最後の晩餐にはまだ早い


西20丁目「リアン」(2014札幌食べ続け②)

 2014年札幌フレンチ食べ続けは、西20丁目にある「リアン‘lien’」から始める事にした。この店は去年食べ続け最後に訪れていて、若い料理人の料理に将来性を感じたので、それが一年経ってどう変わっているか、変わっていないかの確認がしてみたく、今回最初の訪問店にした。
 食仲間とよく話をするのだが、「来て良かった店」と「また訪れたい店」は違うと思う、例えばかつて訪れたフランスの三ツ星店は殆どが前者だった。一方「また来てみたい」と思うのは、今は発展途上でもこれからもっと良くなりそうな可能性を感じる店で、私も以前は「今良さそうな店」ばかり選んでいたが、最近は殆どが後者の若手料理人の店に行く事が多くなった。
 そろそろ自分の残り時間を考え、これからは若い料理人達に「昔のフランス料理はこんなに旨かった」と、嫌味を言える年寄りになった方がいいのではないか、結果それが何かの役に立ちそうな気がしている(笑)。店には迷惑だろうが「出禁グルメ老人」これこそ私が憧れる境地だ(笑)。

 この「リアン」がある界隈の雰囲気は夜になると急に寂しくなる、反面周りが静かなので料理に集中出来る環境とも言えそう、これは東京の繁華街ではなかなか得られないものだ。
 18時半に入店、料理長夫妻に挨拶して昨年と同じカウンター席に座らせてもらった、店の雰囲気は夜という事もあるが少し変わりアダルト感が増した、狭い店内ながら上手く工夫していて落ち着いて食事が楽しめる。
 まずはこの日の料理を紹介したい、主に北海道食材を使用しているとの事だ。

・ハイビスカスとローズヒップティー(画像なし)

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・フォアグラのバターサンド

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・秋刀魚のテリーヌ2014ver.とスモーク、肝と焼茄子のクーリー

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・喜茂別町からの南瓜2種(雪化粧のピュレと素麺南瓜、イカソーメンとキャビア)

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・アナゴとフォアグラのオムニエール、サマートリュフ

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・キノコのコンソメ、パイ包み焼き

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・牡丹海老と蝦夷鮑のフリカッセ 人参と牡丹海老のソース

・白桃のソルベ 生姜のグラニテのアクセント(画像なし)

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・ボーヤファーム仔羊のロニョナード(背肉とロニョン)

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・同 トリップのトマト煮と内蔵のソーシソン

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・栗のシブースト、梨のソルベ

・‘mighty Leaf’のハーブティー‘ORGANIC AFRICAN NECTAR’

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・焼き芋風スイートポテト

 フォアグラサンドは錫製の薄板に包んであり客はそれを広げて食べる、これはなかなか面白いアイディアだ。秋刀魚のテリーヌは去年特に感心した料理だが、今回更にバージョンアップしていた(笑)、身の歯応えを残しクセのある肝を焼き茄子と合わせ柔らかくしソースにすると云う、なかなか完成度の高い一品だった。
 素麺南瓜とイカソーメンは文字どおり洒落(笑)、身の締った道産穴子でフォアグラを巻いた料理は食感と香りがいい、コンソメ料理はボキューズ風、これはコンソメ自体が悪かったら如何しようもない料理になるが、さすがホテル出身だけあって間違えていない、味わい深いコンソメだった。
 次の海老と鮑も道産ならではの食材を生かして秀逸だが、サマートリュフは必要なかったと思う。そして肉料理は今回食べたいと思っていた池田町ボーヤファームの仔羊を二種の料理で提供する、羊は成長して個体が大きくなりシーズンは終わりに近いそうだが、しっかりした肉質を生かす的確な調理で楽しめた、これは北海道が誇れる食材だと思う。
 デセールも季節を先取り、繊細な美味しさだった。

 昼と夜の料理を単純に比べるべきではないと思うが、それでも全体的にクオリティはUPしているし、一皿毎の主張も明確になって来たと感じた。
 和服を着せ刀を脇に差したら坂本龍馬に似ていそうな(笑)木下料理長は1978年生れ、東京なら「フロリレージュ」川手、「ル・ジュー・ドゥ・ラシェット」高橋両料理長とは同世代の料理人だ、作る料理も彼等に共通する若さと才能そして遊び心が感じられる。ただ両人が多人数の厨房で料理を作るのに比べ、この店は一人それも狭い調理スペースなので制約はかなりある筈だ、もし満席になったとしてもこの日の料理クオリティが維持出来れば、更なる人気店になって行くと思う。あえて言えば料理は脱札幌的で東京的洗練さに近いので、これから地元客とどう折り合いをつけていくか、札幌の地域性と自分の個性をどう表現していくのかが課題になると思う。

 ピシッとした髪型と服装できびきびと仕事する明るいマダムの接客には、こちらもつい背筋を伸ばしたくなる(笑)、PARISでも東京でも昔に比べてマダムの存在価値が薄れている気がするが、札幌ではまだレストランには欠かす事の出来ない存在、この後に訪れるどの店でもそれを感じた。 
 此処は「また訪れたい店」だ、出禁客にされるまでは「どう変わって行くか」見届けたいものだ(笑)

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
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