最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」(2014年3月)

 この日は亡母の七回忌の法要だった。
 午前中に四谷の菩提寺で法要を執り行い、集まった身内を連れて食事処にしたのは、ブログではお馴染みの神楽坂のフランス料理「オー・トレーズ・ジュイエ」、タクシーなら1,200円位で行けるので、この日みたいに人数が多い時には近い場所がありがたい。
 和食系ではなくあえてフランス料理にしたのは、母親がこうした料理が好きだったからで、80歳過ぎてもこの手の料理をちゃんと一人前食べていた(笑)。
 あらかじめ佐藤料理長と打合せていたのは、5,000円のおまかせランチ、こちら側の要望は、「参加者は年寄りが多いから、魚&野菜を中心、肉は牛か豚で」とお願いしていた、その意を汲んで、料理長が考えてくれた内容は以下のとおり、シニア向けなので、通常出るメニューとは内容が違うと思う(笑)。

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・ホタルイカと白魚のカクテル、ブロッコリースプラウト、プチトマト、レフォール入りマヨネーズ

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・墨イカとオマールをホワイトアスパラガスと合わせて、カシスのソース

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・パースニップのロースト、フォアグラクリーム、パセリのピュレ

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・青森産桜マスのポワレ、ハモンセラーノとピメンデスプレッドで煮た白インゲン豆、原木椎茸、ピメントピキージョ、ルッコラセルバチカ

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・北海道熟成短角牛のロースト、季節の野菜

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・桜色のデセール(桜のペーストのティラミス、苺、ピンクグレープフルーツのジュレ)

 ワインも白(フレンチ・バスク)、赤(イタリア・バルバレスコ)を料理長に選んでもらった。
 料理はこちらの要望通りに、野菜中心で考えてくれてありがたかった、中でも面白かったのがパースニップ、以前「フロリレージュ」でもガルニとして出たが、今回は一品料理、これは「サトウニンジン」の別名があり、形は人参に似たセリ科の根菜、独特の甘みがありフランスではポトフ等に使われるらしい、これは火を入れて美味しく可塑性があり、これから注目される食材だと思う。
 桜マスは一度ポワレした皮付きの身を、レモン風味のフォン・ド・カナールで軽く煮た手の込んだもの。熟成短角牛は、レストラン専門の卸食肉業者からいい状態の物が入手できたので使ったとの事だ、サーロインの部位になるそうだが、黒毛和牛とは違い噛んで旨味の判る肉質、個人的には黒毛よりこちらの方を採りたい。
 

 私自身も最近はこうした野菜中心の料理に惹かれる事が多くなった、それだけ歳を取ったと云う事だろう(笑)、パテ→フォアグラ→肉→チョコレート&クリーム系デザート、こうした構成の料理はもう厳しくなりつつある、やはり日本人はフランス人にはなれないと判った(笑)。それでも最近日本人料理人が世界的に認められているのは、それとは逆の行き方の、繊細な味覚で勝負できる環境になったから、つまり世界的な健康志向から、ヘルシーな料理が求められている事と大いに関係があると思う。

 母が死んで6年、前回同じメンバーが集った三回忌には「次の七回忌には、誰がいなくなっているか?」と憎まれ口を叩いた人がいたが、この日は無事に?皆が集る事が出来た、次の十三回忌にこの全員が無事でいられるかとなると、多分無理だと思うが(笑)。
 子供は親が死んだ後も、どこかで親の視線を背中に感じているものだ、今はもう彼岸へ旅立った父親・母親の、期待に違わない生き方が出来ているとはとても思えないが(笑)、こうした素敵なフランス料理が、自分の財布で食べられる位には、何とか生きて来られたので、それで十分と思う事にしたい(笑)。

 佐藤料理長、色々とお気遣いありがとうございました、もし母が生きていたら、この料理を食べさせたかったです、きっと「美味しい」と喜んでくれだ事でしょう。
 

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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