最後の晩餐にはまだ早い


大阪・北新地「天麩羅 ひらいし」(2012関西食べ続け④)

 「東京人がなぜ大阪で天麩羅?」と言われそうだが、実はこれから行く北新地の「天麩羅ひらいし」のご主人、平石氏とは面識があった。去年の3月の事だが、京都の和食店での食事会で同席し、同じ電車で大坂まで帰りながら色々と話を伺ったのだが、すごい勉強熱心な料理人だなと感心していた、その時に「今度大阪に行った時には伺いますから」と約束していたのだが、それから約一年経ってようやく実現する事が出来た。

 店のある場所は演歌にも出てくる北新地、東京銀座と並び称される大阪を代表する高級飲食店街だ、おそらくこの地を訪れるのは初めての筈だが、昼間という事もあり人通りは少ない、夜からの営業の店が多いが、その中でランチ800円、1000円といった貼り紙を出している店もあり、「まかないランチ500円」などと実に直接的なのもあった、低価格ランチで客寄せ営業するのは、外食不況の中で新地も相当厳しい現実を抱えていると見た。
 店のある場所は雑居ビルの3階、これは知らないとこの店まで辿り着けないし、フリではなかなか入れない雰囲気だ、12時半の予約時に入店、店内は掘り炬燵式のカウンターのみ10席、窓からの陽光で意外に明るい店内は掃除が行き届いていながら、緊張し過ぎない柔らかさも感じる。
 主人に挨拶をした後、お昼のおまかせ天麩羅(5,500円)をお願いする事に、

・先付 若牛蒡
・塩昆布とレタスのサラダ
・車海老の頭
・車海老

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・大葉を巻いた海老

・タラの芽

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・稚鮎

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・蕗のとう

・白魚

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・ホワイトアスパラガス

・白子
・キス
・行者ニンニク

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・フカヒレ

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・天茶(天茶か天丼どちらかの選択)

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・トマトのコンポート
※余談だが、天麩羅の撮影は難しい、皆同じ色になってしまう(笑)。

 天麩羅をいただきながら、ご主人と話をしたが、この平石氏はとにかく探究心が旺盛、もともと和食から職人経歴を始めたそうだが、天麩羅に自分の天分を見つけてから勉強を重ね、東京の有名天麩羅店を食べ歩き、更にはフレンチやイタリアンも大好きでワインにも造詣が深い、その留まる所を知らない向上への姿勢は、まるで「天麩羅界の手島純也」だ(笑)。天麩羅に付ける塩が独特だったので「何処の塩ですか」と聞いた処、実はひと工夫してあるそうで、このアイディアは屋台の串揚げ屋?から拝借したものらしい。
 食材では特に野菜の美味しさが印象的、タラの芽、蕗のとうと云った春を感じる野菜達を食べると、身体の中に活力が沸いて来る気がする、フカヒレはこの店の「スペシャリテ」だそうで、味付けしたフカヒレを揚げたもの、これは和食の修業を積んだこの料理人ならではの手間のかかった一品で美味しい。最後の天茶は御飯の上にかき揚げを乗せて、煎茶をかけていただくものだが、既にお腹一杯ながら食べてしまい「お代り」をしたくなった(笑)。揚げ油は何を使っているのかは聞くのを忘れたが、軽い食後感で全然もたれない。

 この店、東京ならもっと人気店になる筈、それでも主人はカウンター天麩羅の少ない大阪で、本物をわかってくれる客に来て欲しいので、この場所で地道に続けたいみたいだ。
 特筆すべきはトイレが広くて綺麗な事で、これは他の飲食店も見習うべきと思う。
 大阪に来た時にはまた寄りたいと思った、最後はエレベーター前で深々とお辞儀をする主人に見送られ、至極満足な気持ちで店を後にした。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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