最後の晩餐にはまだ早い


最後の白飯

 近所のスーパーへ行ってみると、もう新米(平成26年産米)が売り出されていた、それも九州産ではなく千葉県産、何か昔より一ヶ月位早くなった気がする、品種改良によるものなのか、それとも地球温暖化の影響なのだろうか?(笑)。いずれにしても炊立ての温かい新米が食べられる幸せは何よりも替えがたいもの、私自身も年齢を重ねる毎に米の美味しさへの理解が増している、これは炊飯器が進歩していると云う実質的な面も大きいが(笑)。

 今回はこの「ご飯」の話を。
 現在正式な和食では、料理は一品ずつ出て最後にご版が出る献立が一般的だ、ただ旅館などでは省力化のためなのか、卓上に一度に全ての料理とご飯が出る事がある、特に外国人は後者の場合、「何からどの順番で食べるべきなのか、頭が混乱する」人もいると聞く(笑)。
 この「最後にご飯が出る」献立は歴史的には割と新しいそうだ、正式な茶懐石では最初に炊立ての白飯が出る、更に現在の会席料理の原型になった本膳料理は旅館料理に近く食べ切れない程の料理が並べられた。はっきりとした時期は不明だが、現在のスタイルは明治以降に関西で確立され、それが関東大震災以降に東京に伝達したものではないかと、何かの本で読んだ記憶がある。
 いずれにしても最後のご飯は糖質摂取による満腹感をもたらすので、その意味では「デザート」と似ていると思う(笑)。

 この締めのご飯だが、店によって白飯と炊込み御飯に別れると思う、私自身だと以前は炊込み支持派だったが最近は白飯派に転向した、それだけ身体がシンプルなものを好む様になった、要は歳をとったという事だ(笑)。
 過去に記憶に残り、記録に留めておいた白飯の中から、特に印象的なものを以下に紹介したい。

     140918-1大原
・四谷荒木町「大原」
 先日訪れたばかりの新鋭和食店の白飯、米は新潟出身店主の親戚農家から直接送ってもらうコシヒカリとの事、関西の和食店より少し固めに炊いてあった、店主の話では新潟ではもっと固めに炊き歯応えを楽しむそうだ、鍋は通販で売っているみたいな(笑)黒く丸いご飯用土鍋だった。

     140918-2岩さき
・京都釜座「岩さき」
 京都・烏丸御池近くの正統派人気和食店の白飯、店主の実家が農家をしていて、そこから直接送られる丹波米だったと思う、鍋は一部の土鍋マニア?に知られている、信楽の中川一辺陶(これ凄く高い)の物だった、京都なので炊き方は柔らか目で、二杯目の「おこげ」が特に美味しかった(笑)。

     140918-3本湖月
・大阪道頓堀「本湖月」
 大阪の和食と云えば名前が上がるこの店、訪れたのはかなり前だが画像が残っていた、料理の記憶はあまり残っていないのだが(笑)、ご飯の記憶はある。新潟魚沼産のコシヒカリだったと思う、カウンターではなく座敷だったので和服の仲居さんが給仕してくれて、「元はシチュー鍋です」と云っていた変わった形の土鍋で炊いていた。

        140918-4ゆうの
・大阪西心斎橋「ゆうの」
 これも名前の知られた浪速割烹「喜川」出身の料理人の店、ご飯の盛りが一番上品?な気がする(笑)、此処も魚沼産コシヒカリを使用し、鍋もご飯専用土鍋だったと記憶している。

     140918-5招福楼
・滋賀八日市「招福楼」
 真打登場はこれ、吟味した地元の近江米を小さな銅製の専用釜で炊いていた、味と香り、そして給仕してくれた仲居さんが美人だった事まで鮮やかに覚えている(笑)、先代女将のまったりとした接客も素晴らしかった。やはり「最後の晩餐」はこの店しか考えられない(笑)。

 こうした名店の白飯画像を並べて気付いたが、白いご飯は被写体として実に難しい、特に夜は照明で撥ねてしまい米の粒が表現できない、まだまだ修行が足らない様だ。作家は「女と食べ物が(上手く)書ければ一人前」だそうだが、グルメブロガーは「白飯とリエーブル・ア・ラ・ロワイヤルが上手く撮れれば(書ければ)一人前」なのかも知れない(笑)。


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  2. 日本料理
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  4. / comment:2

  1. [ 編集 ]
  2. 2014/09/19(金) 17:01:45 |
  3. URL |
  4. トミー★
岩さきさんは唐津の中川自然坊ではなく信楽の中川一辺陶さんではなかったかな。
お米も確かご主人のご実家の丹波米だったような。。。

Re: タイトルなし

  1. [ 編集 ]
  2. 2014/09/21(日) 11:48:18 |
  3. URL |
  4. オンクレ・トシ
トミーさん
ご指摘ありがとうございます。
相当前の話なので、記憶が不正確でした。
訂正しておきます。

> 岩さきさんは唐津の中川自然坊ではなく信楽の中川一辺陶さんではなかったかな。
> お米も確かご主人のご実家の丹波米だったような。。。

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オンクレ・トシ

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一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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