最後の晩餐にはまだ早い


マミーズの「アップルパイ&バナナパイ」

 知人から、「マミーズ」のアップルパイとバナナパイをいただいて(ホールではなくカットしたもの)、久しぶりに食べてみて、美味しかったのだが思う処あって、今回はこの話をしたいと思う。

 「マミーズ」、現在は「マミーズ・アン・スリール‘mammies an sourire’(母の微笑)」が正式な店名になっているが、文京区西片に本店があるパイ専門店、WEBページ上での会社(現在は会社組織になっている)概要によると、平成7年に同区本郷にて開業、平成8年に現在地に移転して以降事業を拡大し、現在は都内だけでも7店舗を構えるまでになった。
 店主は横川さんという女性の方で、最初は子供達に安全なものを食べさせたいとの思いからパイ作りを始め、脱サラして起業に成功し、過去TV等でも何回か取り上げられている。
 私は勤め先が西片から近かったので、この平成8年当時からこの店を知っていた、当時の印象はいかにも「家庭の味」という感じで、パイの出来も何処かアマチュア的だったし、味も洗練され過ぎずホッとする温かな美味しさだった。

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 今回おそらく10年ぶり位になる筈で、食べたのは、

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・看板商品のアップルパイ
 現在は大ホール(直径20cm)と小ホール(15cm)の二種あるが、これは大の方を6分の1にカットしたもので、1個386円。

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・バナナパイ
 大きさはアップルパイとほとんど同じ、値段は263円

 味は充分美味しく、今は1個500円超えの有名パティスリーのスイーツが当たり前になった時代に、この値段は良心的だと思う、それは充分承知の上であえて言わせてもらえば、以前の「手作り感」は薄れて「製品」になってしまったかなと云う印象を受けた、「お母さんの味」が「企業の味」になってしまった、でもこれは仕方のない事だろう、都内だけで7店舗もあれば、どこか工場で一括製造するしかなく、今は荒川区に工場があると聞いた。

 これで連想したのがパリの「メゾン・カイザー」、パン職人のエリック・カイザーがカルチェ・ラタンに第一店を出店したのが1990年代、当時増え始めたパリのネオ・ビストロがこの店のパンを使って名前を知られる事になる、その後アラン・デュカスと提携し事業を拡大、現在はパリだけでも20店舗以上、海外でも日本を始め韓国や香港、米国まで支店展開するまでになった、こうなるともう「ブランジェリー」と云うより「多国籍企業」だ(笑)。
 「マミーズ」にしても「カイザー」にしても、企業としてブランド名と品質を維持する努力は決して怠っていない筈、それだからこそ作る物は、最大公約数的な均質な製品になる、もう「手作り感」を求めてはいけないと思う、これはどうしようもない現実で、「パリと同じ味だった」「本店と変わらない美味しさ」と、この均質性が大事な消費者も現実にいる。

 こうして店の名前は人々の間に広まっていき、残った店が「老舗」と呼ばれ、やがてデパートの地下名店街に並ぶ事になる(笑)。古くからの店を知っている客が「昔の方が良かった」と思うのは、感傷でしかないのだろう。でも私はやはり飲食では、店主が厨房から汗を流しながら、出来たばかりのものを運んで来る様な店の方が好きだ(笑)。
 ※本店の外観画像は店のWEBページから引用しました。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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