最後の晩餐にはまだ早い


御茶ノ水「ビストロ・ヌー」(2014年12月)

 平日休みのこの日、何処かでランチと思ったが、当日予約なしで利用可能で且つ電車賃もそうかからず、財布の減りもあまり気にならない店(笑)となると、どうしても限られてしまう。
 新規店開発も考えたが外すのも嫌なので、結局はこのブログでもお馴染みの秋葉原(末広町)のフランス料理「ビストロ・ヌー」へ行く事にした、あそこなら平日昼なら開店直後なら飛込みでもまず大丈夫な筈だ(笑)。

 いつものとおり千代田線の湯島駅から歩いて行くが、土日の秋葉原は若い人達と外国人で「魔界」みたいな雰囲気だが、平日の午前中は様相をガラリと変え、ビジネスマン達の街になる。開店時間前に着いてしまったので近所を歩いてみたが、午前中は配送のトラックばかりが目立った。
 「ビストロ・ヌー」の場所は昌平橋通りに面していて、この界隈は昔電気製品の問屋が多かった。現在はメイド喫茶にカレーハウス、ラーメン店と云った秋葉原名物の雑多な飲食店が増えている、その中にフランス料理店があるのは少々異質だが、元々このテナントは現店主の母親がやっていた喫茶店なので、同類の店がこれから出現するのかどうかは、開店3年目のこの店の成功如何によるかも知れない。

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 入店後、いつもの様にカウンター席の一番奥に座る、ここなら目の前の料理人と話がしやすいからだが、忙しいと多々迷惑かも知れないが(笑)。
 現在は磯貝料理長の他は女性アルバイト?が手伝っている、一時はワンオペレーションの日もあったが、「アルドアック」みたいにカウンター席だけの店ならともかく、椅子席も備えた店内を一人で対応するのは相当キツかった筈だ、飲食人材難の現在はアルバイトでも確保できればよしと思うべきなのだろう。

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 ランチメニューは1,620円(税込)、デザートを加えても1,960円と云う低廉さは変わらず、食材料高騰の中これでやっていけるのは、テナント代が固定費に含まれないからだろう、あとは中身だ(笑)。
 この日はプラス料金の料理に魅力的なものがあったので、肉+肉と云う変則的な選択をしてしまった。

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・近くにある三井製パン舗のカンパーニュと自家製リエット

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・ジビエのパテ(+540円)

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・Jean-Philippe Marchand のAOCピノ・ノワール2010(グラス税別935円)

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・ニュージーランド産仔羊のロティ(+1,080円)

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・フランボワーズのマカロン

 パンに添えられたのが自家製リエットで、バター不足の中でこれを出す店が増えている、この店は割と軽い味わいのリエットだ。
 ジビエのパテは鹿肉を主体にしたもの、これも見かけより軽い味わいだったが練肉の旨味は感じ、伝統料理を現代に上手くリファインさせている。続く仔羊は骨付きの背肉(キャレ)をフライパンでアロゼしながら焼いた後にコンベクションオーブンで火入れしたもの、ソースはフォンドヴォーがベースだそうだが、これが美味しかった。やはり羊料理はこの骨付き焼きがベストではないか?アセゾネ(味付け)もキュイッソン(火入れ)も文句なし、ベタなビストロでも出る定番料理ながら、それを新感覚な軽やかさで仕上げるこの若い料理人は、非凡なものを持っていると思う。
 デセールの自家製マカロン自体は美味しいが、料理に比べると迫力不足で、これは明らかに選択ミスだった(笑)。

 秋葉原ランチで4,000円オーバーはたしかに高額な支払だが、クオリティを考えれば十分納得。この日は店内が空いていたので、磯貝氏と店のロケーション話になったのだが、「秋葉原のフレンチ」と聞くと皆は怪しげな店か?とも思うみたいで(笑)、「御茶ノ水のフレンチ」と言う様にしているとの事、成程それはありかも知れない、このブログでも今後は「御茶ノ水『ビストロ・ヌー』」と表記する事にしたい(笑)。
 もちろん怪しいフレンチでは無く、まともで美味しいフランス料理が食べられる店です(笑)。

 オーディオ少年だった私にとって、秋葉原は第二の故郷みたいな場所、電気の街からマニア系の街に変わり、若い人達ばかりになっても訪れると懐かしく、「あの頃」に戻れる街だ、この特異な場所でフランス料理店を営むのは難しい面も多いだろうが、続いて欲しいと思うし、これからも通いたい店だ。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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