最後の晩餐にはまだ早い


青山「フロリレージュ」(2014年3月)

 その店へ行く日は、前日からワクワクしてあまり眠れず、当日はソワソワして他の事が手に付かない、こうした気持ちになれる店はそう何軒もあるものではない(笑)、私自身で云えば、東京ではかつて三田の有名某店だったが、現在はこの日行く南青山の「フロリレージュ」、此処にまずは指を折りたい、1月にはランチに訪れているが夜の部は去年6月以来になってしまった。

 親しい業界関係の方と「今度フロリレージュへ行きましょう」との話をしていたら、これも親しくしているパティシェールの方が「行きたい」と参加表明、更には前者の友人のグルメな方も加わって、男女混合4名それもかなり「濃い」メンバーで卓を囲む事になった(笑)。
 この日は火曜日夜で、19時半の開始時間にはまだ空席はあったが、我々の後に続けて2組が来店し、当然の如く満席になった、毎回感じるのだがこの店の客層は他の高級店と比べて若い、夜は男女ペアが多く騒がしさはないが、我々の隣席は間違いなく料理人の2人組だった、キィジニエは独特の匂いとオーラを放つものだ(笑)。
 4月からようやく?値上げする事になったが、2009年の開店以来一度も上げていなかった、この日のカルトブランシュメニュー(10,500円)は以下のとおり、

 
        140405-1.jpg
・蕗のとう(1個はムースにしてあり、それを食べる)

        140405-2.jpg
・定番のグリーンオリーブパン

     140405-3.jpg

     140405-4.jpg
・白アスパラガスの塩釜焼、ホタルイカのソテー

     140405-5.jpg
・フォアグラのポワレ、黒トリュフのシフォンケーキとセリを添えて

        140405-6.jpg
・真鯛のロースト、アーモンドのスープ、レンコンとシビレのサラダ

     140405-7.jpg
・ブレス産仔鳩の網焼き、髭ニンジン、レモンの塩漬けのコンデマン

        140405-8.jpg
・鳩の二品目は「ポトフ」をイメージして

        140405-9.jpg
・プレデセール(モッツァレラと苺)

     140405-10.jpg
・チョコレートのオムレツ

     140405-11.jpg
・金柑のパート・ド・フリュイ

 この店のスペシャリテである白アスパラの塩釜焼きには、ホタルイカのアクセントが上手く効いている、フォアグラとシフォンケーキを合わせたのはユニーク、この時期の鯛が美味しいのは勿論だが、的確な調理で「火を入れて自然な料理」になっている、ブレス産の仔鳩は、日本でよく使われるラカン産に比べると少し小型になり、肉質は繊細な印象、これを網焼つまり「焼き鳥」的手法で提供する(笑)、これがこの鳩の繊細さを生かしていると思った、余計なソースを排しレモンのピュレだけにした思い切りがいい、イメージ的には焼き鳥+辛子or柚子胡椒の印象だ(笑)。
 デセール2品は文句のない出来で、スペシャリテの「オムレット・ショコラ」は初回訪問時以来だが、更に美味しくなっていると感じた。

 優れたムニュとは、前の料理と今の料理が有機的に繋がり、その後の料理への展開が期待できる、音楽で云えば多楽章の交響曲みたいなものだと思う、川手料理長の料理はモーツァルト、それも最晩年の三大交響曲ではなく、「ハフナー」とか「プラハ」みたいな、疾走する美しい旋律に満ちた珠玉の作品群を連想してしまう。あまり「天才」と云う言葉を使うのは好きではないが、悔しいがこの言葉位しか思い浮かばない(笑)。

 実は私が風邪でこの前日まで体調が万全でなく、「最後まで大丈夫かな?」との不安も抱えての食事開始だったが、食べているうちに風邪を忘れた(笑)。
 「レストラン(Restaurant)」の語源は、仏語で「回復させる」を意味する動詞‘restaurer’だ、いいレストランの料理は弱っている人間に活力を注入し、回復させる事が出来る、この日あらためてそれを理解した(笑)。
 サービスは近藤支配人の後を継いだイケメンの宮垣氏が中心になっている(笑)、以前よりカジュアルで親しみやすい雰囲気になった気がする、店全体としては「川手料理長と仲間達」と云った感じで、ベクトルがいい方に向かっているなと思った。

 いつも決まったメンバーでテーブルを囲むのもいいが、この日みたいに初対面同士の多いメンバーはとても面白かった、最初の緊張はいい料理ですぐに打ち解けられ、最後には「千年の知己」みたいに変わるもの、新たな刺激を得る事が出来た(笑)。
 楽しいディネでした、参加した皆様、そして「フロリレージュ」スタッフの皆さん、ありがとうございました。

スポンサーサイト

  1. [ edit ]
  2. フランス料理
  3. / trackback:0
  4. / comment:0


 管理者にだけ表示を許可する
 


プロフィール

オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

訪問者

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

« 2017 10  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -