最後の晩餐にはまだ早い


大阪「西心斎橋 ゆうの」(2012関西食べ続け②)

 やはり関西に来たからには、横メシ(洋食系)だけでなく縦メシ(和食系)も体験しておきたいと思った、京都まで出る事も考えたが相客の都合で叶わず、大阪市内でどこか良さそうな店はないかと、WEB上で探していたら引っかかる店があった、この「引っかかる」と云うのが大事で、最近は例の「食べログ」を見る事が多いが、特に和食の場合は文章より店構えや食器の画像を参考にする、こうした処には店主の美意識が必ず現れる、これが「?」と感じる店では、どんなに点数が高くても料理は食べたくないと思ってしまう。そして料理人の年齢が重要、「料理人10年ピーク説」に従えば、私の場合35~45歳位が許容範囲だ(笑)。

 この夜訪れる事になった「西心斎橋ゆうの」は、大阪の一等地である心斎橋大丸の向い、日航ホテルの裏手にある和食店、WEB情報によると店主の柚野氏は大阪を代表する割烹「喜川」出身、この地に独立して4年目で年齢は40歳位とあった、これは十分ストライクゾーンだ、WEB上の画像では料理や器づかいに嫌味は感じなかった。
 入店は夜6時だが既にほぼ満席の状況、大阪は東京より昼・夜共に30分食事時間が「前倒し」されている気がする。店内はカウンター8席、この他に半個室的な席が2卓ある。この席数に対し調理は柚野氏以下4人、サービスは女性2人が担当する。予約時にカウンター席をお願いしていたが、調理の熱気と活気が伝わって来る、入店からここまでの雰囲気は好印象だ。
 三種ある献立から中間の9,500円のものをあらかじめお願いしていた、その内容は、

・付出(青海苔と稚ギス)

120218-1.jpg
・煮物(若牛蒡と白いんげん豆)

120218-2.jpg
・造り(鯛・烏賊・よこわ鮪)

120218-3.jpg
・椀物(あいなめ・菜の花真蒸・こごみ)

120218-4.jpg
・焼物(のどぐろ・筍)

・蒸物(牡蠣、レッドベリーのゼリー寄せ)

120218-5.jpg
・強肴(鳥取牛のイチボ低温焼き・葉大根・芽きゃべつ・蓮根・もろみ味噌)

・白飯(魚沼産こしひかり・味噌椀・香物)

120218-6.jpg
・水菓子(柚子のシャーベット、苺、文旦、マンゴー)

 和食はあまり経験を積んでいないので細かい事は言えないが、全体的な味の傾向は京都と比べると濃い目で甘味が強い、よく言われる事だが、京都<大阪<東京の順番で味が濃くなっていく。和食の花形である「椀」は季節のアイナメ、この下に菜の花で作った真蒸を敷く、昆布を強く効かせた出汁は「淡麗」な京都に対し「芳醇」という感じがする。面白いと思ったのは京都なら必須の「八寸」にあたる料理がなかった事、見かけより食べて美味しい「旨いもん」にこだわる「浪速料理」の特徴か。
 京都の板前割烹の器づかいは古伊万里染付や京焼の磁器が中心、そこへ色絵や土物(陶器)を加えるので、全体的には地味な傾向、反面大阪ではいきなり赤絵のきらびやかな器が出たりする、これが独特の派手さを好む大阪風とも言えるだろうか。

 食材で印象に残ったのは、若牛蒡を始めとする地産野菜と鳥取牛、昔は和食で「四つ足」が出る事はまず無かったそうだが、最近は「強肴」として牛肉を出す店が多くなった、この日も炭火で炙った後、弱い上火だけで長時間低温加熱したイチボ肉だったが、これは美味しかった。白身魚が美味なのは関西特有の傾向、デザートも手を加えている。
 あえて言えば、これだけ地産野菜を使うのだから、米もお酒も関西地産をもっと使った方がいいのではと思った。
 研ぎ澄ました京都の割烹料理とは違った食後感だが、これはこれで充分楽しめた、季節が変わったらまた来てみたいと思う。最後は店主自らが外に出ての見送り、この夜はとても寒かったが、気持ちもお腹も満たされた。

スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. 日本料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -