概ね間違いないと思う、食材原価などプロでなければ知り得ない情報もあり、我々みたいな単なる食愛好家とは違った視点で店を判断するから、信頼はしていいと思う、中には勧めてもらった店が外れだった事もあるが、たまたま店との相性がよくなかったと思う事にしている(笑)。
 店は「ドウゼン」と同じくお花茶屋駅北側にあるイタリア料理店で、店名は「パスタ&グリル マーレ・チェーロ」、2018年7月の開業なので一周年を迎えたばかり。
        190909-1.jpg
 道善氏からショップカードを貰っていたので、小さな地図を見ながら店を探したが、場所が判り難い。「葛飾区郷土と天文の博物館」前の道が「曳舟川親水公園」として整備されていて、この道に沿ってお花茶屋駅へ向かい、博物館から最初の信号を右折、すぐ左側に車が入れない遊歩道みたいな細い道があり、其処に店案内の看板があった。そのまま進むと「お花茶屋公園」の敷地だがその途中。
     190909-2.jpg
 店ファサードの印象は悪くない、美味しいものが食べられそうな雰囲気が出ている、伊語で「マーレ(Mare)」は海で「チェーロ(Cielo)」は空だから、店名は「海(と)空」の意味か。
 昼開店時間の11時半に入店、壁を背にした窓側のいい席に座らせてもらった、料理画像を撮るので、つい「もっと光を!」と云いたくなる店が多いが、此の席ならありがたい(笑)。
        190909-3.jpg
 ランチメニュー、日替り料理は豚肉のグリルだと思った、パスタが食べたい気分だったので、3種(オイル、トマト、クリーム味)の中から「小柱と木の子のクリームソース(アンチョビ風味)」(税込1,000円)を選び、コーヒー(100円)とティラミス(300円)を追加した。
     190909-4.jpg
 席は16席+α(ベンチシート有)位か、若いイケメン系料理人と女性サービスの二人体制でやっている、BGMにポップスが流れているが、客が少ない時はやや騒がしい(笑)。

        190909-5.jpg
 前菜の豆とツナ、グリーンサラダ、フレンチで豆を使うのは概ねフランスで働いた料理人だと思っている、それだけ現地では豆をよく食う(笑)。イタリアでも同様なら料理人は本場で働いた経験あるのかも知れない、シンプルだが味は良い。

        190909-6.jpg
 スープミネストローネ、あっさりした味だがスープキューブではない筈(笑)、ブロードベースで作っていると思う。

     190909-7.jpg
 小柱と木の子のクリームソース(アンチョビ風味)、割と時間がかかったので、半茹でしたものではなく乾麺から茹でていると思う。小柱が沢山入っているのは嬉しい(笑)、スパゲッティはたぶん1.7mm径で90g位か?個人的にはもうあと少しだけ硬めの茹で方が好みだが、全体的な味のまとめはいい、詳しい事は不明だが、料理人はそれなりの店で働いていたと思う。

     190909-8.jpg
 ドルチェのティラミス、シンプルな味わいで量もある、300円なら納得の美味しさ。

        190909-9.jpg
 イタリアンローストみたいな濃い目のコーヒーは料理&ドルチェに合う、ランチ限定だが100円は安い(笑)。

 パスタもよかったが、それ以上に前菜の豆とツナのサラダとミネストローネに惹かれた、当然の事だがランチメニューでも真面目に作っていて好印象、他のパスタも気になるし、グリル料理も食べてみたい、再訪問したい店だと思った。
 駅からは少し離れメインの道からも外れている、立地的には良いとは云えないが、反面公園が近く静かな環境だ、おそらく店主はそれが気に入ったのだと思う。
     190909-10.jpg
 今、イタリア料理店出身者がピッツェリアを開業するのが流行みたいで、従業員不足や原材料値上げ、設備投資を抑えるにはやむを得ないと理解出来るが、此の店みたいに下町ながらあえてリストランテを開業した若者は、つい応援したくなってしまう(笑)。
 ファミレスでは得られない味と雰囲気があるので、もし近くに行く時あったらお勧めしたい佳店。帰りには少し歩くが、「タルトレット ドウゼン」のチーズタルトをお土産に(笑)。


  1. [ edit ]
  2. イタリア料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

代官山「サンプリシテ‘Simplicite’」(2019年8月)

 食友人からの誘いを受けて、此の日ランチに伺ったのは代官山の「サンプリシテ」で、これが3回目の訪問になる。料理人歴豊富な相原薫料理長が「魚フレンチ」を標榜し、昨年1月にオープンしたカウンター席中心の店だ。
 料理人や料理愛好家に此の店を薦めると、大抵「良かった」と云う人が多い、カウンタースタイルでのフランス料理提供は東京以外でも珍しくなくなったが、相原料理は形態だけカウンターにした店とは違うと感じる、それは何なのかは料理を紹介し説明したい。
 残暑が厳しい8月、恵比寿駅から歩いて行ったが、「代官山」と云うだけあって、高所に店はあり、住宅街にある秘密の階段みたいな狭い道を上がって行く、約1年ぶりだが、恵比寿からの道沿いの店も幾つか替わっていた、東京繁華街の飲食店の平均寿命?は本当に短い。
 週末金曜日の昼、8席あるカウンター席のうち4席は食業界人?らしきグループ、あと2席も予約客だったが、直前にキャンセルがあったらしい。テーブル席では年配の女性達がランチ女子会を開催していた(笑)。
 スッキリとした白ワインで乾杯し、始まった盛夏の料理は以下のとおり。

        190905-1.jpg
・甘海老 蕎麦(甘海老を蕎麦粉のガレットで巻いて)

     190905-2.jpg
・しらす/マドレーヌ(左:しらすのタルト、黒オリーブのマドレーヌ)

        190905-3.jpg
・自店製カンパーニュ系パン

     190905-4.jpg
・玉手箱(箱中に鰯の燻製)

        190905-5.jpg
・五島 林鮮魚店 倭寇鯖(生ハムとトマト、スープ仕立)

     190905-6.jpg
・ムール モンサンミッシェル(パセリのピュレ、ジャガイモのスープエキュム)

     190905-7_201909011738132cb.jpg
・明石 太刀魚(太刀魚のムースを太刀魚の身で挟んで、上に桜エビ)

        190905-8_20190901173812c67.jpg
・岩手 石黒 ホロホロ鳥(エピスを混ぜたパン粉、内臓を使ったソースに枝豆とナッツ)

     190905-9.jpg
・相原氏セレクションのワイン
白:Domaine Zind Humbrechtリースリング2016
赤:ALOXE CORTON2005(レア物との事)

     190905-10.jpg
・パイナップル(コンポート、ピュレ、ココナッツのグラス)

        190905-11.jpg
・台湾発酵百烏龍茶

        190905-12.jpg
・一口シュークリーム

 まずは新作と定番のアミューズで眼と胃が醒まされる、いい店はアミューズから「何を食べさせたいのか」明確だ。特筆すべきはパンが美味しい事で、高額店でも冷凍種パンを使う店がある中、毎日焼くのは立派、大型パンは製造&焼成に時間がかかるが、その分間違いなく美味しい。
 鰯の燻製は「玉手箱」を演出した観せる料理だが、それだけで終わっていない、燻香が鰯の味と相乗効果になっている。
 続く倭寇鯖は勇ましい名前だが(笑)、長崎五島の釣りで上がる胡麻鯖を神経〆して直送、これを数日間冷蔵熟成し、生のまま切身にして繊細なスープ仕立で提供する、和食の椀物みたいでもあるが、食べるとやはり和食ではない、鯖料理としては過去数年では上位に置きたい出来、記憶に残るだろう出色の料理だった。
 太刀魚はリヨンの名物料理クネルをイメージした皿との事、太刀魚の摺り身を太刀魚の身で挟む手の込んだ作りで、桜エビの風味が効き、たしかにクネルを連想する。
 岩手石黒農場のホロホロ鳥はフロリレージュ等でも使っているが、国産高品質の食材、プランチャ(鉄板)とサラマンドルで丁寧に調理され、カレー的な風味も加わり、印象に残る料理にしている、「魚フレンチ」だが最後に肉料理を出すのは、和食献立中の「強肴」的な意味なのでは?と思った。
 パイナップルを使ったデザートはトロピカルなイメージで、暑い夏に合っていた。
 
 料理長とスタッフがカウンターキッチンで繰り広げる相原劇場は、来る毎に調子を上げていると感じた。元々トラディショナルなフランス料理を作っていた人だが、独立にあたり方向性を変え魚中心の料理、カウンター提供メインのスタイルに方向を変えた。相原氏は開業までの準備期間に一時寿司店で働いていたと聞くが、提供スタイルのヒントにしたのかも知れない。ただカウンターで料理提供する店は多くなったが、和食でもスパニッシュでもノルディックでなく、最近ありがちな国籍不明の料理とも違う、此の日の太刀魚みたいに基本はフランス料理をベースにしていると感じる。
 相原氏は「フランスでは肉でも魚でも素材に強さがある、焼いた後残った水分(ジュ)に水を加えただけでもソースになるが、日本の食材では難しい」と話すが、そのために魚は熟成させ旨味を増し、ホロホロ鳥の内臓を使ったソースみたいに、油脂を抑えながらも印象に残る料理に仕上げる、この辺りが形だけの流行を取り入れた店とは違い、料理人の経験と知識が生かされていると思った。
 来る毎に思うのがカウンター内の清潔さ、調理器具には汚れ等一切なく整頓されている、以前よりスタッフは減ったので整理清掃にかける時間は増えた筈だが、料理長が率先して取り組んでいるのだと思う。
 料理を含めて「余計なものを削ぎ落す」と云う考え、それが店名の“Simplicite”に繋がるのだと理解できる。これが5,000円で体験可能なのだから、フレンチはあらためて儲からない商売だなと思ってしまう(笑)。
 遠くからでも行く価値あると都外の人にも薦めたい、東京ならではのいい店だと思う。


  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

日本橋「かつ吉 日本橋高島屋S.C.店」

 付き合いの長いFB友人が、大阪府内で最も有名と云える、某とんかつ店の訪問記をウォールで書いていて、それ読んで以来美味しいとんかつが食べたくなった(笑)。我家から自転車で行ける範囲には、とんかつ格安チェーンの店があるが、これは日常使い?なので、もう少しグレードの高い店へ行きたい。
 とんかつ熱は一度熱くなると冷めないもの、よし何処かに食べに行こうと思ったが、その週は旧盆期間なので夏休みの店も多い、店まで行って閉まっていた時の落胆を考え、商業施設やデパート内なら営業しているだろうと、何処かいい店ないかとネット上で調べてみた。そして決めたのが日本橋高島屋新館内に、昨年移転オープンした「かつ吉日本橋」だった。
 「かつ吉」グループは元々日本橋室町からスタートした、三越前に現在も在る「吉田」と云う蕎麦店の地下にあった店は、50年位前(!)に父親に連れられて行き、「とんかつってこんな美味しい食べ物なのだ」と、子供心に感動したのを覚えている。老朽化により一旦閉店し、今回場所を変え再オープンした。
 グループは現在、㈱かつ吉と㈱菩提樹に枝分かれしているが、どちらも代表者は創業者と同じ吉田姓なので一族だと思う、日本橋店は菩提樹グループの店。
        190901-1.jpg
 店の場所は高島屋新館S.C.6階、高島屋の店舗増設リニューアルに併せ、昨年9月にオープンしている、本館には「次郎」や「野田岩」と云った、古くからの顧客向けの老舗が入っているが、新館には若いファミリー層を意識したテナントが多い。盆休み期間なので平日ながら結構人が集まっている。
 11時の開店直後に入店し壁際席に案内されるが、既に数組入店していた。
     190901-2.jpg
 以前の勤務先近くで何回か訪れた「水道橋かつ吉」には、創業者が収集した古陶磁や民具が数多く飾られているが、こちらも数は少ないながら、明治期印判の皿や猪口が並んでいる。
        190901-3.jpg
 ランチメニュー、「冷やしかつ丼」はマスコミにも取り上げられる、かつ吉グループの夏のスペシャリテ。
     190901-4.jpg
 通常のとんかつメニュー。ここはやはりとんかつだろうと、「特上ロースかつ」か「ロースかつ」で悩むが、新店一回目なので無難に「ロースかつ定食150g」(税込2,300円)に決めた、場所柄外国人客も多いので税込表示にしているのは賛成。
     190901-5.jpg
 水道橋店ではソースやドレッシングは自店製みたいだったが、こちらは販売もしている瓶入の物を使っている。
        190901-6.jpg
 まずはグループ共通のボウル入りキャベツサラダ、とんかつが揚がる迄の前菜的な意味もある、お代わり可。
        190901-7.jpg
 漬物二種、新鮮さが感じられ美味しい。
     190901-8.jpg
 ロースかつ到着、かつ吉グループは厚みのある豚肉を「低温で油の中で煮るように揚げる」のが特徴。
        190901-9.jpg
 真中の切身、揚げ衣は割と厚め、ロース肉でも中心をロゼ色で仕上げる店もあるが、こちらは中まで火が入っている、「わじまの海塩」を振って食べてみると、肉の旨味と香りが伝わってくる、有名なブランド豚ではないみたいだが、なかなか美味しいとんかつだ。続いてソース2種を付けて食べるが、個人的には「超辛口ソース」の方が好み、ご飯と一緒なら塩よりソースが合うと思う。
     190901-10.jpg
 かつ吉の赤だし味噌汁は定評ある美味しさ、渋味のある赤味噌がとんかつの脂を切ってくれる。
        190901-11.jpg
 かつ吉定番の青じそご飯、勿論白いご飯も選べるが、やはりこれをお願いしてしまう、ご飯の質と炊き方は問題ない、お代わり可。

 かつ吉のとんかつは久し振りだったが美味しかった、定食2,300円と聞くと高いかなと思うが、店内の雰囲気も含めて納得の内容、暑い日なので入店~食事中は冷茶、食べ終りを見て熱い焙じ茶を出す店側の気遣いにも感心。真夏や真冬でも外に出ないで地下鉄から直行可能で、平日だから並ばず、席待ちの客に急かせられる事(心理的に)もない、また来たい店だと思った。
 50年前の記憶は曖昧だが、水道橋店と比べてもそう遜色ない内容、デパートの中と云う条件を考えると、このレベルを維持できるのは立派だと云える。新丸ビル内にも店舗あるが、色々比べるとこちらの方を利用したいと思う。
     190901-12.jpg
 高島屋本館1階入口正面に展示してあった、9月に来日する英国ロイヤルオペラハウスの上演作品「オテロ」の舞台衣装、こうしたものが違和感なく収まるのが、さすが老舗百貨店の歴史ある建物の底力、因みに東京文化会館でのS席料金は59,000円(!)との事で、衣装だけでも無料で見られるのは得した気分だった(笑)。


  1. [ edit ]
  2. とんかつ・洋食
  3. / trackback:0
  4. / comment:0

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
人はそれぞれに「見方、感じ方、考え方」が違います。私が美味と思ってもそう思わない人が居て当然です、味覚とはそれだけ不安定で不完全なもの、あくまでも筆者個人の嗜好による感じ方である事を承知の上で読まれてください。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに赤坂、麻布十番等。
混雑電車が苦手で加齢による朝型人間化のため、ランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

最新トラックバック

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2019 09  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -