最後の晩餐にはまだ早い


北千住「ライカノ」

 久住昌之原作、谷口ジロー画のコミック「孤独のグルメ」は、ブックオフの立読み?で見た事あるが(笑)、テレビ東京で実写ドラマ化され放映していた事は去年まで知らなかった。知人から「面白いから一度見てみろ」とは言われていたが、放送時間帯が深夜で且つ我家には録画する機器がないため(笑)、その機会がなかった。ところが、昨年大晦日から今年の正月三が日にかけて、昼間の時間帯にテレビ東京系列のBSジャパンで一挙再放送されたため、全編は無理ながらかなりの部分を見る事が出来た、そして見事にハマってしまった(笑)。
 物語は主人公の井之頭五郎が、仕事の合間に独りで立ち寄る飲食店で料理を食べる、ただひたすらに食べると云う単純なストーリーだが、何処かペーソスと食文化へのアイロニーも感じさせて大変に面白かった。これは主役を演じた俳優松重豊のキャラクターに負う処が大きいと思う、舞台出身の人みたいだが、表情をあまり変えずにただ黙々と料理を口に運ぶ演技?は実に味がある、人が物を食べる姿は決して美しく見えないが、彼はそれを逆手に取って見る側を圧倒する、「快優の怪演技」と云っていいだろう(笑)。

 この「孤独のグルメ」に出て来るのは実在の店だ、それも高級店ではなく庶民的な店が多いのが特徴。主人公の見事な食べっぷりに惹かれ、どこかを訪れてみたくなった(笑)。
 調べてみると我家から一番近いのは、北千住のタイ料理「ライカノ」で、天気の良い日に遠路チャリを飛ばして行ってみた。

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 店はJR北千住駅西口を出て、足立都税事務所や一部が移転して来た東京芸大校舎へ向かう途中にある。この界隈は以前ディープ極まりない飲み屋街だったが、若者の増加により急激に変わりつつあり、店の近くには洒落たイタリア料理店も出来ていた。

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 平日11時半の開店直後だったが、既に5割の入りでこの後も次々と来店、噂どおり人気の店だ。メニューが豊富で何を選ぼうか迷うのだが、初回なので無難そうな「豚のレッドカレー」をセット(995円税別)で注文する事にした。

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・磨き込まれた銀のコップに入った水

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・タイ風春雨サラダ

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・白菜スープ

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・レッドカレー

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・デザート(タピオカココナツミルク)

 注文後に直ぐ出てきた春雨サラダは、タイでは「ヤム・ウン・セン」と呼ぶそうで、通常ナンプラーとレモン果汁で味付けする、これは「酢の物」みたいで日本人の味覚に合う。次の白菜スープは一見何気ない物だが、海老の出汁みたいでとても上品な風味を感じ美味しい。
 主役のレッドカレーが運ばれてきた、インド料理店と同じで料理の出は早い、これは料理が仕込み中心で、その場での二次調理時間が少ないという事だろう。ご飯は期待していたタイ米ではなく日本米、場所柄仕方ないのかも知れないが、これはちょっと残念だった。
 肝心のカレーの味は、見かけ辛いかな?と思った割には意外とそうでもなかった、砕いたピーナッツ?の風味と豚ひき肉がベースで、そこへ辛味と酸味と甘味が加わる。全体的に塩分が強くて「塩辛い」と感じてしまったが、滅多に食べないタイ料理なので、これがベーシックなのかこの店独自の味なのかは不明。
 デザートは「おまけ」みたいな物で普通でした(笑)。

 WEB情報によると、この店は脱サラした元セールスマンのオーナーが、タイ出身の妻と20年前に此の地に開業し、タイ人料理人が調理にあたっているそうだ、早くから雑誌等マスメディアで紹介され人気店になった。店内はタイの民芸品や写真、この店を訪れた著名人のサインを飾っている、期待どおり松重豊氏のサインもあった(笑)。
 まだ「エスニック」と云う言葉が一般的でなかった時代から、都心ではなく下町のこの地で、あまり日本人には馴染がなかったタイ料理店を続けて来たのには、相当苦労もあっただろうと想像する。

 もし近くに来る事あれば、また寄ってみたいと思う、スープが印象に残ったので、次はタイ風のスープ麺も食べてみたい。この店は一人で行っても料理の出が早く、待たされないので「孤独のグルメ」を気取るのに向いている(笑)。
 北千住は再開発が進んでいるし若い人も増えている、これから面白いと思う、今後出店を考えている料理人は、候補にしていい街だ。
 

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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