最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」でノエルとマリアージュのお祝い

 10月に札幌へ「食べ続け」に行った時の事、SNSで知り合いになったグルメな友人が、ちょうど私と入れ違いに札幌へ行くのを知り、「会えなくて残念、今度東京でお会いしましょう」とメッセージをやり取りしたのが今回の発端。エクスキューズで終わらせてはいけないと思い(笑)、本当に東京で会おうと日程を詰めていたら、この方が最近結婚されていた事を知り、それならそのお祝いも一緒にしよう、集まる人間も多い方が楽しいと勝手に決めてしまった、まずは店選びから始め何店か候補に浮かんだのだが、集まってくれそうなメンバーを考えて「面白そう」と思ったのが、今年から通い始めている神楽坂のフランス料理「オー・トレーズ・ジュイエ」だった。
 この店の佐藤料理長は失礼ながら茫洋として掴みどころが無く、常に淡々と料理をこなし、それでいて作る料理は、私の好きな1990年代のフランス料理に近いものを感じていたので、「いつか彼が気合入れて本気になった料理を食べてみたい」と思っていた、これはチャンスだと考え(笑)、私の知る限り「在京最強」と思える超グルメなメンバー何人かに声をかけ、主旨を説明した処、私を含めて合計8名が集まってくれる事になった。

 事前に打合せのために店へ行き、集まるメンバー構成を話して「私が料理人なら、仮病を使って逃げ出すだろう」と、料理長にプレッシャーをかけていた(笑)。
 決行は12月22日の冬至日、ノエルの直前でマヤ歴の「終末の日」の翌日、何かが起こりそうな日でもあったが、とにかく全員無事に集まってくれた(笑)、揃った処で料理長から説明を受けた「ムニュ・アニヴェルセル」の内容は、

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・アミューズ(キッシュ、パルメザンパイ、ブランタードのシュー)

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・赤のコンポジション(オマール、短角牛他)

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・帆立のポワレ、芽キャベツのデュクセル、レモンコンフィの軽いジュ

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・黒ソイのポワレ、キノコのエチュベ、生姜とココナッツのエキュム

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・広島産イノシシをベルナール・ロバンのスタイルで

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・コルヴェールのフラン

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・鹿児島産コルヴェールのロティ、グリューワインのソース

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・デセール盛合せ(アニュヴェルセルのケーキ他)

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・(秘密兵器)チョコレートファウンテン

 今回は料理に合せたワインもあらかじめ料理長に選んでもらっていた、
・Gosset-Brabant brut tradition 1er cru NV
・Marceau blanc J.L.Tribouley 2010
・Bourgougne blanc Renommee Remoissenet pere et fils 2006
・Crozes Hermitage Alain Graillot 2010
・Causse du Bousquet Mas Champart 2008

 前菜の後に帆立と魚料理、その後にジビエ2種を出すという、かなり特殊で重量級なムニュにも思ったが、実際に体験してみると各料理のバランスは意外に良かった(笑)、でもこの料理人が「調理師学校を首席で卒業し、海外の三ツ星厨房で働いて来たエリート料理人」だったとしたら理性が先行してしまい、この様なムニュ構成は採らない気がする、どちらかと言えばマルティン・ベラサテギみたいな独学派の料理人のムニュに近い、全体のバランスは多少崩しても、「今自分が美味しいと自信があり、客に食べてもらいたい料理」を出したかったのだと思う、そう言えば佐藤料理長は、よく見るとベラサテギ本人と顔が少し似ている気もする(笑)。この中でうるさいメンバー達の評価が特に高かったのが「イノシシのシヴェ」、トゥール地方で「ジビエ名人」と呼ばれた名料理人のルセットを参考にしたそうで、本来はリエーブル(野兎)を使う料理だが、人数分の入手が困難なためイノシシに転用したとの事、これは記憶に残る秀逸なものだった。

 記念のケーキの後は、秘密兵器?の「チョコレートファウンテン」、チョコレートを噴水上に流して、そこへ果物をくぐらせて食べるものだが、れっきとしたこの店の備品だそうだ、最初見た時はキワモノ的にも感じたが、この日のメンバーはさすが遊び心を備えている(笑)、結構皆が楽しんでいた。
 集まった濃いメンバーの濃い話は、「NOMA」や「美山荘」の話題から、クリスマスにレストランに来る客の程度の悪さ(笑)まで延々と続いて、いつまでも尽きる事はなさそうだった。フランス語で「コンヴィヴィアリテ‘Convivialite’」と云う言葉があり、辞書で引くと「打ち解けた雰囲気、和やかさ」とあるが、もっと踏み込んで「友人達と過ごす一期一会の食事の場、それを徹底して楽しむ」みたいな意味もある、この日はまさにそんな時間だった。

 東京を代表する?グルメの皆様、遅くまでありがとうございました、私は夜遅いのはすっかり弱くなりましたが(笑)、またこうした集まりが出来ればと願っております、そして佐藤料理長、料理長が役満をテンパイしたみたいな顔しているのは初めて見ました(笑)、スタッフの皆さん、楽しい場を提供いただきありがとうございました、どうぞ良い新年をお迎えください。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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