最後の晩餐にはまだ早い


梅島「手打蕎麦 本郷」

 だいぶ前の話になるが、有名調理師学校の教員の方と話す機会があり、以前から知りたかった事を訊いたのだが、それは、
「定年退職後に調理師学校に入り、卒業して飲食店を開業する人がいるが、成功するものなのでしょうか?」で、実はこれ私自身が進路の一つとして考えていたので、ぜひ知りたい事だった(笑)、その方の答えでは、
「あまり成功例は聞かないが、蕎麦屋なら実例がある」との事だった。その後私も成長?し、若手料理人の料理を体験する機会も増え、何かを作る行為は何かを破壊する事でもあるので、若いエネルギーに敵う訳がない事を悟った(笑)、退職後の余暇でお金を稼げるほど世の中は甘くない。
 それでも自分が今より若く、体力ももっとあったなら、脱サラしてラーメン屋か蕎麦屋をやってみたかったなとの未練が今でもあるが(笑)。

 この日初訪問したのは、東武伊勢崎線梅島駅近くにある「手打蕎麦 本郷」だが、WEB情報によると店主は脱サラしてプロの蕎麦職人になったそうだ、以前にブログで紹介した、綾瀬「重吉」の店主も元ミュージシャンだし、やはり転職するなら蕎麦が狙い目なのかも知れない、こう言っては失礼ながら、構成要素が単純で入り易いし、極めようとすれば奥が深い、設備投資もフレンチやイタリアン程にはかからないだろうから、減価償却も長期間でなくて済む、志があって場所に恵まれれば「当たる」可能性はあるかも知れない、ただこればかりはやってみないと判らないと付け加えておくが(笑)。

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 「本郷」の場所は梅島駅から環七へ向かって歩き、最初の道を右折してすぐ、11時半の開店時間に合わせて行ったのだが、まだ開いていなかったので、少し離れた場所で待機?していたら。中から店主らしき男性が現れ、暖簾を架けたので挨拶して入店した。外から見る店構えはなかなかいい、美味しい蕎麦が食べられそうな雰囲気はある。
 店内は15~6席位か、入口近くには個室的な小上がりもある、2人用の席に座ったら、厨房からアンジェラ・アキ風の眼鏡をかけた女性がお茶を持って現れた、この方が店主の奥さんだろうか?

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 単品蕎麦もあるが、初回なので無難に昼定食にする事に、三種類あるうちから「天丼ともり蕎麦」のセットをお願いした、蕎麦は温かい「かけ」も選べるが、今回は蕎麦の傾向が判り易い冷蕎麦で注文した。

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 少々暗くて写真の写りが悪いのだが、店内には蕎麦を挽く電動石臼が備えられている、と云う事は自家製粉&手打ちなのは間違いないだろう。

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 暫くして運ばれて来たのが画像の中身で、もり蕎麦、小天丼、漬物、小鉢(大根とささ身の和え物)、白玉小豆。

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 まずは肝心の蕎麦だが、色は少し緑色がかった灰色でそれ程細打ちではない、一本啜ってみると、ちゃんと蕎麦の香りがする、おそらくは二八(蕎麦8:小麦2)だと思う、加水は少な目で喉ごしは少し引っかかる感じだ、「とんでもなく美味しい」と云うレベルでなく、どこか下町風で親しみ易くホッとする美味しさだ。蕎麦の量は少な目、それに合わせたのかツユも少ないが、辛口で山葵も練りではない。

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 天丼は、胡麻油でカラっと揚げた黒っぽい蕎麦屋風の天ぷらではなく、お惣菜的な天ぷら、これも下町風で私は嫌いではない、ご飯も美味しいしあっと言う間に食べてしまった(笑)。

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 白玉小豆は一口だが、これがあるとやっぱり嬉しい(笑)。

 これで税込800円は格安だと思う、有名蕎麦屋ならもり蕎麦1枚分だ(笑)。何でも以前は840円だったが値段を下げたそうで、食材料高騰の中でこの心意気は偉い、それだけでも応援したくなるが(笑)、味も立派なものだ。
 わざわざ電車賃をかけてまで行く店か?と聞かれると答えが難しいが、この近くに用事があったら寄ってみる事をお勧めしたい、特にランチは狙い目だ。なお近くにはこれもブログで紹介した、担々麺で知られる「ふうりゅう」があるので、胃袋に自信のある人は連食も可能(笑)。

 過去ブログで紹介してきた、綾瀬「重吉」、大谷田「蕎」、五反野「そば遊膳とりい」等我家から自転車で行ける範囲には、探せば結構いい蕎麦屋があるが、完全退職後はこうした店を順番で回るのもいいかなと考えている、毎日フレンチを食べるよりは、きっと細く長く生きられる筈だ(笑)。

 次回のブログ更新は、年末恒例の「今年印象に残った店」を発表します。

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オンクレ・トシ

Author:オンクレ・トシ
一般的に云う「グルメブログ」ではありません、店の点数評価等はしません。食の現場に集まる「人」を描きたいと思っています、もし読んで何か不快になる事があったとしたら、筆者の表現不足によるものでしょう。
出没地域は地元の東京足立・葛飾周辺、上野、秋葉原、たまに表参道、麻布十番等。
混雑電車が苦手なのと現在失業中によりランチ行脚がメインです。更新は週2回が目標。
ブログの品位を維持するため、コメント欄は承認制にしています。

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