最後の晩餐にはまだ早い


浅草「オマージュ」

 今日は、私が一番数多く通っているフランス料理店、浅草「オマージュ」でランチ会を開催した。
 「オマージュ」訪問は昨年9月以来になるが、この間に「ミシュラン・東京・横浜・湘南2012」版で一つ星評価を獲得した、このお祝いを考えたのだが、花束や胡蝶蘭の鉢植えではありきたりで詰まらない、発想を変えてここは評価出来る食べ手を連れて行くのが一番だと思い、関西若手最強料理人が上京するのに併せて一緒に伺う事にした、この最強料理人、料理が気に入らないと料理長と掴み合いを始めるかも知れないので、その期待?もあった(笑)。
 予約の電話をした時に「○○君を連れて行く」と言ったら、山田支配人に「ガチですね」と言われてしまった。

 正月の喧騒も治まった平日の浅草、週始めの悪天候が嘘の様な快晴で、寒いながら絶好の「フレンチ日和」となった。
 揃ったメンバーに提示されたのは、荒井料理長のスペシャルメニュー、

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・厚岸・中島さんの牡蠣、グレープフルーツのエミルジョン

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・フォアグラとトマト、シュクレのクリスタル

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・長崎産クロムツのムース、根セロリのヴルーテ

・山口産甘鯛の松笠焼(鱗付ポワレ)、飛竜頭、馬鈴薯のすり流し

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・足寄・石田さんのサウスダウン仔羊、焼きメレンゲ、仔羊のジュ

・金柑のムース、雷おこし

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・フォンダンショコラ、キャラメル・サレ

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・ミニャルディーズ

 「オマージュ」は新店舗に移転して2年半が経過した、個人的な感想では旧店舗の最後が一つの頂点だったと思うが、新店舗になってからは同じスタイルを踏襲するのではなく変革を模索してきたと感じる、特に去年あたりからは「浅草のテロワール」を意識して表現する様になった、中には理解し難い皿もあったが、将来を見据えて以前と同じ事はしたくないのだろう、このあたり荒井料理長は「クリエイター気質」だと思う、作曲家で例えれば、地道に経験を積み重ねて自分のスタイルを確立するベートーヴェンより、新しい着想が次から次に沸いてくるモーツァルト的な料理人だと言えそう。

 今日は特に魚料理が印象的だった、厚岸の牡蠣に合わせたグレープフルーツは爽快で軽やか、クロムツのムースは上質な「つみれ」の印象、甘鯛の鱗付きポワレは定番ながら火入れは見事だし、大宮豆腐店の豆腐を使った「飛竜頭」と意外な組合せだが新しい料理として許容出来る、デセールは以前よりクオリティが増したと感じた。
 やはり「一つ星」評価は大きかったみたいで、料理長の言動にも以前にも増して「自信」を感じる事が出来た。
 知人の料理人が、毎年フランス、スペイン、イタリア、北欧から沢山の料理人が帰って来る、彼等との競争に勝っていかなければならない、これは一生続く事、そのためにはスキルを磨き続けるのと同時に、「個性」を表現しないとやがて飽きられると言っていた。
 もうフランスに技術を学ぶというより、彼等の生き方や個性表現、更には批評精神を学ぶべき時代になったとも言えそうだ。

 山田支配人とマダムの気遣いは文句なし、おかげで男子4人のランチ会ながら、時間の経つのも忘れて盛り上がる事が出来た、いい午後だった。
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プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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