最後の晩餐にはまだ早い


綾瀬「パティスリー・アンプリル」のケーキ

 私は基本下戸で甘党だが、その割には店売りのケーキ類にはあまり興味を持たない方だ、一番美味しい甘味は作ってからの時間差が無いデセールだと思い込んでいて、そうでなければコンビニスイーツで満足出来る安上がりな人間だ(笑)。
 そんな私だが、去年10月に我家から自転車で7~8分の場所に、結構本格的なパティスリーが開店したのを知った、赤を基調にした派手な外装は、下町にはあまり馴染まない気もしたが、事前の宣伝が効いたのか開店直後は行列が出来る位の人気になっていた、「いつか買ってみよう」とは思っていたが、私と定休日?が同じ事もあって行きそびれていた。それがクリスマスイブ当日に店の前を通ったら、駐車場係まで出る大混雑だったため、「これは試してみなくては」と思い、年明け早々に勤め帰りに寄ってみた、店の名前は「パティスリー・アンプリル」、アンプリル(emplir)は仏語で「一杯、満員にする」との意味だから、中華料理なら「満来軒」みたいな感じか(笑)。

 店は結構広い敷地で駐車場も完備している、駅からは10分位歩くので、車や自転車での来客が中心なのだろう、店内も広くて明るい、厨房が全てガラス張りで見えるのだが、4人も中に入って菓子製作をしている、売場にも3人いるので、家族経営の小規模店ではない、人材不足の飲食業界でこれだけ集められたのだから、この店主はかなり実績のある職人かも知れない。
 初回だった事もあり、定番と言えそうなケーキを3種類買ってみた、販売のオペレーションはあまりスムーズでは無く、客としてはちょっとストレスを感じる、これは改善して欲しいと思う。

 まずはこの店の看板商品みたいだった「モンブラン」(420円)、
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 最近少なくなった、焼いたメレンゲを中に入れたもの、このため「買って一時間以内に食べてください」と指示があった、メレンゲが湿ってしまうからとの事だ、栗は和栗を使っているそうで、これは美味しかった、全体に軽めの仕上げで個人的にはもう少し「こってり感」があってもいいと思ったが、この位の軽さが今は受けるのだろう。

 次は「ピュイ・ダムール」(340円)
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 個人的にはこれが一番気に入った、パイ生地の中にカスタードクリーム、更にその上にクリームシブーストを載せたもの、18世紀に有名料理人が考えた菓子で、元はパイ生地にホワイトソースを入れた料理だが、それをクリームに替えて「愛の泉(井戸)」と名付けたセンスは優れている(笑)。パイ皮とクリームのバランス感が見事、値段も都心の有名パティスリーに比べれば安いと思う。

 最後は「クラシック・ショコラ」(300円)
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 値段に惹かれて(笑)買ったが、これはごく普通のガトー・ショコラだった、素材の良さは感じ美味しいのだけれど、全体にあっさり仕立てでインパクトは少し弱いか。

 ブログを書くために調べたら「ピュイ・ダムール」は、恵比寿等に支店展開する有名店のスペシャリテみたいで、もしかしたら店主はそこで働いていたのかも知れない。
 全体の印象を言えば良質の素材で真面目に作られた、かなり本格的なケーキ類だと思った、値段は下町価格では無いが、都心の有名パティスリー程の値段でも無い(笑)。ここはまた買ってみたいと思う、あえて厳しい時代にスタートした地元の店は頑張って欲しいものだ。

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  2. スイーツ・和菓子・パン
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質問です。

  1. [ 編集 ]
  2. 2013/01/21(月) 20:33:02 |
  3. URL |
  4. papa
いつも拝見させてもらっています。文頭で下戸と書かれていましたが、フレンチを食べるときワインは飲まないのですか?私はお酒は嫌いではないのですが弱いんです。本当はワインを頼みたいのですが飲み屋ならともかくレストランで顔真っ赤にするのもどうかと思い普段は水を飲んでいます。
でもいつも「水でいいです」ってオーダーの時言うのが気まずいというかなんとなく気が引けてしまいます。

フレンチは今まであまり行ったことなかったので今年はチャレンジしてみようと思っています。フレンチで水を注文するのってあまり一般的ではないんでしょうか?またはワインと一緒にチェイサー的に水ももらうとかマナーとして問題はないのでしょうか?

トシ・オンクレ

  1. [ 編集 ]
  2. 2013/01/21(月) 22:46:33 |
  3. URL |
 いつもお読みいただきありがとうございます。
 今回の質問の答えは難しいのですが、まずは「店の格」というのがあると思います、ビジネス街にあるレストランで昼休みに来る客に出す1,000円ランチなどでは店側も「飲む」事をあてにしていないでしょうから、水だけでなんら問題はないと思います。反対に「予約の取れない店」で考えてみましょう、水だけの客だと店側は料理だけの利益しかありません、3,000円のランチなら原価率3割としたら2,100円です、ところがこの客が1本5,000円のワインを飲んだとしたら、通常飲物の仕入れは提供価格の3分の1ですから1,700円とします、この場合店側の利益は2,100円に3,300円が加わり5,400円になります。「水しか飲まない客」とはこれだけ差が出ます。「予約の取れなかった客」はもしかしたら飲む客だったかも知れない、こうした事を考えるとワインは無理して飲む必要はありませんが、せめて有料のドリンクを一杯位注文するのは、一種の「エチケット」かなと思います。私は昼ならワイン1杯、夜でも2杯位しか飲めませんが、「今日はどうしても飲めない」という時には、ガス入りのミネラル水を頼みます。レストランは1回訪れただけでは、実力の3分の1位しか判らないと思います、気に入った店なら長くつきあいたいものです、そのためにも店側から見て「来て欲しい客」になりたいですね、ワインと一緒に水を頼むのは全然問題ありませんよ。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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