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最後の晩餐にはまだ早い


南千住「パスティチェリア・バール・アルテ」(2014年6月)

 SNSのおかげで何人かの料理人と親しくなる事が出来た、店へ食べに行くだけではなかなか「親しく」なるまでには時間がかかるもの、その点ブログやSNS等で現在を発信していると、お互いが判ってくるものだ。私は人見知りが激しいし、電話で話すのもあまり得意ではないのでありがたい事だ。
 今回はそうして親しくなった大阪の料理人が東京にやって来る事になり、「何処かでご一緒しましょう」との話しをしていたが、「東京で行ってみたい店」を聞いたらこれが意外にも、東京でも一番ディープな場所である台東区清川、通称山谷にあるイタリア料理店「パスティチェリア・バール・アルテ」だった。

 私を含めてプロの料理人でない只食べるだけの人間が店を選ぶ場合、店の評判や話題性、料理人の経歴やマスコミの登場頻度等、主に外形部分で決めがちだ、ところがプロになるとそれも全くないと言えないが、まずは料理のクオリティ、そしてそれを値段は幾らで、どんな箱(店)で出すのかと言った、もっと実質的な眼で判断する、今回来る料理人も私のブログを見て、まず行ってみたい店と思ったそうだ、東京人だと「山谷」と聞くとネガティブなイメージを持つが、それをあまり知らない大阪人だから、かえって料理だけの本質が見えたのだと思う。

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 この店は何時もランチタイムに訪れていたので夜は初めて、どんな料理が出るのが私も楽しみだった。
 地下鉄南千住駅で待ち合わせ、歩いて店へ向かうが、途中の外国人向けドミトリーホテルの値段や、この山谷界隈が舞台になった漫画「あしたのジョー」話で盛り上がった(笑)。
 入店後、相越料理長と奥様に挨拶し着席、スプマンテで乾杯し下町イタリアンのディナーが始まったが、今回は全て料理長に「おまかせ」のメニューで、出てきたのは以下の料理、

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・トマトのゼリー(ジェラティーナ)

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・自家製生ハムとトマト、モッツァレッラのインサラータ

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・北部ヴェネトの自然派Angiolino Mauleの「ラ・ビアンカーラ サッサイア」

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・馬肉のカルパッチョ、トレヴィスとパルミジャーノ

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・穴子のロートロ

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・自家製ボッタルガと季節の野菜のスタランゴッツィ

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・アイスランド産仔羊のパナダス

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・ドルチェ三種(ホエーと苺のジェラート、抹茶のティラミス)

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・小菓子

 料理の感想を先に述べると、料理長の印象と同じく骨太で男気のある料理、「こんな料理が食べたかった」と、思わず自分の膝を打ちたくなる(笑)。青山や銀座の高級店で、黒服のサービスが恭しく運んで来る、鳥の餌みたいな少量イタリアンとは対極的なもの、イタリアに行った事の無い私があえて言わせてもらえば、「これぞイタリア料理だ」と言いたくなった(笑)。 
 イタリア料理の表記はフランス料理とは違うので、料理長が説明してくれたが、「穴子のロートロ」とは本来は鰻の料理を応用したもので、リゾットを巻いた穴子を一度蒸してから、フォン・ド・ヴォーとバルサミコを詰めたソースを塗りバーナーで焼いたもの、簡単に云うと蒲焼だ(笑)。
 「スタランゴッツィ」はウンブリア地方の饂飩状のパスタ。肉調理の「パナダス」はフランス料理なら「アン・クルート」だが、これはサルデーニャ料理だそうで、ラード入りのセモリナ粉のパイ生地を使うのが特徴、勿論パイ生地も自家製。
 この日の料理中、生ハム、ボッタルガ、生パスタ、パイ生地(使うラードも)、勿論の事ドルチェ類も全て自家製だ。この料理人はまず自分で作ってみない事には気が済まないみたいで、その点では大阪・上本町のフランス料理「コーイン」の料理人と似ている(笑)。

 相越料理長は調理師学校を出ている訳でなく、特定の師を持たない独学派、料理は殆ど本によって修得したそうだ、それでこの料理が作れるのだから凄い、この点では八丁堀「シック・プッテートル」の料理人とも似ている。
 店内サービスは「谷間の百合」いや「山谷の百合」みたいな清楚で優しい奥様が担当するが、男性客(多分女性客も)ならハートを鷲掴みされる事間違いない(笑)。
 これだけ手間をかけた料理に、スプマンテ、白ワイン1本、赤のカラフワインを飲んで一人7千円台、都心では考えられない値段だ。
 日本には、あまり知られていないこうした凄い才能の料理人が、まだ何処かに潜んでいるのかも知れない。

 ディープな下町で食卓も濃い話になった(笑)、もう少し若くて財布が厚かったら近くの𠮷原にでも繰り出したい処だが、枯れた中年男組はトボトボと泪橋交差点を歩くのが一番似合うみたいだ(笑)。
 相越料理長ご夫妻、素敵な夜を提供いただきありがとうございました。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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