最後の晩餐にはまだ早い


フランスのレストランの想い出

 フェイスブックの日記で、フランスの著名なレストランのカルト(メニュー)の写真をUPしようと、押入れを探していたら何枚か出て来て懐かしくなり、今回はこれを紹介しながら「昔話」をしたいと思う(笑)。

 私が初めてフランスに行ったのは1997年、まだフランの時代だ。そして初めて行った星付きレストランがパリ「ランブロワジー」だった、これは今振り返ると最高の「初体験」だったと思う(笑)、この時食べた料理を今でも鮮明に覚えている、アミューズに赤ピーマンのムース、前菜にラングスティーヌ、メインには仔羊、デセールはガトーショコラ、料理・サービス・雰囲気どれも最高で、世の中にはこんな凄い体験の出来る場所があるのかと感動を覚えた、画像はその時のカルトではなく、2回目の訪問時2003年のもの、残念ながら料理は前回の方が圧倒的に良かった。このサインは料理長ではなくメートルが日付と店名を書いてくれたものだ。

         121213-2.jpg

 パリでもう一店忘れ難いのはやはり「タイユヴァン」、2002年と2005年の2回訪れたが、このカルトは2002年のもの、サインはオーナーの故ジャン=クロード・ヴリナ氏が目の前で書いてくれたものだ、この店は何と言ってもヴリナ氏を筆頭にしたサービス陣が素晴らしかった、多分無理だろうがもし天国へ行けるなら(笑)、天国のタイユヴァンでヴリナさんにもう一度会いたいと思う。

              121213-1.jpg

 残念なのは「P・ボキューズ」(1999年に訪問)、「グラン・ヴェフェール」(同)、「ラ・コートドール」(2000年)、「ラムロワーズ」(同)等の写真もカルトも残っていない事、当時は自分なりに「突っ張った」処があり、「レストランで写真を撮り、カルトを貰う事は格好悪い」と思っていた(笑)、特にベルナール・ロワゾーは死去、ジャック・ラムロワーズは引退してしまったので、せめて両人のサイン位貰っておくのだったと、今になって後悔している(両店共に現在も営業はしている)。
 地方のレストランでカルトが残っていたのが、ブルターニュのオーベルジュ・ブルトン(2003年)、ジャック・トレル料理長のサイン入りだが、実際に食べたのはこのムニュではなく、カルトのコート・ド・ヴォーで、この料理が凄かった、「フランスでは食べたくなくても、とにかく肉を食え」は当っている(笑)、ガルニはラット芋だけで、まさに「シンプル・イズ・ベスト」の肉料理、もう一度訪れたいと思いながらも果たせず、トレル氏は最近引退し店は売却されたと聞く。

              121213-3.jpg

 現代アートを使い額に入れて飾りたい様なカルトは、リヨンの二つ星「オーベルジュ・ド・リル」のもの、文化財級の16世紀の館を改装したレストランで、2005年と2009年の2回訪れたが、この店も「ランブロワジー」と同様料理は初回の方が良かった、店側が相当ポテンシャルを上げていないと、「1回目より2回目の方がいい」と思えなくなるのかも知れない。

              121213-4.jpg

 最後は料理人の人柄が偲ばれる、「レジス&ジャック・マルコン(旧:オーベルジュ・クロ・デ・シーム)」(2009年)のもの、サインと茸の絵はレジス・マルコン本人が書いてくれたものだ、この人は三つ星料理人というオーラはあまり無く、なにかトラクターでも乗って畑を耕すのが似合いそうな人だった(笑)。

         121213-5.jpg

 「ミシェル・ブラス」(2002年)のカルトも何処かにあった筈だが、見つからなかった、此処も再度訪れたいと思いながら果たせていない、料理長は息子に代替わりしたとも聞いたが。

 振り返ると、フランスの料理界が一番充実していた時に、こうした名店を回れて良かったなとつくづく思う、更に古い人には「1970年代の方がもっと凄かった」と言われるかも知れないが(笑)。今、日本では30代後半から40代前半の料理人の店に行く事が多いが、理由の一つは彼や彼女達がフランスで働いていた時期と私が頻繁に訪れていた時期とが重なるからで、料理にその時代の片鱗が感じられる事が多いからだ。
 最後にフランスを訪れてから3年以上過ぎてしまった、今正直言って「どうしても此処だけは行きたい」と思う店が少ない、フランスの料理界はスペインや北欧勢、更には隣国ベルギーにも押され気味で、経済的にも不況と雇用不安が拡大していると伝えられる、でもフランス料理は一番であって欲しいと思う、以前の様に「勤めを辞めてでも行きたい、今行かないと後悔する」と思わせる店が出て来て欲しいものだ(笑)。

スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. レストランetc
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 04  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -