最後の晩餐にはまだ早い


神楽坂「オー・トレーズ・ジュイエ」(2014年8月)

 2011年12月から始めたこのブログだが、最初の頃はアクセス数も悲惨な状態で見る気も起きなかった(笑)、「どうせ誰も読んでいないだろう」と、レストランレポでも適当な料理名を書いていたが、それが最近ではアクセス数も増え、特に料理人やグルメブロガー、調理師学校の先生など料理業界の方が多く読まれているみたいなので、ありがたい反面「迂闊な事は書けない」と毎回緊張する事しきりだ(笑)。
 このブログがきっかけとなって食仲間も出来、実際にレストランでテーブルを同席する機会も増えた、私は元来人見知りが激しく出不精な人間なので、ブログやSNSをやっていなかったら、多分「孤独のグルメ」だったと思う(笑)、その点ではブログをやっていて良かったと思うし、「継続は力なり」の言葉を思い知った。

 今回も私のブログがきっかけで知己になった関西在住のグルメな方が東京に来る事になり、「何処かでディナーをご一緒しましょう」との話になったのだが、「東京では何処へ行きたいですか?」と訊いた処、神楽坂のフランス料理店「オー・トレーズ・ジュイエ」の名前が出た、私のブログを読んで興味を惹かれたそうで、やはりベテラングルメはしっかり見ている、店が有名か否かはあまり気にせず本質だけが見える人はいるのだ。関西でも知られた在京有名店ではなく、この店や山谷の「アルテ」へ行きたいと言われると、「おぬし、出来るな」と私も嬉しくなる(笑)。
 さっそく予約時佐藤料理長に「大事なお客さんなので、相当気合を入れる様に」と脅かし、「ブルターニュ産仔牛が食べたいのだけれど・・」と、これは私の無理な希望を伝えてしまった(笑)、以前に池尻大橋「オギノ」でこの仔牛を食べ、佐藤料理長ならどんな料理にするか興味があり頼んだのだが、嫌な注文を無理して揃えてくれた、まずはそれを含めて当日の料理から、

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・稲藁で燻したスモークサーモン、スイカの皮と黒胡椒のジャム、コンテチーズ、パパイヤのクーリ

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・真イカと鶏肉のインヴォルティーニ、枝豆&バルサミコのメレンゲ

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・冬瓜の冷たいスープ、茄子のキャビア、松の実

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・イナダ、鶏レバー、インカのめざめのマルミタコ

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・金目鯛と白貝のカルツォーネ

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・ブルターニュ産仔牛ロース、カシスオレンジのソース、ガルバンゾのピューレ

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・ピナコラーダ

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・メロンとプラリネ、レモンケーキ

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・焼ホワイトチョコ、冷凍デラウェア
・アンフィージョン

 ノルウェー産サーモンは店で稲藁を使ってスモーク、上にはコンテチーズでスイカジャムの甘味が面白い。「インヴォルティーニ」は本来イタリアの煮込料理だが上手く前菜に変化させている、冬瓜は和食の椀物みたいな印象、「マルミタコ」は元はスペインの鮪料理で、それを鯔(イナダ)とキタアカリを使ってフランス風に優しい料理にしている、金目鯛の料理もイタリア的だが、上質な食材と的確な調理が感じられた。
 そして問題の仔牛だが、この火入れは「オギノ」より本場ブルターニュの「オーベルジュ・ブルトン」で食べた仔牛に近く、割と強めに入れたもの、この方が仔牛の特徴が生きる気がする。料理長が「パルメザンチーズみたいな匂いがします」と云ったが、そのとおり濃厚な乳の香りが感じられた。
 デセールは無難な出来で、安心して美味しいと思えるものだった。

 面白かったのが隣席の年配女性客二人、料理長との会話が聞こえてしまったのだが、福岡から上京して日本橋にある超高級ホテルに宿泊、タクシーでこの店に来たそうだ。「美味しい、この店に来て良かった」と二人で話していたが、私は思わず「どうしてこの店を知ったのですか?」と訊きたい衝動を抑えていた(笑)。日本橋から銀座にかけては星の数ほど飲食店があるが、あえてそれを外して、まだマスコミへの露出度の少ないこの店に来た理由が知りたかった、まさか「このブログで知りました」ではないと思うのだが(笑)。
 この店初訪問の友人の感想を聞いたが、「全体に甘味をアクセントにしている、一皿の量はもう少し食べたいなと思わせる処で次の料理になるので、なかなかいい食後感を残す。粗削りな部分もあるが、この値段でこれだけの料理を出すのは立派、料理とワインとの相性を真剣に考えているし、いい店を紹介してもらった。」とのお褒めの言葉をいただいたので、案内役の私も安心した(笑)。
 私自身も、以前よリ料理から余計な物が取れシンプルになって、本質がよく見えるようになったと感じた。

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 佐藤料理長、我儘な注文に対応していただきありがとうございました、この次は何をお願いしようかと今から考えていますので、その時は宜しく願います(笑)。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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