最後の晩餐にはまだ早い


綾瀬「手打ちそば重吉」(2013年8月)

 JR常磐線沿線には「蕎麦の名店」とされる店が幾つかある、関東最大の蕎麦生産地である茨城が沿線に控えているのが大きな理由だと思うが、まず有名なのがグルメ雑誌等にはたびたび取り上げられる、柏の「竹やぶ」で、この店で修業した職人が始めたのが亀有の「吟八亭やざ和」と千住「千寿竹やぶ」、この二店もマスコミに取り上げられる事が多い。
 亀有と北千住駅の中間にあたる綾瀬にもいい店がある、それが今回紹介する「手打ちそば重吉」で、この店は「竹やぶ」とは直接の関係はないみたいだ。店主は元プロのスタジオミュージシャンでベースを弾いていたと聞く、40歳を過ぎてから元々好きだった蕎麦打ちを生業とする事を決意、綾瀬駅から歩いて5分程の場所に開業した。
 私は家から自転車で行ける距離なので、一時は頻繁に通っていたが、最近はヨコメシ系外食に行く事が多くなりご無沙汰していた、この日約1年ぶりに訪れる事になった。

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 平日昼の開店直後に入店したのだが、既に2卓5人が先に座っていた、この店もTVの地域情報番組で紹介された事もあり、此の地を代表する人気店になって来た。入店時には温厚そうな店主が昼間使う分の蕎麦を打っている処だった。

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 平日昼に限りお得なセット物があるので、この日は「親子丼セット」(1,050円)を「せいろ」で注文する事にした、サービスは店主の奥さんが担当する。
 店内は以前と変わっていない、静かな時間が流れる落ち着いた空間、レジ脇に紙が下げてあり、「今日の蕎麦は『茨城・常陸夏蕎麦』」との表示があった、これについては後述する。

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 しばらくして運ばれて来たのが、小さめの丼に入った親子丼で、この店は蕎麦もいいけど、こうした御飯物もいける、昔の東京風辛口かえしを使った醤油味の効いた丼種で、玉子もグズグズ柔らかくなく私の好きな固くとじるタイプだ、これは幾らでも食べられそう(笑)。

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 続いて運ばれて来たのが「せいろ」、いわゆる「江戸蕎麦」と呼ぶもので、二八または一九割で小麦粉をつなぎに使うタイプだと思う。追加料金で十割蕎麦粉の「田舎蕎麦」に替える事も可能だが、個人的には冷たい蕎麦は江戸蕎麦の方が好みだ、香りは少し落ちるが喉越しがいい。
 夏蕎麦とは、4月に種を蒔いて7月に収穫する早生の蕎麦種の事で、以前は秋蕎麦に比べると味わいが落ちるとされたが、品種改良により味が向上している、この日の蕎麦切りも喉越しも香りも充分、勿論これを生かす技術があってこそだが(笑)。
 蕎麦用のツユもキレの良い江戸風辛口。最後はポタージュスープの様な蕎麦湯で、おそらく茹で汁に蕎麦粉を溶いているのだと思う、栄養学的にもこの蕎麦湯を飲む事により「完結」すると言われている。

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 久しぶりだったが、以前と変わらぬ美味しい蕎麦だった、1年ご無沙汰していたのを後悔してしまった(笑)。
 前にもブログに書いた事だが、下町育ちの私にとって、蕎麦屋は自分の居住エリアにあるもので、電車賃を使って行く処では無かった、だからこそこうした地元の店は余計に応援したくなる、下町で輝いていて欲しい名店の一つだ。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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