最後の晩餐にはまだ早い


大阪・上本町「レストラン・コーイン」前編(2013春関西食べ続け⑦」

 遂にこの店の順番が来てしまった(笑)、正直に言うとこの店の料理と料理人については書き難い、理由はクラシック料理に関しては、他を引き離す圧倒的なクリエーションを感じて私の筆には余るからで、それを承知の上で読んで欲しいと思う、そして長くなるのでこの店に関しては、前後編2回に分けて書く事にしたい。
 
 関西旅行最後の夜は、やはり此処しか考え付かなかった、大阪・上本町のフランス料理「レストランコーイン」、私が日本いや世界でも比類ないフランス料理を出すと思っているこの店を、去年に引き続いて訪れる事にした。
 全2回の訪問時は昼だったが、今回は初めての夜訪問、昼間はランチマダム達で賑やかだが、夜はぐっと落ち着いた雰囲気、店の入り口には「予約制・紹介制」の文字と「本日は予約で満席です」の文字を書いた額?が掲げてあり(笑)、知らない人が見れば「排他的な店」と思うかも知れない、隣の焼肉店と間違えて入って来る客が過去何人もいたためとも聞いた(笑)。
 店内は5つのテーブルが全て埋まり「看板に偽りなし」だった(笑)、何処かで見た客と思ったら、一昨日「オテル・ド・ヨシノ」で食事していた若い男性だった、料理人らしいが、それでも関西で「オテル・ド・ヨシノ」と共にこの店を選ぶとは、「おぬし、出来るな」と思わず言いたくなってしまう(笑)。

 去年まで客席に出ていた美人マダムは産休中との事で、サービスは若い料理人2人が兼務している、料理長を含めて3人体制でこれから紹介する料理が滞りなく出せるのだから、その点でもこの店は凄いと思う、あらかじめ「前2回と違う料理で」と頼んだこの日の「おまかせムニュ」(10,500円)は、

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・ラデッシュトリュフバター、グジェールバーガー
・トリュフのタルトレット

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・ホタテトリュフ

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・トリュフ卵(丹波地鶏卵黄、ジュ・ド・トリュフ、赤うしモワルとグラス・ド・ビアン)

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・バター2種(無塩と自家製藻塩入り)

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・前菜:ベキャスのアンクルート(間違いではない)、ソースペリグー、山盛りトリュフのサラダ

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・コンソメジビエ(おじろ鹿、おじろ猪、マセドアンレギューム)
(以降の料理は次回)

 これを書いている今になっても、何故この料理がこの値段で出せるのか不思議だ(笑)、素人の私がそう思うのだから、これを読んでいるプロの料理人もおそらく同じ思いだろう。日本は勿論フランスでも、これだけ高原価な食材(特に仏産トリュフ)を惜しげもなく使いながら、この低価格で提供している店はおそらく無い筈、「原価率3割」の常識が通用しない、これだけでもこの店は「タガが外れている」(笑)。

 世界中何処のレストランでも、「ベキャスのアンクルート、ソースペリグー」が前菜で出てくる店は、特別注文でもしない限りまずあり得ないと思う、このアンクルートは後で料理長が説明してくれたが、
「ベキャス1羽を1枚開きにして内臓とフォアグラ、トリュフで作ったファルスを詰め、手練りのパイ生地で包んで焼く、ソースはジュ・ド・ベキャスとジュ・ド・ブッフで作ったペリグー、自家菜園ベビーリーフとトリュフのサラダを添えた。」
 との事だ、この料理が出ていたのが5卓中3卓、と云うことはこの3卓が「おまかせメニュー」を注文していた事になるので、低価格メニューが中心のランチとは、客層はかなり違う(笑)。
 この料理人が得意とするのは古典料理、それもアンクルート(パイ包み)、ベッシー(豚の膀胱)包み、トーション(布巻)によるポシェ等、手間がかかる割には歩留まりの悪い手法を好んで用いる、古典を実践してみて、その優れた点を把握し今的にリファイン出来る根気と探求心が並外れている、一歩間違えば「偏執的」になり兼ねないが、ギリギリの処でバランスが取れている(笑)。肝心の料理は、「前菜」としては料理の完成度が高過ぎで、文句は付け様がない、本当ならここで食事をいったん中断し、シェスタでもしたい気分だった(笑)。
 後半で出てくる肉料理も「焼き物」なので、前菜と主菜で時間差を見極めながらオーブンを管理している事になる、これは考えただけで心拍数が上がりそうだ(笑)。
 
 次のコンソメジビエは、兵庫産の「おじろ鹿」と「おじろ猪」の赤身を使用したもので、「オテル・ド・ヨシノ」のものと比べると軽く繊細な味わい、これはムニュの流れの中では、あくまでも「間奏曲」としたかったみたいだ

 魚料理以後は次回にします。

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  1. [ edit ]
  2. フランス料理
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  4. / comment:1

Re: はじめまして

  1. [ 編集 ]
  2. 2013/03/14(木) 20:09:22 |
  3. URL |
  4. オンクレ・トシ
Sinp様
以前から'Sinp's would’を拝見させてもらっていました。
拙ブログをお読みになり、またコメントをいただき恐縮です。
たしか一時体調を崩されたみたいな事を書かれていましたが、回復されましたでしょうか。
「食べ歩き」も楽しい反面、「命がけ」な部分はありますね(^^;)。
「コーイン」の湯浅料理長は、もの凄い料理人です、私の筆力ではとても全てお伝えできない
です。「ラ・マティエール」の西村氏とは大阪あべの辻調理師学校の同窓で、指導教員の話
では二人とも、「自分が見た中で最高の変わり者生徒」だったそうです(^^;)。
卒業後は揃って「守口プリンスホテル」に就職し、当時の大変厳しい料理長の下で
鍛えられたと聞きました。
関西へ行かれることがありましたら、「オテル・ド・ヨシノ」と共におすすめしたい店です。
東京で今私が買っているのは、神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」の佐藤氏ですね、
昼夜共におまかせムニュだけですが、技術も感性もあるし、何より値段が安い(^^;)、何かの
時にはご利用されてみてください。
またお気軽ブログにはお立ち寄りください。
トシ・オンクレ こと河合敏明


> はじめまして。 sinpと申します。
> 最近貴殿のブログを拝見させていただきながら、気になったお店を後追いで訪問させていただいてりして楽しませていただいております。アンプティトゥール(現在移転中)、メゾンクルティーヌ(ソムリエが変わりワインの楽しさが倍加)ビストロヌー(気軽な感じがはまりました)はこちらのブログで知り、以後何度かお邪魔してそれぞれの魅力を楽しませていただけるようになりました。まだまだお邪魔できていないレストランも多いですが・・・
>
> そんな中、一番気になっております大阪のコーインがアップされたので、ついコメントさせていただきました。コーインは今一番のマイブーム中の小田原ラ・マティエールのシェフつながり(どういう関係はまだ聞いておりませんが)で気になっておりましたが、やっぱりすごいようですね。 
>
> 今後ともブログ楽しみにさせていただきますので、お体ご自愛しつつ、食べ続けていただけたらと思います。 
> 以上、乱文乱筆申し訳ございませんでした。

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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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