最後の晩餐にはまだ早い


秋葉原「ビストロ・ヌー」

 フランスの通貨がユーロに替わった後で、何時とははっきりした記憶は無いのだが、料理マスコミで「ネオ・ビストロ」と云う言葉を聞く様になった、この意味については、柴田書店で刊行している「パリのネオ・ビストロ」という書籍の紹介文から引用させてもらうが、
「高級レストランと引けをとらない料理のクオリティを持ちつつも、シンプルサービスで気軽な雰囲気の店の事。錚々たる高級店で修業をした一流シェフが、『美味しさ』に徹した料理をリーズナブル価格で提供しているのが特徴で、最近のパリの料理界はネオ・ビストロブームが席捲。」
 この本が出たのは2009年だが、その後ブームは下火になるどころか、パリでは更に増殖中で、遂にはネオ・ビストロを日本に「輸出」までする様になった(笑)。この紹介では触れていないが、もう一つの特徴として殆どの店で日本人料理人が厨房に入っているケースが多い、この理由について書くと長くなるので簡単に留めるが、日本人それも若手料理人の優秀さがパリでそれだけ認められていると云う事だ。

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 この日の昼に訪れた、一昨年秋葉原にオープンしたフランス料理「ビストロ・ヌー」の料理人は、WEB情報にあった様にフランスでは高級店ではなくネオ・ビストロで働き、最後はスー・シェフ(副料理長)のポジションまで務めたらしい、そうは言っても若い、どう見ても30歳代前半だと思う、サッカーの長友佑都をもう少し優しくしたみたいなイケメン料理人だ(笑)。
 ランチはプリフィクスでコーヒー付きで1,500円、デザートが別料金で300円、前菜&メイン共に5種から、デザートが4種からの選択になる、黒板メニューから選んだものは、

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・白インゲン豆のポタージュ

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・豚肩ロースのソテー


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・キャラメルナッツとホワイトチョコのタルト

 料理は一人で全て行い、女性が一人で客席を担当する、このため手の込んだ料理は難しいと思うが、それでもこれだけ選択肢があるのは立派、ポタージュはシンプルだか白インゲンの繊維を残していて、洗練され過ぎない美味しさ、豚肉ソテーは「生姜焼き」をイメージしたそうで、生姜、レモンバームに醤油を隠し味に使っている事を教えてくれた、これからパリでの醤油話になったのだが(笑)、今はフランス人料理人の方が平気で醤油を使う時代になっている。少し気になったのが豚肉のガルニがスープと同じ白インゲンで、これは食材が「被る」事を説明があった方が良かったと思う、デザートはフランス的に甘さもしっかりあって美味しい。

 この日は1人での訪問なのでカウンターに座り、その後の来客も2組3人だったので、料理人と色々と話す事が出来た、この料理人が働いた店は、パリ17区にある‘L’Entredgeu’と云うバスク地方出身のオーナーシェフのネオ・ビストロで、この種の店が多いセーヌ左岸の14区や15区ではなく、高級住宅地もある右岸の17区なので、有名人がお忍び?で訪れる事があり、アラン・デュカスもプライベートで来たし、ある日この料理人が作ったデザートを食べていたのが、ジャン=ポール・エヴァンだった事もあったそうだ(笑)。日本のマスコミではあまり知られていないが、人気店で週末夜は席が2回転や3回転する時もあり、「倒れそうだった」との事だ(笑)。

 高級レストランではなく、地元の人が集まる地域に密着した新感覚のビストロで働いた料理人が日本に帰って来て自分の店を開く、こうした店が増えれば東京のフランス料理界はもっと面白くなりそうだ、個人的には今は高級店よりこうした普段着のレストランに惹かれる事が多くなった、また訪れたい店だと思った。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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